中国知的財産支援ブログ

中国でのビジネスを進める方に、知的財産の観点からとっておきの情報を提供します。

2010年12月

特許権(技術移転の注意2)

中国の知的財産権(特許権など)について、日本や米国の法律などと比較しながら説明します。

 

本から中国へ技術移転を行う時の注意点の続きです。

 

昨日は、技術輸出入管理条例のことを話しましたが、中国には契約法という法律もあります。

契約法の3532項では、当事者が合意した場合を除くとあり、契約時に特約事項を付けておけば、譲渡人の責任が回避されるように読み取れます。

 

中国契約法 第353条 譲受人が約定に従い特許を実施し、ノウハウを使用し他人の合法的権益を侵害した場合は、譲渡人が責任を負う。

ただし、当事者が合意をした場合を除く。

契約法353条

では、契約法と、技術輸出入管理条例とは、どちらが優先されるのでしょうか?

契約法の355条によって、特別法である技術輸出入管理条例の規定されるようです。

つまり、技術移転時には、その技術を使った商品が第三者の権利侵害をしていないかどうかを注意する必要があります。

特に、中国では無審査で登録される実用新案権を無効で消滅させにくい事情があり、日本では権利化されないような知的財産権が存在する可能性があるため注意が必要です。

中国契約法 第355条 法律・行政法規に技術輸出入契約または特許、特許申請契約に関して規定を設けている場合は、その規定に従う。

契約法355条
 

      なお、中国の法律の日本語訳は、個人的な見解に基づくものであり、大凡の意味を理解するのに使ってください(厳密な解釈には十分注意してください)

特許権(技術移転の注意1)

中国の知的財産権(特許権など)について、日本や米国の法律などと比較しながら説明します。

 

本から中国へ技術移転を行う時の注意点を紹介します。

技術輸出入管理条例というのがあって、243項では、譲渡人(日本企業)が提供した技術を使用して、譲受人(中国企業)が他人の合法的権益(例えば特許権)を侵害する場合、その責任は譲渡人(日本企業)が負うことになっています。

 

中国技術輸出入管理条例 第24条 技術輸入契約の譲渡人は、自分が提供した技術の適法な所有者であり、又は譲渡、使用許諾をする権利を有する者であることを保証しなければならない。

技術輸入契約の譲受人が契約に従って譲渡人の技術を使用した結果、第三者に権利侵害で告訴された場合、直ちに譲渡人に通知しなければならない。譲渡人は通知を受けた後、譲受人と協力し、譲受人が受ける不利益を排除しなければならない。

技術輸入契約の譲受人が契約に従って譲渡人が提供した技術を使用した結果、他人の合法的権益を侵害する場合、その責任は譲渡人が負う。

 輸出入管理条例24条

 


      なお、中国の法律の日本語訳は、個人的な見解に基づくものであり、大凡の意味を理解するのに使ってください(厳密な解釈には十分注意してください)

実用新案(実用新型専利)・その10 無審査登録制度

中国の知的財産権(特許権など)について、日本や米国の法律などと比較しながら説明します。

 

中国では、実用新案制度があって、日本と同じように無審査登録制度があると紹介しました。

ただし、日本と違って、出願件数は非常に多く、特許(専利)や、意匠(外観設計専利)と同程度の出願件数があります。

つまり、無審査登録制度を使って、有効に実用新案制度を使っている人が多いということです。

 

無審査登録制度だし、後で無効になったら使えないじゃないか?という疑問があると思います。

日本も、そういった心配があるから、大抵の方が実用新案登録出願を止めて特許出願しているのですからね。

 

ただ、中国では、審査基準の中で、実用新案を無効にする際の引用例は通常2個までというものがあります(審査基準 Part 4Chapter 6Section 4)。

つまり、構成要素が複数あって、それぞれが3つ以上の文献を集めないと構成要件が成立しないような場合には、無効にすることが出来ないというものです。

このため、無審査登録制度の実用新案権を使っても、有効に権利行使出来ることが多いようです。

 

引用例の数は、“通常”2個と言っておりますが、あまりひどい単なる寄せ集め発明の場合には、引用例が3個以上になることもあるそうです。

 

出願時の費用も特許と比べて5万円くらい安くなるみたいなので、活用の余地が未だ未だありそうです。

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