強制実施権
中国の知的財産権(特許権)について、日本や米国の特許法と比較しながら説明します。
先後の発明の依存関係に関する強制実施権(裁定による通常実施権)の規定について説明します。
中国専利法第50条(改正後は51条) 特許権を取得した発明又は実用新案が、先に特許権を取得した発明又は実用新案と比較して、顕著な経済的意義がある重要な技術的進歩があり、その実施が先の発明又は実用新案の実施に依存している場合、国務院特許行政部門は、後の特許権者の請求に基づき、先の発明又は実用新案の実施について強制許諾を与えることができる。
前項の規定により強制許諾を与えた場合、国務院特許行政部門は、先の特許権者の請求に基づき、後の発明又は実用新案の実施についても強制許諾を与えることができる。
※ なお、中国特許法の日本語訳は、個人的な見解に基づくものであり、大凡の意味を理解するのに使ってください(厳密な解釈には十分注意してください)
中国の知的財産権(特許権)について、日本や米国の特許法と比較しながら説明します。
許諾を得ることが出来なかった場合に関する強制実施権(裁定による通常実施権)の規定について説明します。
改正により、単位(機関又は組織)に加えて個人にも強制許諾が与えられるようです。
2009年10月改正後の中国専利法第48条 次に掲げる事情の一に該当するときは、国務院特許行政部門は実施条件を備えている機関又は組織又は個人の請求に基づき、その発明特許又は実用新案特許の実施について強制許諾を与えることができる。
(1)特許権者に特許権が付与された日から3年が満了し、且つ特許出願日から4年が満了し、特許権者が正当な理由なくその特許を実施していない場合又はその実施が不十分な場合。
(2)特許権者が特許権を行使する行為が法により独占行為と認定され、当該行為が競争にもたらす不利な影響を取り除く又は軽減させる場合。
2009年10月改正前の中国専利法第48条 実施条件を備えている機関又は組織が合理的な条件で発明又は実用新案の特許権者にその特許の実施許諾を請求し、合理的な期間内に許諾が得られなかったときには、国務院特許行政部門はその機関又は組織の請求に基づき、その発明特許又は実用新案特許の実施について強制許諾を与えることができる。
※ なお、中国特許法の日本語訳は、個人的な見解に基づくものであり、大凡の意味を理解するのに使ってください(厳密な解釈には十分注意してください)
なお、特許権者の許諾が得られなかったことなどの要件は、改正後専利法54条などに規定されています。
中国の知的財産権(特許権)について、日本や米国の特許法と比較しながら説明します。
公共の利益に関する強制実施権(裁定による通常実施権)の規定について説明します。
第1項では、発明特許の所有者(特許権者)が、国有企業などの場合について規定されています。
第2項では、発明特許の所有者が集団所有制の機関などの場合について規定されています。
でも、2009年10月の改正で、第2項は削除されていました。
中国専利法第14条(注意:改正後は第2項が削除されています) 国有企業の事業機関又は組織の発明特許が、国家の利益又は公共の利益に対して重大な意義を有するときは、国務院の関係主管部門及び省、自治区、直轄市の人民政府は、国務院の許可を得て、許可された範囲内で普及応用させるため、指定する機関又は組織に実施を許諾することを決定でき、これを実施する機関又は組織は国家の規定に基づいて特許権者に実施料を支払う。
中国の集団所有制の機関又は組織及び個人の発明が、国家の利益又は公共の利益に重大な意義を有し、普及応用の必要があるときは、前項の規定を参照して処理する。
※ なお、中国特許法の日本語訳は、個人的な見解に基づくものであり、大凡の意味を理解するのに使ってください(厳密な解釈には十分注意してください)
Nonatake