蜻蛉の一人言

毎日気付いた言、起こった事、得た情報、それを気ままに記して行きます。

2008年03月

人間ぎらい⑤…一人言

そこへアカストとクリタンドルがアルシノエを伴ってやって来る。二人はそれぞれにセリメーヌからの手紙を携えている。
セリメーヌは誰にでも快い返事を返していたのだ。
こうしてクリタンドルとアカストとオロントは、セリメーヌの元から去って行く。
アルシノエはアルセストに最後の忠告を与えようとするが、アルセストはそれを受け付け無い。
アルシノエも去って行く。
アルセストに詫びるセリメーヌ。
それに対するアルセストの答えは「義理を知らない人間とは貴女の事だ。憎めるものなら、憎しみもします。しかし、どんなに躍起となって貴女を憎もうと思っても、僕の心の中には、貴女を憎む覚悟が出来ていないんです。僕は貴女の大それた罪を忘れたいと思います。心の中では、貴女のなさった事を何によらず大目に見る事が出来るでしょう。しかしそれも、一切の人間から離れようとしている僕の計画に同意して下さらなければ駄目です。これから行って住もうと思っている人里離れた所へ、直ぐにも僕と一緒に行く決心をして下さらなければ駄目です。心有る人たちが寄るとさわると貴女を爪弾きしてはいても、僕がなお貴女を愛する事の出来る道はただこれだけです」。
それを拒絶するセリメーヌ。
セリメーヌも去る。
「到る所で裏切った仕向けをされ、さんざ不正な事を仕掛けられた僕は、悪事が時を得顔にばっこしている渦中を離れ、人里離れた場所をこの地上に探し求めて、何の束縛も無く、名誉を重んずる人間として生きるんです」そしてアルセストは去って行く。

人間ぎらい④…一人言

オロント宛の手紙を盾にセリメーヌを責めるアルセスト。
最初はのらりくらりと逃げていたセリメーヌも遂に認めて開き直り迄する。
「貴女は、僕の弱点につけ込んで、そんな事仰るんだ。勿論、僕は貴女の優しい言葉で欺かれている。でも、構いません、僕は僕の運命に従うばかりです。僕はもう、否でも応でも、真剣に貴女を愛するより道は無い。将来貴女の心がどうなるのか、僕の心を裏切る程陰険なのか、僕はどん詰まりまで見ていたいんです」。
そこにアルセストの僕で有るデュ・ボワがパリを撤退しなければならないとやって来る。デュ・ボワの話ではらちが行かず、一旦屋敷へ戻る事になるアルセスト。
結局アルセストは訴訟に負けたのだ。
アルセストを宥めるフィラント「世間の事は何もかも陰謀ばかりだ。欲得ずくめだ。今じゃ狡く立ちまわる者ばかりが、勝ちを占める世の中で、実際人間は何とかならなければいけないのだ。しかし、人間のやり口が公平で無いから、君が社会から離れたいと言うのは、どうも我が意を得ないな」
セリメーヌに迫るオロント。そこにアルセスト迄加わり二人してセリメーヌに選択を迫る。何とかその場を逃れようとするセリメーヌ。
そこへエリアントがやって来るが、エリアントもセリメーヌの味方にならない。

人間ぎらい③…一人言

クリタンドルとアカストの間でセリメーヌを巡って恋の鞘当てが行われる。
互いにセリメーヌが如何に自分に靡いているか証拠を見せ合う事で決着をつけようと言う事になる。
セリメーヌに友人の一人アルシノエが訪ねて来る。
アルシノエはアルセストに想いを掛けていてセリメーヌに面白く無い気持ちを持っている。
二人の女の間で、皮肉の言い合いが始まる。セリメーヌは今書いておかなければならない手紙が有ると言って、話を打ち切り、アルシノエの相手をアルセストにまかせる。
アルセストにセリメーヌの批判を投げ掛けるアルシノエ。
自分の家迄来て貰えればセリメーヌの不実の証拠を見せられると言う。
アルセストの友人フィラントと、セリメーヌの従姉エリアントがアルセストの元帥法廷での様子を話し合っている。
エリアントはアルセストに想いを掛けており、そんなエリアントにフィラントは想いを掛けている。
フィラントはアルセストの強情さに辟易している様子だ。エリアントはそんなアルセストを弁護する。
エリアントに思いの丈を告白するフィラント。
そこへセリメーヌの不実を嘆くアルセストが登場する。その証拠となるオロント宛の手紙を持っていると言うのだ。そんなアルセストを宥めるエリアント。

人間ぎらい②…一人言

直ぐ誰にでもなれなれしい素振りをすると、セリメーヌを責めるアルセスト。「貴女に憎からず思われようと思ってやってくる連中と来たら、貴女がとかくちやほやなさるんで、始終お家に出入りする事になってしまう」セリメーヌが誰にも優しい仕向けをするのが耐えられないのだ。「貴女はあんまり嫉妬すぎるといって僕を非難なさるんだが、僕はいったい貴女から、みんなとどうちがった仕向けをされているんです?」アルセストがセリメーヌを口説している間にも、恋のライバルで有るアカストやクリタンドルがやって来る。それを快く迎えるセリメーヌ。
クリタンドルとアカストに面白可笑しく、社交界の人々をこきおろしていくセリメーヌ。それに皮肉を飛ばすアルセスト「そうしてあなた方にやっつけられている人が、一人でもここへ顔を見せようものなら、あなた方はあたふたと出迎えて、手を差しのべ、お世辞の接吻をして、御用はなんでも承わるなんかと、さも神妙な振舞をするにきまっているのだ」アルセストの怒りはセリメーヌに向かず、恋のライバル達に向かう。
そこにアルセストへ元帥法廷から呼び出しがかかる。
オロントと言う男が、詩をアルセストに披露したところ、アルセストはそれをほめず、言い合ったのだ。元帥法廷では、争いを由々しくならないうちに調停する積もりなのだ。
文句を言いながらも法廷に出向くアルセスト。

人間ぎらい…一人言

作…モリエール

主人公の名はアルセスト。一本気な男で融通がきかない。
今日も親友のヒィラントと揉めている。
社交的なヒィラントの態度にアルセストが癇癪を爆発させたのだ。話の流れからどうやらアルセストは訴訟事件に巻き込まれている事が分かる。
『道理が、僕の正当な権利が、公明正大が僕の味方だ』
『そう自分が正しいと思い込んでいると、今にべそをかくぞ』
ヒィラントは相手が陰謀を巡らす事を恐れているのだ。
『僕は今度の法廷の弁論で、人間というやつがどんなに厚顔無恥で、どんなに奸悪で非道で邪悪で、一般公衆のの目の前で僕に不正の名を負わせるのか、そこのところを拝見するのだ』
『しかし、君が何事にも厳しく求める几帳面な振舞、一寸も動かそうとしない正直一点張りな態度、君の愛しているこの家の女の人のどこに、そんな殊勝なところがあるのだ』ヒィラントにして見れば不思議なのだ。
彼のように全ての人間に引導を渡している人間が、めかし気分と口さがない性質とで、今の世の悪風潮に侵りこんでいるように見えるセリメーヌのような女に恋しているのが、納得行かないのだ。
アルセスト曰く『僕はきっと今に、時代の悪風習に染んだあの女を、僕の恋の力で洗い清めてやるから見ているがいい』
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