殻が付いているピスタチオと、殻が付いていないその他のナッツの差

今回のアップは『この差って何で？』からです。

今回のテーマは、『ピスタチオ』です。

そもそもこれらのナッツが木になっている時は、ピスタチオにはこのように殻がついており…

くるみもこのように殻がついています。

そしてアーモンドも…

マカダミアナッツも…

カシューナッツも赤い実の下に殻がついてなっています。

つまりナッツは、木になっているとき全て殻が付いているのです。

そこで殻が付いているピスタチオと、殻が付いていないその他のナッツ、この差をご存じですか？。

では、なぜピスタチオだけ殻が付いている状態で売られているのでしょうか？。

ピスタチオに殻が付いている状態で売られている理由は2つあります。

では、1つ目の理由はピスタチオの殻は手で簡単に割ることができるからです。

実は、ピスタチオの殻は食べ頃の時期になると、自ら殻が割れて、スーパーで売られている状態になっているのです。

ピスタチオは食べ頃になると、このように自然と殻が割れるので、手で簡単に殻が割ることができるのです。

そのためお店では、殻が付いている状態で売られています。

一方、その他のナッツは自ら殻が割れることはないのです。

そのため、食べる時に殻を割るのは面倒なので、食べやすいように、例えばくるみは機械によって殻を割り実だけの状態にして、スーパーなどで売られているのです。

では、ピスタチオに殻が付いている状態で売られている、もう1つの状態をご存じですか？。

もう１つの理由は、ピスタチオは湿気に弱いからです。

ピスタチオの中には、血液をサラサラにする成分が含まれているのですが、湿気が多いとその成分の効果が失われてしまうのです。

ピスタチオの実には、血液サラサラ効果のあるリノール酸という栄養成分が多く含まれているのですが、リノール酸は湿気に弱く、湿度が60%を超える環境で、空気とふれると酸化して、失われやすくなってしまうのです。

そのため１年の平均湿度がおよそ70%以上と、湿度の高い日本ではピスタチオの実が空気と余りふれないように、殻が付いている状態で売られることが多いのです。

一方アメリカの西海岸やオーストラリアなど、平均湿度が60%未満の国では、ピスタチオは殻が付いていない状態で売られることが多いのです。

ということで、ピスタチオだけ殻が付いている状態で売られている理由は、殻が手でむきやすく湿気に弱いからでした。

金目鯛は赤くないと、深海で生きていけない

今回のアップは『林先生の初耳学』からです。

今回の話題は金目鯛に関するものです。

赤い体が特徴的な金目鯛、実は深海魚の一種です。

そんな…
『金目鯛は赤くないと、深海で生きていけない』

赤い体でないと深海で生きていくことが困難になるというのですが、ご存じですか？。

太陽光は白く見えますが、文光器、プリズムを使えば、綺麗に紫から赤に分かれます。

これは結局波長の違いで、赤が波長が長い、紫が一番短いということです。

波長が長い色は水の分子に吸収されるのです。

ですからある程度の深さにいくと、海は真っ青になります。

あれはもう、赤の色がそこまで辿り着かないからです。

金目鯛はある程度深い所にいますから、その深さには赤い色は届かないのです。

ということは、反射することも出来ずに、真っ黒に見えるので敵に見つからずに生存には有利なのです。

金目鯛の体が赤いのは、外敵から身を守るためなのです。

辞書を作るには、歯磨き粉とホワイトチョコレートの材料が不可欠

今回のアップは『林先生の驚く初耳学』からです。

こちらのバッグやポーチ↓

そしてコスメに美顔ローラー↓

実はこれら全て本の付録なのです。

この付録を作っているのは、近年ファッション誌業界で一人勝ちを続ける宝島社です。

1万部売れればヒットといわれる雑誌業界の中でも、付録の内容をかなり強調した付録付きの本が、10万部超えのヒットを連発しているのです。

中でも最も売れたのが、イタリアの高級革ブランド、イルビゾンデ特製トートバッグ付きの本です。

雑誌よりも付録を前面に押し出して、2160円で販売したのです。

すると、10万部を1週間くらいで完売してしまいました。

10万部が即完売したのです。

今まで宝島社では、この付録付きの本が、累計7200万部を売り上げる大ヒットシリーズに。

昔からある付録ですが、今は特に付録がメインと思われる本が爆発的にヒットしています。

その理由は、本をセットにしているので、全国の書店・コンビニで沢山の人に手に取っていただけるような仕組みができているからです。

この商品だけでは、デパートや雑貨屋さんなど、１つの売り場をつくることさえ大変ですが

こんな薄っぺらい本をつけるだけで、書籍として出版することが可能になるのです。

今まで宝島社が築いてきた販売ルートを利用することで

書店・コンビニエンスストア、合わせて全国68000店舗に置くことができ、爆発的ヒットにつながっているのです。

それではここで本題です。

林修の愛読書と言えば辞書です。

そんな辞書と意外な関わりを持つのが、歯磨き粉とホワイトチョコレートです。

一見何の関わりもなさそうですが…

『辞書を作るには、歯磨き粉とホワイトチョコレートの材料が不可欠』

歯磨き粉とホワイトチョコが辞書作りにどう関係しているのか、ご存じですか？。

実は歯磨き粉とホワイトチョコレートにも使われる材料のお蔭で、辞書の紙は薄くても透けないのです。

実際に通常の紙とその透けかたを比較してみると…

辞書用紙の方が透けないことが分かります。

これは紙の材料を混ぜる工程なのですが

ここで食物繊維であるパルプに炭酸カルシウムや二酸化チタンを混ぜています。

辞書の紙を作るとき、材料に加えるのが炭酸カルシウムと二酸化チタンなのです。

炭酸カルシウムとは、歯磨き粉の研磨剤に使われるものです。

そして二酸化チタンは、着色料としてホワイトチョコレートなどに使われるのですが、炭酸カルシウムと二酸化チタンによって透けない紙になっているのです。

歯磨き粉に使われる炭酸カルシウムと、ホワイトチョコレートなどに使われる二酸化チタンを使うことで、薄くても透けない辞書用紙が実現しているのです。

それらは粒子が細かいので、混ぜることで密度が高くなり光が乱反射。

すると紙が透けにくくなるのです。

歯磨き粉とホワイトチョコレートの材料が使われているから、辞書用紙は薄くて透けないのです。

現在の広辞苑が作られるのは、この技術のおかげなのです。

実は、広辞苑は片手で持ち運びできることを考慮しているため、厚さを8㎝以内に収めるという決まりがあるのです。

初版から現在まで掲載される言葉やページ数が増えても、厚さ8㎝を守るため、紙を薄くし進化してきたのです。

通常のコピー用紙で辞書と同じページ数を再現すると、こんなにも差ができるのできるのです。

福島の除染作業で、葛飾北斎の浮世絵が注目されている

今回のアップは『林先生の初耳学』からです。

東日本大震災発生から7年、原発事故で、放射性物質に汚染された土壌を取り除く除染作業は、帰還困難区域以外は今年3月に終了しました。

これまでの作業で詰めた除染袋の数は、実に1650万個。

東京ドーム18個分にもなるのです。

そんな中、帰還困難区域で今後も必要な除染作業において、ある意外な物が注目されているのです。

『除染作業で、葛飾北斎の浮世絵が注目されている』

福島の除染作業で、なぜ葛飾北斎の描いた浮世絵が注目されているのか、ご存じですか？。

それはドイツで発見され、北斎が好んで使ったプルシアンブルーと深い関係があるのです。

北斎の浮世絵は青が魅力です。

実は、北斎より前の浮世絵は、どれも時間が経つと青がくすんでしまっていたのですが、北斎の浮世絵は今でも鮮やかな青、プルシアンブルーが残っています。

このプルシアンブルーが除染作業に大きく関わっているのです。

葛飾北斎の絵は青が今でも鮮やかやな残っています。

これまでの間に、雨に濡れてきたはずなのですが、青が和紙に刷り込まれて結合していたから、今でも残っているのです。

それがヒントになったのです。

東大の開発チームは、今なお鮮やかに残る、北斎のプルシアンブルーに着目したのです。

というのも、プルシアンブルーはジャングルジムのような構造をしており、放射性物質のセシウムイオンを捕まえる性質があるのです。

東大の開発チームが考えたのは、プルシアンブルーを使ってセシウムイオンを吸着する作戦です。

今までプルシアンブルーは、水に溶けやすいため海や川の除染作業には使うことが出来ませんでした。

そこで北斎の絵をヒントに、プルシアンブルーと和紙の成分ナノセルロースを結合、これまではすぐ水に溶けていましたが、その弱点を克服、水に一切溶けなくなったのです。

この素材を使いセシウムイオンだけを選択し、吸着する除染スポンジの開発に成功したのです。

そして現在これを海に沈め、海の汚染を取り除く計画が進められています。

葛飾北斎の浮世絵をヒントに、プルシアンブルーに和紙の成分をプラス、水に溶けない除染スポンジを開発したのです。

ちなみに、プルシアンブルーに関してもう１つ歴史的な発見があったのです。

それがこのアラビアゴムです↓。

これはアフリカ原産、アラビアゴムノキの樹液です。

今年4月、長野県の農家の倉から、北斎の弟子が使っていたと思われる絵の具箱を発見。

その中には、このアラビアゴムがあったのです。

そのことから、北斎はアラビアゴムを粉末にし、絵の具に混ぜ使っていた可能性が高まったのです。

通常の青い絵の具はこのような色ですが↓。

アラビアゴムを混ぜると↓。

ご覧の通り、その差は一目瞭然です。

北斎はアラビアゴムを使い、誰も真似のできない独自の色を生み出していたのです。

弱冷房車はあるのに、弱暖房車がない、この差

今回のアップは『この差って何で？』からです。

今回のテーマは、『弱冷房車はあるのに、弱暖房車がない』この差です。

電車に乗る時に、このように｢弱冷房車｣と書かれた表示をよく見ます。

そもそも｢弱冷房車｣とは、冷房が苦手な乗客のために夏場、冷房の設定温度を高くしている車両のことです。

そして西武鉄道では、こちらの車両の場合、車掌室のモニターに全車両の冷房設定温度が表示されており、ほとんどの車両が26℃に設定されていますが、9両目だけが2度高い28度に設定されています。

つまりこの9両目が弱冷房車なのです。

しかし、冬場に弱暖房車を設けている会社は、日本に1社もないのです。

では、なぜ冬場に弱暖房車がないのでしょうか？。

冬場は上着を脱ぐなどして、ご自分で調節できると考えているからです。

冬場、電車に乗った時に、もし暑いと感じたら上着を脱げばいいのです。

つまり、冬場は自分で調節することができるのです。

しかし夏場は寒いと感じても、上着を持っていない人が多いので、自分で調節することができないのです。

なので冷房が苦手な方のために、弱冷房車があるのです。

ということで、弱冷房車があるのに弱暖房車がないの差は、夏場は自分で調節できないが、冬場は自分で調節できる、でした。