2010年10月07日

なかなか減らないコンタクト感染症

7月30日配信の 毎日新聞(yahoo ニュースより転載)

<コンタクトレンズ>増える角膜感染症 
汚れによる傷が原因、失明も

◇毎日こすり洗い不可欠

コンタクトレンズの使用者は年々増え、
国民の1割を超す1500万人以上と言われる。
これに伴う目の病気も増加傾向にあり、
使用者の7~10%に発生していると推測されている。
中でも細菌などによる角膜感染症は、
重症化すると視力低下の要因にもなる。
こすり洗いなど、毎日の適切なケアが大切だ。

埼玉県越谷市に住む秋葉洋介さん(29)は、
ガソリンスタンドでの仕事中、
急に右目が白くぼやけるようになった。
職場近くのあだち眼科(同県加須市、足立和孝院長)に飛び込むと、
右目の視力はメガネで矯正しても0・01しかなく、
「見えない状態だった」。
角膜に傷がつき、細菌感染の可能性が高いことが分かった。
抗生物質の点滴治療などを続け、視力は回復したが、
角膜に濁りが残った。

秋葉さんは
「仕事柄、油を扱うが、手を洗っても油汚れは落ちにくい。
その状態でレンズを扱っていた」と振り返る
それ以来、仕事ではメガネを使用している。

足立院長は
「レンズの汚れなどにより角膜の表面に傷ができると、
細菌などが入り込みやすくなる。
治っても視力に影響を残すことがある」と説明する。


   □   □

コンタクトレンズの主流はハードレンズからソフトレンズに移り、
利用者は約7割を占める。
ハードレンズは目にトラブルがあると痛みを感じるが、
ソフトレンズは角膜と密着しているため、
まぶたの刺激を和らげ痛みを抑える効果があり、
病気に気付きにくい。
また、利用者は低年齢化しており、
10代や20代のトラブルも増えている。

コンタクトレンズは直接目に触れるため、
医師の処方が必要な「高度管理医療機器」だ。
角膜を覆うため、レンズの汚れや酸素不足で、
角膜に傷がつきやすくなる。

コンタクトレンズによる目の病気は、
角膜の表面に小さな傷がつく「点状表層角膜症」、
深くまで傷が達する「角膜浸潤」や「角膜潰瘍(かいよう)」、
上まぶたの裏側(結膜)にブツブツができる「巨大乳頭結膜炎」
などがある。

近年問題になっているのが、
細菌やカビなどによる角膜感染症だ。
目の痛みや充血などを起こし、失明する恐れもある。

中でも増えているのが、
他の細菌を餌にして増殖するアカントアメーバと呼ばれる
微生物によるもので、特効薬がなく治りにくいのが特徴だ。


日本眼感染症学会などがまとめた
全国調査の中間報告(07年4月~08年8月)では、
コンタクトレンズ使用が原因と考えられる角膜感染症で
入院した患者は233人(平均年齢28歳)。

水回りなどに存在する細菌・緑膿(りょくのう)菌や
アカントアメーバが、角膜の病巣部のほか、
レンズケースからも多く見つかった。



   □   □

角膜感染症が増えている背景の一つに、
ケア用品の進歩や多様化がある。
ソフトレンズはかつては煮沸消毒が中心だったが、
近年は洗浄、すすぎ、消毒、保存が1本でできる
消毒剤が主流になっている。

道玄坂糸井眼科医院(東京都渋谷区)の
糸井素純・日本コンタクトレンズ学会常任理事は
「ケア方法が簡便になることで、誤ったケアをする人が増えている。
量販店には専門医がいるとは限らず、説明不足も問題」
と指摘する。

糸井さんによると、消毒剤の効果には限界があり、
どのレンズでも毎日のこすり洗いが重要だという。
感染の温床になるレンズケースも毎回よく洗って乾かし、
3カ月に1度の交換が必要。
漬けおきタイプの洗浄液でも、
こすり洗いを併用しないと
蓄積した汚れや化粧品の汚れは落ちないという。


全国調査では、
毎日こすり洗いをする人は18%に過ぎず、
毎日消毒する人も30%にとどまった。
2週間で交換するレンズや1日使い捨てレンズを
1カ月以上使っていた人もいた。

糸井さんは
「ケアの仕方を誤解している人も少なくない。
定期検査に来ないと、正しいケア方法を知る機会も減ってしまう」
と話し、3カ月に1度の定期検査の受診を呼びかける。
また、レンズケアに自信のない人には、
1日使い捨てのレンズを薦めている。



◇レンズを使う上での主な注意


▽取り扱う前は手指を石けんで洗う

▽こすり洗いをすること

▽レンズの洗浄(すすぎ)はレンズの使用前と後に必ず行う

▽レンズケースは毎日しっかり洗い、自然乾燥させる

▽レンズケース内の消毒液は毎日新しいものに交換する

▽ソフトコンタクトレンズのケアに水道水を使用しない
(ソフトレンズは水を含むため微生物が付着しやすい)

▽化粧はコンタクトレンズを装着してから行う
(化粧品は石けんで落ちにくく、
化粧品を扱った手でレンズを扱うと、レンズに汚れが付く)

▽定期検査を受ける




◆こすり洗いの手順


◇ソフトレンズ


<1>
清潔な手でコンタクトレンズを目からはずして保存液ですすぎ、
利き手と反対の手のひらの上にレンズを載せ、
クリーナーや消毒剤を数滴落とす

<2>
利き手の人さし指の腹をレンズにあて、
軽く押さえながら手のひらの上でレンズを
一定方向にやさしく動かし、表面を20~30回こする
(円を描くように動かすと、
コンタクトレンズが破損する恐れがある)

<3>
ひっくり返して反対側も同じように洗う

<4>
最後に保存液か消毒剤でよくすすぐ



◇ハードレンズ


<1>
清潔な手でレンズをはずし、
レンズを水道水かすすぎ液ですすぐ。
利き手と反対の手のひらの上に、
レンズの内側を上にして載せ、
クリーナーを4~5滴落とす

<2>
利き手の人さし指の腹を
コンタクトレンズの内側にあてて軽く押さえ、
手のひらの上でレンズを前後左右に動かしながら泡立てるように
約30回こする

<3>
利き手の親指、人さし指、中指の3本でコンタクトレンズを挟み、
レンズの内側を親指の腹で泡立てるように優しく30回ほどこする

<4>
レンズを水道水かすすぎ液ですすぐ


※糸井さんら監修のコンタクトレンズ教室
http://www.aki‐net.co.jp/contact_lens/)
を参考に作成。
レンズケアの動画も見られる

tomita19541224 at 10:59│Comments(0)TrackBack(0)

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