be7bc669.jpg アハハ、この前のオークスで使ったタイトル、自分で気に入っちゃったもんでもう一回使っちゃったよ


 さて、真夏日になったり梅雨っぽかったりと五月っぽさがすっかり鳴りを潜めてしまった今日この頃。目眩めくように様々なニュースや事件や出来事が通り過ぎて行きますが、中にはもっと目を凝らして真剣に考えなくてはならない問題も沢山あります。


 それらを考える前に目に留まったのは、プロレスラーのラッシャー木村さんの死亡記事でした。


 これを言うとみんなびっくりするんだけど、僕が一番最初にプロレスを観たのは、国際プロレス時代のラッシャー木村の試合だった。まだ物心つくかつかないかって位。TVで偶然目にした「金網デスマッチの鬼」と呼ばれていた男の試合。


 あまりの衝撃に今でもうっすらと思い出す。力道山もどきの黒いロングタイツ。小太りのいかつい男が、外国人レスラーを僅か2分程で倒した圧倒的な迫力。(確か決め技は逆エビ固めだった)


 まるで鬼に魂を抜き取られたように、僕は怖い物見たさでその日からTVのチャンネルを回すようになり、その後新日本プロレスを観るようになる。だから、ラッシャー木村が「はぐれ国際軍団」として新日本に、アントニオ猪木に挑戦してきた時には、小学生だった僕は子供心に物凄くワクワクしたものだ。あんな凄い鬼と猪木がやったらどうなるんだろう?


 だが、そこでのラッシャー木村は潰れてしまった団体の哀愁を引き摺る主君をなくした浪人のようだった。その後プロレス界の政治闘争に巻き込まれ、紆余曲折を経て義理の「兄貴」と呼んだジャイアント馬場と出会う。その後のレスラー生活はマイク・パフォーマンスの方が有名だろう。


 いかつい男がしゃがれた声で叫ぶ奇妙なユーモアと温かみ。義理の兄貴を見送り、その後継者たる三沢光晴を補佐し、その三沢も約一年前に不慮の死を迎えてしまった。担った使命を全う出来たのかは僕なぞが知る由もない。それは引き継いだ後進の活躍に託される事だろう。ただ、ラッシャーさんの試合やマイクを楽しみにしていた人は、その存在に心温めて貰っていた。心よりご冥福申し上げます。



                 

 と、前置きが下手すると物凄く長くなりそうでこの辺にして、ダービーの考察へ。不思議な程に名前が出てこないなぁと感じるのが皐月賞2着馬ヒルノダムール。ヴィクトワールピサとは皐月賞で0.2秒差。青葉賞馬ペルーサとは若葉Sで0.1秒差で負けているからか?プリンシパルS圧勝のルーラーシップには若駒Sで0.2秒差で勝利している。


 ヴィクトワールピサとは2戦2敗になる訳だが、子供の時のかけっこの序列が学年を上げる毎に変化していくように、成長期の着順は割と変化する事がある。この馬は父マンハッタンカフェ譲りの綺麗なフットワークで走る馬だ。綺麗に見えるという事は、軸がしっかりしていてブレない。バランスが良いなどの要因があるからだ。但し、ラジオNIKKEI杯の頃のこの馬の走りを見ているとまだまだ子供だ。それでいてヴィクトワールピサとは0.2秒差、後にNHKマイルを勝つダノンシャンティとはタイム差なしの勝負をしている。


 既にオープン特別を勝ち皐月賞出走を確実にしている状況でステップ・レースに選んだのはご存知のように若葉S。暴走して逃げた馬が居たせいで、古馬オープン級の勝ち時計になったこのハイレベルな一戦。勝ったのはペルーサだったが、人気を背負っていたのはこの馬の方。ハイペースをある程度捕まえきる位置で競馬し、ペルーサにマークされ、脚を溜めている時に外から仕掛けてこられたので出るしかなかった。そして、4コーナーから直線の攻防でペルーサとマッチレースになり、何度も接触しぶつけられる状況。一旦は前へ出たもののゴール前で逆転されてしまったというレース内容だ。


 皐月賞を意識し、馬体も若干余裕残しだった。展開が人気を背負っていたこの馬には不向きだった。ペルーサが想像以上に強かった。接触で不利を受けたのは明らかにこの馬の方だった。そういうエクスキューズがあっての0.1秒差。正直もう一度ペルーサとやってら、勝負は展開や仕掛けやコース適正、距離適正の微妙な差で決まる力関係だったと思う。少なくても、明らかに下には位置しない。


 では、皐月賞馬とは?道中のフットワークは2歳暮れに対戦した時よりも随分逞しくなった。この馬は繋ぎが深い(角度がある)せいか、大地の蹴り出しが非常に力強い。強いのに、それを滑らかに推進力に変える。この辺が綺麗なフットワークだと言う所以だ。皐月賞は内を抜けてきた勝ち馬と外から猛然と追い込んだ馬の差。エンジンの点火が素早い馬と、若干の助走が要る馬のレスポンスの差と捉える事も出来る。しかも直線でこの馬は追い出す時に進路が狭くなる不利があった。


 直線が長く広い東京コースに替わったら?間違いなくコース替わりはこの馬にプラスに働く。働いた分、皐月賞馬とも青葉賞馬とも着差が詰まる可能性は大きい。それは逆転する可能性すら多大に秘めている。体形からマイラーなどではない。距離延長はむしろ歓迎。血統がそれを後押しする。ならば、真っ向勝負を挑んでどうなる?ポイントは成長力だろう。厳しいレースを経験した事で、修羅場を潜った事で。短期間で逞しく強くなったのはどの馬かという話になる。競馬界を盛り上げる為にも、是非とも「競馬番長」藤田伸二に頑張って欲しいものだ(本業の方でも)



 さて、実は2,3,4着馬はここまでダービーの優先出走権が得られるから線を引いたのだが、実は着差も鼻、鼻差でしかない。際どい勝負だった。それを直線不利を受けながら外から飲み込んだヒルノダムールはやはり強いのだが、皆がびっくりした伏兵は3着馬のエイシンフラッシュだったのではないだろうか。


 皐月賞のパドックが相当良い状態だったと伝え聞く(あんまり言いたくないんだけど、実はまだその映像観てないんだ。ダービーはリアルタイムで観るよ)そのレースが中間一頓挫あっての3ヶ月振り。それを一叩きして、更に良化ってシナリオが描ければかなり面白い存在なのだが、引き続き好調ってのがどうやら正しい評価のようだ。



 一部マスコミにはトモだけ観たらウオッカ級という評判も出ているが、ぶっちゃけ、パーツの一つだけというのはあまり重要ではない。その素晴らしいトモが、他の部分とどう連動し、どういう走りになるのかが重要だ。(左目の睫毛の右から三番目が小雪に似てるって言われても美人とは限らないっしょ)


 エイシン軍団の馬に多い傾向なのだが、この馬もレース巧者だ。位置取りは自在。おまけに鞍上は内田博幸だ。馬群の厳しいところで勝負を窺うだろうが、その辺はクリア。好位からでも中団から差す形でも力を発揮出来る。但し、立ち回りの上手いレース巧者って事は、底力を問われるコースではそのアドバンテージがあまり得られないという点も考えておかなければならない。


 では、この馬の底力はというと、そこそこある。距離延長も馬体からも折り合いからも更には血統からも減点材料にはならない。中々に体のラインの綺麗な馬だ。これがキングズベスト産駒の特徴ならば、キングカメハメハ産駒が成功しているので日本にもっと輸入されるようになるだろう(同じキングマンボ系だから)少しこの馬は体が固そうだが。


 うん、本当、結構良い馬だ。皐月賞3着で重賞ウィナーという割りに人気にはならないので、オッズとのバランスでは買い条件に当て嵌まる馬だ。鞍上も込みで、ヒモには一考の価値がある。



 そして、2歳王者ローズキングダムである。今年2戦の敗戦ですっかり株を落としてしまった感がある。おまけに主戦小牧太が騎乗停止処分を受けている最中でダービーには乗れない。但し、差し追い込み勢が台頭した皐月賞で、4コーナーから直線で息を入れて脚を溜めたとはいえ、道中ずっと先頭グループでレースを進めたこの馬が2,3,4着馬の中でも最も厳しい展開だったのは言うまでもない。


 おまけに皐月賞は調教師サイドが回避したがっていたのをオーナーサイドの希望で強行出走した経緯がある。スプリングSも前残りの競馬をメンバー最速の脚で上がってきている。この時も中間一頓挫あって弥生賞出走をスライドさせての出走だった。レースにいって勝負根性のある馬で凡走していないが、完調ではなかったというのも事実。


 つまりは、3歳になってからまだ真価を発揮していない可能性が残っている。母譲りの末脚は勝負根性を併せ持って相手なりに伸び、父キングカメハメハ産駒の特徴とも言える自在の立ち回りが可能なレースセンスの持ち主。東京コースは経験積みだし、馬体は……うーん、写真じゃ良く見えたり悪く見えたりする馬で、距離適正に関しても何とも言えない。正直、あまり良くないと思う。


 但し、折り合いはつく。歓迎しなくても距離はこなせる。だが、こなせるでこのメンバーを相手にした時にどうかと問われれば、うーん、厳しい。


 母ローズバドは好きな馬だったので、この血統には頑張って欲しいが(この台詞書いてて思うけど、結構みんな好きなんだよな。思い入れがある時は特別好きって言うようにしようか)


 と、いうような感じです。最後まで存在価値を打ち鳴らしたラッシャー木村さんのように、独自の魅力で風穴を開け、意外性と新鮮味で新たな可能性を開き、例え昔のように走れなくなっても輝き続けられるように、頑張って欲しいものです(お前もな)