2013年04月08日

現在行われている「第2回将棋 電王戦 HUMAN VS COMPUTER」について、以下のコメントを頂きました。
>というか、この電王戦って棋士にとってなんのメリットがあるのでしょうか。
>失うものしかない気がします。
このことについて、少しだけ書かせていただきたいと思います。
そもそものコンピュータとの対戦が大きく取りざたされたのは、2005年9月の橋本5段(段位は当時)との勝負で、コンピュータが勝ちそうだったことがきっかけと言われています。

この対局を境に、日本将棋連盟(以下「連盟」)はプロ棋士が承諾なしにコンピュータと対局することを禁止しました。
当時の米長会長は、棋士の存在を守ることも当然ながら、日々進歩するコンピュータとの対戦は避けられないと判断したと思われます。
そしてどうせやるなら、イベントとして行うべきだと・・・。

続いて公式に対戦されたのが、2007年の渡辺竜王(タイトルは当時)と当時の最強ソフト「Bonanza」との一戦です。
「Bonanza」の特徴は、ざっくりいうとそれまで友好的な手筋しか読んでいなかった方法から、全ての手を読みだしたところにあります。
これはコンピュータ機器、ハードの進歩によるものが大きく、その後のプログラムの考え方を一変させたといわれています。
さらにBonanzaが無料ソフトだったことも、世間を注目させたのでした。
この渡辺竜王vsBonanza戦では、Bonanza側はプログラムを提供し、渡辺竜王もそれを使って研究したとされます。
しかしBonanzaも対局までにプログラム改良され、有効なプロの定跡と検討しながら手を選択する、という考え方が追加されました。
実際の対局でも、渡辺竜王はプログラムの弱点を突く指し方をしましたが、改良されたBonanzaはその手に乗りませんでした。
結果として渡辺竜王の勝利となりましたが、その進歩に渡辺竜王が素直に感心されていたのが印象的でした。
この戦い以降も益々強くなるコンピュータに対し、トップアマなどが負けたこともあり、2010年には清水市代・女流棋士との対戦が行われました。

この時のコンピュータは、4つの優秀なプログラムによる合議制が取られ、清水さんに勝利をしました。
ついにプロ棋士に勝ったのです。
この対戦の後、連盟側は「引退棋士の代表として戦う」として「米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ プロ棋士対コンピュータ 将棋電王戦」を企画。
これがのちの「第1回電王戦」とされる対局です。
結果はご存じの通り、ボンクラーズの勝利となり、引退していたとはいえ男性棋士が初めて敗れました。
さて、今回の第2回電王戦ですが、コンピュータとの避けられない対戦を、どうせならイベントとして世間に注目してもらうことで、将棋界を世に知らしめる効果を狙ったというのはすでに書いた通りです。
たとえ敗れることがあったとしても・・・。
連盟としては、棋士の存在を問われる大会ではありますが、逃げるよりも正面からぶつかった姿勢は評価できると思います。
さらに今回は若手はもちろん、A級棋士である三浦八段まで対戦するのですから、並々ならぬ決意を感じます。
一方のコンピュータ側も、事前にプログラムを提供するなど好意的で、棋士の存在を問うというよりも「プログラムの進化の一つ」として考えているように思われます。
しかし、今回の第3局終了後の渡辺竜王のコメントとして
「(第3局に登場した)「ツツカナ」は現役棋士約160人の半分(80)、いや3分の1以上(50)に相当する力がある、という見方をせざるを得えない」
というのは実にショッキングな内容です。

コンピュータがそこまで進化していたとは!
プロのタイトル戦では、控室で棋士が集まって検討をするのですが、将来的に
「コンピュータ室で結果待ち」
なんてことになりかねません。
いや実際に
「コンピュータが詰まないといってます」
という会話もされているようで、そこに見えている近い将来なのでしょう。
ただ、これでプロ棋士がいなくなるかといえば、それは別ではないでしょうか。
人間同士の対局が見たいファンがいる間は、また大会にスポンサーが付く間は将棋界はなくならないでしょう。
そして、もっとも人間に期待したいのは
「コンピュータには読めない一手」
を見つけることです(ヒカルの碁!)。
人間の感性とひらめきが生む神の一手。
この夢のような出来事に期待せずにはいられません。
いつの日か、コンピュータにより完全必勝法が生まれた時は、さすがに将棋界も危うくなるでしょうが・・・。
-----------------------------------------------------------
色々と書きましたが、「将棋界にとって「プラス」になるのか?」については、「いずれはやらざるを得なかった対戦だろう」と思っています。
そしてやるならできる限り注目を集め、将棋の認知を広めればそれはプラスになるのではないでしょうか。
たとえ、負け越すであろうとも。
しかしながら、羽生3冠の本などを読むと、どういう形であれ将棋の真理を知りたい、という欲求が強く見られます。
また一方では、人間同士の戦いであること、ミスをしたり、心理戦、駆け引きといったところに勝負の醍醐味があるとも語っています。
機械が野球をしたりサッカーをしても感動が薄いように、将棋も同じであると思うのはファンだからでしょうか。
最後に、今回の第2回電王戦では、三浦8段に是が非でも勝っていただきたいです。
もしも敗れるようなことになると・・・・
渡辺3冠、羽生3冠との勝負が最後の砦になることは間違いありません。
森内名人との3番勝負になるやもしれませんが、発案者である米長会長が亡くなった今、一気にそこまで行くかどうかは不明です。
いずれにせよ、やがて来る日、「すべてのプロ棋士をコンピューターが超える日」は、残念ながら近づく一方なのでしょうね。

この対局を境に、日本将棋連盟(以下「連盟」)はプロ棋士が承諾なしにコンピュータと対局することを禁止しました。
当時の米長会長は、棋士の存在を守ることも当然ながら、日々進歩するコンピュータとの対戦は避けられないと判断したと思われます。
そしてどうせやるなら、イベントとして行うべきだと・・・。

続いて公式に対戦されたのが、2007年の渡辺竜王(タイトルは当時)と当時の最強ソフト「Bonanza」との一戦です。
「Bonanza」の特徴は、ざっくりいうとそれまで友好的な手筋しか読んでいなかった方法から、全ての手を読みだしたところにあります。
これはコンピュータ機器、ハードの進歩によるものが大きく、その後のプログラムの考え方を一変させたといわれています。
さらにBonanzaが無料ソフトだったことも、世間を注目させたのでした。
この渡辺竜王vsBonanza戦では、Bonanza側はプログラムを提供し、渡辺竜王もそれを使って研究したとされます。
しかしBonanzaも対局までにプログラム改良され、有効なプロの定跡と検討しながら手を選択する、という考え方が追加されました。
実際の対局でも、渡辺竜王はプログラムの弱点を突く指し方をしましたが、改良されたBonanzaはその手に乗りませんでした。
結果として渡辺竜王の勝利となりましたが、その進歩に渡辺竜王が素直に感心されていたのが印象的でした。
この戦い以降も益々強くなるコンピュータに対し、トップアマなどが負けたこともあり、2010年には清水市代・女流棋士との対戦が行われました。

この時のコンピュータは、4つの優秀なプログラムによる合議制が取られ、清水さんに勝利をしました。
ついにプロ棋士に勝ったのです。
この対戦の後、連盟側は「引退棋士の代表として戦う」として「米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ プロ棋士対コンピュータ 将棋電王戦」を企画。
これがのちの「第1回電王戦」とされる対局です。
結果はご存じの通り、ボンクラーズの勝利となり、引退していたとはいえ男性棋士が初めて敗れました。
さて、今回の第2回電王戦ですが、コンピュータとの避けられない対戦を、どうせならイベントとして世間に注目してもらうことで、将棋界を世に知らしめる効果を狙ったというのはすでに書いた通りです。
たとえ敗れることがあったとしても・・・。
連盟としては、棋士の存在を問われる大会ではありますが、逃げるよりも正面からぶつかった姿勢は評価できると思います。
さらに今回は若手はもちろん、A級棋士である三浦八段まで対戦するのですから、並々ならぬ決意を感じます。
一方のコンピュータ側も、事前にプログラムを提供するなど好意的で、棋士の存在を問うというよりも「プログラムの進化の一つ」として考えているように思われます。
しかし、今回の第3局終了後の渡辺竜王のコメントとして
「(第3局に登場した)「ツツカナ」は現役棋士約160人の半分(80)、いや3分の1以上(50)に相当する力がある、という見方をせざるを得えない」
というのは実にショッキングな内容です。

コンピュータがそこまで進化していたとは!
プロのタイトル戦では、控室で棋士が集まって検討をするのですが、将来的に
「コンピュータ室で結果待ち」
なんてことになりかねません。
いや実際に
「コンピュータが詰まないといってます」
という会話もされているようで、そこに見えている近い将来なのでしょう。
ただ、これでプロ棋士がいなくなるかといえば、それは別ではないでしょうか。
人間同士の対局が見たいファンがいる間は、また大会にスポンサーが付く間は将棋界はなくならないでしょう。
そして、もっとも人間に期待したいのは
「コンピュータには読めない一手」
を見つけることです(ヒカルの碁!)。
人間の感性とひらめきが生む神の一手。
この夢のような出来事に期待せずにはいられません。
いつの日か、コンピュータにより完全必勝法が生まれた時は、さすがに将棋界も危うくなるでしょうが・・・。
-----------------------------------------------------------
色々と書きましたが、「将棋界にとって「プラス」になるのか?」については、「いずれはやらざるを得なかった対戦だろう」と思っています。
そしてやるならできる限り注目を集め、将棋の認知を広めればそれはプラスになるのではないでしょうか。
たとえ、負け越すであろうとも。
しかしながら、羽生3冠の本などを読むと、どういう形であれ将棋の真理を知りたい、という欲求が強く見られます。
また一方では、人間同士の戦いであること、ミスをしたり、心理戦、駆け引きといったところに勝負の醍醐味があるとも語っています。
機械が野球をしたりサッカーをしても感動が薄いように、将棋も同じであると思うのはファンだからでしょうか。
最後に、今回の第2回電王戦では、三浦8段に是が非でも勝っていただきたいです。
もしも敗れるようなことになると・・・・
渡辺3冠、羽生3冠との勝負が最後の砦になることは間違いありません。
森内名人との3番勝負になるやもしれませんが、発案者である米長会長が亡くなった今、一気にそこまで行くかどうかは不明です。
いずれにせよ、やがて来る日、「すべてのプロ棋士をコンピューターが超える日」は、残念ながら近づく一方なのでしょうね。
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コメント一覧
1. Posted by 声優の名無しさん 2013年04月09日 00:46
>というか、この電王戦って棋士にとってなんのメリットがあるのでしょうか。
>失うものしかない気がします。
上記のコメントをした者です。
二戦目で敗れた佐藤四段があまりに酷い批判に晒されているのを見てのコメントだったのですが、この記事を拝見して、メリットデメリットだけで割り切れることではないのだということは感じました。
四戦目 五戦目と棋士の勝利を願っています。
>失うものしかない気がします。
上記のコメントをした者です。
二戦目で敗れた佐藤四段があまりに酷い批判に晒されているのを見てのコメントだったのですが、この記事を拝見して、メリットデメリットだけで割り切れることではないのだということは感じました。
四戦目 五戦目と棋士の勝利を願っています。
2. Posted by 管理人:tomov 2013年04月11日 08:42
4戦目の塚田さんは厳しいでしょうね。
最後の三浦戦が正念場でしょう。
最後の三浦戦が正念場でしょう。
3. Posted by 黄 水着 2015年03月25日 01:36
べ市母の市OIEsMGもっ

