2007年11月

2007年11月12日

とだかずき『ゆーみぃちゃんのすてきなともだち』

2007年9月15日 新風舎発行 新風舎の創作児童文学シリーズ・ことりのほんばこ シリーズ
「空とキリンさん」「みちくさのダンス」「雨の日のおむかえ」「たまちゃんの小さなサーカス」「くの一ゆみちゃん」「夜をはこぶうさぎ」「くまのような園バス」「雪虫がとんだ日」
小さなゆみちゃんが書いた小さなどうわ「ひらがなむらの ようせい」

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2007年11月11日

『続 現代日本生活語詩集』

2007年11月1日 澪標(大阪市)発行

 この本は京都の戸田和樹氏からお送りいただいた詩集です。氏のメール・マガジン「職員室の小さな文学館」で紹介されていたのに私が興味を持ったという返事を送ったので送っていただけたのでしょう。
 編集の中心は、ことば遊びの詩人として有名な有馬敲氏と島田陽子氏。有馬氏は「はじめに」で「普遍的な力を持っている共通語の詩が観念的抽象能力や自浄力をたかめて成熟する一方では、地についた具象能力や生の音声に富む生活語の詩がもとめられているのではなかろうか」と、この詩集の意義を述べておられます。全国から「この生活語の詩運動」に賛同した121人の詩人が見開き2段組2ページずつの詩篇を掲載しています。
 ここでの生活語の定義は、日本各地の方言だけでなく、アイヌ語、若者語、児童語、呼びかけ語、鳥語など、かなり幅広いものです。通読すると、会話体の作品が多く、詩情があまり感じられないものもありましたが、強く迫ってくる作品も少なからずありました。
 私が付箋を付けたのは次の作品でした。

 「星の位置」(斉藤征義)…アイヌ語
 「寒梅」(戸田和樹)…京都生活ことば
 「京都ッ子」(和田杳子)…京ことば
 「ふるさと」(八ッ口生子)…京都弁
 「嵐のあと(弥生の昔の物語より)」(永井ますみ)…米子弁
 「うじむし」「ひろしまにて」(長津功三良)…広島弁
 「夢の高ざるき」(樋口伸子)…博多弁
 「老いた母恋鳥」(田上悦子)…奄美方言
 「雨乞い謡」(佐々木薫)…現在の沖縄言葉
 「のんきな店のちいさなもの」(芝憲子)…沖縄の日常語

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2007年11月06日

スーハ! 第2号

2007年8月15日発行 発行所:よこしおんクラブ
 いくつかのところで評判をきいて、購入した同人誌です。
 まず、「詩はどこにあるのか(谷内修三の読書日記)」http://blog.goo.ne.jp/shokeimoji2005 で中島悦子の「マッチ売りの少女」が絶賛されていました。

 特集は福井桂子で、ロングインタビューや詩作品、同人の小エッセイが載っています。福井さんについては知らなかったのですが、作家・詩人の三木卓の奥様でした。特別寄稿作品「アネモネ 薄みどりの朝の光をあびて りすさん! りすさん!」はおもしろかったですが、つい先日、お亡くなりになったようです。そういう意味でも、実に貴重な特集でした。
 H氏賞受賞者の野木京子も参加していて、「蟲のあかり」を載せています。

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2007年11月03日

アフンルパル通信第餽罅β蕣鮃

第餽2007.4.10発行、第鮃2007.7.10発行、編集発行:書肆吉成(札幌市豊平区)

第餽罅〇蹇Poil=ポワル=毛、アフンルパル」    吉増剛造
    アフンルパルの縁に立つ           吉成秀夫
    「あの世への入り口」という場所へ出かけた。 柴田智之
    地面に耳をあてる              黒川紘行
    イザベラ・バードの描く北海道        筒井貴子
    ランポッケマンダラ(世界のへそに……)   小黒悠佑
第鮃罅〇蹇AGENDARS-1 2 3」           管啓次郎
    詩「ちゅながりぬうみ」           今福龍太
     釜山・済州島訛ハングル訳      千永柱・千到
    太陽のかけら                南 映子
    旅                       オキ
    中井宗太郎『浮世絵』について        宇波 彰
    写真(表紙=グリーンランド/p8-9=インド) 在本彌生

 札幌の古書店から発行された変形版のユニークな小冊子。創刊号には吉増剛造が寄稿している。「アフンルパル」とは、アイヌ語で「あの世への入り口」という名の地名。登別の富浦にあったらしい。そこをさがしに出る。興味を引かれる。
 第鮃罎任亙顕戎洋牾惻圓虜J,オキナワのことばで詠う。「ちゅながりぬうみ」(ひとつながりの海)「ぬがよ あめふゆるあめ」(ああどうして雨が降るのか)。方言のハングル語訳まで付いている(ハングルの読めない私にはさっぱり)。最近京都の戸田和樹さんから贈られてきた『続現代日本生活語詩集』を早く読みたくなる。アイヌのミュージシャン・オキのクナシリへの旅日記も興をそそられた。
 年3回発行だそうだ。もう、3号が出ていることだろう。 

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2007年11月01日

通信掲載詩・「秋の風景〜田園」

2007.11.1 「珊瑚の海」第17号より

 社家駅から有高まで歩いてくる途中の風景を見ていたら、次のような詩ができました。

秋の風景〜田園

ついに白鷺を見かける季節になった
首をS字フックのようにして
重たそうな身体をひっかけて
一回転させたり
半回転させたりして
田圃をよこぎっていく
なぜ首がこんなに動くのだろうと
自問しつつ
でも、そんなの関係なさそうに
満足げに

立入禁止の立て看板の上に
豆粒のような雀たちがめいっぱいかたまって
押し合いへし合い整列している
彼らの首は短い
というよりほとんどない
だからしゃべりまくるだけなんだ
でも、そんなの関係なさそうに
さえずりあきると
さっと次の停車場へ飛びたっていく

田圃では実った穂がいっせいに垂れていて
支える茎と葉っぱは心なしか元気がなさそう
穂の先の地面を見ると
間借りをしている微小な雑草たちが
でも、そんなの関係ないと呟いて
かえっていきいきと
緑色に輝いてそこに広がっている

その前に大きく横たわる鉄の塀に
「跳べ! 有馬高校生」
の大文字どもが
いまにも飛びたたんとしている
そんなの関係ないとは言わずに
次の春を心待ちにして


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