2011年10月17日

朗読体験講座〜現代朗読協会・羽根木の家〜

2011.10.16(日)13:00〜15:00、15:00〜17:00
講師:水城雄氏
 この日は、受講生3人、会員2人の少人数でした。

 まず”羽根木の家”から紹介しましょう。案内には井の頭線新代田下車とあるが、下北沢で乗り換えるのが億劫だし、下車してもそんな距離でもないので、小田急線世田谷代田で下りました。環状7号線を北に歩いていくと、10分弱で新代田駅の上。昼食はトムヤンらーめんか担々麺か迷ったが、店の入りやすさから後者を”香家”で食した。担々麺といえば横浜線十日市場の”福龍飯店”のが、辛さの後に甘さが残る絶品で、同等かそれ以上のものを食べたことがないのだが、この店の赤鬼担々麺はなかなかの美味でありました。だが、ランチでいっしょに食べた青山椒たっぷり入りの青鬼担々麺の山椒の量が半端でなく、8時間ほど経ってから、尻がとっても大変なことになったんです。でも、食事直後はそんな兆候もなく、汗を拭き拭き、いい気分で環七を渡り、井の頭線の崖上を少し行き、跨線橋を渡って再び井の頭線の線路を左に見ながら行くと、前方の道の真ん中に大木が威厳を正しているではありませんか。しばし見とれ、時計を見るとまだ10分ほどあるので、案内の道順から逸れてその木を越え、その木々に囲まれた住宅街の一角をぐるりと歩いてみたのです。羽根木といえば、桜の名所の公園が有名で、最寄りの梅ヶ丘駅周辺もそうですが、なかなか風情のある昔からの住宅地。立派な家、広い庭、リッチな車が見受けられましたが、さて、”朗読体験講座”の小さな案内板が出ているその家は、古びた門から入るのです。数歩置き石を渡り、引き戸をがらがらがら、「たのもう、たのもう」といってしまいそうな雰囲気なのですが、ここはふつうに「すいませ〜ん、体験講座に申し込んだ者なんですが〜」と丹田で力んで声を出す。

 戦前から建っているのかと思われる、黒くくすんだ平屋の家で、同人誌”山脈”でお世話になった故・筧槇二先生のお宅を思い出しました。縁側には色艶のいい三毛がいて、硝子戸を開けて庭に出たり入ったりしていたのです。迎えてくれたのはこの借家に住んでいるという女性。奥の畳部屋の隅にピアノ、パソコン、机、椅子、その上にかのみずきゆう先生がお座りになっていたのですが、室内にはこれっきり。予想では10人くらい、しかもそのほとんどが女性(これは現代朗読協会[げ・ろ・きょ]のメンバー構成を見てわかっておりました)なのではないかと、かなり恐る恐るの心境で門戸を開いたのですが、この何ともいえないだらりとした雰囲気に、最初は戸惑いつつ、やがて溶け込んでいったのです。しばらくして、表現ゼミ生という若い男性が一人、やがて介護に滅入っているという女性がひとり入ってきて、先生と合わせて3人で講座は始まったのです。もうひとりの借り主らしき方は後方でパソコン作業をしているようでした。

 受講生が互いに自己紹介と申し込んだ理由を言った後、初めは理論編と言って、朗読に必要なものを問答しつつ白板使いながら説いていきました。

 いよいよ実技です。テキストは「坊ちゃん」冒頭の2段落。表現ごとに背景やら心情やらを想像しあっていきました。最初に私が椅子に座り(このときまで先生は立ったまま、受講生は座布団に座っていましたのが)、自由に朗読したのです。表現ごとに考えながら、雰囲気を出そうと、主人公以外の会話もその人の気持ちを込めようと、いわば芝居がかった風で読むあまり、かなりの大音量になってしまいました。そこを先生につかれ、少人数の聴衆と狭い空間を意識して読んだ方がよいと指摘されました。ごもっともなことです。
 
 始まる前に水城雄著『音読・群読 エチュード』(ラピュータ)を紹介され、中を見てみると、先日授業で読んだばかりの暮鳥「風景 純銀モザイク」や演劇部の生徒が朗読コンクールで読んだ漱石「坊ちゃん」が載っていて、使えそうなテキストばかりで、エチュードの説明も簡潔でやりやすそうだったので、その場で買ったのでした。講座では受講生に貸し出してやるようなのですが。この本については、別の記事を書くかもしれません。でも、まあ、今回の講座のほとんどはこの本の中のエチュードでした。

 ・リズム読み リーダーが拍手をしてリズムをとります。それに合わせて区切った文節ごとに読んでいきます。最初はゆっくり、だんだん速くしたり、逆に遅くしたりと、変化をつけて付いてこさせます。テキストは「寿限無」でした。
 これは、リズムを感じながら合わせて読むコツをつかむためのエチュードです。
 水城先生が拍手をして、受講者3人で合わせて読んだのですが、それぞれが切るところがバラバラで、なかなか合いませんでした。
*後日、演劇部の生徒がやったのですが、あらかじめ切る場所を示していたこともあり、また若いからでしょうか、速度を変えてもそつなくみんな(6人です)付いてきました。

 ・お経朗読 文章を句読点も息つぎもなしに、あたかもお坊さんが何人かでお経を読むときみたいに、みんなで連続して読みます。途中で息が続かなくなった人は、そこで休みます。しかし、みんなの読みは続いています。休んだ人は再びみんなの読みに合流します。合流する場所はみんなの読みに合わせてタイミングよく入ります。テキストは「平家物語」冒頭でした。
 これは、「聴く力」を伸ばし、相手のリズムや越えに自分のリズムや声を合わせるためのエチュードです。
 私は息つぎは速くしなければならないと思って、思い切り息を吸って次の言葉から入ろうとしましたが、息が続かなくなったら休んで、すぐに入らなくともよいのでした。なるほど、目から鱗が出ました。

 ・1行リレー 受講者が丸くなり、右回りに1行ずつ交代で読んでいきます。1行きっちりだと文章が変なところで切れていますが、変でもその切れたところで隣の人に渡していきます。切れ目がうまくつながるように、リズムを合わせて読んでいきます。これは、「聴く力」を伸ばします。テキストは「トロッコ」でした。
 このエチュードは結構スムーズに行ったと思います。このときは、会員だという女性が途中から来られて、4人でやりました。この人の朗読を聴きましたが、いやはや、声の出し方から声の温もりまでうまいこと! 感心してしまいました。

 他に、新美南吉「一年生たちとひよめ」をその女性が朗読しました。

 ・ハミングで声を出す  丹田には上丹田・中丹田・下丹田があり、それぞれを響かせながらハミングする。これは演劇部でやってみました。部員たちには日ごろから身体のどこの部分を響かせて声を出しているか、意識するように言っているのですが、基礎練習でそれを意識させ、自分の身体と声をコントロールさせるのに最適の方法だと思ったからです。

 ・股関節を柔らかくするヨガ  股関節は声を出すのに重要な部位であり、硬い生徒もいるので、これも演劇部でやってみようと思います。


 木造の古民家の畳の間は落ちつくし、水城氏もゼミ生も会員の女性も借り主の女性も”自然”で、リラックスでき、とても心地よい4時間でした。
 演劇部に持ってかえって紹介したいエチュードや練習方法もたくさん手に入れることができました。
 しかし、ほんとうは自分自身の朗読力を高めたくて参加したのですが、それはどうなんでしょう。課題だけが残った感じです。
 

 
 



tomtom_poem at 01:57│Comments(0)TrackBack(0) mixiチェック 演劇 

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