4620317357これからの職業―あなたを活かす
本多 信一
毎日新聞社 2005-09

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無料職業相談で有名な本多信一さんの本。少し古い本ですが、図書館でふと目にとまったので借りてみました。内容は、本多さんが190のさまざまな職業についてそれぞれ1ページコメントを加えたものです。

もくじより:
第1章 時代の最先端をいく仕事群(ビジネスマン職種)
*他人に負けない専門性を身につける

 法務部員、マーケティング専門家、消費生活アドバイザー、広報マン、語学スペシャリスト、科学技術者の心理がわかる人事マン、社内臨床心理士(人事マン)、特許部スタッフ、電気主任技術者、退職者による販売代理店など

第2章 時代を先取りした仕事群(自由業&資格取得職種)
*内気で組織に合わないタイプの人に

 株式デイトレーダー、フリープログラマー、リスクコンサルタント、ガーデンプランナー、ネット犯罪対策専門家、音楽の出張サービス業、中国語通訳、公認会計士、弁護士、司法書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、農業補助スタッフ、四季別労働者、小説家、フリーライター、自伝ライターなど 

第3章 リスクの少ない安定型仕事群(公務員などの職種)
*保安・警備型の公務員採用は増加する

 外務省専門職員、国立国会図書館職員、国税専門官、労働基準監督官、海上保安庁スタッフ、防衛大学校学生、防衛医科大学校学生、入国警備官、皇居護衛官、児童福祉士、社会福祉士、清掃局スタッフ、公務員獣医師、中途採用の地方公務員、警察官、教諭、資格取得が有利な公務員職種など

第4章 女性の特性を生かした仕事群(女性優位の職種)
*女性間での協力、伸ばし合いが大切

 レンタルボックスの店、フリーマーケットのミニ商人、トリプルワーク方式、在宅勤務、女性専用はり・きゅう・マッサージ指圧所、幼児向け芸術教室、出張型工芸講師、NGOの設立、警視庁婦人警察官、専門秘書、有料の職業紹介業、女性牧師、翻訳者、中高年向けランジェリー販売、移動販売車商法、民芸品店、朝採り野菜販売市場、女性専用酒場、女性限定断食道場、女性専用エステ民宿など

第5章 時代のニーズで伸びる仕事群(商売、経営などの職種)
*潜在ニーズを探して、オリジナルな商いを

 医療心理士、合同会社運営、コンサルタントファーム、インターネット新聞、SOHO型商品販売、SOHO型国家試験合格塾、マンツーマン公務員試験塾、ミニ学習塾、講師派遣業、セールスマン訓練講座、健康運動指導士、スイーツ専門店、できたてのパン宅配業、ペットショップ、出張型ドッグセラピスト、新感覚のおしゃれ漢方薬店、ひとり客専用飲食店、メイドカフェ、健康麻雀ハウス、シニア専用カラオケ店、小武道道場、お掃除代行業、農業体験民宿、孤独な老人の相談員、画家・陶芸家、少女マンガ家、手作り家具職人、かけはぎ師、竹細工職人など


◆小説家 *プロへの道は修行次第 (p93)
「内気で組織に合わないタイプの人」向けの職業ということで、「小説家」が取り上げられています。本多さんのところにも、「小説家になりたい」と相談する内気な青年男女が多く来たそうです。現実的には小説だけで生活するのは無理ですが、文章を書くのが好きな人なら誰でもチャンスがあると考えて、「夢を失うな」と励ますそうです。
《 文章修行は毎日書き続けると必ず上達する。投稿誌を見ると数百の新人賞の募集があるから、落ちても落ちてもめげずに応募し続けるのがよい。
 かつて小説家志望者は「同人誌」に加わって、作品を掲載してもらいながらチャンスを得たが、今は投稿して入選することでプロとなる道が主である。一応、純文学、大衆小説、ミステリーといった分野はあるが、読み手からすればこの区分けは無意味。何らかの文学賞に入選すれば、さまざまなジャンルで活躍できるはず。
 「文は人なり」であって、文はその人の個性が書かせるもの。だから「プロの指導」は不要と見るが、全くの初心者ならカルチャーセンターの「文章教室」に通うのも一方法。
 小説家となれば高収入の印象があるが、実情はその逆。一年かけて一作を生み出し、一万部売れたとして、定価一五〇〇円なら手取りの原稿料は一三五万円ぐらい。よほどのベストセラーを連発しないかぎり生活は苦しいのが普通。そのため教師やサラリーマンをつづけながら、作家人生を兼ねる人が多い。これからは、女性上位の小説化時代がくると予想する。》


画家・陶芸家 *“ひとりコツコツ型”の人に (p217)
小説家同様、これも夢に終わりそうな職業ではありますが、本多さんは、どこに自分の真のライフワークがあるかはわからなくて当然だから、「いろいろやってみてください」と勧めるそうです。
《 世の中には「集団が合わない男女」は一〇%以上存在する。この人たちは別に病気ではなく“ひとりコツコツ型”の職人、芸術家タイプの個性を生まれながらに持つ。人は集団本能を持つという見方が心理学の常識だが、私はあえてこの人々を“非組織型”とみなしている。集団不適応者イコール変人ないし病人という見方に大反発するから。
 例えば、OLを辞めて益子で陶芸の修業に励み、一〇年の後に大家となった女性がいる。あるいは教師人生に適応できず、洋画家をめざして習作に励み、五十代にしてプロ画家となった男性もいた。ふたりとも別に芸術系大学を出ているわけではないが、努力により栄光をつかんだ人々だ。プロとして名が出れば年に二、三回の個展を開くと、作品が完売して食べていけるようになる。もちろん「プロの道」は実に厳しいために、途中で投げ出したくなるし、貧困生活もつづく。それを励まして「ライフワークを全うせよ!」と応援するのが私の役目。
 (中略)いずれにしてもいったん芸術の道を選んだら、諦めないことだ。お勧め人生は無理でも「食べていくアルバイト」として新聞配達や運送業をする人もいる。最低限の生活費を得ながらプロをめざせば、やがては夢が叶うと考えて、挑戦する人生はすばらしい。》


感想:
 1職業1ページの分量しかないので、どうしても表面的な説明になるのは仕方がないし、どんな職業にも良い面と悪い面があるので、実際にその職業についている人が読んだら、「そんなに簡単じゃないよ」という感想を持つと思われますが、本多さんの視点から見た職業論という部分がこの本の面白いポイントだと思います。
 結局、どんな仕事をやるか、その仕事がうまくいくかどうかというのは運次第のような気がします。努力してうまくいくこともあるし、いかないこともあります。あまり悩まず、状況に流されつつも、その時その時で自分にできること、自分が好きなことをやっていくしかないのかなと思います。人生いろんなことがありますが、なんとかなるはず。じたばたするだけ無駄。