皇室仕様のあいさつ
先日、ガクを連れて古本の大型チェーン店に行った。このお店には中古のゲームソフトも置いてあるのでガクはそれが目当てらしい。僕が古本の方をチェックしている間、ずーと一人で古いゲームソフトを念入りに物色していた。
自分の本を買った後、ガクを探しに行くと、プレステの古いゲームの前でしきりに悩んでいた。
プレステ1の車のゲームを買おうとしているらしい。値段を見ると100円である。家にはプレステ3もあって映像きれいなも最新のゲームをたくさん持っているくせに、ガクはこの手の古いゲームがかえって新鮮にうつるのかとても大好きなのだ。
プレステ1(CD)、プレステ2(DVD)プレステ3(ブルーディスク)という時代の流れを逆行する行為だけど、産まれた時からゲームに囲まれて育ったガクには、自分が産まれる前のゲームの方が新しく感じられるのだろう。
ゲームの製作年にやたら拘っていて、これは1992年、これは1995年と何度も繰り返し教えてくれる。
「100円なら今持っている小遣いで買えるだろ」
と言って一人でレジに行かせた。
遠くで見ていると、ゆっくりと財布からお金を出してレジのお姉さんに渡している。それからレシートと商品を手渡されえると、これまたゆっくりとした動作で丁寧にお辞儀をして受け取っていた。
それはまるで幼稚園の時に卒業証書を受け取ったときのような「うやうやしさ」のこもったお辞儀なのだ。
僕とカミサンは、ガクのこの仕草を見るのが好きで、コンビニなどでも、ガクにお金を渡しておやつとか買わせる。すると、ガクはたとえそれがガム一個の支払いでも、お釣とレシートを手渡されると、ゆっくりとバカ丁寧なお辞儀をして受けとてってくるのだ。
小さいときからそれは変わらない。このゆっくりとした動作とお辞儀の様子は、どうも皇室の方々のような振る舞いなのだ。まあ皇室の方々はコンビニや中古ゲームはお買いにならないだろうけど…
なんて育ちの良い「おぼちゃま」なのでしよう!
と世間では思われているかもしれない。
だが、この「おぼっちゃま」は家の中では豹変する。ご機嫌で遊んでいる時に僕が「そろそろ勉強しろ」と言うと、急に怒り出す。
「ナンデぇだよォー!」「うるさいんダよォー!」「ナンデやんなくちゃいけないだー」「ナにイッテんだぉー!」
可愛い顔に似合わない悪態の限りを尽くした後、やっと嫌々宿題に取り掛かるありさまなのだ。さらに気が乗らないときは、宿題をやりながらも上記のチンピラ言葉の悪態を吐いている。
外で見せる「うやうやしい」振る舞いとは雲泥の差である。絵に書いたような内弁慶の様子に笑ってしまう。
チンピラ言葉では中学生の兄を真似ているようなのだが、先日はあまりの怒りのため、そばにあった踏み台の上に乗り、両手拳を振り下ろしながら、「フンがぁーあああー」
と僕に向って怒っていた。
「なんて、分かりやすい怒り方なんだ…」
あまりに可笑しかったので、そばにいた兄とそのマネをして、からかっていた。
「ケイタ、今の見たか、フンがぁーあああー…」
しばらくすると、自分のことなのに、ガクまで笑い出した。
先日、ガクを連れて古本の大型チェーン店に行った。このお店には中古のゲームソフトも置いてあるのでガクはそれが目当てらしい。僕が古本の方をチェックしている間、ずーと一人で古いゲームソフトを念入りに物色していた。
自分の本を買った後、ガクを探しに行くと、プレステの古いゲームの前でしきりに悩んでいた。
プレステ1の車のゲームを買おうとしているらしい。値段を見ると100円である。家にはプレステ3もあって映像きれいなも最新のゲームをたくさん持っているくせに、ガクはこの手の古いゲームがかえって新鮮にうつるのかとても大好きなのだ。
プレステ1(CD)、プレステ2(DVD)プレステ3(ブルーディスク)という時代の流れを逆行する行為だけど、産まれた時からゲームに囲まれて育ったガクには、自分が産まれる前のゲームの方が新しく感じられるのだろう。
ゲームの製作年にやたら拘っていて、これは1992年、これは1995年と何度も繰り返し教えてくれる。
「100円なら今持っている小遣いで買えるだろ」
と言って一人でレジに行かせた。
遠くで見ていると、ゆっくりと財布からお金を出してレジのお姉さんに渡している。それからレシートと商品を手渡されえると、これまたゆっくりとした動作で丁寧にお辞儀をして受け取っていた。
それはまるで幼稚園の時に卒業証書を受け取ったときのような「うやうやしさ」のこもったお辞儀なのだ。
僕とカミサンは、ガクのこの仕草を見るのが好きで、コンビニなどでも、ガクにお金を渡しておやつとか買わせる。すると、ガクはたとえそれがガム一個の支払いでも、お釣とレシートを手渡されると、ゆっくりとバカ丁寧なお辞儀をして受けとてってくるのだ。
小さいときからそれは変わらない。このゆっくりとした動作とお辞儀の様子は、どうも皇室の方々のような振る舞いなのだ。まあ皇室の方々はコンビニや中古ゲームはお買いにならないだろうけど…
なんて育ちの良い「おぼちゃま」なのでしよう!
と世間では思われているかもしれない。
だが、この「おぼっちゃま」は家の中では豹変する。ご機嫌で遊んでいる時に僕が「そろそろ勉強しろ」と言うと、急に怒り出す。
「ナンデぇだよォー!」「うるさいんダよォー!」「ナンデやんなくちゃいけないだー」「ナにイッテんだぉー!」
可愛い顔に似合わない悪態の限りを尽くした後、やっと嫌々宿題に取り掛かるありさまなのだ。さらに気が乗らないときは、宿題をやりながらも上記のチンピラ言葉の悪態を吐いている。
外で見せる「うやうやしい」振る舞いとは雲泥の差である。絵に書いたような内弁慶の様子に笑ってしまう。
チンピラ言葉では中学生の兄を真似ているようなのだが、先日はあまりの怒りのため、そばにあった踏み台の上に乗り、両手拳を振り下ろしながら、「フンがぁーあああー」
と僕に向って怒っていた。
「なんて、分かりやすい怒り方なんだ…」
あまりに可笑しかったので、そばにいた兄とそのマネをして、からかっていた。
「ケイタ、今の見たか、フンがぁーあああー…」
しばらくすると、自分のことなのに、ガクまで笑い出した。