司馬遼太郎の名作のうちのひとつに~尻くらえ孫市~がある。サッカーでお馴染みの3本足の八た烏が家紋の雑賀孫市が主人公の物語なのである。
 戦国時代最大の鉄砲集団雑賀党を率いる奇男児はあの信長にも一泡くらわせた。鉄砲は名人、女好きは日本一。戦乱の世を縦横無尽に駆け抜けた漢。
 この話が飛び抜けて面白いのは戦国の世のハイテク集団をアナログな漢が仕切り、しかも利には流されないかったということ。
 勝ち組、負け組の0か1の世の中、健全野党という概念がなくなりつつあるこの頃、改めて読むことをぜひ勧める一冊なのである。
IT'S ONLY R&R,BUT I LIKE IT!