2006年06月01日

おねしょ

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B子が小さいころにお母さんが亡くなり、まもなくお父さんが再婚して、新しいお母さんがやってきました。そして、その新しいお母さんは、B子にイジワルをしてくるようになったのです。

そのお母さんは、B子が話しかけても聞こえないふりをしたり、B子のおやつを横取りして食べたり、B子に向かって「あなたなんか可愛くない」と言ってきたり・・・

そんな生活が続き、B子は中学生になりました。

あいかわらず、お母さんからのイジワルは続いたそうです。

そしてB子には、悩みが一つありました。
それは、中学生になってもおねしょが治らないことです。

ある日、B子の友だちが家に遊びに来ました。

すると、友だちに向かってお母さんが、こう言ったのです。
「B子ったら、中学生にもなって、おねしょをするんですよ。」

B子は顔から火が出るほど恥ずかしい思いをしました。

B子は心の中で叫びました。
「あの継母(ままはは)のせいで、私の人生はメチャクチャだ。
本当のお母さん、どうして死んでしまったの?」

ところが、その後B子は、何冊かの本を読み、考え方が変わり始めました。

自分のことを“被害者”だと思い込んでいることに気づいたのです。


「私はいつも、『あの継母のせいで、自分の人生はメチャクチャだ』と心の中でつぶやくばかりで、継母との関係をよくするための行動を何もしていなかった!」

そう思ったのです。

読んだ本の中に、次のような言葉が書いてあったそうです。
「よい人間関係を築くには、感謝の言葉を伝えよう。相手からの見返りをいっさい期待せず、ひたすら感謝を行動で表そう」

そこで、継母に感謝できることを探したら、たくさん出てきたそうです。

・毎日、ご飯を作ってくれている
・おねしょした布団を干していてくれる
・病気になったときは病院に付き添って行ってくれた
・・・などなど
「私は、継母のイジワルなところばかりに固執していたけど、私がここまで育ってこれたのは、継母のおかげだ。
私は、継母が家に来たころから、亡くなった母親と比べて、継母の悪い点ばかり数えていた。
私こそ、最初から継母を『お母さん』として認めていなかった。
よし、まずは感謝の気持ちを表そう!」

B子は、そう決意しました。

仕事の関係でお父さんの帰りが遅いので、夕食はいつも、お母さんと二人きりで食べていました。

その日の夕食を終えると、
「お母さん、おいしいご飯をありがとう。いつもありがとう。」
と言って、母親の背に回りました。

肩こり症のお母さんの肩をもんであげようとしたのです。

するとお母さんが、「何するの、気持ち悪い。あなたに触られたら、よけい肩がこるよ。」と言って、B子の手を振り払ったのです。

B子は、次の日も夕食後に、「お母さん、ありがとう。」と言って肩をももうとしました。

すると今度は、お母さんの肘でっぽうが飛んできました。

B子は、3日目も夕食後に「いつもありがとう」と言って、お母さんの背に回りました。

「何の魂胆があるの?気持ち悪いからやめなさい」と、やはり肘でっぽうが飛んでました。



B子は4日目も、5日目も、6日目も続けました。
毎回、肘でっぽうで拒否されました。



「相手からの見返りを期待せず、ひたすら感謝を行動で表そう」という言葉が、B子の支えでした。

そして7日目。
いつものように夕食後、「お母さん、いつもありがとう」と言ってお母さんの背に回ったら、その日はお母さんがじっとしていました。



そこで心を込めて肩をもんでいたら、しばらくして、お母さんの肩が小きざみに震え始めたのです。

どうしたんだろう?と思って、お母さんの顔をのぞきこんでみたら、お母さんの目から大粒の涙がポタポタと落ち始めました。



まもなくお母さんは「ウワーッ」と泣きながらB子に向かって、こう言ったのです。「ごめんなさい!お母さんが悪かった!ほんとにごめんなさい!」

お母さんは、しばらく泣き続けた後、B子のことをギュッと抱きしめてくれたそうです。



その日から、お母さんはイジワルをしなくなりました。
優しいお母さんに変わったのです。

そしてその日から、B子がおねしょをすることもなくなりました。


tonym2006 at 15:31 │Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ! 【感動エッセイ集】保存版 

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