レミケード (Remicade) がその例である。多くの場合では、その有効性は他の要素によって制限される。抗体は外来抗原を認識すると同時にそれ自身が免疫応答を刺激し、免疫反応の一方の主役を演じている。レミケードは腫瘍壊死因子に対する抗体で、腫瘍壊死因子は通常、関節リウマチの炎症に関連した症状を引き起こす一大原因となっているヒトのタンパク質である。一方で、このようなサイトカインを制御するがん免疫療法は、全身性の炎症を引き起こし重篤な副作用や毒性としてあらわれる可能性がある。

癌のような特殊な微環境下でも作用を発現する免疫刺激性サイトカインと抗体を結合させたキメラ分子が新世代の免疫療法剤として開発されている。さらに、抗体は関節リュウマチなど他の疾患の免疫療法にも応用されている。抗体が、適応免疫反応(獲得免疫反応) (adaptive immune response) の1つの鍵となる。たとえば多くの癌において、その微小環境は免疫抑制的であり、癌患者が患者の癌組織に対して免疫応答をしても、異常抗原を発現している腫瘍は寛容されてしまう。

対象となる抗体は、一定の条件化で作用する疾病原因の抗原に対するものである。ハーセプチン (Herceptin) はErbB2に対する抗体であり、乳癌の第一世代の免疫療法に用いられた薬剤の一つである。モノクローナル抗体技術の出現で、癌表面に存在するような普通では見られない、特殊な抗原に対する抗体を産生することが可能になった。したがって、免疫療法では抗体を使用する対処方法が考えられた。

サイトカインのようなある種の分子の一団に属する分子が知られており、インターロイキン-2などが免疫応答を調節する要となっている。すでに第二世代の免疫療法剤の開発と臨床試験が進行中である。これらを抗体と併用して、殺細胞的な免疫応答を誘導するように協働させることが試みられている。この薬剤は腫瘍組織に対して局在的な免疫応答を引き起こし、不必要な副作用を起すことなく癌化した細胞を破壊する。