「円空とフランス」

　突然、フランスの人と話すことになった。
と言っても、こちとらボンジュールとメルシーだけだ。
心配するな、通訳付だ。
白山文化博物館のＳ学芸員さんからの電話。
白鳥神社の秘仏・円空仏を知りたい、聞きたい、見たいと言う。
何故フランスの人が円空仏なんだろう？
それに俺は円空さんの専門家じゃないよ。
当時、秘仏をご開帳した張本人と言うだけで・・・。
又、見せろって言うのかい？
そうは簡単にウンとは言えないよ。
まあ兎に角逢ってくれませんかと言う。
フランス人にはとんと縁がない。
ドゴール、シラク、アランドロン、ジャンギャバン・・・。
こんな所しか知らない。
アランドロンの太陽が一杯のラストシーンが印象的。
最近亡くなったシラクさんは相撲好きの日本通。
漠然とした古い人達が浮んできた。
　お会いした二人はご夫婦だった。
四十台後半のお二人だろうか？解らない。
ご主人がフランス、奥さんが日本人。
ご主人は教師で奥さんはコーデネィター業（通訳）
ご主人はフランス文学を学ぶ内に円空に出会い白山信仰を知る。
もう何十回と日本に来て、お遍路も経験、空海にも魅せられた。
兎に角、円空には謎が多く未知なる部分に惹かれたとの事。
話していると、我々より詳しいのではないか？
多くの所を見聞しておられる。
志摩に残る円空の貴重な絵も見ておられる。
他所を語る必要はない。
白鳥神社の円空について、ご開帳の経緯などを話した。
しかし、此処にも謎があり、未知なる部分が多い。
長滝の阿名院に納められた仏像が、何故、白鳥神社にあるのか？
明治維新の廃仏毀釈を恐れて移したのか？
これ程の仏像を訳も無く、移すことはないだろう。
余程の事情があっての事だろう。
その文献は在るのか無いのか、今だ不明の域である。
約一時間、情報交換を交えてお話した。
こんな短時間で語り尽くせるものではない。
ささやかな資料をお渡ししてお見送りした。
次回はワインでも舐めながら・・・。
　　　　　　　　　　　　　　　　オーホバー！　寅次郎















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「貯金が増えねぇ」

　アベノミクスがトーンダウン。
関西電力の金脈問題。
江戸の昔より続く、菓子箱に小判。
越後屋、そちも悪よのー・・・ウシシ・・・。
野党が、さあ政府を懲らしめようとした途端、
台風１９号様が自民党を助けに来た。
まずまずに収まったと、ノー天気幹事長。
こんなんが日本を仕切ってんだよ、お立合い。
更に上乗せして、マラソンを札幌へ！
バカヤロー！
何故、八月のくそ暑い時に決めたんだ！
アメリカのご都合だと聞くが、本当かい？
更に加えて、ラグビーフィーバー！
なんだカンダで関電汚職は影が薄くなった。
そして仕上げは、即位礼正殿の儀。
日本は祝賀ムード一色。
安倍は運のいい奴だ。
だが忘れねぇぞ！
アベノミクスは何処さ行ったのだ！
俺の少ない貯金は減るばっかりだっ！
　今年の７月、貧血で入院。
想定外の胃袋内の出血で、貧血状態に。
薬と厳しい節制に耐えた。
禁酒！断酒！は薬と共に、よく効いた。
ここにきて、ようやく元の体に戻りつつある。
過日、血液検査で状態が解った。
ヘモグロビン等の貧血状態も正常値に戻った。
だが一つだけ、戻らない値があった。
Ｆｅ・フェリチンと言うもの。
裸のフリチンとは違うぜよ！お立合い。
血液中の貯蔵庫にある鉄分の事らしい。
ヘモグロビンは現金で、フェリチンは貯金だと言う。
現金は何とかあるが貯金が無い、と先生は言うのだ。
貯金がないと、いざという時、すぐにダメになるらしい。
鉄分の多い食品と薬を飲もうと先生は言う。
アベノミクスでは貯金は増えません！らしい。
投資で貯蓄を！・・・バカ野郎！
博打で貯金は増えねぇよ！　
　　　　　悪銭身に付かず！　寅次郎





















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「悪童」−寅次郎の告白

　関東の寅次郎が送ってくれた。
一気に読んでしまい、今、読み直している。
ふうてんの寅さんが、酒飲みながら語り掛ける。
彼は如何にして生まれたか？
昭和11年2月26日―あの226事件の朝。
飲んだくれ親父の妾の子として生まれたのです。
妾は京都に身請けが決まり、あっしを親父の家の前に置いていったんです。
それを菩薩の様な継母・光子が愛情深く育ててくれたんです。
寅次郎の命名者は帝釈天の御前様です。
後で知ったんですが、御前様は光子にホの字の様でした。
多感な少年期でしたがある時親父と喧嘩して、14歳で家を飛び出すんです。
あっしの骨格をなしているのは、
粗野で乱暴者の親父の血が半分、
残りの半分は、愛情深い母親の血だと思っております。
荒っぽい反面、人の心をついつい覗いてしまう、お節介野郎です。
母・光子が居なければあっしは間違いなくぐれていました。
東京大空襲あたりの話は、岐阜の寅にも、同じ思いはある。
電灯は光を漏らさない様に黒い布で筒状に囲った事。
だから筒の下だけが明るかった。
防空後には入らなかった。
岐阜でも防空壕に入った人は蒸し焼きだった。
俺達は母親に手を引かれ、梅林の裏山に逃げた。
空襲の後は、見事に燃え尽きていた。
着の身着のままの人が、あてどなくさ迷っていた。
食べ物がなく常に飢えていた頃を思い出す。
物がなくても少年寅次郎は明るいガキ大将だった。
ガキ共と荒川でうなぎを釣り、料亭に持ち込み小銭を手にしました。
ある時、お袋に見つかりこっぴどく叱られやした。
子供が川の恵みで商売するとは何事か！と。
あっしは、その金を子分のお袋の薬代に使ったんです。
叱られても、よーござんした・・・。
お酒いただけますか？ハイ。
人様が困っていると素通り出来なかったんです。
　東大法学部出身の山田洋次監督、こりゃ本物のインテリだ。
権力、ブルジョワを嫌い、人の情けをとことん謳ってる。
山田洋次、渥美清、車寅次郎が一つになっている。
山清寅次郎と言うか、山田が渥美を使って寅次郎に言わせている。
これが美しい日本人です。
　　　　　　　　　　　　　私めも飲みたくなりました　岐阜の寅次郎

土曜日の午後９時、ＮＨＫ・ＴＶでお会いしましょう。









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「頭を下げるな！」

　バカは簡単な事を難しく言う。
利巧は難しい事を解り易く言う。
今年のノーベル賞・吉野彰。
リチウムイオン電池を発明した。
パソコンやスマホに使われているがその正体を知らない。
昔の電池と比べて、充電は早く、長持ちし、軽くなっている。
そのメカニズムは凡人には解らない。
解らなくてもいい。
覚える気もない。
だがこの吉野先生には興味を持った。
底抜けに明るい！
よく笑う！
渋野日向子もよく笑う！毛筆も段持ち！
今年の漢字一字は“笑”だろう。
座右の銘が気に入った。
“稔るほど頭を垂れる稲穂かな”
何処でもきかれる平凡なものだ。
だが吉野のジーさんは一味違う。
頭を垂れるな！と若者に言う。
稔らないものは頭を垂れる資格はない！と。
功成り名を遂げたら、初めて頭を垂れよ！と。
在り来たりな座右の銘も、簡単に覆す吉野スマイル。
そうではない！と常に疑問を持つ観察力。
ここらが凡人と違うところだ。
嬉しい事にお酒が好きだと言う、俺との共通性もある。
　昔、オラが村の町長さんを訪ねた事があった。
留守だった。
机の上には次の二つが書いてあった。
亭主元気で留守がいい、と
稔るほど首を垂れる稲穂かな、の二つ。
その後、何期も務めた町長さんは、
いつも、町長室でふんぞり返っていた。
頭は、後ろの方に垂れていた。
町は衰退の方向に向かった。
寅次郎も頭はなかなか下がらない。
人から生意気だと、しょっちゅう言われる。
でも、頭を下げる気はない！
まだ発展途上だから・・・資格がないのだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　８０歳目前の　寅次郎









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「遊び過ぎ」

　日曜日は良天で、もみじカップの試合。
初日が雨で試合が出来ず、一日で済ます事になる。
各チームは二試合を行い、その得失点差で順位を決める。
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，の４ゾーンで試合を展開。
我がチームの初戦相手は三重県の南志シニア。
雨を三重県から連れて来た張本人。
町制の時代から、白鳥と志摩町は姉妹提携だった。
志摩のササユリカップにも我々は出かけている。
今迄に何回となく闘っている相手。
記憶が怪しくなった俺の記憶でも、負けた記憶はない。
でも最近は強くなった。
昨年はこの大会、三位だった。
侮れない！
案の定、先制され、あわや負けるか・・・。
最終回の表、４：４の同点。
寅次郎の四球が逆転の序曲！
何とか７；４で突き放した！
大魚を逃した！と三重のナインは切歯扼腕。
二戦目は、福井の社盟友クラブ。
初参加の相手を甘く見ていて大苦戦！
これも最終回まで負けていた。
７番ＤＰ寅次郎。
ライト前に当たり損ねのポテンヒット！
又しても逆転の序曲！
７；５で辛くも逃げ切った。
予選リーグ二勝！
ラグビーワールドカップ並みのベストエイト進出！
ところがこの先は、得失点差で順位を決めると言う。
接戦で勝ち上がった我がチームに利なし。
ベストエイトで散った。
その夜、ラグビーも同じように散った。
　翌日はゴルフコンペがあり、痛む体で参加。
水平打ちのソフト、すくい打ちのゴルフ。
良いわきゃぁない！
ソフトはレフト線、ライト線突破は長打になる。
ゴルフの左右には白杭が待ち、地獄ゾーンである。
ソフトではあまり打てなかったがゴルフでは沢山打った！
打てる！歩ける！走れる！・・・呑める？
　　　　　　　　　　　元に戻りつつある体に乾杯！　寅次郎

















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「雨の開会式」

　東海北陸６県ハイシニアソフトボール大会。
もみじカップも今年で１７回目である。
ハイシニアとは６５歳以上をさす。
今回、８０歳以上の選手が１４名居て、表彰。
最高齢が８７歳！
しぶといと言うか、丈夫と言うか・・・。
人生１００年時代・・・まだ１３年ある！
お迎えに来たら、留守だと言う！
富山１、石川２、福井４、三重１、愛知２、
岐阜３、そして地元から１チームの計１４チーム。
町内の民宿、旅館に草鞋を脱いでいる。
雨になると、何ともだらしない事になる。
雨の日に楽しんでもらえる観光スポットがないのだ。
改めて探してみたがない！
何と情けない町なんだ！オラの町は！
美人の湯と言う、大衆浴場。
白山文化博物館。
日本土鈴館（ギネス認定）
雨の日に何とか行けそうなところはこんな所。
これとて１時間も見れば終わってしまう。
これで観光立村とは、市長さん、恥ずかしい！
主催者としても、雨の時の対処を考えねば・・・。
遠来の客に失礼千万だ！
過去１６回の内、二日間とも雨天は一回。
一日が雨の時が三回ある。
それにも懲りずに来てくださる皆さんに、何かをしなきゃ。
滝川クリステルの、お・も・て・な・し・を！
自分達が遠征した時の事を思うべし！
　体育館での開会式となった。
冒頭、先の台風１９号で犠牲になられた方へ黙祷！
義捐金までは話に出なかった。
今井代議士が激励の挨拶。
県議、市長の挨拶に続き選手宣誓。
名古屋の名門・鯱クラブの加藤主将。
“技術の及ばないところは口でカバーして、正々堂々と！”
今夜の大レセプションは一時間はやめて５時半から。
それまで、宿で飲む練習をして下さい！
　　　　　　　　　　　　　　　　　低気圧メッ！　寅次郎















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「７人の応援団」

　一番下の孫の運動会。
雨上がりで、爽やかな秋空は久しぶり。
一人の孫に、両親、兄妹、ジジババ入れて７人の応援団。
バーバは前日から、ご馳走作りでもうバテ気味。
３０ｍ競争！
相手は男の子二人。
スタートダッシュはサニーブラウンなみ！
一気に加速して、２，３コーナーで依然トップ！
ゴール前も追い込まれたが、逃げ切った！
記録は９秒９６！日本新？いや保育園新記録だ！
今迄、上の兄姉二人とも、二着止まりだった。
三番目にして、ようやく一着！
大柄で俊敏さは今一かと思ったが・・・。
馬力で男二人をねじ伏せた！
大柄だけによく食べる。
普段も、ご飯より餅が大好きである。
一年中、お正月である。
ポッチャリの肥満体が可愛いー！
バーバ、見習え！
ジージと一緒に力を合わせて玉入れ競技。
球を見るとジージは本能的に興奮する習性。
孫の面倒など看る気が無くなる。
人をかき分け、自分だけが投げ込む身勝手！
ジージの大活躍で、白組に大差をつけて勝利！
勝負は勝たなくちゃ・・・手段を選ばず！
孫・・・やや不満げ・・・？
次はトーちゃんとサッカーボールを運ぶ競技。
ボールを二本の棒で挟んで走る。
トーちゃんは面倒見がいいから、一等賞！
父兄がランドセルを背負って障害物を潜って走る！
ランドセルが網に引っかかって、気だけはあせる！
遂にランドセルを壊してしまう始末。
その真剣さに大爆笑！
卒園生のパン食い競争も熱気と笑い！
父兄の綱引きは、男対女。
昨年はメス軍団の勝利だったが今年はオスが雪辱。
皆が出られる運動会がいい！
小・中学校では子供達だけで今一盛り上がらない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　皆で渡ろう・・・　寅次郎























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「電気がこない！」

　♪信号ねぇ　ある訳ねぇ　
　　オラの村には電気がねぇ・・・♪
最初からなけりゃ、どおーてこたぁねぇんだ。
のんびりしてて、それも又いいもんだ。
　朝、会社に着いたら事務所が暗い。
どうした？
エレキの奴が来てくんねぇだ。
昨夜は雷公の奴、大暴れだった。
めったに目の醒めねぇ寅も起きてしまった。
ガラガラガーン・ドシャン・ビシャン！
平地に叩きつけた様な感じの落雷！
ブレーカーはオールＯＮで異常なし。
普通の落雷なら、まずブレーカーが落ちるだろう。
それでパソコンやＴＶ等が壊れないのだ。
ブレーカーが落ちてないのなら、パソコンは危ない。
でもチェックのしようがない。
電気がないのだから・・・
中電に電話しよう！
普通電話は通じない。
携帯電話も何故か棒が立たない。
立つ所まで行ってようやく電話が出来た。
来てくれるが、あちこち停電で超多忙、遅れるとか。
待つしかない・・・その間、何も出来ない。
電気がなくても出来ることはないか？
あった、あった。
机の上の乱雑な書類の整理。
机の中の不要な物の整理。
２時間ほどしたら中電のお兄さんが来た。
次に外の電柱を入念に眺めている。
解りました！と言う。
電柱に載ってるトランスのヒューズが飛んでます、だと。
下から見ただけで解るんかい？
解ります！と言って、電柱に登った。
雨の中の電気工事だ・・・怖く無いかい？
２０分程したら、ＯＫサインを出してきた。
ブレーカーをＯＮにしろと言う。
綺麗になった机のパソコンが唸りだした・・・。
　　　　　　　　　　アンちゃんが神様に見えた　寅次郎







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「貴重な写真」

　友人が写真をラインで送ってくれた。
９月に伊勢湾台風・不忘の碑を建立した。
それに関する、写真と言う事で送られてきた。
被写体は台風直後の感じがする。
拡大してみると、何と我が家が写っているではないか。
多くの人が、流された跡を眺めている。
残った家の前は、様々なものが散乱している。
生活に使われた桶や戸棚等の家具類。
戸や家に使われた木材類・・・がランダムに。
我が家の前では親父が片付け仕事らしき事を。
周りの景色を見ると、当時の姿が思い出される。
我が家は畑の中の一軒家だった。
岐阜空襲で無一文になり、両親が苦労した。
６畳一間で親子三人の生活も思い出す。
一軒の借家に二軒の家族が住んだこともある。
故郷に戻り５年位して、ようやく立てた一軒家。
古いあばら家を買い、解体して、この地に立てた。
井戸は親父が掘った。
トイレは何故か家の外に作られていた。
トイレには電気もなく、夜は恐怖だった。
道と言えば畦道に近いのがあるだけ。
街頭などはなく夜道は真っ暗で、怖かった。
それでも、一戸建ての我が家は楽しかった。
友達も良く遊びに来てくれた。
岐阜の町から来たと言うので珍しかったのかもしれない。
何もないけれど、親は友達の来る事を喜んでくれた。
２０年くらい経って、ようやく家の前に道が出来た。
家に車等ないのに、車道の出来た事はうれしかった。
これでようやく一人前になれた様な気がした。
この写真は、そんな道等ないときの写真だ。
人生の出発点となる家である。
思い出のぎっしり詰った家である。
その後、何回となくリフォームを重ねた。
それでも、家の面影は残った。
だが、１５年前、総てを壊して建て直した。
昔の面影が消えた今、この写真がひょっこり現れた！
伊勢湾台風を忘れない！と不忘の碑を建てた。
そのご褒美だろうか？
　　　　　　　　　　　　　　　温故知新　寅次郎



















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「老舗が消えてゆく」

　我が町内の老舗が消えて行く。
この一週間の間に二件の家屋が取り壊された。
一軒は酒類の小売店。
もう一件は、料理旅館。
酒屋は子供の頃、親父の酒を買いに行った所。
貧乏だった昔は一升などとても買えなかった。
量り売りで、二合とか三合とかを買わされた。
酒も大きなカメにあり、升で計ってビンに入れてもらった。
この店は、我が家から50m位の所にあり、親戚でもある。
一年上の先輩がいた。
学校の教科書は、この先輩から譲り受けていた。
だから新しい教科書など手に取る事はなかった。
常に先輩の後ろについて、遊んでもらった。
自分が社会人になり東京に出てからの連絡所でもあった。
町内に電話のあるところは２〜3軒であった。
普通時の連絡は手紙だった。
だが急を要する時は電話である。
５０ｍ離れた我が家迄、親を呼びに行ってもらうのである。
いやな顔もしないで、やってもらえた時代だったのだ。
隣近所、地域が仲良く繋がっていたのか？
我が家には風呂もなく、近所で入れてもらった。
無い者には与えるのが当然と言った風潮だった様だ。
今では、とても考えられない日常である。
　今一軒の料理旅館も遠い親戚である。
自分の弟達二人はここで結婚式を挙げている。
三々九度の盃が忘れられない。
花婿、花嫁が盃を口に運ぶと、男の仲人が叫ぶ。
三宝に載った割いたスルメを箸でつまみ上げて“お肴はこれにー”と。
超甲高い声に、笑いが部屋に満ちる。
披露宴もここの二階の大広間。
大きな盃になみなみと注がれた酒を順に回して飲み干す。
これを弁慶と言う。
♪あー弁慶が弁慶が、風に吹かれてゆらゆらと・・・。
正確には思い出せないが、こんな歌詞で注ぎ手が歌う。
弁慶と言う謡を肴に飲むのである。
飲み手は、飲み切れないと、肴が悪いと言う。
さればと、注ぎ手は歌い直す・・・これの繰り返し。
酒宴はエンドレスに・・・。
老舗は思い出と共に消えて行く・・・。
　　　　　　　　　　　　　　　淋しきかな　寅次郎



















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「首が廻らない」

　大きな借金をしている覚えはないのに。
右肩から首にかけて痛みが住み着き、首が回らない。
原因不明？
ある朝、寝違えたかな？　から始まった。
ままある事だ、そのうち治るだろう・・・。
その内が来ても治らない・・・だんだんひどくなる。
ある朝、痛みが走り、起きられない！
肩はコンクリートの如く固まっている。
かかりつけの接骨院でマッサージ。
その時は少し楽になる。
翌朝、又しても起きられない！
隣村のカイロプラクティックを訪ねた。
全身マッサージで、その時は楽になった。
だが翌朝、又しても痛みは襲ってくる！
隣地区で評判の良い鍼・灸医院を訪ねた。
鍼は初めてで、恐怖心だけで痛みが消えそうな気持だった。
チクチクはするが注射の痛みはない。
ところが刺した鍼をグリグリ回すと、痛たーイ！
始めての鍼治療で恐怖から治った感じがした。
だが、翌朝は又しても痛みの奴が居座っていた。
近くで行きつけの内科医で注射と痛み止め飲み薬を貰った。
飲み薬は痛くなったら飲めと言うが即効性はない。
飲むと直ぐに酔うような薬はないのか！
張り薬なども全然効果がない。
これが最後と思い、町総合病院の整形を訪ねた。
まずはレントゲン・・・概ね異常なし。
取敢えず筋肉弛緩と痛み止めの飲み薬が出された。
これも即効性はなかったが我慢して飲んだ。
すると二日目の夜辺りから痛みが消えて来た。
しかし、痺れは残ったままだ。
飲み続けて五日目頃、治った気がして薬を止めた。
すると痛みの奴め、翌朝ひょっこり帰ってきた。
慌てて、薬に飛付いた。
二回目の診察はMRIで調べられた。
30分間、不動の姿勢の拷問である。
首の頸椎間に異常発見！
暫く飲み薬とリハビリで様子を見ましょうと主治医。
それでだめなら手術です！
　　　　　　　　　　　　　　　　　遠回りをした　寅次郎







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「仏教徒・五島列島を歩く」その七

　三日目は長崎大浦天主堂。
天気予報は今日も外れで傘は不要。
8時半に矢太樓ホテルを出発。
朝ゆっくりだと油断していてジャケットを忘れて来た。
ジャケットだけもう一泊して来ると言う。
坂を下り長崎港に近づくと巨大な豪華客船が目の前に。
船とは思えない、海に浮かぶビルデングだ。
聞けば、香港から来たと言う。
イーリャンサンスーウリューチーパーチュウシー・・・。
大声で喚き散らす品のない、成金民族。
4000人が乗ってきたと言うからビックリマンだ。
ここは日本じゃない、中国だ！
日本語が聞こえてこない。
品のいい日本人は我々だけだ・・・。
坂を上り、大浦天主堂正面へ。
これは26聖人を供養するために建てられた由。
26聖人とは、
豊臣秀吉はキリシタンが日本を占領する噂に激怒。
宣教師26人を捕まえ京都で引き回し、長崎まで真冬の道をはだしで歩かせた。
長崎の西坂の丘で十字架に掛け殺戮。
それから260年程、隠れキリシタンの時代が続く。
五島崩れ、浦上第四崩れ等がきっかけで潜伏の終焉に向かう。
浦上から大浦に来た信者がキリシタンを名乗る。
これが世に言う”奇蹟の信徒発見"と言われる。
これを期に、過酷な潜伏キリシタンは解放へと向かう。
その26聖人に捧げるために大浦天主堂は建てられた。
長崎駅近くの西坂の丘に26聖人の記念碑がある。
西坂と言う地名は、わが町にも在るので印象に残った。
長崎の原爆は浦上天主堂上空で爆発。
長崎市民7万余が亡くなっている。
隠れキリシタンから原爆へと長崎は悲劇の場所である。
学校でおぼろげながら習った歴史が今回かなり鮮明になった。
名所旧跡ではない処にも見るべきものの多い事を知った。
むしろそう言う所にこそ、足を運ぶべき事も覚えた。
帰ってきて知ったが五島に”五島さのさ”のある事を知った。
拝殿踊りに歌う”さのさ”と何処かでつながるのか？
興味は尽きない。
酒好きの我々集団にしては、今回、珍しくまじめな旅だった。
カトリックに染まりかけて来た。
　　　　　　　　　　　　　来年の旅は聖地エルサレムだ　寅次郎































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「仏教徒、五島列島を歩く」その六

　大型バスに乗り換え、近くの“龍馬ゆかりの地”へ向かう。
坂本龍馬が五島に来ていたとは知らなかった。
龍馬がグラバーから購入した練習船がこの地で難破。
乗組員12名が落命。
寺田屋で負った傷の療養で鹿児島に来ていた龍馬は、ここに駆けつけた。
同志を弔い、碑文を書き、石碑建立をした。
海に向かって祈る龍馬は、福山雅治調だとガイドは言う。
バスの車中から珍しい鳥居を見た。
クジラのあご骨を建てたと言う海童神社。
有川港近くに、相撲の土俵らしきモノが見えた。
資本柱は鉄骨の骨組みで近代的な土俵だ。
ここは第50代目横綱・佐田の山の出身地だった。
大鵬、柏戸と共に闘った力士で好きだった。
本名、佐々田晋松を何故か覚えていた。
出羽の海部屋を継いで理事長も務め、舞の海を育てた。
前回の旅行、隠岐の島も相撲は盛んで、今場所は隠岐の海が大活躍。
同じ、離島の出身として、横綱を目指してほしい。
公園の一角に横綱土俵入りの像があった。
昼食で美味しかったので、クジラの肉を買い求めた。
内地ではなかなか入手できないので、保冷して宅配で。
帰りはこの有川港から高速船で長崎に帰る。
ジェットフォイルより遅いが1時間40分である。
船内の席は大型TV前のど真ん中。
外の景色は見られないので眠る事にした。
ところがTVはラグビーWcupの対アイルランド戦を映し出した。
こりゃ良い所に座った！　寝てる場合じゃない！
３；１２と離された時は、このままずるずると行くのかと思った。
だが日本は、ペナルティーキックで徐々に盛り返してきた。
何と地味な戦法かと思ったが、これは勝つ気だと気が付いた。
ボール支配は日本が多い。
勝負は後半だと睨んだ。
まさに読み通りの展開に船内は興奮のるつぼ。
五島の旅は、しばし何処かに飛んでしまった。
　この旅は“ゆっくり出発、早めの帰着！で売り出していた。
真っ赤なウソである。
今朝はホテルを7時に出発、帰着は夜の7時。
ハードスケジュールで五島を廻ってきた。
夕食前、別のグループの男性が立ち上がり、叫んだ。
“ラグビーワールドカップ日本の大金星にカンパーイ！”と。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノーサイドは楽しい　寅次郎

































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「仏教徒・五島列島を歩く」その五

　若松港で下船、観光バスに乗り換える。
この先は陸路である。
上五島観光バスのガイドさんが最高だった。
目方で勝負の愛くるしいどんぐりまなこ。
知識は豊富で、ユーモアもある。
正直ここまでの船旅では、ガイドはゼロ状態。
物足らない物を感じて来たが、このまる子ちゃんはＧＯＯＤ！
ようやく、五島列島に来た！と言うムードになった。
彼女の説明
上五島は平地が少ないので農地もない。
従って道は海沿いが多い。
６０年前は50,000人居た人口も今は19,000人。
その内、２５％がカトリック信者。
隠れキリシタンが多かった所で、現在30程の教会がある。
町全体(島)の形が十字に見える。
海の色はエメラルドで美しい。
水面に映る教会→水鏡の教会とも言われる。
これは常に東シナ海と潮が出入りしている為。
手付かずの自然が残り、静かな観光地。
潮風で葉物は育たず、米と野菜がない。
小麦は育ち、これをうどんに加工する。
豊富な椿油を使い、独特なうどんを作る。
此処でしか売っていないと宣伝し、多く買い込む！
昼食は“扇寿”。此処でうどんを頂いたが旨い！
新鮮な刺身の寿司と鯨の肉は最高だった。
上五島空港でシャトルバスに乗り換えて頭ケ島天主堂へ。
頭ケ島は病気の療養所であり、人が来たがらない所。
そんな事で役人の目も届かないので、此処に隠れ住んだ。
だが、五島崩れで摘発され拷問を受け、全員が島を脱出する。
禁制が解けると皆が戻り、岩を切り出して重厚な教会を作る。
柔らかい良質の砂岩があり、他に類を見ない石の教会である。
そこに、キリシタン拷問に使った石（石抱き）が展示してあった。
同じ日本人同士でいながら、少し考え方が違うだけで拷問される。
恐ろしい時代があったのだ、僅か150年ほど前に・・・。
此処の墓は、墓石の上部に十字架が乗せてある。
仏教とキリストが入り混じった感じである。
この地は、縄文人骨や土器が出土している。
強烈な歴史を感じるが、過疎が進んでいるのが淋しい。
現在、上五島空港は利用者なく開店休業中。
いや、これで良いのかも知れない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　大自然が残り・・・寅次郎

















































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「仏教徒・五島列島を歩く」その四

五島列島に上陸。
その昔、長崎で迫害を受けたキリシタンの多くが五島列島に逃げた。
だが、ここでも弾圧は続くのである。
五島最大の港・福江港に上陸、ターミナルでトイレタイム。
玄関口には“ようこそ五島へ”の金文字に、つばきのタイル画。
その横に英語、中国語とハングルで歓迎文字。
英語は許せるが、中国とハングルは不愉快だ。
竹島や尖閣諸島を俺んちだと言う輩は来なくていい！
ここで海上タクシー（４５人乗り）に乗り換える。
ここからが本命の教会巡りである。
最初が久賀島（ひさがじま）
明治の初め、この島では信じられない拷問が行われた、
僅か12畳の部屋に200人を閉じ込めた。
畳1畳に17人と言う過酷さ。
排泄物は垂れ流し、押しつぶされる者も。
結局4３人が死んだと言われている。
この島にある旧五輪教会堂は明治初期の貴重な建築物。
ここは廃堂の為、写真撮影がOK。
近くに新しい教会堂が建てられている。
説明をしてくれたのは、ここの教会守・永松翼さん。
大手航空会社を辞めて五島に移住し、公募の教会守に合格。
我々には計り知れない、熱いものをここに感じたのだろう。
続いて奈留島の江上天主堂。
江戸末期、大村藩から逃げ、この地で潜伏キリシタンとして生きる。
彼等は民家で祈りを密かに続けて来た。
明治初めの五島崩れの時には何人かが呼び出され拷問を受けている。
（五島崩れ；崩れとは隠れキリシタンを大規模に摘発する事）
教会の多くは禁教が解かれてから、自力で建てている。
生活費を切り詰めてお金を出し合って、作業も手伝っている。
ボランティアの女性二人が当番で案内に当たっていた。
過疎になりつつあるが、信仰は続いている由。
小さな集落だが、バス停もあり、郵便ポストも草むらにあった。
再び船に乗り、若松島のキリシタン洞窟に向かう。
ここは上陸が出来ず、船上から眺めた。
五島崩れの時、迫害を逃れ、船でしか行けない断崖の洞窟に逃げた。
3家族12人が4か月隠れていた。
煮炊きする僅かな煙で発見され、厳しい拷問を受けたと言う。
どんな生活だったんだろう・・・？
宗教の強さ、凄さ、恐ろしささえ感じる五島である。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　人の強さも知る　寅次郎















































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「仏教徒・五島列島を歩く」その三

　五通列島に向かう。
天気予報は外れ、長崎は今日も晴だった。
早朝、長崎港ジェットホイル・ペガサスに乗り込む。
ジェットホイルとは
米国ボーイング社が開発した水中翼船。
２６０人程を載せて時速８０ｋｍで海面を飛ぶ船。
長崎から五島の福江港まで約１時間半。
フェリーなら３時間以上かかるから、早い！
長崎港にはホテルの様な豪華客船が接岸している。
船の病院・造船ドックが見える。
昨晩の夜景で見た、湾口に架かる女神大橋の下をくぐる。
通称“ビーナスウイング”と呼ばれる、高くて美しい橋だ。
ここをくぐると“行ってきまーす！”の感じとなる。
やがて長崎本島の島々が消えると後は大海原で単調だ。
船内正面のＴＶ大画面は世界陸上の録画を映している。
旅に出て、何が悲しくてこんなものを見なきゃいけねぇんだ。
これから行く五島列島のガイドは出来ないのか？
おもてなし精神はゼロである。
大半は眠っている。
俺は窓際の席だったので、日頃見えない水平線に見とれた。
大自然の大きさ、ここは深いのか？どんな魚がいるのか？
昔の人は、どんな船で、どうして渡ったのか？
群青色の海面、白い雲、紺碧の空・・・。
己の何とコンマイ事かと・・・ぼんやりの時間。
日頃、こんな時間はないので、ある種のリフレッシャタイムだった。
一時間近く過ぎた頃。うっすらと五島列島が見えて来た。
初恋の人に逢うような気持ちの高ぶり・・・。
思ったよりも大きい。
長崎市ら西方に約１００ｋｍの位置。
東シナ海に浮かぶ大小１４０余りの島で構成。
主な島は南から福江島、久賀島、奈留島、若松島、中通島の五つ。
五島列島の行政区域は四つに分かれている。
福江島を中心に久賀島、奈留島等でなる五島市。
中通島、頭ケ島等でなる、南松浦郡新上五島町。
小値賀島は北松浦郡小値賀町。
一番北の宇久島は佐世保市である。
この行政の違いが、島に橋の架からない最大のネックとか。
６００ｋｍ西方は中国だと言う。
東シナ海と言うと、何故か緊張を覚える。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　戦中派　寅次郎



















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「長崎の坂・余談」

　風頭公園から竜馬通りの坂道はきつい。
若宮稲荷神社から亀山社中跡地付近は巾が狭い。
スクーターが辛うじて走れる巾。
そして勾配は急である。
でも下水は通っている。
さぞかし工事は大変だったろうと思われる。
家を建てるのも大変だ。
機械は入らない。
聞けば、馬が活躍したとも聞く。
上の方には空き家が目立つ。
タクシーの運転手さんが言っていた。
上の方に住む老人が、今、下に下りて住んでいる。
従って、タクシーの利用も減ってきたと嘆く。
次はその空き家を解体するのが大変だと。
あと１０年もすると、大きな問題になりそうだ。
その坂道を、小学生がエッチラ、オッチラ上って来た。
通いなれた道だが、ランドセルが重そうだった。
でも此処で育てば強くなりそうだ。
箱根の山登り何てモンじゃない。
そう言えば、家の隣の奥さんは長崎の人である。
確かに体格も良く、強そうである？
又、夜中飲んで帰っても家に着く頃は、完全に醒めそうだ。
さりとて飲みすぎれば帰れそうにない急な細い坂道・・・。
そこから家の玄関までは又急な階段である。
膝に弱点のある俺には、とても住めそうにない所だ。
　日本の三大がっかり名所にも数えられているオランダ坂。
そこなどはまだ緩やかで、ゆるいカーブに風情を感じる。
（他の二つのがっかり名所は札幌の時計台に四国高知のはりまや橋）
長崎の平地の大半は埋立地らしい。
何ゆえこんな不便な地が、日本開港の先端になったのか？
まだまだ知りたい事の沢山ある長崎。
竜馬は言った。
“長崎はわしの希望じゃ、やがては日本回天の足場になる”と。
住みたくはないが、又来たい所である。
　　　　　　　　　　　　この度、長崎は今日も晴れだった　寅次郎



















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「仏教徒・五島列島を歩く」その二

　亀山社中の事。
初日に草鞋を脱ぐところは、丘の上の矢太樓館。
その昔、昭和天皇もお泊りになった老舗旅館。
長崎の夜景が売りの旅籠。
近くに、坂本龍馬像が立ち、亀山社中があると言う。
見逃すわけにはゆかない。
早速に向かった。
長崎は坂の町と聞いたが、成る程。
最初は下り坂で竜馬像に着いた。
風頭公園の一角で腕を組み、長崎港を睨んでいる。
日本の未来を見据えているように・・・。
慶応元年、勝海舟が亀山社中を作り、坂本龍馬に運営を任せた。
その後、竜馬は亀山社中を海援隊にする。
海援隊士になる条件は
　脱藩者である事。
　海外への志を持つ者とされていた。
これでは罪人の集団とも言える。
旗印は、赤白赤で通称、二曳の旗と言われる。
少し下ると、若宮稲荷神社がある。
坂本龍馬はじめ多くの勤王の志士達が参拝したとある。
少し下ると、亀山社中資料展示場があったが閉館中で残念。
更に下って左に入ると亀山社中跡・記念館である。
急な坂道で、看板が小さく見落として、迷子になる。
この坂道での迷子は悲惨だ。
元に戻るのに、登ったり、降りたりと汗だくだった。
この記念館、意外と小さい！
日本初の商社にしては、いかにもコンマイ。
建物は10畳、8畳、3畳に急な梯子の中二階の隠し部屋。
隠し部屋に竜馬を含む６人が隠れていた。
有事の時に潜む部屋らしいが、如何にも狭い。
亀山社中は１８名のメンバーと言われる。
１８名が此処で活躍した？・・・やはり狭い。
軍艦や銃を売買し、日本を動かした拠点にしては小さい。
ブーツを履き操舵に手をかれば、眼下には長崎の町。
この近辺には墓地が多い。
墓石に彫られた文字が金色なのは何だろう？
帰りは坂道がつらく、タクシーに頼った。
夕食後は世界の三大夜景（長崎、モナコ、香港）にうっとり！
長崎の坂が、夜景を立体的に見せてくれる。
　　　　　　　　　　　　　　長崎の夜はむらさき　瀬川・寅次郎







































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