「ついに中止」

　岐阜県のコロナ感染者が減らない。
緊急事態宣言発令寸前まで来た。
その前の、蔓延防止措置法が発令中である。
両者の差は、何なのかは良く解らない。
兎に角、不要不急、自粛せよとの事だ。
飲食店も午後7時までとの事。
　4月に開幕したシニアソフトボール・リーグ戦。
5月23日までは何とか試合を行ってきた。
ところがここに来て様子が変って来た。
地域によってはグランドの使用禁止が出て来た。
禁止地域のチームは、試合に来なくなった。
家族が試合に行くのを反対するらしい。
感染者の多い地域のチームと試合をするなと。
連盟には、選手が300人位所属する。
その中から感染者は出ていない。
試合は密を避けて行っている。
試合前後の挨拶は、互いのベンチ前で行う。
珍プレー、好プレーがあってもハイタッチなし。
アルコール消毒はベンチに常備してある。
戸外なのでマスクは自主性に任せている。
　各チームにアンケートを取った。
結果は、6月一杯は原則中止と言う答えだった。
基礎疾患などない、健康老人達だが・・・・。
この度は、慎重な意見だった。
なんせ、コロちゃんは年寄が好きだと言うから。
本人達はやりたいばかりだが・・・
家族が・・・と言う。
　我々はこんなに慎重なのに、
総理はオリンピックを断固開催すると言う。
何を根拠に言えるのか？
オリンピックは出来て、俺達のソフトは何故ダメなのか？
スポンサーがいねぇからか？
ワクチンを打ってねぇからか？
中止にしても、誰も迷惑しねぇからか？
バッハみてぇな奴が居ねぇからか？
国民の7〜8割が中止を言うのに、やると言う。
総理はもう、破れかぶれじゃねぇのか？
我が連盟の方が余程冷静だ。
　　　　　　　　　　　　名もなきアスリート　寅次郎







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「続く訃報」

　八十路を越えた同級生の訃報が続く。
この半年に４人が逝ってしまった。
１２月に中島英子、１月に片桐　稔、
５月１２日に高井信雄、１８日に尾藤光治。
何れも病に負けている。
昨年、テレワークの同窓会を開いた。
手紙で近況を報告するモノ。
それを、紙面にまとめて全員に返信する。
これで、皆の様子が解る。
題して“レター同窓会”
亡くなった4人の内、二人は闘病中。
そして、他の二人は参加していた。
“元気です！”と言うコメントを寄せて。
中島は、認知症ながら頑張っていた。
片桐も、闘病中ながら頑張っていた。
高井は、一人暮らしですが元気です。
風呂に入る時は気を使っています
お互いに気を付けて頑張ろう！
尾藤は、テレビの守をしながら元気にしております。
足腰の為に家の近辺を歩く様にしております。
僅か半年前の事である。
もうこの世に居ないとは信じがたいものがある。
それに今時は、病院に面会も許されない。
一人病床で孤独に耐えるしかない。
俺も、今月初めに一週間ほど入院をした。
誰も病室を訪れる事はなかった。
生れる時も一人だが、死ぬ時も一人か・・・
その時、実感としてしみじみ味わった。
コロナ禍の最中に死ぬもんじゃねぇ！
一人で行くのはしょうがないとしても、
旅立つ瞬間位は、皆に別れが告げたいもんだ。
こんな事を考えさせられる友の訃報である。
同級生136人の内43人が逝った。
約三人に一人が鬼籍に移った。
我々の年代の平均余命は90だと言う。
あと10年足らずで確実に半分は消える。
されば、ボーっと生きてんじゃねぇよ！
チコに叱られそうだ。
　　　　　　　　　　　　あせる・・・寅次郎









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「快なり！」

　NHK大河ドラマで慶喜は叫ぶ！
酒席で、島津、松平、伊達を天下の大愚物とこき下ろす。
政権返上等はせぬと宣言。
将軍への決心がつき叫ぶ！　
“快なり！”と。
これは、父・斉昭も事有る毎に叫んでいた。
　今年の阪神タイガースは破竹の勢い。
怪物新人・佐藤輝明の活躍が光る！
ドラ６の中野がショートを独占。
木浪、北條の先輩を抑えている。
外野では糸井ですら、代打要員だ。
サンズ、マルテ、スアレスの助っ人もいい！
にっくき巨人に4.5ゲーム差をつけ交流戦へ。
ここ迄は誠に　“快なり！”　だ。
コロナは早期の沈静化を願う。
だが、虎の勢いだけは沈静化するな！
益々猛威を振るい、巨人の首を締めろ！
　我がソフトボール・白鳥シルバースターズ。
開幕で高山に不覚を取っただけ。
この時は、高山に女性が5人入っていた。
彼女らを甘く見ていた。
そのスピードに翻弄された。
色香にも迷われた。
いいとこ見せようと言う助平根性が敗因。
それ以後は破竹の5連勝！
その中に、昨年の覇者・シルバー岐阜に2勝している。
速球派投手の対応が出来てきた。
要はブンブン丸が消えて来たのだ。
ミート重視！兎に角当てろ！三振が減った。
ライナーが野手の間を抜けて行く。
一人で決めようと思うな！
冬眠から覚め、調子が出てきた。
これ又　“快なり！”　だ。
ところが、試合はコロナ休み入ってしまった。
6月一杯は禁止。
又、季節外れの冬眠になるのか？
いや、試合はダメでも練習は出来る。
徹底的にしごいてやろう！
　　　　　　　　　　　　しごき係・代打要員　寅次郎













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「再デビュー」

　昔、我が町内にゴルフクラブがあった。
４６年程前、郷里へＵターン。
郡上高原ＣＣを造成した。
それを機に、この地もゴルフブームとなった。
ゴルフ場が完成して数年後にクラブが出来た。
その栄町ゴルフクラブへ入れて頂いた。
出来た当初は、栄町近辺の人達だった。
ところが何故か、愚生は２年程で辞めてしまった。
そして、別の白鳥クラブに入った。
これは長く続いた。
月に１回のコンペに、年２回の遠征コンペ。
合計４２７回のコンペを記録した。
ところが平成２９年に解散。
メンバーが老齢化する、鬼籍に向かう。
最後のコンペは７人だった。
これを機に、己のゴルフ回数は激減。
昨年は１回、今年も１回となったしまった。
このままゴルフは辞めるのか？
そんな心境の中、若手から声が掛かった。
一旦は辞めた栄町クラブに入ることになった。
時移り、人変わった。
創立当時の人は２人しかいない。
後は、遠くの町内の人達ばかり。
そして、俺が最年長。
クラブの錆を落として、ティグランドに立った。
ほぼ２年ぶりのラウンドは緊張した。
ハンディキャップは２５としてあった。
１００を３個切らないとパープレーにはならない。
数年前なら楽勝だったが・・・今は無理か？
ゴルフが出来るだけで良し、とせねば・・・。
自分を慰め、気弱にスタートした。
第一打、不安は的中！だふって100ｙしか飛ばない。
このクラブのルールはオールノータッチ。
芝の状態はこの時期、生えそろっていない。
アイアンで刻む戦法しかない。
しかしこれも裏目でダフリ気味・・・結局ここは８打。
後半は雨も降り、集中出来ず、105のお粗末。
ほろ苦い、再デビュー戦となってしまった。
　　　　　　　　　　　　　過去を忘れろ！　寅次郎





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「草笛物語」

　前に読んだ“蜩ノ記”で葉室麟ファンになった。
“葉隠”では武士道とは“死ぬ事と覚えたり”と言うが、
葉室は残された命を如何に生きるかを謳う。
この草笛物語は蜩ノ記の続編であると言える。
蜩ノ記で切腹した戸田秋谷の息子達の物語だ。
一世代次の若者達の葛藤を描く。
江戸で小姓だった１３歳の颯太は両親を亡くし国元に帰る。
そこに戸田秋谷の息子・順右衛門がいる。
戸田秋谷の娘・薫は、戸田の見張り役・庄三郎に嫁ぐ。
藩主となる吉通は、颯太と共に江戸で遊んだ仲。
吉通は若き藩主となり、豊後羽根藩に戻ってくる。
藩では古老の左近が藩主の座を狙い暗躍する。
それに若き藩主や颯太が果敢に挑んでゆく。
颯太と藩主となっても変わらない吉通の絆がいい。
藩内抗争の中にも秋谷の生き方が出て来る。
気になる言葉があった。
“男子の本懐とはよき伴侶を得ることなのかもしれぬ”
　蜩ノ記で、秋谷の見張り役だった庄三郎がポツリと漏らす。
　秋谷が偉かったのではない、その奥方が見事だった、と。
　庄三郎の妻・薫はその秋谷夫婦の子供なのだ。
　この薫も又、庄三郎の、叉となき伴侶だ。
　夫にも尽くすが、颯太や、美雪、お春達の指南役でもある。
　最後は、美雪やお春が覚悟を決めて、事に挑もうとする。
　いざという時は、おなごの方が、腹が座っている。
　この胎の座りが、良き伴侶の証なのだろう。
翻って、我が家の大奥は良き伴侶であろうか？
良き伴侶と言えば、のろけに聞こえる・・・。
そうじゃないと言えば、謙遜に聞こえる？
丸く収めるには“そうです”と言うしかないか？
我が家には、良き伴侶のいないものが一人いる。
何故に求めないのか、心の奥は解らない。
面倒な事もあるが、中々いいものでもある。
一度しかない人生だ。
一人きりでは、勿体ないと思うが・・・。
草笛は友を呼ぶときに吹くもの。
草笛を吹くと、仲間が集まってくる。
蜩ノ記がハッピーエンドで終わる、葉室の絶筆。
読書感が爽やかであった。
　　　　　　　　　　　　　草笛の稽古をしよう　寅次郎



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「素質あり！」

　ヘボゴルファー・ジージが前の空き地でアプローチ。
小1の孫娘が、私にもやらせろと出てきた。
バーバの日除け帽子を目深にかぶり。
この年にして日焼が気になるか？
ジージのクラブを振り回していたが当たらない。
どうして？　
おかしいな・・・？
照れ笑いで誤魔化している。
何回振っても当たらない。
彼女なりに考えた・・・。
超、短く持って、振った！
当たった！
飛んだ！
・・・解った！
それからは安定した。
この年で、短く持てば当たると判断した。
教えた訳ではない。
本能だろうか？
こんな所に、素質を見た。
親バカじゃなく、ジジ馬鹿？
バーバも出て来て、写真を撮ってくれた。
なかなか様になっている。
ついでにバーバも振って、教えていた。
バーバも今は卒業しているが、昔ゴルファーだった。
１００を一回だけ切った記憶がある。
孫は、そのバーバといい勝負だった。
此奴は将来、渋野日向子になるかも知れない？
素質もあるが、底抜けに明るい！
今一つ、ビックリがあった。
翌日、絵日記を見せてくれた。
“じーじとごるふした”　うえむらみや
“たのしいよお　じいちゃんより　
わたしのほうが　うまかったよ”
負けん気も強い勝負師だ！
絵はジージとのツーショット。
背丈は、ジージと同じに書いている。
レベルを同じに見たのだろうか？
ブロガーとしても、素養はありそうだ。
　　　　　　　　　　　何時、追い越されるか？　寅次郎











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「肝臓にレッドカード」

　酒飲み寅次郎の話ではない。
酒の嫌いな、我が家の大奥の話。
ソフトボールから帰宅したら、床に臥せている。
どうしたのか・・・？　聞けば、
熱がある、だるい、食欲がない、吐き気がする・・・。
すわ、コロナか！？
さーどうする・・・・。
どうする、どうする・・・どうにも出来ない。
まさか？　まさか？　どうする・・・。
大の男がウロウロするだけだ・・・。
今日は土曜日だ、医者は休みだ・・・。
どうする・・・
近所に居る娘に電話した。
娘は、病院に勤めている。
直ぐに来てくれた。
先ず、部屋を開け放して、空気を入れ替えた。
その上で、細かく状態を聞いた。
午前中は畑仕事をしたが、午後に気力がなくなった由。
熱中症？
でも今日は、大方、曇っていた。
当直に総合医療の先生がいるからと連れて行った。
細かい検査は休日で出来ないので、薬を貰ってきた。
月曜日に医者に連れて行った。
半日かけて、様々な検査を受けた。
血液検査で、肝臓が異常な値を示している。
肝臓近辺をエコーで調べた。
すると肝臓に繋がる道が、石で塞がっている。
その為に、肝臓が働かないと言う。
肝臓が直接悪い訳ではない。
でも道が塞がれると、悪くなるのだ。
その結果、即入院と相成った。
４，５日位ではないかと言うが・・・。
大奥が入院すると、俺が大変になる。
今迄にも何回かあったが、困るの事だ。
掃除、洗濯、風呂、食事、布団の上げ下げ、
花の水やり、孫の付き合い、Ｅｔｃ。
思えば、大奥は実に多くの事をこなして御座る。
自慢じゃないが、俺は、全くのド素人だ。
肝臓よ、早く気分を治してくれ！　
願いは通じたか、数日で御帰還遊ばされた。
　　　　　　　　　　　　　　　ヤレヤレ　寅次郎





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「お早うございます」

　我が家には、月一度、お坊さんが見える。
親の月命日に供養読経をして頂く。
阿弥陀経を上げて、世間話をして帰られる。
先代住職は３年前に亡くなり、今は跡取りが。
先代は私より１年先輩で79で逝かれた。
跡取りは我が息子と同じ年代。
先代は酒と阪神タイガースが趣味で、私と同じ。
世間話は良くても悪くてもタイガース。
跡取りも同じと言いたいが酒は弱そうだ。
タイガースは親譲りで世襲なり！
世間話はタイガース中心。
跡取りは市役所にも勤め幹部候補生。
だから時にはタイガース以外の地域の話も。
この町の将来についても議論する事がある。
最近、来られる時に、ある冊子を持ってこられる。
“Mido”（御堂）と言う、宗教冊子。
この冊子、線香臭くないのだ。
南無阿弥陀仏の匂いがあまりしない。
表紙が良い！
決まって20代の別嬪さんが微笑んでいる。
この美人はどんな人だろうとページを開けたくなる。
中には独身女性もいる。
応募するのだろうか？
煩悩が頭をもたげてくる。
総体的な中身は様々なジャンルの人が寄稿している。
落語家の桂小春団治の“落ちない落語”が面白い。
先月号は業界用語の解説。
客商売の挨拶は、夜でも“お早うございます”だ。
昔、飲み屋のママさんが盛んに言っていた。
言われた事もある。
その時は、このママはボケたか？と思った。
夜の商売は、昼真寝ていて夕方起きるからか？
その時は、その程度の認識だった。
違った！
こんにちは、こんばんは、は何れも“こん”が付く。
“こん”は“来ん”となり、客が来ないに繋がる。
飲み屋に行く時は“お早うございます”が通なのだ。
コロナさんには“こんばんは”がいい。
　　　　　　　　　　　南無阿弥陀仏が面白い　寅次郎





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「女との戦い」

　土曜日は高山で古稀の戦い。
日曜日は岐南町でシニア戦だった。
この年で、連続二日の４試合は酷だ。
尤も二日目のシニア戦は代打要員だが。
土曜日は古稀戦の開幕でもあった。
ところが、兵隊が集まらない。
試合ができる最低の９人だけ。
一人でも怪我したら、お終いである。
初戦は岐阜信長クラブ。
一昨年のチャンピオンである。
相手投手は古稀では若手の７２歳。
その速球とカーブに手こずる。
１；２で負けていた最終回、我が方の攻撃。
ツーアウト２，３塁でバッター寅次郎はセンター前に運んだ。
２塁ランナーはホームへ滑り込んだがアウト！
万事休した。
二戦目の高山は女性が４人来ていた。
これを甘く見て、ずるずると追い込まれた。
彼女達の打力は恐ろしくはない。
だが、俊足で隙をついて走る。
守備範囲が広く、肩が強く、中々ヒットにならない。
内野を抜けた！と思っても、深い所から投げてくる。
打球に向かって飛び込んでゆく。
それに引き換え、こちら様は、鈍行、鈍足。
サイドブレーキを引いて走っている。
ライト前ヒット！と一瞬喜んでも一塁アウト！
内野ゴロゲッツーも簡単にやられてしまう。
一方、守っても、おなごには滅法甘い！
何でもない内野ゴロをポロリとサービス！
女の子に、有難う！と言われデレーッと笑ってる。
これは何も今年に始まった事ではない。
去年もこの高山混成軍団に、なぶり者にされた。
それを悔しいと思わないエロジジ―軍団。
高山の女性は、郡上が好きだと言う。
弱いから・・・サービスがいいから・・・。
バカヤロー！
何とかせねば、今年はビリだぞ！
女には好かれたい、試合には勝ちたい？
　　　　　　　　　　二兎追っている　寅次郎

















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「孤蓬のひと」

　小堀遠州の一代記である。
小堀遠州の名を知ったのは同窓会だった。
平成5年、三河・蒲郡へ一泊の旅、同窓会。
その時、浜名湖の北にある龍潭寺を参拝した。
本堂の裏で腰を下ろして、庭を眺めた。
これが小堀遠州の造った庭だと知った。
江戸時代初期に造られた、東海一の庭園と聞いた。
その時、15人で訪れたが、その内8人が鬼籍だ。
28年前の事を思い出しながら、この本を読んだ。
読む前は、遠州は庭師だと思っていた。
6年前、皇居の奉仕作業に行き、東御苑を見た。
皇居の中で、そこは今も一般開放されている。
その二の丸庭園が遠州作と聞き、印象深い。
４年前、伊勢初詣の帰途、京都へ回った。
二条城にある二の丸庭園が遠州作と教わった。
脳裏に焼き付いているのは、この三つである。
その他にも、各地で多くの名園を手掛けている。
作庭する時、遠州は多くの山水河原者を使っている。
河原者と言えば賤民と位置づけられた時代。
その彼等が上流社会の名庭を造り上げている。
読んでいて何か矛盾を感じた。
孤蓬とは
風に吹かれ根を離れる一株のヨモギとある。
放浪する、旅人にも例えるらしい。
小堀遠州は庭師である限り、孤蓬ではない。
茶人の遠州を指して言うのだろうか？
遠州が利休、織部に次ぐ茶人だったとは・・・。
戦国時代の政治に関わった、利休や織部と違う。
この二人は、それが故で切腹して果てた。
徳川の時代になり、遠州の茶は静寂を求めた。
茶とは、己を知る事だと悟る。
故に、孤蓬なのか？
葉室は言う。
人は、それなりに働いて最後に成仏する。
役割を果たして次に向かうのが“死”だと言う。
自分が“ちゃんと生きてきた”と思えば“死もまた、良し”ですと。
酒を愛し、酔うほどに饒舌な人だったと聞く。
あの時の同級生の半分以上が逝ってしまった。
　　　　　　　　　　　　　　孤蓬はいやだ・・・　寅次郎















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「郡上の飛び地」

　昔、郡上藩には越前に飛び地があった。
その面積たるや半端じゃない。
郡上藩本国とほぼ同じ面積なのだ。
元禄5年（1692）
遠藤家は世継ぎが夭逝し改易される。
そこに常陸笠間藩の井上が郡上藩主となる。
その時、越前の幕府直轄領の一部を郡上藩に分ける。
その所領は大野郡を中心に≒25,000石だった。
その後、郡上は金森、青山と続く。
青山藩の時に正確な数字が出ている。
郡上郡分〜23,819石
越前分　〜24,180石
合計≒48,000石
郡上藩の飛び地とはいえ、越前の方が多いのである。
何故このようになったのかは解らない。
地図上では隣接しているが、その境は険しい山である。
当時、郡上藩はこの飛び地に陣屋を置いて支配した。
勝山町の南方・若猪野に代官を常駐させた。
領内を幾つかの組に分けて、有力百姓を大庄屋とした。
大庄屋は代官の下で、年貢の聴衆等を行った。
穴馬郷は一つの組として、そこの大庄屋は原家が担当した。
この飛び地は、かなり広大である。
大野市、勝山市、鯖江市、越前町等と広範囲に点在する。
これだけの知識を原酒造の、原氏から聞いた。
過日、荒島の郷を見学し、その足で、勝山の飛び地に向かった。
勝山の若猪野地区に石碑があった。
そこには、郡上の飛び地であった事が彫られていた。
更に、その近くに代官屋敷が残っていた。
代官に付き従った人の家も二軒あり、子孫は住んでみえた。
代官や、付き人は、郡上八幡の人と聞いた。
墓地には、代官の墓も立派に残っていた。
何故か代官の墓名だけは“南妙法蓮華経”だった。
何故だかは聞き漏らした。
この一帯は平野で、郡上より開けた良い所に見える。
何故に郡上藩に押し付けられたのか？益々知りたくなる。
郡上の人は飛び地の事はあまり知らない。
だが越前の人の多くは知っていると言う。
中部縦貫道で急速に近くなる。
　　　　　　　　　　　もう飛び地ではなくなる　寅次郎







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「勝山・花月楼」

　荒島の郷を見て、勝山に向かった。
荒島の郷で昼食を思ったが、体よく密を避けた。
同行した原君が勝山にいい所があると案内。
老舗の料亭・花月楼。
昼飯を喰らうには、少々高級過ぎないか？
直ぐに貧乏人根性が顔を出してくる。
表の看板を見る。
明治30年の建築。
勝山市における伝統文化と食の拠点。
同市の料亭建築の代表格とある。
何が文化なのかと、中を見た。
部屋は10室以上ある。
圧巻は2階の３２畳の大広間。
天井が傘状に湾曲している。
床の間に大きな掛け軸。
意味は浅学菲才の身には理解できない。
だが書いた人は、小笠原長守。
調べたら、越前 勝山藩の第8代（最後）の藩主。
明治になり版籍奉還で勝山の知事になった人。
他にも大きな書の額や、浮世絵美人の掛け軸があったが、
残念ながら、その真価は解らずに帰った。
勝山は左義長が有名な所とか。
その時に男が着る、女物の赤柄の派手な着物。
三味線、太鼓が展示してあった。
食事処には、池波正太郎、水上勉の書もあった。
聞く所によるとこの界隈は遊郭街だった様だ。
お大尽は、この料亭で酒宴を張り、その後、遊郭へ。
何とも豪華で、粋な街であったようだ。
言われてみれば何となくそんな雰囲気も感じられた。
楼の横を流れる小川は美しく整備されていた。
水の小径としての散歩が楽しめる様だ。
老舗の高級感溢れる、このお店。
さぞかし高いだろうと、恐る恐るお品書きを見た。
驚いた！　安い！　￥1000以下のメニューが多い。
でも折角だからと、￥1300の花月楼ご膳を頂いた。
満足！　満足！・・・さて、遊郭へ向かうか！
その昔、この勝山市は大野市と共に郡上藩だった。
食後、遊郭は止めて、郡上藩だった痕跡を訪ねに向かった。
　　　　　　　　　　　　　栄養の次は教養の旅に　寅次郎

























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「荒島の郷」

　中部縦貫道の建設が急ピッチだ。
大野市から和泉村までは来年度の完成らしい。
和泉村〜白鳥迄は2026年度と発表された。
これが完成すると、流れが大きく変りそうだ。
我が町・白鳥から福井は格段に近くなる。
裏日本の時代が来るような気がする。
郡上市のお隣、大野市の入り口に巨大な道の駅が出来た。
大野東ICに隣接する“荒島の郷”
ショッピングモールの雰囲気だ。
その建物の半分に、アウトドア―専門のモンベルが入った。
荒島岳（1523ｍ）は日本の百名山に入っている。
泰澄が開山し、頂上に荒島神社が在り、信仰の山と言われる。
そして大野から郡上にかけては、総てが山である。
いや、途中に九頭竜湖と言う巨大なダム湖がある。
モンベルは、この環境にターゲットを絞ったか？
そこらは、未開の地である。
そこに自動車道が入って来た。
指をくわえてみているバカはいないだろう。
そして今、我々も油坂峠を見直そうとしている。
越前・美濃の歴史街道復活を掲げて。
海抜800ｍのハイキングコースとしても。
近くにモンベルさんが来た。
仲良くしない手はないだろう！
てなわけで、メンバー4人で荒島の郷を見学した。
入口左手に池がある。
これは工事中の調整池だった様だ。
それを生かして、カヌーを浮かべている。
2人乗り、1時間弱で￥2000程で遊ばせている。
その横に、ボルダリングの岩が立っている。
これも1時間弱で子供￥1000，大人￥1300。
一度に4人程は登れる。
建物全体は巨大なマルシェ（市場）でもある。
地元直産の、様々なものが店頭を彩る。
フードコーナーも多彩なものが食べられる。
テイクアウトして、外の芝生で楽しんでいる人も。
キャンピングカー専用の有料パーキング。
文化伝承室では歴史や文化が学べる。
食べる！学ぶ！遊ぶ！がキャッチフレーズだ。
　　　　　　　　　　　　油坂峠も仲間して！　寅次郎

















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「油坂展望台」

　ゴールデンウイーク前に大まかな整備を終えた。
コロナ禍でハイカーは来ないとは思うが・・・。
昨秋に撤去した手摺ロープの再設置。
メインは頂上付近の展望台整備。
展望台までの遊歩道確保。
階段横木の設置、手摺ロープの設置。
展望台にベンチを５カ所設けた。
見晴らしは、昨秋の内に伐採して、広げた。
蝶々清水の湧く所に、水芭蕉が一株咲いていた。
原さんが、かなりの数を植えたと言う。
だが、水を飲みに来る、動物が食べてしまった様だ。
清水による湿地帯なのに、残念である。
今年は、ここに大きな看板を設置する予定。
峠の歴史、故事来歴を掲げたい。
その文言を勉強して作らねばならない。
この広場にも休憩用のベンチも作りたい。
展望台には、遠くに見える山並みの説明看板も。
見える山々の位置、名前も確認せねばならない。
その為の測量も必要だろう。
油坂峠のＰＲパンフレットを早急に作りたい。
そこに掲載する歴史、由来、平面図、縦断図。
アクセス図、アクセス案内、等々。
秋には、ウオーキング大会を開催。
Ｎｅｔ等を通じて、ＰＲ、キャンペーンを行う。
やる事は、山ほどある。
２０２２年度は、これらを書籍にまとめて発刊する。
ウオーキング大会等は継続して催行。
この歴史街道の延長整備も視野に入れる。
現在の白鳥側登り口から、桜パーク、向小駄良番所への延長。
これらは、継続的に考察をして行く。
　戦後７５年、日本は急速な発展を遂げてきた。
そして今、未曾有のコロナ禍に出会い、休息状態。
コロナウイルスは人類に何かを突き付けてきた。
傲慢になるな！
人間の驕り高ぶりに警告を鳴らしに来た様だ。
地球は人類だけのモノではない。
進歩、発展もいいが、自然の前で謙虚になれ。
その為には一旦停止して、旧きを訪ねよ、と。
　　　　　　　　　　　　　　　　　峠で深呼吸！　寅次郎



















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「平均余命」

　81歳に到達した。
今、日本の男性平均寿命は81.25歳。
愚生も、ようやくたどり着いた事になる。
この先は、儲けものなのか？
余分な人生なのか？
それは何時迄続くのか？
漠然として解らない。
平均寿命を調べていたら、平均余命のある事を知った。
平均余命とは？
ある人が、その後何年生きられるかを示した期待値。
その計算には、年齢別の死亡率を使うらしい。
調べたい人の死亡率を使って計算する。
年齢によってその死亡率は違う。
死亡率は一般的に計算されている。
（別表に掲載したものだ）
これによって自分の平均余命を計算すると、
80歳男性の場合、＋9,06年で、答えは89歳となる。
81歳になった寅は≒90歳が平均余命となる。
平均寿命より9歳長生きとなる。
平均寿命と言うのは、0歳児が生きる寿命の事。
従って長く生きてきた人には参考にならない。
この先、何歳まで生きるか？
この平均値を知るには、平均余命である。
今、人生100年時代と言われだした。
寿命は確実に伸びている。
長生きする事にも、問題が出てきている。
老後貧乏という言葉が出てきた。
長い間まじめに働いてきたが、老後資金が足りない。
貧乏な生活をする老人が増えてきている。
政府が発表した、“老後資金2000万円問題”がある。
90迄生きると年金以外に2000万必要だというのだ。
今更、突然に言うなよ！
そんな準備はしてねぇよ！
かと言って、早めに死にたくもねぇしなー・・・。
孫の花嫁姿も見てぇしよお・・・。
美田でもあれば、それを売っ飛ばしてと思うが・・・。
それもねぇしよー・・・。
こうゆうのを後手後手って言うんだよ、菅ちゃん！
　　　　　　　　目出度くもあり、目出度くもなし　寅次郎









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