「天神参り」

　久々に山本一力を読んだ。
江戸下町情緒たっぷりで楽しく読める。
極悪人が出てこない。
辰巳芸者の切符の良さ。
こうゆう姐さんを小股の切れ上がったと言うのかねぇ？
インテリ女性じゃねぇ・・・が。
人の道の何たるかを知っている。
一つ間違うとおっかねぇ姐さんだ。
　鍼灸師・染谷の妻は、昔　辰巳芸者の太郎。
その息子勘四郎は親の跡は継がねぇと言う。
戯作者を志し、別の道を歩むという。
現代にも通じる、親子の葛藤である。
娘・いまりは母の跡を継ぎ15で辰巳芸者に。
だが、いまりは三十路になり芸者を止めて父を継ぐという。
両親は納得して鍼灸師の修行に入る。
息子・勘四郎、娘・いまりも三十路過ぎである。
だが、二人とも伴侶に縁がない。
しかし、ふとした事から出会いが始まる。
二人は出会いの縁を気付かなかったのだ。
芸者時代の検番の女将が言い続けてた信条は、
「何時までもあると思うな親と金、ないと思うな運と災難」
運を縁（えにし）と読み替えてもいい。
「小人は縁に気づかず。中人は縁を活かせず。
大人は袖すり合う縁も縁とする。」
袖すり合うも他生の縁、躓く石も縁の端くれ」
細やかな気がないと縁は素通りしてゆく。
二人の子供は三十路にしてようやく気付いた様だ。
染谷と太郎は天神に子供たちの縁結び祈願に行っている。
　一力さんは富岡八幡宮が本拠地だ。
それが今回は天神参りと言うから亀戸天満宮だ。
何故だろう？
八幡宮は元々は武勇の神様。
戦いの神様では縁結びに具合が悪かったのかなぁ？
天満宮は学問の神、男太鼓橋、女太鼓橋に縁結びを願ったか？
男橋は過去の苦難の山、女橋は未来を表す。
これを越えると神の前にでられる。
縁結びの神でもあるのか？
　　　　　　　　　　　一力の繊細な心使いか？　寅次郎











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「自民に大鉄槌」

　第50回衆議院選挙が終わった。
争点は裏金疑惑だけの戦い。
安倍一強政権の終焉でもあった。
安倍の目に余るやりたい放題に終止符。
アベノミクスは富裕層を作っただけ。
物価高で庶民を苦しめている。
専守防衛を放棄、戦争の出来る国に準備。
防衛費の一方的増大。
少子高齢化には無策。
統一教会問題に蓋。
安倍を継いだ菅、岸田は安倍継承で何もせず。
挙句の果てが裏金で政治不信の総仕上げ。
驕る平家は19年で権力の座から消えた。
驕り繋いだ安倍政権は12年の命だった。
権力は腐敗するの証明となった。
勝った野党の皆さんにお願い。
今迄は安倍一強に何もできなかった。
今回、裏金疑惑という敵失を掘り越した。
この起爆剤を国民に訴えた。
何をするにも、まず戦いに勝たねば・・・と。
国民は与党のエラーを見逃さなかった。
これは許せねぇエラーだ！と。
我々ソフトボールの試合でもエラーはある。
その中でも許せるものと許せないものがある。
一生懸命努力して起きたエラーは許せる。
言い訳ばかりをするエラーは言語道断！
結果は出た。
勝った先、これからどうする！
裏金が消えただけで日本は良くなる訳がない。
前記した諸問題の解決に向かってほしい。
これが勝ってもらった事の願いだ。
政策論争こそが本当の戦いだ。
その戦いに選挙並みのファイトを望む。
平家を忘れず、安倍を忘れず。
　　　　　　　　　　これからです！　寅次郎







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「たかたかまんま」

　菩提寺から報恩講の案内が来た。
秋の報恩講は講話＋お経＋お斎が内容。
お斎はたかたかまんまがいただけた。
報恩講とは親鸞聖人の命日に行う法要。
聖人の教えに感謝し、経を上げお勤めする。
そしてお斎をみんなで頂く。
お斎のメインがたかたかまんま。
たかだかまんまとはお椀に高々と盛った白いご飯。
昔は3合のご飯が盛られた。
子どもの頃、これが楽しみであった。
全部平らげると一人前扱いをされた。
それに、みそ汁、なます、各種煮物、芋キントン等々。
盛りだくさんの御馳走は幸せそのものだった。
戦後の貧しい時代にあって、貴重な時だった。
我が家は百姓家でなかったが、親類が呼んでくれた。
親は多忙で行けず、代わりに喜び勇んで行った。
とても全部を平らげる事は出来なかった。
親が、重箱を持たせてくれた。
残したら、これで持ち帰るようにと。
　今回の報恩講には女房と孫に行くように話した。
二人とも、たかたかまんまを知らない。
是非、見て、食べてほしかった。
このたかたかまんまには、様々な事が込められている。
その何分の一でも知ってほしかった。
飽食の時代であるがゆえに・・・。
だが、目的のたかたかまんまはなかった。
コンビの仕出し弁当に、御華足はビスケット。
御華足と言えな丸餅が定番だが。
全てが既製の購入品。
皆で寄り合って作ったたかたかまんまは消滅。
地域の力も、消え失せた・・・。
郡上でも延々と続いている所もあると聞く。
是非、続けてほしいと願う。
何もしないで生意気なことを言うな！
ごもっともです・・・。
　　　　　　　　　　　でも淋しい・・・寅次郎









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「通夜の話」

　おすぎとピーコさんのピーコさん(79)が亡くなった。
タレントでありファッション評論家だった。
この兄弟には興味もなく、よく知らなかった。
だが一つだけ印象に残る話があった。
“センスを磨く・心をみがく”の本の中で、
“通夜の服装”についてピーコさんが語った。
20年ほど前の話です。
ピーコさんがTVのワイドショーを見ていた。
「その時、二子山親方の通夜の模様が流れていた。
元婦人の憲子さんも通夜に駆けつけた。
その時の着物が喪服でなかったのに驚いたと司会者は言った。
記者達も、元の奥さんだから気を使ったのではと言う。
その時の憲子さんの着物はグレーの着物に白の半襟。
なぜこの姿に驚いたと言うのか私にはわかりません。
私は親からお通夜には普段の格好で行きなさいと教わりました。
喪服を着ていくのは用意をしていた様に思われるからです。
そして、香典のお金はピン札は×とも言われた。
新札なら一回折り畳んでから香典袋へと言われた。
服装も香典も訃報を聞いてとり急いで来ました。
ということを表すのです。
また、近ごろは通夜、葬儀とも黒一色になってしまった。
最近のマナーの本には昔と違うことが書かれています。
でも、昔の方が理にかなっているように思えてなりません」
要約すると上記の様な内容でした。
ところが昨今は全て黒一色。
昔はほとんどが普段着で通夜のセレモニーはなかった。
集まった家で、長老が導師で皆でお経を上げていた。
お経を上げた後は三々五々帰宅していた。
付き合いの深い人は遅くまで傍にいた。
今は通夜が葬式のようで、翌日の葬儀式には出ない人が多い。
コロナの関係で香典を置いてくるだけも多い。
通夜は普段着、葬式は喪服。
それを言うピーコさんも居なくなった。
人の別れまでもが商業ベースに踊らされている。
自分も数年前までは普段着で行ったが、人は変な目で見る。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　世間に負けている　寅次郎





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「３年２組」

　月一ゴルファー、最近の傾向。
今年の目標はOB＝０。３パット＝０だった。
OBは力まない、手打ちなしで減少した。
３パットが減らない。
これの具体策がなかった。
ただ、漠然とお題目として唱えてただけ。
政治不信と同じで、言うだけ自民だった。
裏金は唱えてるだけじゃ減らねぇ。
先日のゴルフで原因は明確になった。
ダブルボギーが８回あった。
その内、7回が3パットしている。
3パットの原因は寄せが悪い。
アプローチが下手糞なのだ！
穴に寄せようとしない！
練習はやってる積りだが・・・。
家の前の草むらでは上手くいくのに・・・。
現場の穴を見ると、震えが来る。
恐怖心に近いモノが襲ってくる。
穴・恐怖症・・・？
これの原因は何だべ？
穴に近づく事、入れる事は好きなはず？
その為に昼間っから棒振り回して一喜一憂。
高いお金を払いながら・・・。
穴に近づくと安心するのだろうか？
相手は決して逃げない！
綺麗な芝生に旗を立て、美しく座している。
早くいらっしゃいよ！と。
だが芝生は平坦じゃない、うねってる曲者だ。
近づく時は冷静に読み、迷わない事。
決して焦らない事。
その為には、這うように転がして近づくのがいいらしい。
近づいても入れるまでは安心しない事。
故人曰く、急いては事を仕損じる！
スリーオン、ツーパットで脱ダボ！
目標＝3年2組！
　　　　　　　　　穴は逃げない！　寅次郎



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「選挙の余波」

　10月27日が衆議院選挙の投票日。
自民党の都合で急遽解散総選挙となった。
日本中の各地でイベントが中止になっている。
中止のイベントは自治体主催のものが多い。
自治体職員は選挙に駆り出されるかららしい。
ご苦労様です・・・。
我が町の秋のお祭りイベントも中止になった。
“白鳥秋の夢まつり”である。
昔の役場の大駐車場中心に多彩なイベントがある。
秋の取入れも終わり、皆が一休みする一日だ。
一年の慰労の日ともいえる。
老若男女が小春日和を楽しむひと時。
昼間っから酒を頂き、アユの塩焼きをかじる。
野外舞台では、踊り、歌、音楽生演奏等々が・・・。
今年も無事に終わった安堵の日と言えるか。
それが今年はないのだ・・・選挙の為に。
昨今の衆議院選挙の投票率は50％台らしい。
国民の半部近くは選挙に行かないのだ。
政治不信がどんどん進んでいる。
噓つきは泥棒の始まり・・・。
嘘つきは政治家の始まり？
こんな日本に誰がした！
何故、投票率が低いのか？
国会の先生は誰も真剣に考えない。
低くても当選すりゃいいんだ！が本音だから。
投票率の悪い選挙は無効にすべきだ！
こんな選挙の為に、楽しい祭りを止めるなよ！
選挙が大事か、祭りが大事か？
半分近くしか行かない選挙に意味があるの？
魅力のある先生、議員さんがいないのか？
いないのだ！　それも一因だ。
先生方が無能でも、日本は回ってゆく？
今は良いかも知れねぇが、その内、壊れるよ。
俺んちも俺がだらしなくなると誰も相手にしねぇから。
　　　　　　　　　　　　　　　政治もA Iに任せるか　寅次郎







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「チームの特徴」

　７時半にグランドに行く。
何だか集まりが悪い。
年寄りは全部来ているのに・・・。
今日は準々決勝ベスト８からの戦い。
相手は福井の強豪・福井宝永シルバー。
この大会の常連で、年々強くなってきている。
昔は勝っていたが、近年は互角か？
投手は速球本格派が３人も揃えている。
声もよく出るし、動きにも卒がない。
わずかなスキを突かれて４点取られた。
こちらも再三のチャンスがあった。
だが、ここ一本が出ず、ゼロ行進が続く。
センターフライでタッチアップするも本塁で憤死。
ツーアウト２塁でセンター前ヒットで本塁を突くも憤死！
センターの強肩に２点が阻まれた。
最終回、何とか１点を返したが、そこまでだった。
相手チームは決して振り回さない。
長打は封印して、コンパクトに当ててくる。
内野の守備位置が下がれば、すかさずバントをしてくる。
クリーンナップでもバントをしてくる。
ランナーが出れば、進塁打に徹する。
走者の背後に打球を飛ばす工夫をしてくる。
兎に角、塁に出ることを考えている。
ボール球は決して振らない。虚を突きチャンスを広げる。
トーナメントの戦いをよく熟知している。
我がチームは全て、これの裏返しだ。
ブンブン丸の集団で細かいプレーが出来ない、やらない。
守りにも何の工夫もない。毎度、同じ位置に立っている。
助っ人集団でコミニュケーションが出来ていない？
ベスト８まで来ると、豪快で打ち勝つ試合なんぞはない。
投手力が上で、簡単には打てない。
我がチームに勝った福井宝永が今年は優勝した。
それだけに１：４の敗戦が悔やまれる。
ある助っ人はからだも大きいが態度もでかい。
朝遅く来て、ろくに挨拶もしない。
プレーに注文を付ける。
自分の事ばかり大げさに話している。
これでは勝てない！
　　　　　　　　　　　　　　　岡目八目の　寅次郎













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「二人殺した」

　ハイシニア（65歳以上）のソフトボール大会。
東海北陸6県から16チームが参集した。
富山、石川、福井、愛知、三重、そして岐阜。
このモミジカップも今年で第20回目を迎える。
我が白鳥スーパースターズも地元代表で参加。
残念ながら今迄2位が最高で優勝がない。
今年こそはと予選リーグから戦い開始。
初戦は福井県武生の“武生愛友クラブ”
このチームも毎年参加して、決して弱くはない。
だが、今年は我がチームの打線が異常爆発！
19；2で楽勝！
二戦目の相手はこれも福井の日の出シニア。
年齢を見ると若いチームで速球本格派投手。
最終回、５：４とリードしたがその裏、逆転を許した。
予選リーグ１勝１敗だったが得失点差で２位。
決勝トーナメント、ベスト８に進んだ。
初戦はこれも福井宝永クラブ。
このチームも常連で、昔は互角に戦ってきた。
本格派を要して、年々強くなってきている。
試合運びが旨いと言うか、ずるいと言うかそつがない。
僅かなスキを突かれて4点を取られた。
我が方も、再三チャンスは出来るが後一本が出ない。
寅次郎はこの日、3塁コーチスボックスに居た。
一死三塁で、深いセンターフライ。
当然、タッチアップでＧＯ！をかけた。
だが、ランナーはチーム一のカメさん。
ホーム寸前でタッチアウト！
もう一つは、ツーアウト2塁。
高く上がった、浅いセンターフライ。
セカンドランナーは快速・杉山。
ツーアウトで高ーく上がったので行けると判断。
迷いなくGO！で手を回したが本塁でアウト！
タラレバだが俺の判断ミスで二人を本塁で殺した！
１；４で今年のモミジは散った。
勝った福井宝永が今年のモミジを制した。
　　　　　　 3 塁には二度と立つまい　寅次郎





















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「影ぞ恋しき」

　葉室麟には“蜩ノ記”ですっかりほれ込んだ。
時は元禄15年、赤穂義士の数年後。
生類哀れみの令で悪政敷いた五代将軍綱吉時代。
赤穂問題で綱吉はさらに窮地に。
赤穂の事件後、雨宮蔵人家族は鞍馬山で静かに暮らしていた。
そこへ吉良上野介の養子佐兵衛の家人・清四郎が訪ねる。
佐兵衛は上野の血を引く香也に会いたいと言うので。
佐兵衛は高島城に幽閉され重病の身。
香也は吉良上野介の孫娘。
佐兵衛は亡くなり、清四郎はかたき討ちを決意する。
相手は佐兵衛を無残に死なせた綱吉。
一方、次期将軍となる家宣と白石はこれに絡む。
綱吉を暗殺して、成徳の世を作るべきだと。
綱吉は殺される。
これを知る清四郎は生かしておけない。
清四郎は香也の許嫁である。
雨宮家の家族となる人間だ。
雨宮蔵人も当然、邪魔な人間となり狙われる。
蔵人は家族と自分をも守らなければならない。
これをめぐり様々な死闘が繰り返される。
愛する家族を守るためなら自分は死んでよしとする。
愛しき人の為に生きてこそが生きた証だ。
この蔵人の気持ちを家族みんなが共有する。
特に妻・咲弥との結びつきは強い。
これは家族、夫婦の物語ともいえる。
ほんの表紙は高い所に鳥達が集まりさえずっている。
夫婦、親子、友の強い塊を連想させる。
題名は紀貫之の和歌かららしい。
“色も香も 昔の濃さに匂へども 植えけむ人の 影ぞ恋しき”
妻・咲弥は言う。
いつまでも肩を並べ、影を並べて美しい景色を眺めて参りたい、と
葉室麟は言う。
わたし自身が自らの人生について考え出した解答であると。
辞世ともいえる言葉を残して葉室は旅立った66歳。
　　　　　　　　　　　　　　　読み終えて妻の顔を見た　寅次郎









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「お手々つないで」

　石破新総理は一人で初の外遊に。
奥さんはお留守番らしい。
安倍の頃から奥方とお手々つないでになった。
岸田も真似をしてガニ股で・・・。
　寅は２０年ほど前に、オーストラリアに行った。
５夫婦での珍道中だった。
現地に着くと、夫婦はみんなお手々をつないでいる。
おらっちは手などつないで歩けるもんか！
女は男の３歩後ろを歩け！と聞かされた戦中派だ。
でも内心は、うらやましかった？
現地のガイドは言った。
こちらにいる間だけでも手をつないでみたら？と。
　夜、ガイドと現地の土ボタルを見に行った。
真っ暗なので、お互い、手をつながざるを得なかった。
真っ暗闇で、羞恥心が消えたか・・・。
土ボタルなんかどうでもよくなってきた？
変な気分になるのである・・・。
翌日、ゴールドコーストの浜辺を散歩した。
老若を問わず、皆仲良くお手々つないで笑顔だ。
真似してみたが、顔が引きつるだけだった。
街中では、年配男性のジョギング姿が目立つ。
この国では、歳を取っても男性は女性に尽くす様だ。
男性は鍛えないと、女性は去ってゆくらしい。
“男はつらい”国なのかもしれない？
過日、９０歳の方のラブレターを読んだ。
「今の若者を見ていると、羨ましく思えることが沢山ある。
そこで、妻のお前に死ぬ前にしておきたいことがある。
それは、二人で手をつないで街を歩くことだ。
こんな老いぼれが婆さんと手をつないだからといって、
誰も非難しないことは分かっている。
だけど、散歩のとき手をつなごうと思ってもなかなかできない。
私が死ぬまでに婆さんと手をつないで散歩をしたら、
私の勇気を誉めて欲しい。
死ぬまでにできるかどうかは今の私には分からないが、
婆さんと手をむすんで散歩をする、
それが私のささやかな夢だったとだけは言っておく」
20年前のオーストラリアを思い出した。
日本ではまだ果たしていない・・・。
　　　　　　　　　　　　　　　　出来るかな・・・寅次郎

















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「蝶 々」

　家の前にはコスモスが咲く。
蝶々が舞う。
すわ、アサギマダラか！
前に一度来たことがある。
カメラを持って飛び出した。
よく見ると違っていた。
アサギマダラは冬には南下する。
台湾や南西諸島まで飛んで行く。
似た蝶でオオカバマダラがいる。
これは北米やカナダが産地。
これもオーストラリア方面に移動する。
日本では小笠原諸島で発見されている。
そこには定着せず迷蝶と言われている。
そんな蝶が俺んちの前に来る筈がない？
でも似ている・・・。
写真を撮って調べた。
ツマグロヒョウモンと言うらしい。
世界の熱帯・温帯に生息との事。
これは遠距離を渡る蝶々ではないらしい。
1980年代までは近畿地方以南しかいなかった。
温暖化で、今では東北地方にも定着との事。
この蝶は異常気象調査に重要と考えられている由。
彼らは、パンジー等の花をバリバリ食べるらし。
これらの花が多くなったのも、蝶が増えた原因らしい。
　この美しい蝶を妻は網で追い回している。
何事かと思ったら、小さな苗を食べてしまうという。
近所の人に聞いたらしい。
蝶は秋に交尾して幼虫を産み、越冬するらしい。
その幼虫が苗を食べてしまうと聞いた様だ。
妻は、蝶達の交尾を妨害しているのだ！
彼らの愛をぶち壊しているのだ！？
ジェラシー・・・？
育てる野菜と花の為？
春の蝶は花粉を運んでくれるのに・・・。
　　　　　　　　　　　　　　　複雑だ・・・　寅次郎











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「背番号４」

　背番号４が好きである。
阪神、難波の春団治・川藤幸三が好きだった。
彼の背番号が４であった。
愚生シニアチーム入団当初から４である。
そしてポジションはセカンド。
４の数字には様々な意味がある。
プロ野球で日本選手は嫌っている。
４＝死に繋がるから。
これは東南アジア界隈の思想の様だ。
だが外人はラッキーナンバーだと言う。
キリストの影響らしい。
４の文字が十字架に似ているからのようだ。
野球・ソフトでも４に絡む言葉がある。
４番バッター。
４塁打はホームラン。
四球、死球はフォァボール。
背番号４の永久欠番有名選手は、
巨人の黒沢、ヤンキースのルーゲーリック。
シルバースターズの瀬木？
野球以外でも４のいいものがある。
四天王〜偉大な人４人を表現する。
四葉のクローバーは幸せのシンボル。
悪い事にも使われている。
病院には４階のない所がある。
病室のナンバーは４が飛ばされている。
マンションの部屋番にも４は見当たらない。
車のNOも４や９は嫌われる。
かように４の数字は吉・凶、様々である。
でも自分は何故か好きなのだ。
しげみつは四から始まるからだろうか？
今年、拙者も８４。
これをばらせば４＋４＋４となる。
そろそろ、背番号4とも別れる時期の様だ。
打てなくなってきた、全力で走れない。
辞めろ！と皆は思っているに違いない。
俺は兵庫県知事程しぶとくはない。
　　　「四を背負い　しぶとく跳ねた　四にそこない」　寅次郎



















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「還暦新幹線」

　今年で還暦を迎えた東海道新幹線。
1964年10月1日　オリンピックを迎え開通。
その2年前1962年4月21日、自分は22歳になった。
この日、東海道新幹線神奈川工区の現場に赴任。
全長＝3,700m、\610,000,000。
自分は第4工区を担当、世紀の大工事に誇りを感じた。
現在の金額に換算すると≒￥300億位の現場。
工事はまず延長距離の測量工事から始まった。
国鉄の担当者と一緒に測量をやった。
当時、国鉄の測量は日本一との評判。
我々業者の測量では信用できなかったのだろう。
測量テープは竹製であった。
鉛筆位の太さで、全長50m位あったと記憶する。
布テープ、スチールテープは伸縮が大きくだめだった。
両端で引っ張る力により距離が違うのである。
その点、竹テープは安定している。
現在は光波によって、簡単正確に測れるが。
カーブセッチング、緩和曲線は何度も繰り返した。
その先の丁張測量は我々だけで行った。
　今、新幹線は大雨対策が問題になっている。
異常気象による想定外の降雨が多発している。
特に盛り土個所の安定が問われている。
大量の雨が土中に浸透して崩壊を起こす危機を。
自分が担当した箇所も盛り土が多かった。
コンクリートモタレ擁壁を作りながら盛り土を施工。
今思えば、盛り土の中に水抜き等は施工していない。
擁壁の裏は、石を積み上げただけである。
擁壁の水抜きパイプは効いているだろうか？
今にして、何とも心もとなく思う。
我々の工事区間は今も何となく徐行している？感じ。
信用ならないのだろうか？
いや、新横浜駅が近いからだと、勝手に解釈。
60年間無事故は金字塔だ。
その一翼を担っているとは思うが・・・。
　　　　　　　　　総点検の時かもしれない　寅次郎





















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「一日おき」

　16年前、頸動脈狭窄症の手術を受けた。
細くなった血管にステントを入れて太くした。
原因はコレステロールだった。
血圧も少し高かった。
それ以後、薬を飲み続けている。
定期的に経過観察も受けている。
最大の原因は暴飲暴食の様だった。
喉元過ぎれば忘れるのは凡人の常。
でも、以前よりは良い子になった。
薬も効いているのか値は正常を保っている。
すねた言い方をすれば薬物依存症？だ。
薬物中毒患者ではないのか？
でもこの薬は飲んでも気分はハイにはならない。
ウキウキはしてこない。
薬が切れても禁断症状にはならない。
従って、積極的に飲まない。
飲まなくても平気なのである。
てな事で飲むのを忘れがちになる。
薬が余ってしまう。
この薬には賞味期限は書いてない。
期限が過ぎたから効き目が落ちるとも書いてない。
だから忘れる！・・・幼稚な言い訳。
飲まなくても体に変調が来ない。
かといって全く飲まないのも薄気味が悪い。
医者の先生を馬鹿にしたことにもなる。
飲むのを一日おきにしてみた。
血圧を測っても、正常である。
検診予定を一ケ月遅れて医者に行った。
先生にありのままを白状した。
飲まなくても平気です！と。
先生曰く、血圧の薬は軽いのに変えよう。
でも血液サラサラは毎日飲んだほうがいい。
俺の言う、一日おきは無視された。
又、明日から薬漬けになる。
強制的な薬物中毒患者？
同じ年頃の者は朝昼晩、食後のデザートに錠剤。
本当に効くのだろうか？
　　　　　　　　　俺は富山の反魂丹で育った　寅次郎











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「面壁九年」

　五度目の正直で石破総理が誕生した。
2008年51歳で総裁選初挑戦。
麻生、与謝野、小池、石原達に負けてビリ。
2012年、決選投票で安倍に負けて涙。
2018年、安倍と戦うも大差で敗れる。
2020年、菅、岸田相手に戦うもビリ。
2024年、決戦で高市を破り念願成就！67歳。
16年間で5回目の挑戦だった。
達磨大師は面壁9年で悟りを開き禅宗の祖となる。
石破は面壁16年と言えるか？
この執念深さは敬服に値する。
大衆には人気があるのに、永田町では不人気。
馬鹿な議員先生達とは反りが合わないらしい。
これからも合わせる必要はない。
東大・ハーバードの人達は面白くない。
鋭いことを言わないから。
面白いことも言わない。
偏差値がただ高いと言うだけの人種だ。
今回、石破勝利の一因は野党党首にもある。
立憲の野田が代表になった。
野田と戦えるのは高市、小泉では無理。
と見れば石破しかいない。
自民の先生方も、ここに気付いたのだろう。
論戦で野党に叩かれては自分達も危ない、と。
消去法で成るべき人が残ったと言う感じだ。
国会は“言論の府”である。
今迄の論戦は官僚の作文を読んでいるだけだった。
カンペなし、プロンプターなしでの激論が聞きたい。
この二人ならやれそうだし、やるだろう。
それでこそ“言論の府”だ。
自民党は嫌いだが石破は好感が持てる。
どうか、ドロドロの自民に染まるな。
冷や飯も沢山食らって来た。
今こそ面壁16年の威力を出す時だ。
恰好付けちゃおしめぇだぜ・・・。
　　　　　　　　　　出雲の神が見てるぞ！　寅次郎











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