「長老逝く」

　我がチームの代表・志津野守之(91)氏。
“釋守浄”の法名を名乗り浄土へ向かった。
愚生が白鳥シルバースターズに入団して22年。
陰に陽にお世話になりました。
歳は愚生より10歳上。
共に阪神狂で甲子園にも行き六甲おろしも歌った。
愚生が入団早々の1999年。
山梨県の石和で行われた前国大会に出場。
全国から80チームが集まった。
石和は温泉観光の町。
試合は二日間にわたって行われる。
勝負は真剣に戦うが、夜の部も楽しかった。
志津野さんは近くのストリップの割引券を持ってきた。
皆で芸術鑑賞に行こうと先頭を歩く。
７〜8人が付いて行った。
この小屋は時々ポリ公に挙げられると言う。
だから露出度は半端じゃない。
千円出すと、危ない所を深く触らせる？
ソフトも楽しかったが、千円も楽しかった。
何故か翌日の試合は勝てない事が多かった？
てな事で、石和へは連続して9年間通った。
踊り子と馴染みになる位だった。
石和へ行く道中も楽しかった。
上高地、昇仙峡、武田神社、松本城、恵林寺等々
石和の宿は“みなもと旅館”、名物は夏でも鴨鍋。
ママさんも仲居さんも酒をよく飲んだ。
甲州の女は酒が強いのを知った。
股旅ものの衣装があり、それを着て踊った。
歌うは志津野守之“名月赤木山”！拍手・・・・。
日頃、試合の後は道場で必ず反省会がある。
志津野さんは、そこには必ず出席した。
若い者の愚図り話を、酒を舐め舐め聞いてくれた。
その上、沢山の差し入れを頂いた。
今日はパチンコで勝ったから！と。
パチンコが休みの日でも、勝ったからと出してくれた。
パチンコに負けた日でも、勝ったからと出してくれた。
この上ない、面倒見のいい親分が逝ってしまった。
ユニフォーム姿の写真を祭壇に飾った。
背番号２５も棺の中に入れた。
先に逝ってる連中が、遅かったじゃないか！と迎える事だろう。
　　　　　　　　　　　　割引券を持って行ったかな？　寅次郎





























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