「紫の勲章」

　ソフトボール古稀の最終戦。
これに勝てば今期の優勝が決まる一戦。
相手は岐阜グレートベアーズ。
8月に大逆転で、我々は負けている。
グレベもこの日2連勝すれば優勝。
気合十分である。
互いに譲れない最終戦。
奇しくもこの日は日本シリーズも最終戦。
勝った方が日本一になる。
我々とグレベの戦いが始まった。
０；２と先制され旗色が悪い。
この試合寅次郎は9番ファーストで先発。
第一打席は外角スライダーに三振。
4回裏は先頭打者で打席へ。
頭の中には前回三振の外角が残っていた。
ところが敵もさるモノ、一転内角攻めに来た。
騙し合いである。
ツウスリー迄粘った。
決め球は、逃げるスライダーと読んだ。
踏み込んだところへ内角速球が来た。
逃げ切れない！
右足太腿にデットボール！
びっこ引き引き一塁へ。
ノーアウトで1番に繋いだ。
このデットボールで流れが変わった。
送りバントがエラーを誘い、ノーアウト1，2塁。
そこから、たたみかけた。
一挙5点を取り、逆転！
そのまま逃げ切り５；３で勝利！
これで古稀のリーグ優勝が決まった！
二戦目の中津川にも先月０；４で負けている。
今期の最終戦、気合を入れて３；１で勝利。
完璧にリベンジを果たした。
帰りのバスは、祝杯に揺れた。
夜は我がタイガースが38年振りの美酒！
風呂に入ったら右太ももが痛む。
柔肌？に紫色のボール跡が浮かんでいた。
勝利のムラサキ！
　　　　　　　　　　　紫綬褒章！　寅次郎











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