寅次郎の徒然草:歴史 - livedoor Blog（ブログ）

歴史

2025年02月04日

「戦後80年・昭和100年」

　今年85になる己に身近な数字である。
新聞が特集を組んで報道している。
特攻で散った父親を息子が語っている。
特攻を語り継ぐことが自分の使命だと。
特攻と言っても分からない世代が多くなってきた。
特攻とは
80年前、アメリカの猛攻を前に日本は配色濃厚。
最後の手段で飛行機や魚雷に爆弾を積み、敵艦に体当たり。
この玉砕戦法が特別攻撃隊≒特攻と言われた。
1944年秋、最初の特攻隊“神風特別攻撃隊”が出撃。
搭乗員は20代の若者で、陸海軍で≒6000人が散った。
この無謀と言うか狂った戦いが有為な若者を失くした。
こんな時代が、わずか80年前に現実としてあったのだ。
忘れてはいけない！
　我が女房の兄貴も特攻傭員だった。
兄は19歳の時、茨城県霞ケ浦海軍航空隊にいた。
その時は大日本帝国海軍飛行予備学生であった。
何れは特攻隊員になるものと遺書をしたためていた。
特攻については多くを語らなかった。
87歳の時、余命を意識したのか、手紙が来た。
その中に、遺書と当時の写真があった。
その姿は、まさしく死を覚悟した特攻隊員の写真だ。
遺書を書いた1年半後に日本は負けた。
搭乗寸前で敗戦となり、その後、90歳まで生きながらえた。
　数年前、鹿児島知覧の特攻平和会館を訪れた。
多くの遺影が並び、その前に遺品が展示されていた。
立ちすくんで、しばし動けなかった。
悲しさと、悔しさと、愚かさに、心揺さぶられた。
“人生に迷った知覧に行け”と言う本を読んだ。
答えは知覧にある。
　鶴田浩二の歌う“同期の桜”が浮かんでくる。
3月26日　花爽やかに開く日
お父さん、お母さん、只今より出撃します
この世に生を受けて二十三年　
まさか、お父さんやお母さんより早く死ぬとは思ってもいませんでした
お母さん、「泣くな」と言うのは無理かも知れません
でも、どうか「よく死んでくれた！」そう言って下さい
私達は祖国を護る為に死んで行くのですから
海軍少尉、小野栄一、身長五尺七寸、体重十七貫五百、極めて健康！
・・・敬礼！
　　　　　　　　　　　　旧い人間でしょうか？　寅次郎

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2024年09月27日

「伊勢湾台風65年」

　9月26日で伊勢湾台風から65年である。
5年前60周年の時、記念の石碑を建てた。
65年前のひばり町は濁流にのまれ全滅。
7人の犠牲者が出た。
その人達の慰霊の碑でもあった。
場所はひばり町の一番南側。
現在の白鳥体育館南側である。
この辺りも、濁流渦巻いた所である。
この石碑にはこの5年間、花は絶えなかった。
ひばり町で家を流されたAさん。
早く避難して、生き延びられた。
ひばり町に家を再建されている。
Aさんは当時を忘れず、献花されている。
　当時、この地は豪雨、大型台風に苦しんだ。
昭和34年8月、台風7号、9月に伊勢湾台風。
昭和36年6月、豪雨、9月に第2室戸台風。
これらが来ると、最初は必ず停電だった。
ローソクは必需品。
屋根が飛ばされそうになった事もある。
古い家なので、強風にギシギシと家が鳴った。
風で壊れるのではないかと、眠れなかった。
我が家は伊勢湾台風では辛うじて難を逃れた。
濁流は我が家をかすめて行った。
父親は出張が多く、母子で実に心細かった。
秋は台風が怖くて嫌だった。
　今、災害は能登に集中している。
今年初めの大地震に9月の豪雨。
立ち上がりかけた人を引き倒している。
神も仏もないものか.と恨みたくなる・・・。
災害は集中する傾向があるのだろうか？
このところ、わが故郷は安寧である。
忘れた頃にやって来る・・・。
とすれば、そろそろかも知れない。
花を忘れない！その人の心も忘れない。
　　　　　　　　　　　　　感謝である　寅次郎

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2024年05月11日

「歴史発見」

　自分史を纏め出してから先祖を追求して来た。
我が家の先祖は瀬木茂右衛門である。
古い戸籍に二人の茂右衛門を見た。
一人は天保元年（1830）2月10日の生まれ。
二人目はその父が、茂右衛門と書いてあるが、
生年月日や女房は記されていない。
それ以前は解らない。
郡上八幡町史に遠藤藩の足軽名簿が有った。
そこには瀬木万右衛門、藤四郎、與三兵衛等々がある。
だが茂右衛門はない。
　飛騨高山に瀬木姓が多いと聞いた。
高山市史を辿れば、何かが出て来ないか？
高山まで行かずとも高山市史は我が町にあった。
郡上市図書館で高山市史の上巻を開いた。
いきなり出てきた！　瀬木茂右衛門！
時は元禄5年(1692)、五代将軍綱吉の頃
元禄2年に松尾芭蕉(43)は奥の細道を歩く。
元禄5年、金森藩は出羽上山に転封される。
その時、高山は幕府領（天領）となる。
代官が置かれ、その下に地役人が配置された。
地役人とは、現地採用の役人であるが金森の家臣でもあった。
様々な役職があり、全部で84人が抱えられた。
教養もあり学問もあった人達と言われる。
だが給料が安く、賄賂に近い事は公認だったらしい。
その中で一番下の町在廻役6人の内に茂右衛門がいた。
給料は三人扶持宛とある。
一人扶持とは人が一人、一年間に食べる米の量。
一石8斗で玄米だと≒５俵位らしい。
ここ迄は解ったが、そこから茂右衛門の家族、子孫が解らない。
戸籍で解った茂右衛門は1830年生まれである。
これから元禄5年まで遡ると、138年間が空白である。
瀬木家が多く現存する高山市を細かく調べるしかないか？
楽しそうであるが、時間がかかりそうだ・・・。
残された時間で埋められるか？
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2024年04月05日

「懐かしの栃木」

　初孫が栃木県芳賀町にあるホンダ系の会社に入社。
オートテクニックジャパンと言う社名。
かく言う自分も昭和45年(1970)栃木市に住んだ。
東北自動車道栃木IC造成工事の時、愚生30歳。
長女はここで生まれて4人家族になった時だった。
今回、孫を送ってゆくので立ち寄ってみた。
当時は２DKの平屋を社宅として住んだ。
その頃は、隣近所は数件のみで長閑な田園だった。
今回訪れたのは44年振り。
そこはICが出来て爆発的に変化していた。
2車線の県道は4車線に増え建物はビッシリ！
田園風景は何処さいったのだ！
昔の所番地には立派な洋風の建物。
子供達との思い出はバブルと消えた・・・。
町内には野球仲間もいた・・・。
隣の優しかったおばさん、お姉さんも居ない。
自分達の歴史が消された思いで、しばし呆然・・・。
まさに浦島太郎だった。
　次は宇都宮に住む後輩を訪ねた。
77歳と言うが老いを知らない元気夫婦。
地域のボランティアで忙しく終活を謳歌！
突然お邪魔して、昼食にあずかった。
自家製のグラタン、栃木名産ジャンボイチゴ、
自分で育てた中型トマト、日本一の宇都宮餃子、
アサリの吸い物に塩の利いた豆ごはんはお代わり。
俺はアジの開きに缶ビールでご機嫌。
昔、白鳥へ家族で来られた時の話しに花が咲いた。
裏の長良川で、皆で泳いだねー・・・。
遠慮を知らない7人は大満腹！
“宇都宮のかりまん”はお世辞抜きで美味い！
大変ご迷惑をおかけしました。
今回、孫が入社する会社まで30分の位置とか。
田舎者には心強く感じました。
世の中、広い様で狭いのかなー？
　　　　　　　　　　　　　　　昔を語る　寅次郎

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2024年03月18日

「敦賀の水戸烈士」

　敦賀の松原海岸近くに水戸烈士の墓がある。
水戸天狗党が尊王攘夷を旗印に京を目指した。
823名が敦賀まで来たがここで幕府軍に捕縛される。
厳しい寒さの中、16棟のニシン蔵に押し込められた。
厳寒の中で多くのものが亡くなった。
そして353年が斬首され、埋められた。
残りの470名余も遠島、追放。
2年前に訪れたが、再度訪れた。
かなり整備されたと聞いたので。
女房が茨城県出身である事も手伝って。
　押し込められたニシン蔵が移設されていた。
早い時間だったので中は見る事が出来ず残念。
正面の盛り上がった墓所が変わっていた。
今迄、周りは大きな松で囲まれていた。
その松の多くが切り取られ消えていた。
鬱蒼としていたのが、何ともすっきり感。
松の外側に梅の低木が植えられていた。
梅は水戸のシンボル。
もっと沢山の梅がこの墓の周りにあるといいなー。
水戸を離れて遠いこの地で散った兵士達。
せめてその墓周りは梅の香で埋めてやりたい。
現状では、梅の木が如何にも少ない。
切り倒した松の後に、是非植えてほしいと願う。
　明日、新幹線が敦賀まで開通する。
開通前の新しい敦賀駅を見てきた。
東京から3時間8分で来ると言う。
水戸－東京間は1時間40分。
水戸から敦賀まで計4時間50分となる。
昭和63年、茨城の有志20名余が歩いている。
水戸―敦賀1,100㎞を38日かけて。
160年の時を経て、この変化、この進歩。
天狗党の兵士諸君、これを何と見るだろうか？
敦賀に親戚が出来、我が女房は茨城出身。
その縁で水戸烈士の墓に立ち、往時を偲ぶ。
　　　　　　　　　“松原に　無念の歴史　水戸の梅”　寅次郎

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2024年02月01日

「故郷の城」

　城と言っても様々である。
天守閣、曲輪を供えた立派なもの。
その出先の簡単な城。
柵を巡らせただけのモノ。
様々あるが一説には35,000位有ったと言われる。
近年の小中高大学の合計が35,000校と言われる。
奇しくも同じ位の数字だ。
歴史関連の公開講座に参加して来た。
講演テーマは“白鳥の城”
講師が、同級生の曽我謙之助君と言う事で。
彼は地元の郵便局長を定年して、歩く事に専念。
全国各地のウオーキング大会を荒らして来た。
そのついでに全国の名城200に挑戦。
150迄は行ってきたというから凄い。
ふるさとのお城にも矛先を向けた。
我が故郷・白鳥には10の城があると言う。
その内の7ヶ所について語った。
昔の白鳥の学校数は石徹白～１、北濃～3、白鳥～２、
牛道～3、大中～２、合計～11校である。
これは分校もカウントしての数。
城の数と概ね合致する。
昔のテリトリーと似ているのが面白い。
白鳥にある七つの城は、北から、
前谷城、長滝城、烏帽子山城、原口城、
この４城は北の高鷲の豪族・鷲見城の出城である。
一方、大和の篠脇城は東氏一族が納める。
その出先の城が、二日町城、六つ城、前洞城。
北の高鷲には鷲見城があり、鷲見一族が統治。
南は大和に篠脇城があり、東氏の勢力。
白鳥はこの二大勢力に挟まれて、右往左往？
今もリーダーは高鷲、大和からは出るが白鳥は出ない？
伝統のなせる業か？
石徹白地区には３城あるが、詳細は不明。
我が故郷にこれだけの城がある事は知らなかった。
住民の多くも知らないだろう。
郷土の歴史を学校で教えるべきだと痛感した。
故郷愛もこうした所から生まれるのではないか？
イングリッシュ等はその次でいい！
　　　　　　　　　　　　八十路の手習い　寅次郎

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2024年01月02日

「甲　辰」

　明けましておめでとうございます。
十二支は子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の12種類。
干支とは本来“十干十二支”の略。
十干とは甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の10種類。
干支とは十二支と十干を組み合わせたモノ。
組み合わせると60種類になる。
今年は甲辰に当たる。
同じ辰年でも60年に一回の辰年。
ちなみに自分の辰年を振り返ると、
1940年誕生、東京オリンピック、万博が日中戦争で中止に。
1952年12歳、小学校6年生。サンフランシスコ平和条約で日本独立。
1964年24歳、後述する。
1976年36歳、郡上青年会議所創立、入会。
1988年48歳、日本PTA全国大火に出場意見発表。
2000年60歳、ねんりんピック大阪大会年に出場
2012 72歳、日本仏教の源郷を訪ねて中国一週間の旅へ
2024年84歳、60年目の甲辰は果たして？
60年前の甲辰は1964年、昭和39年、24歳だった。
この年はこんな年だった。
東海道新幹線が開通
東京オリンピック開催。
電卓計算機登場。
ノースリーブが流行。
坂本九の明日があるさが大ヒット。
ケネディ大統領が暗殺された。
国家プロジェクトや大きな出来事があった。
その後、福島原ノ町から埼玉県行田の現場に転勤。
6年交際した女性が嫁に行った。
女性問題が複雑化して、悩み深き歳であった。
人生を考えるには大きな転換期でもあった。
そして60年後の今年84歳の甲辰はどうなるか？
“どうする重瀰”、である。
大きな事件があるだろうか？
核戦争勃発？　大物政治家暗殺？　何だかありそう。
元旦早々、能登半島に大地震勃発。
AIが人間の領域を侵害しそう？
AIに惚れた、はれたの情緒は解るだろうか？
AIは男なのか？女なのか？
　　　　　　　　　何かの予兆を感じる　寅次郎

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2023年12月31日

「令和５年のおさらい」

　83歳になった年も無事に暮れた。
有り難き幸せに存じ上げ候・・・。
1月　“男盛りは八九十”と書初めし気合を入れる。
　映画“ラーゲリより愛をこめて”に涙した。
　油坂峠の冊子を郡上市に贈呈し新聞に掲載される。
2月　2回目のコロナに感染、自宅監禁の刑。
　ロートル3人でスキーに行き、老人パワーを。
　バーバ80歳に到達、初舞をよろけずに踊る。
3月　自分史のゲラ完成！1,281ページになる。
　岐阜県シニアソフトボール連盟の会長として新スタート。
　孫の優は高校生に、部活は演劇部。
4月　岐阜県シニアソフトボールリーグ戦開幕。
　波乱があったのか無かったのか、83歳になる。
　孫・凌太郎は中学生になる。
5月　母の痴呆症への道のりを冊子にまとめる。
　孫・凌太郎(12)にPCとスマホの奥義を教わる。
6月　寅次郎の徒然草　第17集が完成。
　日本国土開発㈱OB会に夫婦で出席、東京へ。
　左手首腱鞘炎でソフトもゴルフも出来ず病院へ。
7月　月下美人が咲く！　友人と酒盛りして鑑賞。
　4人の孫達の誕生日記、ゲラが完成する。271頁。
8月　女房・すみ子、2回目のコロナ感染で家庭内別居。
　我が家の墓を洗浄機で本格的に洗う、いずれ往くところ故。
9月　高建コーポレーション創立30周年記念で三陸旅行へ。
　新幹線会、今年は京都に集う。関西CC,比叡山、大原、御所。
10月　歴史街道・油坂峠を大人の学校で1時間半講義する。
　鷲見白山神社拝殿リニューアルに会社が貢献する。
11月　我が阪神タイガース38年振りに日本一！
　ソフトボールリーグ戦、スーパーシニアの部で優勝！
　荘川高原CC白マークから106で打ち納め。今年は13回。
12月　新幹線会ヒストリー完成し、配布する。
　県シニアソフトボール連盟納会を恵那峡GHで開催。
　苗木城、女夫岩、馬籠を歴史探訪。
ソフトボールでは21勝11敗、2/3が先発、1/3が代打。
早くはないが何とか走れるから、来期もやる気だ！
いらないと言われても行くぞ!
今年は怪我がゼロ。整骨院は無縁だった。
ゴルフ、白マークからの100切り復活が目標。
来年は年男だ！　
もうひと踏ん張り出来ないだろうか？
　　　　　　　　　　　　騙しだましでも　寅次郎

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2023年12月15日

「苗木城」

　シニアソフトの納会は一泊旅行でもある。
今年は恵那峡グランドホテル。
他チームと酒を入れての語らいが愉快だ。
試合中には見られない本性が出て楽しい。
翌日は周辺の観光である。
今年は、苗木城と馬籠宿探訪とした。
苗木城は中津川に試合に来るようになり知った。
今迄近くまで来ながら寄れなかった。
小説を読んで興味が湧いた。
波乱に富んだ歴史を持っている。
最初は武田勝頼に落とされ、その配下になる。
次は織田信長勢に攻められ落城。
藩主・遠山は徳川を頼り、浜松に逃げる。
その後、家康は苗木城を奪還、遠山を藩主にする。
ざっとこんな歴史である。
山城からの絶景は日本一とか。
その割には知られていない。
城の麓にある苗木遠山資料館に入る。
立派なものである。
城好きな有名人も多数訪れている。
浅学菲才の身にはやや難しい内容。
早速、苗木城の攻略に取り掛かった。
上り口に、竹の杖が用意してある。
案内板を見ると頂上まで25分とある。
行けそうだと、上り始めてみたが・・・。
5分で足軽長屋に着いたが、無理だと判った。
悔しいが、ここから天守を眺める事にした。
ゆっくりなら行けそうだが・・・時間がない。
他の4人は駆け足気味に向かった。
足軽長屋から天守展望台は良く見える。
岩場に張り付いた奇異なる城。
木曽川を眼下に、中津川、恵那が一望出来た由。
この城、つぶさに見れば悠に一日はかかるとか。
自分で誘っておいて、往けぬとは間抜けな事だ。
昔の人は体力が有ったのだと、ほとほと感心。
寿命は延びたが、持久力は落ちている。
長生きしているからだろうか？
悔しかったが次の地に向かう事にした。
　　　　　　　　　　　　　　半分満足　寅次郎

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2023年11月27日

「激浪・道は一筋なり」

　劇団ともしびの“激浪”を女房と観劇した。
156年前、徳川幕府は大政奉還。
翌年、連合軍は江戸に向かい戊辰戦争は激化。
こんな中、郡上藩は揺れた。
連合軍につくべきか、幕府軍に従うべきか。
連合軍は錦の御旗を得て、朝廷方となる。
国元家老は大博打を打つと側近に語る。
京都に出向き朝廷方に恭順を表明。
その裏で彼は、江戸詰め郡上藩に200両を送る。
江戸詰め家老・朝比奈藤兵衛は幕府側につく。
自分の倅・茂吉を大将に凌霜隊を編成。
凌霜隊47名は江戸を出て、会津若松に向かう。
この時の郡上藩主青山幸宜は幼少であった。
従って、事は家老達が行った。
凌霜隊の結成は朝比奈家老の独断だったか？
国元から来た200両の金を何と思ったか？
そこの検証は出来ていない、不明である。
凌霜隊は艱難辛苦して闘う。
4月に江戸を発ち、9月に鶴ヶ城で降伏。
脱走藩士として罪人として郡上に送られる。
勝てば官軍、負ければ賊軍。
郡上藩の為にと、命がけで戦ったのに・・・。
寒さと多湿な赤谷の牢獄に閉じ込められた。
あまりの過酷さにお寺の人々が嘆願に動く。
郡上に入り10か月後にようやく釈放。
完全に自由になったのはその翌年の2月。
何とも理不尽な扱いであった。
その後、隊員は全員郡上には住まず、郡上を離れた。
十数年前、凌霜隊140年のフォーラムがあった。
愚生も出席した。
その時、凌霜隊の子孫13名が郡上に来られた。
隊員のお孫さんと曾孫さん達だった。
その席に、青山侯の子孫も来られた。
今は、恨みつらみは有りませんと隊員の子孫は言われた。
青山侯は言葉少なく、苦渋だった。
郡上は二股膏薬で二兎を追ったと言われたが・・・。
凌霜隊副隊長参謀・速水小三郎は言った。
そもそも“道は一筋であった！”と叫んだ。
　　　　　　　この文字は、自室に永く飾っている　寅次郎

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2023年11月15日

「新幹線会物語」

　東海道新幹線建設に携わったのが6１年前。
新幹線は、その2年後に完成した。
そして東京オリンピックが開かれた。
戦後日本の夜明けとも言える時代。
寅次郎24歳、血気盛ん、猛烈に働いた。
我々が戦後の復興を担っているんだ！との気概。
新幹線の工事現場が解散して10年後。
1973年、新幹線会は誕生した。
記念のゴルフコンペを千葉県八千代PGCで開催。
会は今年で丁度半世紀の50年。
紆余曲折はあった。
1998年、我が愛する日本国土開発は倒産。
それ迄は、熱海の保養所が会のベースキャンプ。
それが無くなり、集いの場は地方に移った。
会員は地方出身者が多い。
全国各地にロマンを求める事にした。
奥美濃で開催の時は一部の奥様方の参加も得た。
2007年、ゴルフに＋観光組も新設し地方巡業を充実。
これを機に、歴史探訪が生まれてきた。
2008年から、NHK大河ドラマを追いかけた。
この年、朝ドラ“だんだん”で出雲芸者を軟派。大山高原CC.
“天地人”で越後に向かい、震災の山古志村探訪。越後GC.
“龍馬伝”で高知に龍馬を訪ね、幕末を堪能。土佐CC.
“江・娘達の戦国”で熱海、大仁CC、初島に遊ぶ。
“八重の桜”で幕末の会津っぽ魂に触れた。会津磐梯CC.
“東日本大震災鎮魂の旅で岩手、宮城に涙。一関CC.
“軍師官兵衛”で播州、我が社造成の小野GCCへ。
“花燃ゆ”で長州萩に、幕末の志士達を訪ねる。宇部CC.
”真田丸“で信州へ、善光寺、上田城、無言館に涙。隨縁軽井沢HC.
“女城主・直虎”で遠州へ、井伊家のルーツを知る。静岡CC.
尋問の筋有之で“西郷どん”を訪ねる。知覧CC.
“東京オリンピック”田畑政治で再度遠州、寸又峡へ。ミオス菊川CC.
“麒麟がくる”“晴天を衝け”“鎌倉殿の13人”はコロナで中止。
今年は麒麟の明智光秀にターゲット。関西CC.
京都亀山城、比叡山、大原三千院、京都御所を探訪。
この50年間、志半ばで散った人、１１名。
ここ迄歴史が刻めたのは、土方堅気の友情か？
我が人生に多大な彩を添えてくれている。
50年を機に、その歴史を冊子にまとめた。
　　　　　　　　　　　　　　　良き友たちに深謝　寅次郎

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2023年10月19日

「白鳥神社1,300年」

　白鳥神社の歴史を辿ると神話の世界だ。
仲哀天皇の頃、大きな白鳥が羽を落とした。
この羽は白鳥伝説、日本武尊の霊であろうと、
それを拾い、磐座に小さな祠を建てて祀った。
そして、そこを白鳥村と命名したとある。
西暦で推定すると約1800年前である。
それから500年後に泰澄大師が現れる。
白鳥が身を変えた姫神に示唆を受ける。
白鳥の北に聖地あり、一社を設けよ、と。
そこを白鳥社として伊弉冉を祀った。
この事から、白鳥神社の祭り神は、
日本武尊と伊弉冉の二神である。
起源は1800年と1300年である。
1800年は神話の世界で伝説的。
1300年は歴史の世界で真実的と言えるか。
今、この節目の年に何かやろうと目論んだ。
昨年の例祭神事の時に挨拶で話した。
　白鳥神社を称する社は全国で111社ある。
その大半が白鳥伝説で日本武尊が祀られている。
これは111社共通の謎とも言える。
何故全国に分布したのか？その謎解きがしたい。
白鳥神社サミットを開き、議論しよう。
それを我が白鳥で出来ないだろうかと話した。
　白鳥神社の太神楽も500有余年の歴史がある。
その神楽の若者達が賛成してくれた。
この度、その若者達が実行委員会を立ち上げた。
早速、初会合が開かれた。
老体も一員に入れてくれた。
だが、その中身が大きく変わっていた。
記念事業には白鳥伝説謎解きではなかった。
白鳥神社大鳥居の建て替え事業になっていた。
これは莫大なお金がかかる。
果たして1300年にふさわしい事業だろうか？
若者の心意気は尊重したいが・・・。
大鳥居は地域での物質的事業。
謎解きは広域での精神文化的事業。
物か心か・・・。
思いが交錯して双手を挙げる気持ちが揺らいだ。
　　　　　　　　　　　　自分勝手だろうか？　寅次郎

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2023年10月05日

「大人の学校・油坂」

　郡上市の図書館が主催する。
～地域の人が、地域の人に、地域のことを伝える～
これが趣旨のようである。
4年前に一度、講師を務めた。
その時のテーマは伊勢湾台風だった。
その年は伊勢湾台風60周年の年。
近隣の人が7名亡くなられた。
これを忘れないようにと不忘の碑を建立。
追悼した。
この事を伝えてほしいと依頼された。
　今回は2回目である。
テーマは、歴史街道の復活。
～光秀も越えた油坂峠～
明智光秀は戦に敗れ、一族と油坂を越えた。
越前朝倉に仕え、出世をしてゆく。
NHK大河ドラマ“麒麟が来る”で放映された。
もう一つの話題は、
江戸末期、原酒造の3代目が峠に清水を掘った。
それを知り、さっそく峠に行ってみた。
麗水は蝶々清水と名付けられ、今も湧いている。
この二つの出来事に刺激を受けた。
調べると、様々な人達が峠を越えている。
そして多くのドラマが秘められている。
歴史街道として復活しよう呼びかけた。
7人で越美油坂会を結成し動き出した。
3年がかりで事は出来上がった。
これを冊子にまとめ関係機関に配布した。
冊子を纏める段階は、まさに勉強であった。
様々な事を学んだ。
ウオーキング大会も3回開催し、今年もと思っている。
今、中部縦貫道工事は佳境である。
昔、郡上藩は越前に飛び地を持っていた。
高速道路で、越前と美濃は最接近。
飛び地ではなく、今度は一体である。
越前歩荷の時代に誰が想像したであろう。
だがそこには、様々な歴史ドラマがあった。
先人達の偉業を忘れたくはない。
温故知新！
　　　　　　　　楽しい事業だった　寅次郎

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2023年08月19日

「昔の子供」

　油坂峠の事で地元の区長さんと知り合った。
その方から、ある本を進められた。
題は「コンダラ子供」
著者は白鳥町向小駄良の出身で91歳。
80歳の時にこの本を書かれた。
著者が生まれ育った頃をまとめられた。
それらは、忘れ去られた事柄が多い。
読んでいると、懐かしくほのぼのとしてくる。
自分とほぼ同世代であり意味は通じる。
昔、向小駄良は白鳥の隣村だった。
今は白鳥町向小駄良であるが、昔は北農村向小駄良だった。
車のない時代、それなりに距離を感じた。
長良川を挟んでいて異郷？にすら思えた。
小学校、中学校は当然別々であった。
だが、生活様式、子供の生態は同じだった。
当時、向小駄良をコンダラと呼んでいた。
白鳥の我々もそう呼んでいた。
本の中で、特に懐かしく感じたもの二、三、拾うと。
“年取り”～12月31日の事である。
この日には新しい下着を着せてもらった。
早く風呂に入り、仏壇に参り、御馳走を頂く。
“竹下駄スケート”
竹で下駄を作り、先端を丸くしてスケートにする。
道路に水を撒きアイスバーンを作り、そこで滑る。
“役にたたない時計”
柱時計はあったが、よく故障した。
それ以外に時刻を知る手段はなく、困った。
“つばめさんまたおいで”
昔、燕は家の軒下か土間の天井に巣を作った。
燕は家族と同じように思っていた。
“かったこわたり”（白鳥は“かってこ”だった）
前日暖かく、その夜に冷えると雪の表面が凍る。
その上を歩いても沈まないのだ。
その上を歩けば学校へは近道だった。
　沢山の事が書いてあるが、大半が消えている。
何もなかった時代でも元気はあった。
貧乏でも知恵はあった。
“遊びやせんと生まれけむ”
　　　　　　　　　　　逞しかった気がする　寅次郎

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torajiro0421 at 22:08｜Permalink│Comments(0)│

2023年07月11日

「鷲見とは？」

　鷲見氏・鷲見郷シンポジュームに参加。
会社が高鷲町鷲見にある事。
造成したゴルフ場も鷲見上野であった。
近辺に鷲見姓が多い。
長女が白鳥町為真の鷲見家に嫁いでいる。
鷲見で禄をはみながら、知らない事が多すぎる。
事ほどかよう、鷲見には因縁浅からぬものがある。
鷲見のルーツを知っておくべきかと出向いた。
鷲見をスミとも読むしワシミとも読む。
どちとらが先なのか？
諸先生方も調べられたようだが、ニワトリとタマゴだった。
苗字はスミが多く、場所はワシミが多い感じ。
ワシミ地方、ワシミ川、ワシミ上野、向鷲見、ワシガ岳　ｅｔｃ。
820年（鎌倉時代初頭）に鷲見姓が生まれた？
そして鷲見郷もこのころ出来たらしい。
その頃、この地に人々に危害を及ぼす大鷲が棲息していた。
藤原頼保は天皇の命により、この大鷲を退治した。
そのご褒美に朝廷より鷲見姓を授かった。
美濃国芥見荘鷲見郷も下され、そこに鷲見城を築いた。
鷲見は芥見（現岐阜市）の配下の中にあった？
芥見の方言の中に鷲見の方言に似たものが多いらしい。
絹の反物を貢物として、芥見まで届けてもいるとか。
冬場に貧しい鷲見の人は、芥見へ出稼ぎに行ったのでは？
そしてそのままそこに居つく人もいたのでは？
鷲見姓は高鷲より岐阜市に多いのもそのせいか？
鷲見、芥見、双方に見があるのも、その縁か？
芥見とこんな深いつながりがあったとは知らなかった。
鷲見と芥見の距離は約80ｋｍ
昔の人は歩いて2日間の距離である。
何故、この距離で鷲見は芥見の配下だったのか？
鷲見は芥見の飛び地であったのか？
江戸時代に鷲見村が出来、明治30年に高鷲村が出来た。
その時はもう芥見との縁は切れている。
興味は尽きない。
2時間のシンポジュームだったが、短く感じた。
ただ理解力の鈍い拙者には正直ピンボケ気味だった。
2時間位で総てを知ろうというのが虫が良すぎるのか。
でも入り口が解ってよかった。
　　　　　　　　娘の嫁ぎ先にも聞いてみよう　寅次郎

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2023年06月15日

「綾瀬・浦島」

　56年振りに訪れた。
東京都足立区西綾瀬3丁目・・・。
我が恋はここから始まった。
彼女はここのアパートに住んでいた。
四畳半一間。
昔風に言えば九尺二間である。
炊事場、トイレは共同。
4軒長屋のアパート。
名は大黒荘。
隣の部屋の住人は競輪の予想屋オヤジ。
南側に窓があった。
だが、隣の家と殆んどくっ付いていた。
窓の役目を果たしていない。
その家はヤクザ屋さんだった。
背中に絵を描いた兄さん方がいた。
高倉健の唐獅子牡丹がよく流れていた。
又、30分も歩けば小菅刑務所もあった。
そんな中にうら若き乙女が棲んでいた。
この悪環境から守ってやらねば・・・。
義侠心が湧いてきた？
お節介に、しばし通った。
敵は予想屋とヤクザだ。
でも、問題は起きなかった。
その一年半後に、何故か結婚した。
　その場所を、この度、二人で訪れた。
56年の歳月は昔を消していた。
駅の位置は変わり、高架橋に変貌。
区画整理され、道路も変わった。
当時の木造アパートは消えて、名を変えて居る。
○○コーポ、メゾン××、△△ハイツ・・・。
大黒荘らしきものはとんと見当たらない。
消えかかった記憶を呼び起こし、捜し歩いた。
若かった頃の二人を再現しようと・・・。
ここで悩んだ、ここで笑った・・・。
その場所を求めて・・・。
そこは、山の彼方の空遠くに消えたのか？
新しい綾瀬の駅に降りた二人は浦島太郎だった。
そこに竜宮城はなかった。
　　　　　　　　でも充実した綾瀬探索だった　寅次郎

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2023年05月10日

「起請文」

　今迄に何回も見て来た。
長滝神社で見た。
友達の家の玄関の内でも見た。
なのに知らなかった。
いや知ろうともしなかった。
ただ漠然とは知っていた。
白山長滝神社のシンボル位に。
いや、神社の印鑑かな？位に。
デデデン祭りに行き拝受してきた。
それはその日限りの御朱印に近いモノだった。
本当の意味は解らなかった。
調べてみた。
起源は定かでないが天照時代と言うから古い。
中世になり各神社が作った。
牛王宝印（ごおうほういん）と言われた。
牛王（ごおう）とは牛の胆嚢。
貴重な品で、貴重な薬だった。
魔除けの護符として。
一種のお守りである。
版木を作り和紙に刷り込んだ。
それを家に掲げたり、身につけた。
戦国時代には起請文に用いられた。
武将同士の誓約書である。
戦争における約束事である。
これを神に誓って守ると、と。
これを破ると、神は罰を与える。
破った者は血を吐いて死ぬと言われた。
今回拝受した“白山瀧宝印”は牛王宝印だったのだ。
白山瀧宝印は筑川家康が多用したらしい。
徳川家は白山信仰が厚かった様だ。
起請文は白山瀧宝印の刷られた裏に書いた。
花押を記して血判を押している。
武士に二言はない！と言う奴か？
　昨今、日本も離婚が多くなった。
結婚は二人が神前で固く誓うのに・・・。
婚姻届けも裏に“白山瀧宝印”を刷ればいい。
血を吐く奴が多くなるかなー・・・。
時々、血を吐きたくなる時もあるにはあるが・・・。
　　　　　　　　　　　　　　　我慢して呑み込む　寅次郎

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2023年05月06日

「白山瀧宝印」

　コロナ禍で3年ぶりに開催された。
長滝白山神社のデデデン祭り。
約360年の歴史があるとか。
豊作・豊蚕・無病息災を祈願するお祭り。
又、端午の節句に行うので、男子厄除け祈願も。
前日に白山三山の神輿が拝殿に運び込む。
白山三山とは、最高峰の御前峰（標高2,702m）と、
剣ヶ峰（2,677m）・大汝峰（2,684m）の三山。
それぞれにご神体の神輿がありとか。
拝殿に鎮座した神輿の下をくぐる習わしがある。
くぐると一年、無病息災であるとか。
神輿の前で神事が始まる。
4人の巫女による“浦安の舞”が奉納される。
終わると白装束の若衆が三基の神輿を担ぐ。
太鼓が“デデデン、デデデンと鳴り出す。
拝殿の急な階段を神輿が下る。
途中に石の太鼓橋がある。
此処を渡るのがクライマックス。
神輿が大きく傾く事もあり息をのむ。
太鼓はデデデン、デデデンとなり続ける。
神輿は参道を勢いよく駆け下る。
かつては800m先の二日町駅付近まで行った由。
現在は鳥居の入り口の外までである。
此処で引き返して、来た参道を駆け上る。
神輿が収まるとお供え物は振る舞われる。
ご飯と、菖蒲酒が参拝者に。
これで一年が無地安泰となる。
今日の参拝の目的は御朱印拝受であった。
今日だけ特別に“白山瀧宝印”が下される。
この宝印の版木は室町時代以前の作とか。
戦国時代には宝印の裏に誓約書となる起請文を書いた。
これは神仏の前で双方が誓いを交わすのである。
徳川家康はこの起請文に白山瀧宝印を多用したらしい。
大河ドラマ“どうする家康”に登場する。
三河の一向一揆鎮圧の時にも書いている。
家康は白山信仰が厚かったのだろう。
長滝神社にその版木のある事が誇らしく思われる
だが神輿を担ぐ若者がいなくなってきたとも聞く。
白山瀧宝印・起請文を起爆剤に出来ないか？
　　　　　　　　　　考えるデデデン祭りでもあった　寅次郎

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2023年04月27日

「明治が出てきた」

高鷲町鷲見白山神社の拝殿が改修される。
建立されたのが明治23年8月に着手。
翌年の7月に完成している。
132年が経過している。
地盤沈下も見られて、傾きもある。
改修に当たり地盤の強化も図った。
敷地の南側半分が盛土である。
その部分に薬液を注入して強化した。
モルタルミルクに強化剤を混入して地中に圧入する。
これを拝殿の基礎周りを中心に行った。
拝殿を解体するにあたり、天井裏を見た。
そこの梁に棟札が掲げられていた。
読み解くと、
札の中央には　天御中主神（あめのみなかぬしのかみ）
日本神話の最初に登場する神。
天の真ん中を領する神。
その下に、宮営永久吉祥（この宮が永久に栄えます様に）
右側に罔象女神（みつはめのかみ）、この神は
火を鎮める水神で、豊穣をもたらす農耕神。
左側に五帝龍神（ごていりゅうじん）
この左右にある神は、何れも水の神。
鎮火、防火を司る神である。
札の中央下部に地元の世話方、総代衆の名前。
その下に、大工衆の名前が記されている。
大工は越前から来ている。
越前の国、吉田郡志比村。
ここは永平寺を建立した大工の村である。
棟梁は大久保作左衛門列重。
彼等は永平寺を建立の後、各地に出向き神社仏閣を建てている。
棟札とは別に文献では総人工数530人とある。
機械もない時代に、総て人力で造り上げた。
その人達の直筆が見られた事が感動である。
この先、神社仏閣は維持できるだろうか？
寄付など望めない時代になりつつある。
この拝殿修復が最後の様な気がするが・・・。
　　　　　　　　　　　　　　　　　先人に感服の　寅次郎

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torajiro0421 at 19:43｜Permalink│Comments(0)│

2023年03月03日

「光秀の策略」

　レジェンド＆バタフライを見てきた。
キムタク信長の人気か、満員だった。
出だしの信長は尾張の小童（コワッパ）。
蝮の娘・帰蝶に軽くあしらわれる。
まるで愛情のない政略結婚。
ある時、信長は帰蝶に命を助けられる。
そこで初めて、愛らしきものが芽生える。
同時に、尾張のコワッパが大人へと成長してゆく。
戦に勝つに従い、カリスマ性が増してくる。
強暴な大魔王にのし上がってゆく。
この映画の中で、違う光秀を見た。
光秀は家康供応の際の不始末で信長の折檻を受ける。
家康達の居並ぶ中で足蹴にされ、最大の屈辱を受ける。
これを根に持って、本能寺を襲う・・・。
これが、定説である。
所が、今回は違った。
その頃、信長は家来に甘く見られかちになった。
これでは示しがつかないと光秀は言う。
万座の中で光秀を罵倒して、その権威を示せと光秀は進言する。
側近であろうが、不始末があれば容赦しないところを示せ、と。
これで信長の恐ろしさを家来と家康に見せつけよ、と。
料理が傷んでいると何癖を付け光秀を打擲する。
しかし、家康はこの大芝居を見破っていた。
見破られたと知った光秀は考えた。
信長の時代は終わった・・・
大魔王では天下布武は出来ないと・・・。
心は見破った家康に傾いた。
信長を討ち、家康に天下を治めさせようと・・・。
かくして本能寺は始まるのであった。
人間五十年、夢幻の如くなり
生を受けし者、滅せぬもののあるべきか
炎の中、自ら首を掻き切って果てて逝く。
帰蝶と遠い異国への夢は儚く崩れ去る。
殿は何故に戦ばかりするのですか？と帰蝶。
昔の純粋さは消え、狂気じみた戦に明け暮れる信長。
比叡山の焼き討ちに帰蝶は涙する。
今のプーチンを見るような気もした。
これは狂ったレジェンドである。
　　　　　　　　　　　　悲劇は繰り返されている　寅次郎

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2022年12月02日

「油坂古道探索」

　峠の道は復旧で来た。
その先の、道が皆目解らない。
地元向小駄良の古老が目印を付けてくれた。
それを目当てに4人で山に入った。
ルートは二つあるのではと一人が言う。
よって二つに分かれて、上から下ることにした。
我々のルートはいきなり尾根の急斜面。
明智光秀は身重の妻を背負って上ったといわれる。
いかな光秀もこの坂は無理だろう？
今、自分が下りるのに滑り落ちる位だ。
かといってジグザグの道は見当たらない。
１００ｍ程下りたら、少し平坦なところに出た。
道らしき形のものが見えてきた。
それでも、ジグザグのスイッチバックの道だ。
人一人が歩ける幅である。
更に１００ｍ位行くと、道幅が少し広くなった。
谷側に石積がしてある。
古老に聞くと、昔、荷車を通したという。
それで木を伐りだしたのだろうか？
石積は何か所もある。
この石を積むだけでも大変な仕事である。
昔の人は力持ちだったんだなー・・・。
やがて沢に出た。
そこにはコンクリートの堰堤があった。
これは５､60十年前のものだろう。
堰堤から１００ｍ程で国道に出られた。
この間、1時間半の行程。
　別ルートを降りた人も同じところに到着。
こちらは降り始めから、道の形はあったと言う。
中間あたりで、我々のルートに合流したようだ。
どうやら、古道は彼等のルートの様だ。
再度、そのルートを確認しようと約束。
今日は急斜面で疲れ果てた。
早く帰ってビールが飲みたい？
降りるだけでこの様である。
光秀の足元にも及ばない。
いくら美人を背負っても、その力はない！
色男、金と力はなかりけり！
　　　　　　　　　　　色男？　エロ男の　寅次郎

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2022年10月27日

「白鳥神社サミット」

　白鳥神社の歴史は古い。
今年で、1,300年経過したとある。
奈良時代の養老6年（722）に始まっている。
泰澄大師が都からの帰途、白鳥に入る。
この時、白い鳥が神女となり大師に告げた。
この地に聖地あり、伽藍を建つべし、と。
霊示に従い一社を設け、伊弉冉尊を祀った。
白い鳥が舞ったこの地を白鳥村と名付けた。
白鳥町史はこのように記している。
今年が丁度1,300年の節目。
この時を迎え、漫然と過ごしてよいのか？
何か記念になる事がやってみたい。
何かをやる事で、変化が起きないか？
あれこれ考えるうちに一つの事が浮かんだ。
日本中に白鳥神社は幾つあるのだろう？
ウキペディアは教えてくれた。
北海道から鹿児島まで何と111社あると。
こんなにあるとは驚きだ。
ホームページの有るものは覗いてみた。
ホームパージを開いているのは12社。
その祭神はすべて日本武尊だった。
創建も仲哀天皇の頃（西暦500年前後）
仲哀天皇は日本武尊の子供である。
従って子が親を祀ったと言う事だ。
共通項は、日本武尊は白鳥伝説である。
日本武尊は白鳥になりその地に舞い降りている。
それに鉄文化とも深い関りがある。
111社総てがそうであろうか？
だとすればその総本山は何処なのであろうか？
この伝説が如何に、各地に拡がったか？
日本武尊とは一体何者なのか？
そこで、白鳥神社サミットを考えた。
111社の皆さん、一堂に会してお話ししませんか。
それぞれの情報を開示しませんか。
そして議論、研究をしてみませんか。
日本のほぼ中央の岐阜の地に集まりませんか。
1300年の謎解きをしましょうよ。
何か新しいもモノが見えてこないでしょうか？
　　　　　　　　　　　郡上の白鳥神社が好きな　寅次郎

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2022年10月06日

「高鷲村に自衛隊」

　昔、故蓑島村長に聞いた記憶があった。
事に依ると高鷲に自衛隊が来たかも知れないと。
高鷲の東側の高原地帯に一大演習場が。
その時は左程に驚く事もなかった。
過疎の村を発展させる絵空事だろう・・・。
こんな認識で聞き流していた。
　先日、山川清至氏が突然来られた。
山川さんとの出会いは、
14年前、山川記念館増築工事でお世話になりました。
その後、水谷白山塾で一緒に歴史を学びました。
高鷲から熱心に白鳥へ通われました。
そんなご縁で、愚生の愚かなブログ集も読んで頂いた。
この度、当時の思いの丈をまとめました。
読んでみて下さいと、お持ちいただいた。
それは、冒頭に書いた、高鷲に自衛誘致の話しであった。
陸上自衛隊演習場誘致は高鷲村を大きく揺るがせた、
当時は聞き流していたことがこれ程、重大事だったとは。
拝読するうちに、随所で.心打たれた。
事が起きたのは昭和34年である。
愚生が社会人1年生として、上京した年である。
防衛庁は高鷲高原に目をつけて、交渉が始まった。
過疎の村を自衛隊で発展させようと言う賛成派。
大事な自然を壊してはダメだと言う反対派。
この二つが、激しく対立して8年間争った。
山川さんは当時、村会議員で反対派の急先鋒。
これを許せば、将来に禍根を残す！と大反対。
最初は賛成派が優勢だったが、粘り強く説得。
最終的に、県と防衛庁の申し出をきっぱり断った。
もし、自衛隊が来ていたら、
高冷地野菜、別荘地、ゴルフ場、スキー場、
牧歌の里、等の産業は生まれていなかっただろう。
自然は壊され、戦争になれば標的にすらなる。
騒音問題は高鷲だけでなく、近隣にも及ぶだろう。
今の高鷲の繁栄は、山川さんを先頭に戦った人達のお陰だ。
郡上には、郡上一揆、凌霜隊の大きな歴史がある。
郷土を守った先人の気概が山川さん達にも流れていたのだ。
理不尽な事には毅然と戦う精神が受け継がれている。
多くの事を学ばせてもらいました。
　　　　　　　　　　　　もっと教えて下さい　寅次郎

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2022年08月31日

「人道の港・敦賀」

　前回の葬儀の時は敦賀松原神社を訪ねた。
水戸天狗党の終焉の地である。
女房の実家が茨城県であり、縁を感じた。
今回はその49日法要で、再度敦賀へ。
仏事も済んで時間に余裕が出来た。
歴史探訪を目論んだ。
難民を助けた杉原千畝外交官の事。
杉原は第二次世界大戦で6,000人の命を救った。
ドイツのユダヤ人大虐殺の最中にである。
彼は岐阜県八百津の出身。
そこには、人道の丘があり記念館が建っている。
何年か前に訪れて、感動した記憶があった。
今度は、その続きで人道の港が見たくなった。
1939年は愚生の生まれる1年前。
ポーランドはソ連とドイツに攻められた。
行き場のなくなった人達は難民として逃げた。
シベリア鉄道9,000kmでウラジオストックへ。
そこから敦賀港へ至る。
ポーランド孤児達も敦賀港に辿り着いている。
　今、ウクライナがロシアに攻められている。
多くの難民が国外に逃げている。
この事が80数年前のユダヤ難民とダブった。
人間は日進月歩しても何も進歩していない。
愚かな事を繰り返している。
特に、ソ連―ロシアは・・・。
今、ウクライナの女性は言う。
“私たちは何も悪い事はしていないのに、
どうしてこんな目に合わなきゃいけないの？と。
どうして？　何故？　なして？　何なの？・・・。
世界の指導者達は、この問いに答えられない！
目には目を！　歯には歯を！と言いたくもなる。
だがそれすら、怖くて出来ない・・・。
様々な策を講じてはいるが・・・。
その間にも、善良な市民達が殺されている。
日本は戦争には加担出来ない。
だが難民の救済は出来るだろう！
そんな思いで、人道の港・敦賀ムゼウムを見てきた。
見てきただけで何も出来ない己が情けない。
幕末、天狗党は敦賀で処刑された。
今回はユダヤ人が敦賀で救われた話。
　　　　　　　　　　　　法要の余話でした　寅次郎

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2022年08月10日

「長崎原爆忌77」

　事務所に座っていたらサイレンが響いた。
パソコン画面を長崎に切り替えた。
11時2分、黙祷はじめ。
事務所の女の子も立ち上がって黙祷。
田上長崎市長は岸田総理に迫った。
書く禁止条約に署名して批准してくれ、と。
平和への誓いは82歳の富田隆氏。
彼もまた総理に向かった。
広島出身の総理なら大胆に行動をしてくれ！と。
アメリカに遠慮しないで独自に動け！と。
それは核禁止条約に署名、参加する事だ。
しかし、総理はその事に、一切触れなかった。
今、巷には“決断と実行”の文字に総理の顔ポスター。
何を決断し、何を実行しようと言うのか？
耳障りの良い言葉だけで国民を翻弄するのか？
8月9日を調べていたらポツダム宣言が出てきた。
ポツダム宣言とは
“日本の無条件降伏”を求めた米英中３カ国首脳による宣言。
1945年7月26日にベルリン郊外のポツダムで発表された。
日本への降伏の最終宣言とした。
これに日本の陸海軍は反発した。
これに鈴木貫太郎首相は7月28日“宣言を黙殺する”と発言。
アメリカはこれを宣言拒否と受け取った。
８月６日、原爆を広島に投下した。
これを受けて9日に最高戦争指導会議が始まった。
鈴木首相はポツダム宣下を受諾止むなしと言明。
これに東郷外相は賛成したが軍部は反発した。
この会議の最中、11時2分、長崎に2発目が落とされた。
9日にはソ連が参戦してきた。
天皇は終戦を決断。
8月14日にポツダム宣言を受諾した。
鈴木総理が７月中に宣言受諾を決断するべきだった。
さすれば広島、長崎に原爆は落ちなかっただろう。
そしてソ連の参戦もなかっただろう。
日本の優柔不断が原爆を招いたと言える。
8月14日夜、阿南陸相が割腹して果てた。
命がけの決断と実行だったと思う。
形は違うが核廃絶を命がけでやる人はいるのか？
8月9日を別な意味で学んだ。
　　　　　　　　　　　　　昭和も遠くなった　寅次郎

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2022年08月02日

「定め書き」

　友人が古民家を買いリニューアル。
郷土料理専門の食事処に仕上げた。
人里離れた閑静な所で海抜は750m位か？
冬などは孤立したと思われる？
家は８間＊６間位の中二階。
江戸時代末期の建物の様だ。
居間の天井は囲炉裏の煙で黒ずんでいる。
大きな梁がむき出しで豪快である。
都会の喧騒を離れた人間回復の場か？
玄関入口の脇に高札が置いてあった。
昔、辻々に建てられた物の様だ。
半分ぐらいが読めないので、調べてみた。
“五榜の掲示”（ごぼうのけいじ）の第一札だと判明。
慶応四年、明治政府が民衆の守るべき事を記した高札。
高札は五枚ある内の、これはその一枚目。
第一札は“五倫道徳遵守”でこう書かれていた。
　　　定
一　人たるもの五倫の道󠄁を正しくすべき事
一　鰥寡孤獨癈疾のものを憫むべき事
一　人を殺󠄀し家を燒き財を盜む等の惡業あるまじく事
　　　慶應四年三月󠄁　　　太政官
五倫とは
父と子は親愛である事。君主と臣下は互いに慈しむ事。
夫婦は互いに知り尊敬する事。年少者は年長者を敬う事。
友は互いに信頼する事。
鰥寡孤獨癈疾（かんかこどくはいしつ）とは
「鰥」～老いて妻のない夫。
「寡」～老いて夫のない妻。
「孤」～みなしご。
「独」～子のない老人のこと。
「廃疾」～回復不能の病。
こうゆう人達を憐れみ助けよと言う。
厳しくも温かく戒めている。
この高札の裏には“栃洞村”と書かれている。
山奥の民がこんな難しい字が読めたのだろうか？
日本中の村々に、全部建てたのだろうか？
これを犯したものは罰せられたのか？
150年ほど前の情報手段だったようだ。
　　　　　　　　　　　　身近に幕末を感じた　寅次郎

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torajiro0421 at 17:00｜Permalink│Comments(0)│

2022年07月29日

「泰衡が蓮」Ⅲ

　新聞で咲いていることを知り見に行った。
ここ数年は咲かなかった。
この蓮も、これで終わりかと淋しかった。
聞けば今年、池を大幅に改修されたとか。
そのせいか今年は咲いていた。
開花したのが3個と蕾が3個あった。
“泰衡が蓮”が蘇ったと、嬉しかった。
思えば“泰衡が蓮”を知ったのは11年前。
東日本大震災で中尊寺を訪れた時。
翌2012年に白鳥の長滝神社にあると知った。
その時、ブログに書いている。
寅次郎の徒然草:「泰衡が蓮」 - livedoor Blog（ブログ）
その7年後2019年に再度書いている。
寅次郎の徒然草:「泰衡が蓮・Ⅱ」 - livedoor Blog（ブログ）
今年のNHK大河ドラマにも出てきた。
泰衡は頼朝の命令に従い、義経を討って首を差し出した。
恭順の意を示しが、頼朝は泰衡を征伐した。
藤原を全滅させねば、全国制覇は出来なと言う野望からか？
非情な心はプーチン以上？
泰衡が殺されて3年後、頼朝は征夷大将軍で頂点に立つ。
その7年後に死去して息子達が二代、三代と続く。
だが二人共、権力闘争に巻き込まれて暗殺され源氏は終わる。
藤原氏の初代・藤原清衡の母は安倍頼時の娘である。
よって藤原氏は安倍氏の血を受け継いでいる事になる。
その安倍氏の遠い末裔が、安倍晋三元総理。
従って藤原泰衡と安倍晋三の先祖は安倍一族に繋がる。
その安倍が暗殺された。
泰衡も暗殺されている。
ミステリーを感じる。
ある本で“逆縁の棺に母の種袋”という句に出会った。
母は息子が好きだったカボチャの種を棺に入れた。
ある地方では、この習慣があるらしい。
泰衡の首桶に有った蓮の種もこの意味ではないか？
蓮の花は西方浄土・極楽の花。
不運だった泰衡がせめてあの世では安穏にと願い。
見送った民百姓がソーッと首桶に入れたのではないか？
白鳥と中尊寺は白山信を通じて縁が深い。
800有余年の時を経て、泰衡の血を吸った蓮が咲く。
　　　　　　　　　　　　　　　命の凄さに驚愕の　寅次郎

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torajiro0421 at 19:44｜Permalink│Comments(0)│

2022年07月19日

「敦賀と水戸」

　弟の義父の葬儀で敦賀に行った。
敦賀で泊った夜、ふと思った。
敦賀と茨城の水戸市は姉妹関係にあるはずだ。
尊王攘夷を唱える水戸天狗党。
京に上り目的を果たすべく水戸を出た。
中山道を経て、北陸路へ。
一方幕府軍は敦賀で、彼らを食い止めようとした。
だが天狗党は多勢に無勢で全員捕らえられた。
そして敦賀で多くが斬首された。
あらましを本で読んで知っていた。
朝起きて、10時の葬儀式まで時間がある。
斬首された所は近いと解った。
女房は茨城出身である。
壮絶な歴史跡地を女房も見たいという。
弟に案内してもらい向かった。
場所は松島海岸の一角である。
入口に水戸烈士追悼碑の大きな石碑。
参道を進むと正面に土盛りの丘がある。
右に武田耕雲斎ゆかりの地の石碑。
左に武田耕雲斎の銅像が立っている。
この土盛りの丘は処刑場の跡とか。
ここに穴を掘り、五日に分けて353名の首を切った。
時に元治2年（1865）2月、遺骸をその穴に埋めた。
その後、大正3年（1914）に土盛りをして墓石を建てた。
武田耕雲斎を中央に墓石が並び353名が刻まれている。
皮肉な事に、幕府軍の総督が水戸の徳川慶喜であった。
彼を頼ったが願いはかなわなかった。
田沼意次の曾孫・田沼意尊がろくに吟味せず極刑を出した。
これが後に大きな非難となる。
首切り役には彦根藩は井伊直弼暗殺の関係で進んで引き受けた。
福井藩松平春嶽は一方的な罪人扱は好まずと断る。
西郷隆盛は、降伏者を誅殺するとは尋常でないと批判。
大久保利通は、是をもって幕府は滅亡すると憤慨している。
勝海舟も、多数有為の士を酷刑に失したと幕府を批判。
　限られた時間だったが、大きな歴史に触れてきた。
僅か157年前の出来事である。
水戸と敦賀の距離は1,100km。
女房も因縁浅からぬものを感じただろう。
　　　　　　　　　　　　　敦賀で茨城を見た　寅次郎
耕雲斎　辞世の句
“咲く梅の　花ははかなく　散るとても
香りは君が　袖にうつらん“
この思いは何時か慶喜に解ってもらえるだろうとの意。

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torajiro0421 at 17:00｜Permalink│Comments(0)│

2022年07月14日

「ウクライナと同じだ」

　愛知に住む娘の旦那が新聞記事を送ってくれた。
それは77年前の岐阜空襲の記事だった。
　6歳で愚生は岐阜空襲に遭遇した。
母に手を引かれ、梅林裏山に逃げた。
そこで岐阜市街の燃えるのを見下ろしていた。
明け方、空襲警報解除となり帰宅。
だが、そこに我が家はなかった。
総てが焼き尽くされていた。
岐阜空襲の概要（ウィキペディアから）
昭和20年(1945)7月9日午後11時頃、
熊野灘から進入したB-29の編隊135機は、
関ヶ原より岐阜県に進入。
午後11時34分、空襲が開始。
攻撃照準点は現在の金町交差点中心に市街全域。
岐阜市中心部は総て焼け野原となった。
翌日午前0時20分、空襲が終了。
使用された焼夷弾、907.5tが投下された。
その被災面積は約5km2（約2,400m四方）
旧岐阜新聞の記事(1945年8月30日)では
死者：818人、負傷者：1,059人、
全半壊家屋：20,363戸、罹災者：100,000とある。
　送ってくれた記事を見ると、
岐阜空襲前に米軍機が空撮し、爆撃場所を決めた。
“民間人を狙う意図が明らかだ”と関係者言う。
当時日本は国家総動員法で全国民を戦争に動員していた。
米国はこれを、攻撃の正当化する口実にした。
無差別攻撃である。
77年前、アメリカの日本総攻撃は、
今のウクライナと全く同じ事だ。
ロシアはウクライナ侵攻を軍事演習だと言う。
そこで無差別に殺戮を行っている。
　ウクライナ人は安全を求めて避難している。
77年前、愚生も親達と郡上に逃げたと言える。
戦争とはこんなものなのか？
経済制裁で戦争を止めようとはしているが・・・。
その間にも、多くの人が殺されている。
人類は進化しないのか？
何も出来ない自分が腹立たしい。
　　　　　　　　　　　　　　　記事を有難う　寅次郎

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torajiro0421 at 17:00｜Permalink│Comments(0)│

2022年01月08日

「我が書初めの歴史」

　今年は寅年、“虎千里の藪”と墨した。
狭苦しいさを脱し、広い視野で大きく活きたい。
昨年のを片付けていたら、昔のが出て来た。
時系列に整理してみると、小さな己の歴史が出来た。
これは郷里に帰って来てからのモノで40年分位か？
眺めていると、その時代時代の生き様が伺える。
感慨深いものがある。
昭和５０年９月　東京の会社からUターン。
仕事に追われる日々であった様に思う。
ゴルフ場の造成も終わり、２，３の会社を転々。
不惑を過ぎた頃、少し落ち着きが出た。
親父の死で、自分の人生が始まった感じ。
否応なく家督を継ぐ立場になった。
家を継ぐと言う事はかなり大変だった。
長い間、田舎を留守にしていたから。
人様とのお付き合いは、ゼロに等しかった。
仕事ばかりが人生ではないと気付き始めた。
地域と家庭と自分を大事に生きては・・・と。
こんな心境の変化が書初めに繋がった。
年の初めに、己が心境を文字にしてみる事に。
正月二日と言えば、屠蘇が抜けず二日酔い気味。
気の利いた文言は、おいそれとは浮かんでこない。
最初は子供達と一緒に書いた。
その次は、孫達と書く様になった。
かくして、この年中行事は40年の歳月を数えた。
全部は揃っていないが・・・。
眺めていると、過ぎた日が懐かしく蘇る。
あんな事、こんな事、あったでしょー・・・。
書初は元々、宮中儀式であったらしい。
それが江戸時代に庶民にも広まったとか。
書いたものは左義長で燃やす。
その炎が高く上がると字が上達すると言われた。
文字の上達を願うのが主眼だった様だ。
だが、俺の書初めは、その年の決意みたいなものだ。
燃やさずに残っていたのが、懐かしく、楽しい。
その時の気分で、字体がバラバラだ。
これ字体が、その時の心境をも現わしている。
一貫性のない、己の性格そのもの・・・。
　　　　　　　でも世界に二つとない宝物だ　寅次郎