2005年07月24日

『いつか パラソルの下で』 森絵都 角川書店


いつかパラソルの下で


潔癖で厳格な父が事故で亡くなった。
既に二十歳で家から出ていた野々だが、父と同じ会社に勤めていた女性と会ってから生前の父の姿を知る。
今まで故郷のことを語らなかった父、なぜここまで厳しかったのか、また会社ではなぜ別の姿があったのか?一周忌を前に兄と妹と三人で父の過去を探すことになる。。

確かに大人向けの表現やテーマになるのかな?野々自身の悩みは兄妹にも言えないものだし、また父の過去や父のルーツには驚かされる。
しかし、親子の関係や兄妹の関係が上手く描かれていて、森さんらしさは変わらなく出ている物語だと思う。
それに父の死から始まっているが、父の過去を見ることで父の存在がしっかりあるので悲壮感はない。
兄妹の関係はとても絶妙、昔の父や故郷のことを語る人たちも個性的で笑わせる。

父の本当の姿が少しは理解出来たのだろうか?
親といえど知らなくてもいいことだったのかもしれない。
だけど、家や兄妹たちとも疎遠だったのに、また引き合わせてくれたのは父だった。

タイトルは疎遠だった父に歩み寄る言葉だと思う…。
……素敵だ。

9点

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この記事へのコメント
ぼくはこの小説が森絵都さんの読みはじめでした。微妙で繊細な感情の表現が上手なことだなあ、と思いました。
文庫で『アーモンド入りチョコレートのワルツ』を見つけて読みましたが、あれもよかった。これから少しずつ読んでいこうと思っています。
Posted by ディック at 2005年07月24日 09:01
ディックさん、こんにちは♪
久しぶりに森さんの作品を読みましたが、良かったですね(*^^*)森絵都さんは好きな作家さんの一人です♪

そうですね。意外な話の流れと、細かく書かれてるけどクドくない表現で、ラストは爽やかというかスッキリ。程よいリアルさが良かったです。
『アーモンド入りチョコレートのワルツ』は未読なのでチェックしたいと思います( ̄▽ ̄)g"
Posted by みかん at 2005年07月24日 10:43