2004年07月13日

『天国はまだ遠く』 瀬尾まいこ 新潮社


天国はまだ遠く

都会で忙しく働く23歳のOL千鶴は、日々の生活に疲れ自殺願望が生まれる。優柔不断な彼女が勇気と決断を持ち、死に場所を求め家を出たが、見知らぬ土地に着いた所は…。

瀬尾さん、第3作目です(*^^*)
読むたびに、文章が簡潔になるというか、ストレート・誤魔化さないというか、隠さなくなってきてるような。主人公の千鶴の心の内が全部見えているような文章で、とっても面白い。
素直で真面目で、天然で(笑)という主人公が、ドタバタ仕度したりタクシーのオジサンとやりとりするあたりは、一生懸命すぎて笑えるのだが、イッパイイッパイになってる時は、傍からみたら、あんな感じなのかもしれない。
イマドキ、アレでは死ねないだろう…とは思うが、思いつめた本人には分からないんだろう(笑)

たどり着いた先の民宿での田村氏がいい雰囲気をもった人。結局千鶴の自殺は未遂になるのだが、一度死ぬ怖さを経験した千鶴にも自然と向き合ってくれる。その、あっけないほどの自然さに吹っ切れ、都会とは別の時間の流れに身を置かしてくれる。この民宿・この村?は、千鶴にとって居心地が良く、ある意味天国なのかもしれない。
しかし、ここから離れるのである。ここにいてはいけないと気付いてしまう。。ここが、瀬尾さんらしい。

だれにでも落ち込んでしまう事がある。もう駄目だと思うことがある。「くよくよするな」なんて言わない。落ち込んだらそのままほっておいてくれるのである。そして、自分であれこれ時間をかけて悩み考えさせてくれ、ちゃんと一人見守ってくれる、自分自身で立ち直れるように。

落ち込みやすい人(私)にとっては、優しく勇気付けてくれる話でした。。。

9点

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この記事へのコメント
こんばんは♪
『天国はまだ遠く』読まれたのですね。
野生時代8月号から新連載も始まりますます快調です。

『天国は〜』はあえて文体を変えて挑んだ作品だと思ってます。
でもこの人の作品って“再生”をテーマとしてることが多いけど本当に人生に対しての“ひたむきさ・前向きさ”が伝わってくるよね。

ますます目が離せない作家となりました(笑)
Posted by トラキチ at 2004年07月14日 02:01
返事遅れてスイマセンでした。
今回も良かったです。読むと、話の世界にすっかり浸れられるのがイイですね。
他人から見たら、そんな事で、と思うような、でも本人的にはしっかり落ち込むような場面・だから人に相談できず更に落ち込む事って女性にはありがちだなって思います。そんな乙女心を掴むようなこの作品に共感。。

次回作も楽しみです。
Posted by みかん at 2004年07月16日 14:01