シマシマしっぽ

活字中毒な猫バカ。日々の読書の感想を残しています。最近は映画日記化ともなっていますが、楽しみがあるのはいいことです。今日一日、楽しいことを考えて,何とか日々を乗り越えたいです。This is my Lifelog.

路上のX5

「路上のX」 桐野夏生 朝日新聞出版

 幸せな日常を断ち切られ、親に棄てられた女子高生たち。ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネス。かけがえのない魂を傷めながらも、三人の少女は酷薄な大人たちの世界をしなやかに踏み越えていく。最悪な現実と格闘する女子高生たちの肉声を物語に結実させた著者の新たな代表作。 (「BOOK」データベースより)

 
 最近集中率が保てず、映画を観るのもかったるくて、30分弱のアニメとドラマしか観れなくなっている。小説なんか予約してたけど、とても読めないのでは・・・・と思っていたけれど、久々に時間を忘れて一気読み。サバイバル的なものを描かせたら、この人はとても上手いのだ。
 とはいっても、殆ど少女たちのセリフと心情なので、読みやすいのも当たり前ではあるけれど。田舎ではJKビジネスなんて難しいし、夜に開いている店もない。朝まで時間を潰せる場所があり、需要と供給のバランスが合っているのも都会ならでは。

 もし、自分が16歳で、主人公の真由のように、平穏な日々から突然狭い叔父の家に居候せねばならなくなったら、と考えるとゾッとする。大人の勝手な事情に振り回されて、「居場所がない」「今夜どうしよう」と街をウルウロしている子供たちが沢山いる現実。そしてそれを狙う汚い大人。
 同じような境遇の三人の少女が助け合って生きていくが、かなりリアルで、ハラハラしながら最後まで読ませる。早く大人にならなければいけない彼女たちが可哀相で、助けてあげたいけれど、もし、親戚の子を預かってくれなんて言われたら自分も困るよなぁと。やはり現実は辛い。

 

路上のX
桐野 夏生
朝日新聞出版
2018-02-07

キングスマン:ゴールデンサークル3

「キングスマン:ゴールデンサークル」(原題:KINGSMAN: THE GOLDEN CIRCLE )2017英

 世界的ヒットを記録したイギリス製スパイアクション「キングスマン」の続編。イギリスのスパイ機関キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅した。残されたのは、一流エージェントに成長したエグジーと教官兼メカ担当のマーリンのみ。2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めるが、彼らは英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは正反対の、コテコテにアメリカンなチームで……。(映画.comより)
 
 出演:タロン・エガートン、コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、マーク・ストロング、ハル・ベリー

 コリン・ファースなくして「キングスマン」シリーズはありえない!都合良く生き返ったコリン・ファースが出てきてホッとする。でも、痩せたわぁ。ほんとに最近痩せてて心配。でも、世界1スーツの似合う男。悪いけど、一応主演のチビの兄ちゃん(名前を覚える気にもならない)は相変わらず全然スーツ似合ってない。
 今回はジョン・デンバーの「カントリー・ロード」が流れる中、めっちゃアメリカンなスタイルで・・・。でも、エルトン・ジョンが出てたりするし。漫画にしか思えないアクションとおふざけが過ぎる感があって、ちょっと白けたりする。三作目も作るであろうが、これ以上コリン様が痩せないことを祈る。アメリカ勢のキャストはなかなかカッコ良かったぜい。
 


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ヒナまつり3

「ヒナまつり」 銑 大武政夫 エンターブレイン

 芦川組の若手ホープ・新田の部屋に落ちてきた奇妙な楕円形の物体。それが全ての始まりだった!物体のなかに居たのは、無表情な少女・ヒナ。強力な念動力で新田を脅し、ヒナは新田家に住みつくことに。かくしてヤクザとサイキック少女の危険な共同生活が始まった!(アマゾンあらすじより)

 巻まで大人買い!・・・してきたのは息子だ。珍しく、「面白いから」と薦めるので、読んでみた。1巻目、衝撃の絵の下手さ!進撃の巨人がヤクザ界に殴りこみかと思った。何頭身?遠近感とかは?!
 とにかく、絵の下手さはハンパない。ギャグは微妙だ吹き出すほどじゃない。中盤あたりで、中学生だったヒナがいきなり「三年後」とかなって、高一になるし。この春からアニメ化になって、新しいファンを増やしているらしい。これは動きのあるアニメの方が面白いだろうな。ちなみにド下手な絵は少しずつマシになってくるけど、1巻目はほんとひどい。世界観もなんかまだちゃんと定まっていなくて、面白けりゃいいわ、で唐突な感じがする。
 私は今「鬼灯の冷徹」の非常に完成度の高いアニメにハマっているので、この絵の下手さとこの程度のギャグで14冊もコミック一気買いとか、勿体ない!、と思うけど。古本で100円なら買うかな。主人公のヤクザ、新田さんには親近感わいていきたし。



守教3

「守教」隋「簗數生 新潮社

 教えを棄てた。そう偽り、信念を曲げず、隠れ続けたキリシタンたち。密告の恐怖。眼前でおこなわれる残虐な処刑。なんのために、信じているのか?そう迷うこともあった。だが。九州のその村には、おびえながらも江戸時代が終わるまで決して逃げなかった者たちがいた。隠れ、そして信じ続けた者たちがいた。いままで誰も描きえなかった美しく尊い魂の記録。慟哭の隠れキリシタン秘史。 (「BOOK」データベースより)

 時の権力者は変わり、異教の信者への弾圧は強まる。しかし九州のその村での結束は固い。沢山の参考資料から、この小さな村での出来事が真実であるとわかる。信じるものがあれば、人はここまで強くなれるのか。
 しかしまた、物わかりの良い寺とうまく折り合いをつけ、寺の黙認のもとに棄教したと見せて、隠れて信仰を続ける融通の利くところもあって、ホッとする。踏絵など、土足で踏みつければいいのだ。死んでは何にもならない。心の中の信仰は、誰にも見えない。

 ドミンゴやらマチアスやら、ミドルネームのように洗礼名が入るので、ややこしくて登場人物の名前が覚えにくいところがある。大庄屋の代も200年以上もたてば、上巻の主要人物の子孫になり、わかりにくい。この本は売れないだろうなぁと思う。帚木さんの文章は読みやすいけれど、深みが足りない。盛り上がりにも欠ける。



守教 下
帚木 蓬生
新潮社
2017-09-29

今日のタメ口英語4

「今すぐ使えて、会話がはずむ 今日のタメ口英語」 Kazuma KADOKAWA
 
 書籍化するのを首を長くして待ってました!Twitterでフォローしている「今日のタメ口英語」!!お気に入りに入れてもすぐまた忘れてしまうので、自分でノートを作ろうかと思っていた位。フォロワーさん(20万人越え!)の願いは皆一緒。「早く本にして!」

 教科書の英語はほんとに役に立たない。大人になって(おばさんになって)英会話教室に3年通ったけど、講師が単語のニュアンスの違いをちゃんと説明してくれない。だって、講師が日本語ろくに喋れないし、そんな時間も割いてくれない。そんな時に出会ったのが、Twitterの「今日のタメ口英語」。ほんと嬉しかった。そうそう、こういう言葉を英語でサラッと言いたいのよ!ただ、こういう英語を使うと、ペラペラなのかと誤解され、早口で相手がまくしたてても、何を言ってるのかさっぱり聞き取れないという事態に陥ることはある。とにかくリスニングが苦手なのを克服しなければ。

 そういや先日テレビ番組で、「ネイティブにバカにされないための英会話」とかいうコーナーがあって、むかついた!なんだよ、ネイティブって!日本語でも北海道と沖縄じゃ全然言葉が違うわい!「バカにされない」なんてこと気にしてたら喋れるか!ここは関西のおばちゃん流に、簡単な単語とボディランゲージで充分伝わると言いたいし、そんなことを気にする気質が問題だと言いたいわ!

 さて、本の方は日本語の索引がついていてわかりやすかったり、細かい違いを説明してくれていたりで、ありがたい。欲を言えば英語の索引も欲しかったな。それと、もう少しページ数が欲しかった。そこは次巻のお楽しみ?

 この本の英語の口調でヴォルテモート卿に話しかけたら殺される、って書いてあったけど、ワタシ、レイフ・ファインズが好きだから、目が合っただけで妊娠しそうで、話しかけるなんてとんでもない・・・。

 
   こんな中身。口の悪い私にピッタリ。でも、一応基礎の英語がわかっていなければいけない本だとは思う。この本をきっかけに基礎を習う気にさせてくれるし。

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コンビニ人間4

「コンビニ人間」 村田沙耶 文藝春秋

 36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。 (「BOOK」データベースより)

 「芥川賞受賞作」は、直木賞とは違って、クセのある読みにくいものが多いので、前から気になりつつも今頃読んだ。1ページ目からとても読みやすい文章で、台詞部分も多く、文字数も少なくてとっつきやすい。あっという間に読み終えてしまった。二時間もかからなかったと思う。これなら普段本を読まない人にも読めるだろう。
 
 生まれつき周りとはズレている感覚の持ち主の主人公は、物心ついてからは、家族に迷惑をかけないように、静かに、周りの雰囲気を読み、ひたすらそれに合わせて自分が「変人」」だとバレないように生活している。その様子が可笑しいような、少し痛々しいような。小さい頃、似たような経験をした人も多いのでは。「普通」の人のふりをしていれば、災難は避けやすい。小学生でそこに気付いて仮面やら猫を被っている人はいっぱいいると思う。私も含めて・・・。う〜ん、思いだすなぁ、パトカーで帰ってきた保育所の時とか、あれやこれや。
 
 真面目で優秀にコンビニの仕事をこなす彼女なら、他の仕事もすぐに出来るのではないかと思うのだけれど、なぜかコンビニの空間が好きらしい。詳細な仕事ぶりは、作家さん本人の体験だろう。ユーモアをまじえて真面目な語り口は、他の作品も読みたくなる。


コンビニ人間
村田 沙耶香
文藝春秋
2016-07-27

守教3

「守教」紂「簗數生 新潮社

 初めてだった。これほどに、自分を認めてくれる教えは。だから、信じることに決めた。百姓たちは、苦しい日々を生き抜くためにキリシタンになった。なにかが変わるかもしれないという、かすかな希望。手作りのロザリオ。村を訪れた宣教師のミサ。ときの権力者たちも、祈ることを奨励した。時代が変わる感触がそのときは、確かにあった。しかし―。感涙の歴史巨編。戦国期から開国まで。無視されてきたキリシタン通史。(「BOOK」データベースより)
 
 九州の小さな村の庄屋一家から見たイエズス会の布教の物語。私は無宗教だが、たった二日、二時間ほどずつの説話を聞いただけで、それまでの仏教を捨て、簡単にイエズス会に入信する百姓達を不自然に思う。日本人はもともと信仰心が薄いが、「わしは昨日仏壇を焼きましただ」と、平然と言い洗礼を受けたがる村人に目を剥く。ご先祖様より、昨日会った異人の言葉を信じるのか。無学な村人につけこんで、わかりやすい簡単な日本語で数日で洗脳できるものか。異国の名前の洗礼名が、そんなにありがたいのか。
 いぶかりながらも、読みやすいので上巻終了。下巻での迫害の下の彼らの信仰心の篤さを見せてもらおう。


守教 上
帚木 蓬生
新潮社
2017-09-29

ナニカアル3

「ナニカアル」 桐野夏生 新潮文庫

 昭和十七年、林芙美子は偽装病院船で南方へ向かった。陸軍の嘱託として文章で戦意高揚に努めよ、という命を受けて、ようやく辿り着いたボルネオ島で、新聞記者・斎藤謙太郎と再会する。年下の愛人との逢瀬に心を熱くする芙美子。だが、ここは楽園などではなかった―。戦争に翻弄される女流作家の生を狂おしく描く、桐野夏生の新たな代表作。島清恋愛文学賞、読売文学賞受賞。 (「BOOK」データベースより)

 「放浪記」で有名な林芙美子、としか林芙美子を知らないので(しかもそれすらも読んでいない)、大作家扱いで戦時中に活躍したとは、初耳だった。桐野さんはよく実際にあった事件や実在の人物を扱うが、この小説を読んで関係者はどう思うだろうか。林芙美子の書いた原稿が死後に出てきた、という設定なので、桐野夏生が書いている、というよりは、林芙美子が書いている、として読むので、気分は複雑。
 林芙美子は奔放な性格であったとは聞いていたが、兵隊たちが南方で悲惨な生活をしている中でのお大名旅行は、かなり義憤にかられる。しかもかなりの尻軽だし。若い愛人に夢中になり、また他の男も簡単に受け入れる。そして、「今日は何をしていらっしゃるのかしら?私は〇〇にいますのよ」などと上流階級のような気取った言葉で手紙を書き、喋る。気持ちが悪い。興味をそそられて読み進めたのは、彼女が40歳という年で、初めて妊娠したということになっているからだ。夫の子ではないのに、どうするのか。それのみを知りたくて最後まで読んだ。愛人とのやりとりや、南の島での豪勢な生活はウンザリだった。


ナニカアル (新潮文庫)
桐野 夏生
新潮社
2012-10-29

あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇3

「あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇」 高田郁 角川春樹事務所

 江戸時代中期、長く続いた不況を脱し、景気にも明るい兆しが見え始めた。大坂天満の呉服商、五鈴屋でも、五代目店主の惣次とその女房幸が、力を合わせて順調に商いを広げていた。だが、徐々に幸の商才を疎むようになった惣次は、ある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ、店主の地位を放り出して姿を消す。二度と戻らない、という惣次の決意を知ったお家さんの富久は、意外な決断を下す。果たしてその決断は五鈴屋を、そして幸を、どのような運命へと誘うのか。大人気シリーズ第四弾! (「BOOK」データベースより)

 えらい女主人公の幸に都合よう話が進んでいきますなぁ。女中上がりのご寮さんやのに、こないにとんとん拍子やと、嫉妬心までわいてきますやないの。
 話の世界の中に今一つ入りきれないのは、「みをつくし」では主人公がこれでもかと苦労するのに、今回の主人公はえらく恵まれている。自分が美人で頭がいいことを知り尽くした計画も鼻につき、「この時代の女やのに、えらそうに」とまで読み手に思わせてしまう。今回のあまりに幸に都合のいい展開、ご寮さんとしての手馴れたふるまい、次巻になれば増長するであろことを予測出来るので、多分次は読まない。女があんまりでしゃばったら、あきまへんで。




大奥4

「大奥」 よしながふみ 白泉社

 十五巻で終わるのかと思っていたけど、あと一〜二巻かかりそう。最初は男女逆転から始まったこの「大奥」も、途中からこの人物は男の設定のまま、こちらは女に、とややこしくなってきている。
 家定が身ごもったという驚きのラストの前巻から、今回もラストは「おお!」と驚いたラストになってはいるけれど、家定の突然の死の経緯がうやむやでモヤモヤが残る。和宮の件をどうするか、又次巻が楽しみ!
 それにしても美男と美人の顔の描き分けがワンパターンなので、「さぁ、これは誰?」と言われても区別がつかない・・・。

 

livedoor プロフィール

トラ猫にゃ

読書と映画、どちらの感想も記録に残しておきたい備忘録です。

マウキー
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