ニコニコ動画&YouTubeに『ProjectMOE 第6話』のメイキング動画を公開しました。



この動画は、漫画『ProjectMOE』の制作工程を録画し、字幕解説を付けただけのものです。絵とは特に関係ない話をしています。
音、音声はありません。

これを書いた私は、犬程度の知識しかありません。というか犬のほうが賢いです。問題があっても怒らずに、笑いのネタにしてください。
以下、書き起こしです。

みなさんこにゃにゃちわ。とらつぐみです。

今日は映画の話でもしましょうかね。

漫画を描き始めてからの身体的、生活の変化というものが色々ありまして。
身体的な変化というと、急速に老化が始まりました。運動しようという意欲がなくなり、体調は崩れやすくなり、常に疲れているし、食欲もなく、白髪はどんどん増えていきます。
ニートだから気楽でいいね、と思われるかも知れませんが、漫画なんぞ描いていたら、ニートでも楽ではありません。漫画は寿命を削って作品を作る行為ですので、健康で長生きしたいという人は、漫画だけはおやめなさい。健康と若さを失います。
いくら頑張って漫画描いても無収入ですし。

漫画はさらに、時間も奪い去ってしまいます。
漫画を描き始めてからの生活の変化といえば、映画を見なくなったことですね。
以前は結構な本数で見ていたのですが、今はほとんど見なくなりました。
田舎なので、映画館へはなかなか行けません。映画館へ行こうと思ったら、片道1時間強、電車賃も高く、往復すれば映画1本分になります。つまり、映画館へ行くと、映画2本分のお金と時間を消費してしまうので、そういう理由でなかなか機会がありません。
DVDレンタルのほうがお手軽です。田舎ならではの事情ですね。
映画見たら、食事なんかしないで、すぐに帰りますよ。お金ないし、忙しいので。

そういう理由で、私は専らレンタルビデオのユーザーでした。
一番映画を見ていた高校時代は……当時ちゃんと数えてなかったけど、年200本くらい? いや、もっといってたかな……。
いわゆる映画好きの標準的な本数、田舎の高校生としては、まあまあ見ていたほうでしょう。
あの当時はTUTAYAへ行っても、見るものがないくらいでした。

そのTUTAYAもいつの間にか閉店。漫画を描いていると、街の変化にも気付きにくいので、TUTAYAがいつ閉店になっていたかもわかりません。
ビデオレンタルできる場がなくなりました。

テレビで放送される映画もあまり見ません。テレビからずいぶん遠ざかってしまったので、見たい映画が放送されていても、気付かないことが多いのです。
察知できて録画しても、忙しすぎて2時間空けるということがなかなかできず、見るのは1週間後2週間後というのは結構あります。

それでも、映画雑誌はずっと購読していて、
あーこの映画見たいなー。この映画面白そうー。
とか思っているのですが、どれも「いつか見たいものリスト」に放り込んでそのまま……ですね。
『ジュラシックワールド』も『マッドマックス』も『ガールズ&パンツァー』も見ていません。『シン・ゴジラ』もまだ見れてません。

『マッドマックス』も『シン・ゴジラ』ももう色んな話を聞いてしまった後なので、まっさらな気持ちで見られそうにありません。

そういうわけで、たまに映画館へ行くとものすごく楽しんで見ますよ。世間で駄作と言われる作品でも、たまの映画館だと楽しくなってしまいます。

映画好きな人は、漫画なんか描いちゃ駄目です。
漫画はいろんなものを犠牲にする覚悟がないと描けませんよ。

……ああ、映画が見たい。
第6話終わるまで映画館には行かないって決めたんですが。

という前置きで、今日は「映画館で見たもの」の話をしようかな、と。

ロード・オブ・ザ・リング 2つの塔あれは2002年の『ロード・オブ・ザ・リング』の第2章を観に行った時のこと……。

ちょっと昔の話をしますよ。最近はとんと映画館に行けてないので。

映画のクライマックス。角笛砦の合戦にさしかかったところで、後ろの席の男の子がなんかもぞもぞ体を動かしている。身を乗り出しているらしく、私が座る座席の背に手を乗せてきます。やがて呟く声で歓声が聞こえてきましたね。映画の最後の最後、朝日を背に援軍がやってくるあの場面に入ると「がんばれー」の声。
なんか可愛らしいですよね。

そんな声を後ろで聞きながら、ああこれはいい映画なんだな、と思いました。実際、素晴らしい作品だと思いますし、子供を夢中にさせる映画に、悪い映画はありません。ああいった、子供が身を乗り出しちゃうような物語を、いつか作りたいものですね。

オッサンになるとわかる話ですが、子供の頃が懐かしく思います。子供の頃していた遊びとか、子供の頃の感性とか、そういうものを取り戻したいと思う瞬間があります。
ふと、子供を産むということは、子供時代をやりなおすチャンスを得るためだ……とか思いました。子供を欲しがる人に、子供時代をどのように捉えているかは知りませんが。

そんなふうに思うと、子供のための物語を、どこかで描きたいな……とか思ったりしてしまいます。
「え? お子様向けの物語を描きたいの?」
ではなくて、
私が考える良い子供の作品というのは、「大人が子供になれる作品」のことです。大人が子供の気持ちに還れる作品ですよね。
中途半端な「お子様向け」の物語は、子供の立場からしてもNOです。子供の目線から言うと「バカにすんな」という感じです。そういう気持ち、どんな人も一度は抱いていたはずですので、よくわかるでしょう?
子供は背伸びしたがるものなので、大人より子供のほうが「かっこいいもの」「大人っぽいもの」を欲しがるものなんです。子供っぽいもの、可愛いものを求めるのって、どちらかといえば大人になってからですよね。
いくつか作品のアイデアはあるのですが……なかなか実現に至ってはいません。いつか『ProjectMOE』をスタート地点にして、そういうものを作る機会が得られたらいいな……という夢を描いています。

マトリックス リローデッドさて、お次は2003年『マトリックス・リローデッド』
ちょっと昔の話をしますよ。

あの映画を観に行った時、私の隣に、小さな女の子が座っていました。可愛い女の子でしたね(うへへ)。さらにその隣に座ったのが、女の子の父親でしょうか。
で、『マトリックス』ですが、作中、セックスシーンがありますよね。なんか妙に生々しい感じの。
私の隣に座った女の子ですが、最初はかなり集中していたのですが、セックスシーンにくると、下を向いてしまいます。以降、すっかり集中力をなくして、ずっとそわそわと、退屈そうに過ごしていましたね。

うーん、案外小さい子でもそういう反応になるのか……。
昔のテレビは、まあオッパイくらい普通に出ていました。意味もなく女風呂が出てきて、惜しげもなくオッパイを見せていました。
ある時テレビを点けると、いきなり女湯のシーンで、なぜか女の子達が湯船に浸からず上半身モロ出しでキャッキャしていて(立ってキャッキャッしているので、ギリギリ下の毛が見えない状態)、そこから左へすーっとPAN。どうやら探偵ものだったらしく、探偵役のおじさんが語り始めます。さっきの入浴シーンは特に意味はなかったようです。
志村けんのバカ殿も、昔は必ずオッパイ見せてくれるコーナーがあったな……。
昔のテレビは、一日一度くらいオッパイを見る機会がありました
私の記憶では、女風呂のシーンはよく見かけていたような気がしますね……。それで、若い女の子がこれみよがしにオッパイ見せてくれるの。……アダルトビデオの話ではありませんよ。普通にゴールデンタイムのテレビです。『ジャンプ放送局』でもテレビの女風呂はわりとネタにされてましたもの。

セックスシーンもドラマで結構描写されてました。私の子供時代は、ここではとても描写できないようなシーンが普通に電波に乗って放送されていました。子供の時は「あの人達、なにをやってるんだろう?」みたいな感じでしたけど。
ああ、良い時代だったな。
当時はテレビでオッパイは日常の光景だったから、特にありがたみも感じてなかった。今だったらもっと真面目な気持ちで、映像のオッパイと向き合えるのに

中学生の頃、全校生徒で体育館に集まり、“文化的な”映画を観るという行事がありました。その時の映画でも、普通にセックスシーンはあり、スクリーン一杯にオッパイが出ていました。
でも……その当時、セックスシーンがあることを気にする人はいなかったように思えます。別に? という感じで。誰も問題視なんかしてませんでした。
映画が終わって、友人の1人が「いいオッパイだったねぇ」なんて笑って感想を言うのに、私は「馬鹿野郎! ちゃんと映画を観ろ!」と怒ったものでした。私の同世代は、そういう感覚だったと思います。

今の若い人は
「周りの人が凍り付いた」
と訊ねてみたわけでもないのに、あたかも「周りの人もこう感じていたはずだ」と自分が代表者のような言い方をよくするけど、あれは自分の意見を周囲という権威を勝手に借りて正当化したいだけの話
少なくとも私くらいの世代は、別になんにも感じてねーですよ。「問題」ですらなかった。それが「問題である」と意識してしまったのが、現代人の悲劇なんだなーとか思ってます。

今のテレビはなんでもかんでも自粛で、当たり障りのないつまんない表現ばかり。なぜかアニメに、かつてテレビであったお色気が今も残っている変な状況です。
子供の頃の私は、その手のテレビから流れてくるセックスシーンを見て……。
スルーしてたな。
私が特別そういうのに興味がなかったのか、当時そういうのが普通だったので、耐性がついていたのか。とにかく私は、なんとも思っていませんでしたね。
アニメの入浴シーンとか意味のないお色気シーンとか、バカバカしいけど、残っていてほしいものです。「世相に合わせて自粛するべきだ」という連中はたくさんいるけど、そういう意見を丸呑みしたらつまんなくなるだけです。

うーん、私が変だったのか、今の子に耐性がないのか……これはなんとも言えない。
漫画のお色気シーンとか、今が特別過激とは思えないし。私の子供の頃は、少年誌でも「これ入ってるよね?」みたいな表現もあって(ギャグではなく本当の意味で)、まあちょっとドキドキはしながら見てはいましたけども、その程度の話で……。子供の頃はよくわかってなかった、というのもあるし。
子供の頃読んでいた漫画で、膣痙攣で繋がっちゃった男女の話とかあったし。「膣痙攣」という言葉を知ったのは高校生になってからだけど、漫画で見ていたので「ああ、あれって膣痙攣っていうんだ」と思いました。
「今も漫画は暴力的になりすぎて~」とよく言われるけど、『北斗の拳』みたいなバイオレンスものなんか流行ってたし、やっぱり今が特別過激だとは思えないなー。
子供に見せるか見せないか、というのはよく議論されるけど、そういうのは大人が決めることではなく、子供が興味なければ勝手にスルーするでしょう、と。
「子供に見せるか見せないか」は大人の押しつけですし、子供を馬鹿にしてます。子供にそういう判断力すらない……と大人は決めつけていますけど、そういうの、「子供はバカ」と見下しているって意味です。子供には子供なりに知性はあります。興味がそそらなければ見ないっていうだけの話です。
スプラッター映画も、よくテレビでやっていたけど、神戸連続児童殺傷事件を切っ掛けに姿を消してしまった。今の子、話を聞いてると本当にホラーに耐性ないんだなー……って思うけどやっぱりテレビでホラー映画とかやらなくなったからでしょう。

なんでもタブーにしちゃうのはいけないな、という気もしていて。若い世代に多いのですが、性やセックスを汚いと感じる子が多いとか。“タブーにされたもの”として見ているところがあるように思えます。処女を過大評価、処女であることに価値を置きすぎているけど、夢を見すぎているというか……そういうものが夢想の対象になるんだな……と不思議な感じがします。処女であるか、処女でないかとか、それでその人間の性質や資質が変わるわけではないでしょうに。
妊娠した先生を「汚れている」と感じて堕胎させようとする少年の話を聞くと、タブーにされた時代の感性なのかな……という気がします。
西洋の人は性に関する話を聞くと、本当に「君は子供か?」みたいな反応をするけど、やっぱり性を宗教的なタブーにしてしまったからでしょう。西洋における性のタブーが決定的になったのは16世紀梅毒が原因らしいので、根は深そうです。
むやみにタブーを作ると、耐性というか成長もできなくなるので、タブーは作りすぎてはいけません
ある程度の毒は、与えた方がいいって話ですね。

私は性を禁断のものにせず、きちんと描きたいという気持ちがあったりすんですが……。
今の時代、許されないんだよなー。何を言われるのかわからないから、描かないことにしてます。
性を描くのって割と勇気がいりますし……。

交渉人真下正義では次の話。
これは忘れられない体験。2005年『交渉人真下正義』を観に行った時のこと。

隣に座ったデブが、ものすごーく臭かったです。
どの程度臭かったかというと、目眩がして、意識が飛びかけるくらいに。デブ自身も、呼吸器官がどうにかなっているらしく、まるでダース・ベイダーのような呼吸音を立てています。
袖を口に当てて呼吸していたのですが、殺人的な悪臭は防ぎきれず、意識がぷつぷつと途切れかけて……。
席を立とうか……。いや、全席指定だし、立って見てたら回りの迷惑だし。我慢を選びました。
大袈裟だと思っているでしょう。マジですよ。あの臭さ。本当に意識朦朧としてましたから。映画館が下水道になりましたね。
しかもデブは端の席で、私がその隣だったので、あの悪臭の被害に遭ったのは私1人です。
ええもう、いったい何を見に行ったかわかりませんでしたね。映画どころではなかったです。2時間ただただ臭いのを我慢していました。映画は地下鉄の中を電車が駆け回っているので、なんかずっと地下を這い回っているような気分でした。おお、あれが4DXっていうんですね(錯乱)
あの時ほど、外の空気がうまいと感じたことはありません。

誰だ! 映画館に生物兵器持ち込んだ奴! 映画館に生物兵器は持ち込んでは行けませんって呼び掛けてるだろ!
つーかテロだろ、あれは! 映画の評判を落とすためのテロだ!


そんなわけで、「映画どうだった?」と聞かれて何も答えられなかったのはあの映画が最初で最後です。「臭かった」それしか答えられなかったです。
後になって……1年後だったかな、テレビ放送で『真下正義』を見て、「ああ、こういう映画だったのか、こういう物語だったのか」と初めて知りました。
それでも『真下正義』と聞くと、映画よりも隣に座ったデブの臭いを思い出します。

皆様も、隣に座る生物兵器にはご注意ください。また、生物兵器を持ち込まないよう、お願いします。

さて、今回のお話もこれでおしまい。
映画館では人が一杯集まりますから、それだけいろんな出来事が起きます。といっても映画館体験が少ないので、後は小さなエピソードしかありません。
手前に座った人の頭が大きくて、映像の下半分が頭だった記憶とか(『人狼』)
映画中、ずっと笑い続けている迷惑な人がいたとか(『千と千尋の神隠し』)
全米大ヒット! ……のはずが、映画館へ行くと誰もいなくてほぼ貸し切りだった……これはわりとしょっちゅうあります。リドリー・スコットの『プロメテウス』は私含めて3人でしたね。前列周辺は私だけでした。いやあ、広々とした映画館がほぼ貸し切りというのは気持ちがよかった!
『プロメテウス』続編撮るの? また剛力彩芽が主演!ってマスコミが大騒ぎするのかな? マスコミは気付いてないかも知れないけど、剛力は数字もってないよ?
『プロメテウス2』の時も貸し切り気分楽しめそうですね。
でもまあ、映画館は面白いもので、映画の話ではなく、映画館の話だけでも結構面白そうですよね。

ではこれでお話は終わりです。
最後までお疲れ様。
館内が明るくなってからゆっくり通路を進んでお帰りください。3Dメガネは回収しますよ。
上映終了後は『ProjectMOE』の単行本なんかはいかがですか?
動画26-静画
完成画はニコニコ静画でご覧頂けます。


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