『ProjectMOE第6話 魔法少女その10』が公開されました。

作品が掲載されている各サイトの紹介です。

pixiv:第6話その10
TINAMI:第6話その10
漫画ハック:第6話その10

note:第6話その10
Enty:第6話その10
ファンティア:第6話その10

マンガボックス:第6話その10
アルファポリス:第6話その10
マンガボックスとアルファポリスは今回から他サイトと同じ横書きです。縦書き版を作るのが面倒くさくなったので。

ブログ更新日付が作品公開より先になっていますが、気にしないでください。ちょっと早めに準備していただけです。
ではいつもの反省会です。

170ページ

第6話170ページ 2~3コマコマ1~3
 最近恒例になっている、開幕おっさんページ。
刑事B「だってまだ何も出て来てないじゃないですか。凶器も殺害方法も不明。捜査会議でもまだ捜査が必要って話だったでしょう。それを現場判断だけでマスコミにリークって……」
 どうしても伝わりづらい警察サイドの動向。もしかしたらうまく伝わってないんじゃないかな……と思ってここで解説っぽい台詞。
 新米刑事の言う通り、件の一家殺人事件について、具体的な証拠品がまだ出揃っていない。捜査は進展していないし、もちろん令状も出ていない。それを、老刑事が勝手にサキ達が犯人と決めつけて暴走している……。と、いう状況を説明したかった場面。新米刑事も「こいつヤベーよ」と思い始めているところ。
 ところで、170ページ上段3コマは、実はエレベーターの中。しかし、コマが小さくて背景がほぼ見えず、2人がどこにいるのかさっぱりわからない。エレベーターの内部はわりときちっと作ったのだけど、コマが小さいせいでほとんど何も映り込まず。どこなのかいまいちわからないシーンになってしまった。(きちんと作ったのだけど、エレベーター自体狭い空間なので、カメラをどう設置しても、作ったディテールが何も映らない……という結果になってしまった。どうするのが正解だったのか、よくわからない)
 本当なら2ページくらい使って、アパートへ入っていく場面、エレベーターに乗る場面を順番に描いていけばスムーズに理解できる場面になったはずなのに、「おっさんなんか描きたくない」という私個人的な心情で1ページに無理やり圧縮。おかげで、漫画として不合格な場面になった。
 この辺は、単行本でも追加作画しません。おっさん描きたくないんだもん。

第6話170ページ コマ5コマ5
刑事B「そんな……将来世代がいなくなったら、この国は終わりですよ」
刑事A「終わっちまえばよかったんだ。こんな国。俺達世代で終わっちまえばよかったんだ」
 こちらのブログではちらちらと書いてきたのだけど、この老刑事は経験豊富なだけで、実は無能刑事。勝手な思い込みでサキ達を犯人扱いしてしまうくらいだから、相当な無能。
 でも、漫画本編中にこの老刑事があからさまに無能、思想的にもかなり歪んでいることを示すエピソードが特にない。一回、サキ達から離れて、サイドエピソードを描く……? いや、それはダメ。それだと物語の中心がサキ達から遠ざかってしまう。特に重要エピソードでもないし。物語の軸がぶれてしまう。
 それで、いろいろ考えて、この老刑事の歪んだ思想を表現できる台詞はないかな……そう思ってこんな台詞を書いてみた。
 後で思ったことだけど、どっかで捜査会議のシーンを描けばよかったな……。捜査会議の場面を描けば、そこに裏で元しらせが干渉している事実も描けたし、老刑事の歪んだ思想も描けたのに……と反省する場面は多い。

 ところで……漫画の話から遠ざかるけど、最近の話として、「冤罪が急激に多くなった」というふうに言われるけど、これは嘘があるんじゃないかな、と思っている。最近はネットのおかげで冤罪の情報が入ってくるようになっただけで、実は昔から、いや、昔のほうがもっと冤罪は多かったんじゃないかな……。でもそのほとんどが声を上げる場所すらなく、犯人と決めつけられ、無実のまま刑に服していた……。昔はそういう現状があったとしても、誰も知らなかったし、知る機会もなかったし、当事者も声を上げる場所がなかった。
 実際はどうなんだろうね?

171ページ

第6話171ページ コマ1~3
コマ1~3
 ネーム描いている時も、本編描いている時も、特に疑問を感じずに描いていたけど、完成してから自分で読んで「あれ?」ってなった。これだけの情報だと、ここがどこなのかわからない。
 一応説明を入れておくと、ここは天子邸。サキの部屋。サキ、いぶき、しらせの3人が布団を並べている……という状況(コマが小さくて、布団3つも入らなかった)。ミコ、あや、あかねの3人は、ミコの部屋。サキのベッドは部屋の奥にあるのだけど、みんなに付き合って、一緒に布団を並べて眠っている。
 コマをぎっちり書き込んでしまったから、追加作画しづらい場面……どうしたものか。
 サキは「パタン」とドアが閉まる音を聞いて目を覚ましたのではなく、はじめから起きていて、しらせが部屋を出て行き、いぶきが部屋を出て行き、そのタイミングを見計らって、自分も起きていぶきの後を追いかけた……というわけ。

第6話171ページ コマ7コマ7
 サンルームにいるしらせ。
 誰と電話している??
 しらせが電話しているのは警察署にいる知り合いのところ。なぜ謝っている……のかというと、「その事件、ちょっと待って! 私が解決するわ!」……しらせはそういう言い方はしないと思うけど、「ちょっと待って」と捜査会議を一時ストップさせている。警察側としても、しらせが事件解決に直結する情報を持っていて、しかも情報をもらえないという状態になっているので、やむなく待っている。「しらせが言うんだったら仕方ない……」みたいな感じもちょっとある。(元しらせは名探偵コナン的なポジションにいるんだと思って欲しい)
 しかし、そんな状況下で、死体が3つも増え、警察としては「お前が待ってって言ったから待ったら、こんな有様になってしまったじゃないか!」と怒るのも当然。しらせとしても元はと言えば自分が状況を見誤り、後手後手になってしまった結果事件を拡大させてしまったので、大きくでるわけにはいかず、「すみません……すみません」と平謝りするしかない。
 そもそもの話、なんでしらせが首を突っ込んできたのかというと、クラスの女の子達の危機だから。起きてしまった事件は仕方ないとして、可能な限り穏便な形で事件を着地させたい。このブログでちらちらと書いてきているけど、元しらせは外面はクールな女の子だけど、内面は熱い正義の人。ある意味、正義の味方。同じクラスの子を守るためなら、いくらでも首を突っ込んでくる。
 自分の失敗の尻ぬぐい……という意味も少しはあるんだけど。

172ページ

第6話172ページ コマ1~3
コマ1~3
 171ページは描き終わってから気付いたけど、こっちのシーンはネーム段階から「まずいな……」と気付いていた。こっちもいったいどこの場面なのかわからない。答えは書斎横のサンルーム。でも肝心の書斎は映らないし、それ以外に場所を示すヒントが出てこない。わかるわけがない。
 私としても、もうちょっとロングになる場面を描きたい……と思ったけど背景素材ができていないものは、出すわけにも行かない。描けなかったのは、単に背景素材の準備ができていないから。
 本当なら、背景をばっちり完成させておいて、もっとゆったりと、場面を描きたかった。 どこかに「この漫画の背景作りたい」という奇特な方はいませんか?

173ページ

第6話173ページ コマ1~2
コマ1~2
 いぶきなりの葛藤。一家殺人事件の犯人は黄昏あんりだけど、あんりを警察に引き渡して終わり……というやり方に、いぶきは納得できていない。「ちゃんと助けたい」……どうにかすれば、なかったことにできるんじゃないか……そんな結末はあり得ないし、あり得ないとわかっているけど、モヤモヤして眠れないいぶき。受け止めきれない。
 描いていて疑問なのは、ここまでのお話のなかで、いぶきとあんりを結びつける充分なエピソードがないこと。子供の頃、友達だった……それだけの関係だけしかなく、いぶきがあんりに入れ込む理由が伝わってこない。今の若い子の感覚だったら、「面倒くさいんだったら放っとけばいいじゃん」で終わる。この辺りの感情の流れ方があまり自然ではないし(いぶきがバカみたいにいい子……ということを除けば)、やはりここは、それだけの必然があることを物語上で示さなければならなかった。そういう意味で、今回のストーリーそのものが失敗だったな……と思う点だし、ぜんぜん評価されない理由もこの辺だろう。
 あと、サキのオッパイ、大きく描きすぎた。描いている最中から、「これは大きすぎる! サキらしくない!」と思っていたけど、自分の手の動きをコントロールできず。確かにサキは“巨乳”カテゴリーに入っているが、しかしここまで大きいわけではない。ブラサイズが「E」なので、これは明らかに大きい。
 サキは確かにオッパイ大きいけど、大きすぎてはサキらしくない。大きいけど、スマートさを感じる。体の線の流れ自体が美しい……そういう少女として描きたいと常々思っている。だからこのシーンのサキのオッパイは失敗。誤りだ。
 しかし、単行本版では特に修整の予定はありません
 あと、サキが上に着ているもの。なんだこれ?? どうやらパーカーの形をしたチュニックっぽいものらしいけど、クソダサい。サキらしくない衣装。忙しすぎて、ファッション方面には頭が回らなくなっていることがよくわかるクソダサ衣装だ。

174ページ

第6話174ページ コマ4~5コマ4~5
 元々の脚本にはない追加シーン。書き忘れたけど、170ページ(冒頭オッサンページ)、171ページの電話しているしらせ、それからこのシーンも元々の脚本にはなく、漫画を描いている最中に気付いて追加することになったシーン。
 姿見に、腕をなくした自分の姿を映してみるあかね。
 ……いったい何をしているんだ??
 問題となったのは、「あかねは腕をなくした自分を受け入れたのか??」。
 他のシーンでも、わりと飄々としていて、「おや? 腕をなくしたショックはもう過ぎ去ってしまったのか?」みたいな感じだったけど、こんなふうに自分の姿を鏡に映すと、やはりショックだし、見る度にパニックを起こしてしまう。
 ……と、いうことを伝えるのが目的のシーンだったけど、あまりにも説明がなさすぎて、ちゃんと伝わっただろうか……?  こういうのは、自分が腕をなくしてみないとわからないもんだよなー。私も本質的にはわかんない。

175ページ

第6話175ページ コマ2コマ2
 175ページ以降も、もともとの脚本にはなかったシーン。要するに、今回はほとんどが“エクステンテッドエディション追加シーン”ばかりで構成されている。
 ゴーレムの話題をするサキとしらせ。
 これまで狭間空間に何があるのか、どんな設備があるのかほとんど説明を入れてこなかった(なぜなら必要な素材を充分に準備できなかったから)。あたかも天子邸しかないような空間としてしか描かれてこなかったが、実際には狭間空間はそこそこ広く(半径20キロほど)で、色んな設備が置かれている。その一つがゴーレムだが、実はこれもあちこちに配置されている。今回エピソードでは活動予定はないが、今後登場が予定されているので(すでに脚本は完成済み)、今のうちにちらっと紹介しておこう……というのが狙い。
 問題なのが、次のコマだ。

第6話175ページ コマ3コマ3
 なんと、突然しらせの髪が短くなる。しらせの髪、先端が肩に付くくらいの長さがあったはずなのに、このコマから同じ長さに切りそろえられる。
 ……これは……あれだ……うん、このコマを描く時、「あっ、こっちのほうがいいな」と急に思ったため。昨夜のうちに、サキに切ってもらった、ということにしよう。この1つ前のコマがちょっと長めに見えたが、それはたぶん気のせいだ。
 ところで、脚本上には、サキは日課にしている朝のジョギング中……と書かれている。でも、こんな色々ありすぎる日に、いつも通りに日課をやるだろうか? お客さんが多いから、サキならいつもよりちょっと豪華な朝食を作るため、厨房にこもっていそう。
 そういうわけで、サキの格好はランニングのスタイルではなく、普通の寝間着の格好にした。

 ついでなので、この話。
第6話173~182ページのデータ量173~174ページページ 背景CGあり。
175~178ページ 背景CGなし。
179ページ 1枚だけ背景CGあり。
180ページ 2枚だけ背景CGあり(ただし、3コマだけのページ)
 背景CGありで110メガ以上。背景CG無しだとだいたい50メガ前後。
 背景CGを入れるか入れないかで、データ量の差が2倍以上。今までも気になってはいたけど、実際数字を見ると、こんなに差が出るものなのか……。背景CGは絵を1枚ペッと貼り付けただけなのに、なんでこんなに差が出るんだろう? 枚数としても、せいぜいコマ数の3倍程度でしかないのに。この謎は私にはよくわからない。

176ページ

第6話176ページ コマ3~4コマ3~4

しらせ「それで、例の暴走刑事。あかねのお母さんを岡山県警で拘束しているわ。任意同行……という名目だけど署内で監禁している状態よ。人質のつもりでしょうね」
サキ「任意同行での24時間監視は認められていないわ」
しらせ「ええそうよ。現場はめちゃくちゃよ」
サキ「あかねさんにその情報は伝えたの?」
しらせ「ええ」

 まず、サキのオッパイはこれくらいが適正である。漫画を見ていると、少しずつサキのオッパイが萎んでいくように見えるが、私としても少しずつ「サキのオッパイはこれくらいだ」という感覚を探っていた。繰り返すが、単行本版で修整するつもりはない。
 それはさておき、
 この台詞で、170ページで2人の刑事が訪問していたのがあかねが住んでいるアパートであることがわかると思う。わかってほしい場面。
「任意同行での24時間監視は……」という台詞があるが、実際には連れて行かれたのは昨夜なので、まだ12時間も経過していない。とはいえ、人質名目で警察署内に監禁するのは絶対にダメ。普通に監禁罪。ここでも老刑事の暴走っぷりがわかる。老刑事の暴走っぷりを伝えたかった。
 ただ……任意同行での24時間監視は禁止、というルールを実際の警察が守っているかどうかは不明。確たる証拠もなしに逮捕、脅迫じみた自白強要とか今でもわりとやっているので、この辺りのルールは守られているかはかなり怪しい(冤罪は突然我が身にかかる日がやってくるので、自衛手段としてICレコーダーは身につけておきたい)

177ページ

第6話177ページ コマ5~6コマ5~6
 絵がひどい。背景がない。
 私としても、何かしらの背景を描こうと思ったけど、どう描けばいいかわからず。変な背景を描くくらいなら、いっそ描かないほうがいい……と判断して、何も描かなかったシーン(キャラの足下を描かなかったのも背景が描けなかったから。足下を描いてしまうと、その周辺のパースが確定してしまう。曖昧にするために、ちゃんと描かなかった)
 しかし背景が何もないと手抜きにしか見えない。私は絵に個性がまったくないから、背景がないと落ち着かないというか、クオリティがもの凄い勢いで落ちる。これまでずいぶん背景に助けられてきたんだな……と気付かされる。
 あと、私服がクソダサい。しらせのタンクトップなんだよ。この一連のシーン、キャラクターがみんな似たような衣装を着ているので、何かしらバリエーションを入れようと思って、しかし何もいいアイデアがなくて、苦し紛れに出したのがタンクトップだったのだけど、実際の画面になってみると、うわぁ……ひどい。クソダサい。こんなキャラクターの書き方はしたくないと思ってはいるのだけど……。制作が忙しすぎて、ファッション方面にぜんぜん頭が回らない。せめてシャツをズボンから出せばよかった。
 作画は誰か別の人がやってほしい。やりたいという奇特な人……いませんか?
 さて、台詞。
しらせ「今回の私は失敗ばかりだわ。恥ずかしい」
「今回の」という言葉がちょっと引っ掛かるけど、ここはスルー。要するに、しらせはこれまで名探偵として色んな事件に関わってきたけど、今回は大失敗した……という意味。
 その失敗の内容は、アレ。自分の判断ミスで、いぶきたちを一家殺害事件の現場へ案内してしまったこと。そのことで様々な問題が起きてしまっていること。
 今回の話、しらせの尻ぬぐい話でしかないんだよね。お話が盛り上がらない原因がこれ。いかにも解決に向かって動いてます……みたいな空気を出しているけど、そもそもしらせの誤りが大元だから、イマイチ乗り切れない。今さらながら、脚本の作り失敗してるな……と反省。

179ページ

第6話179ページ コマ2コマ2
 ミコのボーカロイドっぽい何かのコスプレ。
 別に、「初音ミクコスプレです!」と言っても、北海道のあの会社は怒らないと思うけど、一応念のため。“ボーカロイドっぽい何か”のコスプレです。
 コスプレも、非日常への越境の象徴。かつては縁日のお祭りとかが日常の停止、非日常の越境が起きる場だったのだけど、現代においては、こうした日常の停止、非日常への越境が日々、あらゆる場面で頻繁に起きるようになっている。
 ……と、こういう話をすると極めて面倒くさいのが、都市そのものが非日常の集積で作られている、という話。現実から切り離され、その中だけでルール化されたものが集合無意識的なものとしてお約束化している。都市で過ごしている人は、すでに非現実の世界(シミュレーションの世界)に生きている……といえなくもない。
 でもまあ、そういう都市の問題については、面倒くさいのでここではスルーしてね。
 ここでお話しているのは、単に“現実逃避”の話ではなく、大きな意味での“非日常への越境”のお話。それはかつてのお祭りなんかで、司祭が神の力を宿して政を行ったり……とか。あるいは西洋の民話によく描かれがちな悪魔との不合理な契約のお話とか。昔はお祭りや、あるいは夜自体が魔物が現れる時間だったのだけど、現代はモニターの向こう側に、あるいはテーマパークのショーとか、ありとあらゆるタイミングでこの越境が起きる。境界が実に曖昧(この漫画もその一つだけど)
 人は超人になりたい。美しくなりたいし、スーパーパワーを手に入れたいと思っている。不老不死にだってなりたい。私は健康な体が欲しい。それが潜在的な願望としてある。それで、そういうものを(バーチャルなものではなく現実のものとして)都合よくもたらしてくれるのは、悪魔・デーモンしかいない。
 お話としての魔法少女物語の潜在的なところに保存されているのは、そういう古い時代に人々が行っていた祭儀の精神。アニメは、現代人にとっての呪術的儀式。あるいは術式の場。色んな風に物語が描かれているけど、華やかに見える外面を削り取ると、現れてくるのはそういうプリミティブなトーテミズムだというわけ。
 アニメの世界では、まあ色んなオブラートに包まれているけども。
 オブラートに包まれているから、アニメでは健全に少女達は使い魔から解放されるけど、古くから伝わる西洋民話を当てはめてみると、魔法少女にもたらされるのは悲劇しかない。

第6話179ページ コマ8コマ8
 微笑んでいるしらせ。特に笑えるようなお話をしているわけではないはずなのに、なぜ??
 笑える話をしているわけではないけど、サキとお喋りしているうちに、次第に楽しくなってしまったらしい。例えて言えば、映画『ファイトクラブ』で、主人公がタイラー・ダーデンと話していうるうちに、楽しくなったのか微笑み始めたみたいな、そういう感じ。とにかくも「ノって来ちゃった」というわけ。
 ここで何を表現したかったかというと、クールで無表情なしらせが、気を許して微笑む場面。サキに対して心から信頼しようという心の動きを見せたかった(もともとしらせは、サキを一目置いていたようだけど)
 ……見せたかったのだけど、果たしてどれだけ伝わったのやら。そもそもしらせというキャラクターのイメージが、この短い期間で伝わっていたかどうかという問題が。しらせ自身について、ほとんど何も語られてないものねー。

181ページ

第6話181ページ コマ3~4
コマ3~4
 再びマンホールから地下下水道へと入っていく……。
 下水道に入っていく理由は?? 一応の理屈としては、サキ達は一応お尋ね者なので、発見されるといろいろ面倒だから。……と、いうのもあるけど、これから最終決戦場へ入るにあたり、1回俗世から外れた場所を通らせたかった。
 最終決戦場の背景CGはこれから作るんだけど。
 下水道CGは、前回使用したものと同じもの。奥の方だけど、今度こそ壁にレンガを貼り込んで、奥の方までうっすら見えるようにしたい……と思ったけど、どうしても貼り込めなかった。どうしてもレンガと壁がずれてしまう。そういうわけで、今回も断念。奥の方は真っ暗に塗りつぶすことにした。
 誰か背景CG作ってくれ……。

183ページ

第6話183ページ コマ3~4コマ3~4
 前回の戦闘から得た情報の分析。
 まず「ここでするような話かい?」という疑問はスルーしてください。普通に考えれば、「あらかじめ天子姉妹の家でちゃんと打ち合わせしておけよ」と言われそうだし、その通りなのだけど、どうしても場面を別の場所に変えたかった。
 それはともかくとして、回想シーンが挿入され、黄昏あんりがどんな能力を持っているのか、なぜそんな能力を持っているのか、推測が始まる。
 ここで、改めて過去の絵を自分で確認して、「個性のない絵ばっかりだな……」と反省。特徴的な絵がない。このカットだけで「ああ、あのシーンの」となってくれるだろうか。絵を書いた私自身はすぐにわかるんだけど。
 それで、右のカット。このシーンを掘り出してきて「あっ!」となった私。そういえば、あんりだけ瞳の処理が違うんだった。あんりとしらせ、顔が似ている問題が初期からあって、いろんなところで差を付けようと……それで瞳の処理もちょっとだけ違うものにしていたんだった。すっかり忘れていた。
 ……この瞳の処理、ちょっと一手間あって面倒くさいんだよな……。しかもあまり目立たないし。次からは、設定通りの瞳の処理にします。

185ページ

第6話185ページ コマ5~7
コマ5~7
しらせ「じゃあ、あかねは……」
あかね「私は警察に行く」
ミコ「え! なんで?」
 ……本当に、なんで警察に行く必要があったんだろうね。意味がない。重要な証拠品はしらせが全て持っているわけだから、しらせが行けばいい。あかねが行く意味がまったくない
 それで、もともとの脚本になかった台詞「それに……お母さん助けに行かなくちゃ」が付け足された。今回の追加シーンで、警察署に母親が監禁されていて、それを救い出す……という意味づけができたけど、もともとの脚本では、本当に意味がまったくなかった。
 それでも「お母さんを助けに行く」という大義名分も、事件完了までもうしばし我慢して、後でしらせに説明に行ってもらえばいいという話だし。やっぱり意味がない。脚本を書いた当時の私は、何を考えてたんだろう??
『ProjectMOE』の初期脚本は、勢いでガーッと書いたものが多いので、こういう変な情報不足が一杯ある。「第6話問題」と私が呼んでいるものがあるんだけど……それは別の機会にお話ししよう。
 サキも「あかねさん。あなたにしかできないわね。お願いできる?」と。サキの発言を好意的に読めば、次の戦いはあかねは役に立たないどころか危険なので、安全なところに行ってもらおう……そういうふうに読み取れなくもない。「邪魔だから、厄介払いしよう」という意味にも取れなくもない(もちろんそういうニュアンスはない)

186ページ

第6話186ページ コマ4コマ4
 186ページの台詞も、もともと脚本にはなかった。しかし、どうしても書いておきたかったシーン。
 脚本書いている時は気にならなかったけど、漫画として書いてみると、サキがあかねの動向を気にする場面が、どうしても引っ掛かった。途中からサキを避け始めるあかね。そのあかねを気にしているサキ。どこかで、この2人の感情が決着する場面を書かなければならない……ような気がしてしまった。
 あと52ページのあかねの台詞「えー魔法少女は勉強なんかできなくたっていいんだよ~。魔法少女はみんなに夢を与えるのが仕事なんだから」……これに対応する台詞も書かなければ……と思っていた。
 それでこういう場面になったわけだけど……感情描写が下手(絵が下手)で、どれくらい伝わっただろうか。情緒が映らないことが、私の絵の欠点なんだよな……。

187ページ

第6話187ページ コマ2コマ2
 それぞれの行く先が決まり、別れる一同。
 今回、もっとも問題ありなシーン。
 あかねは右腕しかない。明かりなどまったくない下水道の中。見ての通り、あかねはライトの類は持っていない。
 さて、あかねはどうやってこの下水道から出るでしょう?
 たぶんこの後、「みんなちょっと待って!!」と呼び止める一コマがあったんじゃないかと想像する。そこはさすがに格好悪いので、描かないけど。
 あっ、そうそう、この後のあかねの台詞「みんな君のこと悪く言うけど、私は君のこと天使だと思ってるよ」。これももともとの脚本にはなかった台詞。

まとめ

『第6話その10』の制作も無事に終わり、ホッと一息。いつも体力のギリギリ。ただひたすらつらいつらい日々を乗り越えて、やっと完了。終わってよかった……でも次だ……安堵ともにやってくる、“次”というプレッシャー。
 お話はほぼ“追加シーン”のみ。脚本のボリュームも大きく、ページ枚数使うんじゃないか……と思っていたけど、意外にも18ページにおさまった。いけるもんだねぇ。
 ただ、お話がまったく進んでない。エピソードそのものは停滞している。読んでいる人に退屈に思われたんじゃないかと心配だ。
 今回の制作は“体力ギリギリ”というのではなく、体力の限界を振り切って何度か力尽きてしまった。もともと私は、胃腸に欠陥を抱えている。体質的にアレというやつだけど。経験のない人からしてみれば、「たかが腹痛だろ」というくらいというか、実際そう言われるのだけど――例えばあなたが生牡蠣を食ったとしよう。それが大ヒットし、数年に一度という激しい腹痛で倒れ、ベッドとトイレを往復する……。それを、私はほぼ毎日やっている。これが、私が抱えているハンディキャップ。
 これまでは「気合いと根性」で切り抜けてきたのだけど、いよいよ「もうアカン……」というところまで体力が削られ、何度か倒れ、制作が少し遅れるようになってしまった。後半は1ページを2日かけてやっとだった。それでも、意識を朦朧とさせながら、作業は進行。実際に休んだのは1日だけ(ドヤァ)
 私が抱えているハンディキャップは、普通の人からすれば「たかが腹痛だろ」という話にされてしまうし、場合によっては「仮病だろ」とすら言われるので、基本的に(隠しはしないけど)話さないのだけど。そろそろ体がもたない……というところまで来てしまった感はある。
 お金が入ったら、まず病院へ行くよ。治るものなのか不明だけど。
 でも、それももう一息。終わりが見えてきた。頑張ろう。
 次回についてだけど、発表がこれまでよりちょっと遅くなりそう。というのも、次回だけの新しいステージ(背景CG)を作らねばならず、しかもかなり大がかりなものになりそう……という予感がある。作業量を考えると、今から「どうしよう……」と気が重い。最初の頃より頑張れる時間も減っているし、どれだけ時間がかかるかよくわからない。
 まあそういうわけで、これを読んでいるのは4人くらいかな?(この反省会記事を読んでいるは、実際4人くらい) 気長にお待ちください。時間はかかるけど、必ず完了させますので。気長に気長に。