「反社会的勢力、定義するのは困難」答弁書閣議決定 「桜を見る会」巡る質問主意書に 
引用 毎日新聞



ただ、政府は2007年に策定した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」でこの言葉を用いている。初鹿氏はこの指針が反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団・個人」と定義していることに触れ、「異なる定義があるなら対応を変更する必要が生じかねない」と指摘。これに対し答弁書は「現在、企業は指針を踏まえて取り組みを着実に進めている」と、正面からは答えなかった。
焦った結果。



1,「定義」は変わるものなのか?

 簡単に答えを言えば変わる場合もあるし変わらない場合もあります。例えば、昔は成人の定義は20歳でしたが今は18歳ですからね?
 ただ、今回の事例は定義の問題というよりかは、むしろその具体的な内容の問題と言えます。この点は政府も理解していない模様。ということで以下で説明をしましょう。


2,法の事例

 大まかな枠組み(定義)を法律で決めて細部は政令その他の規則に委ねるということは一般的に行われています。 これは、すべてを法規定に委ねると法改正には国会の審議が必要となるため時期に即した迅速な対応が出来ないからです。
例えば建築基準法上の「耐火構造」の定義に関しては、同法2条7号に規定がありますが、その具体的内容については政令以下(建築基準法施行令107条)に委ねています。
 この施行令は社会情勢その他の技術的要因によって常に変動が生じるものであり、そのため、専門的知見に基づいて適宜修正を加えられています。


3,反社会勢力の定義と具体的内容を銀行約款を例にしてみる

 少し長いですが大事なことなので引用しています。引用元は今話題のセブン&アイホールディングス系列のセブン銀行から(汗)
第21条(反社会的勢力との取引拒絶) 口座については、次の各号のいずれにも該当しない場合にご利用できます。 
(2)お客さまが、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、 暴力団関係企業構成員、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等構成員、そ の他これらに準ずる者(これらの者を以下「暴力団員等」といいます。)に該当し、または次の いずれかに該当することが判明した場合 
〈1〉暴力団員等(暴力団員等を(準)構成員とする団体、企業その他の集団を含みます。本 号において以下同じ。)が経営を支配していると認められる関係を有すること
〈2〉暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有すること
〈3〉自己もしくは第三者の不正の利益を図る目的または第三者に損害を加える目的をもって するなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有すること
〈4〉暴力団員等に対して資金等を提供し、または便宜を供与するなどの関与をしていると認 められる関係を有すること
〈5〉経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有するこ と

(3)お客さまが、自らまたは第三者を利用して次のいずれか1つにでも該当する行為をした場合
〈1〉暴力的な要求行為
〈2〉法的な責任を超えた不当な要求行為
〈3〉取引きに関して、脅迫的な言動をし、または暴力を用いる行為 〈4〉風説を流布し、偽計を用いまたは威力を用いて当社の信用を毀損し、または当社の業務 を妨害する行為
〈5〉その他〈1〉から〈4〉に掲げるものに準ずる行為
 例えば、反社会勢力の定義を政府指針である「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団・個人」に求めても、それだけで個々の具体的な事例に対応することは出来ません。
 よって、銀行約款においては、そのような勢力を具体的に暴力団等その他これと類似する者として列挙しています
 今回の政府発表は、定義は困難を指摘していますが、確かに定義上においては個々の具体的な対応は難しいとしている一方で、細部についてはある程度限定をしつつ時代に即した柔軟な対応が出来るわけですよ。そういう意味で、政府の閣議決定は、定義と具体的内容の峻別が出来ていないのです。


4,最後に「閣議決定の時期」

 実はこれ、菅官房長官の失言だと思います。定義が不明確というよりも「具体的な検討においては時代ごとの解釈による変動がある」と言えばよかったのに根本的な定義を問題視してしまっているのですよね?
 まあ、桜を見る会にしても問題の本質を意図的に広く広く拡散していましたので、どうしても後手後手対応にならざるを得なかったのでしょうが、そもそも政府も野党も問題の本質を何もわかっていない模様。
 そりゃあ、支持率も下がりませんし、野党も伸びません。国民は批判云々以前にどちらにも呆れているだけですからね。




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