2009年12月

2009年12月26日

映画館で楽しむオペラとバレエの世界紀行「くるみ割り人形」


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「WORLD CLASSICS@CINEMA 映画館で楽しむオペラとバレエの世界紀行」
プレミア上映会にご招待頂いて「くるみ割り人形」を鑑賞。

これはSONYが「舞台芸術をデジタル映像化して全国映画館で上映」
するために立ち上げたSonyLivespireという名の活動だが、
クラッシックに関してはコヴェントガーデン、パリ・オペラ座公演などを
ハイビジョン収録しているオーパス・アルテと組んで、
そのデジタル・コンテンツを期間限定で劇場公開するというもの。

オペラではスキャンダラスなザンベッロ演出ロイヤルオペラ「ドンジョバンニ」
グラインドボーン音楽祭「愛の妙薬」などがラインアップとして興味深いが
バレエ第一弾は2008年収録のロイヤルバレエ「くるみ割り人形」。

プレミア上映にはKバレエの宮尾俊太郎、東野泰子、神戸里奈のプレトークがあり
質問に答える形でのマイム説明など30分ほどバレエ談義があった。

神戸里奈の名はローザンヌ受賞者として耳にしていたが
「バレリーナは激しい踊りで息があがっても肩を挙げないように呼吸する」
「体重が重いとリフトに支障が出るが、軽すぎても全幕を踊る体力を維持できないため
自分なりの適正体重を知って保つ必要がある」など説明も上手で面白い。


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この「くるみ割り人形」映像上演の見所は
今年2009年7月にロイヤルを引退したアレクサンドラ・アンサネッリ。

バレリーナとしては遅めの11歳でバレエを初め、4年後の15歳にはNYCB入団
ソリスト、プリンシパルまで急速に登りつめたが、
脊柱側弯に悩まされて、26歳でシティバレエを退団、
(恐らく体に負担のあるバランシンバレエを離れて)全幕を踊りたいと
2006年ロイヤルバレエに移籍して、2007年プリンシパルに昇格。

そのわずか2年後の今年2009年7月、
28歳という若さで英国ロイヤルバレエを退団して
短いダンサー人生に終止符を打ったバレリーナである。

チャイコフスキーピアノ協奏曲第3番に振付けられたバランシン傑作
「アレグロ・ブリランテ」を踊るアンサネッリを2000年ニューヨークで見た他
NYCB2004年来日公演ではチャイコフスキー・バ・ド・ドゥを踊ったが
ロイヤルバレエの来日に同行しなかったため日本での知名度はあまりない。

バランシンを振り返る−歴史的なロシア公演より」DVDでは
マリインスキー劇場での「セレナーデ」上演にキャストされていたものの
故障により涙を飲んで出演をあきらめる彼女にスポットが当てられていた。


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オーパス・アルテではスヴェトラーノフ指揮 クララ:アリーナ・コジョカル
ドロッセルマイヤー:ダウエル / 金平糖:吉田都 /王子:ジョナサン・コープ
という超豪華キャストの「くるみ割り人形」も収録しているが、
1984年初演のピーター・ライト版が、
こうしてかわらず25年間も上演され続けていることに驚かされる。

約120年前(1892年)の「くるみ割り人形」マリインスキー劇場初演では
初演3ヶ月前に病に倒れたプティパをイワノフが引き継いだ。
だがイワノフの振付は1幕でマイムが延々と続く上に、
2幕では物語と関係ないディベルティスマンが続くなど
プティパはその出来に満足しなかったと言われている。

その後1934年ワイノーネンによる改定版では、
少女クララとくるみ割り人形を主演級ダンサー2人が演じ、
そのままグランパドドゥを2人が踊ることによって
1−2幕の連続性とバレエの完成度が高められたため
最近ではワイノーネン版をベースにした舞台が多い。
それゆえイワノフ版を元にしたライト版は最近では興味深い。

ライト版くるみ割り人形は1985年ダウエルとコリア主演でDVD化されたが
今回の映像は、ハイビジョン技術によりレベルが格段に向上しているため
巨大スクリーンで映像を見ても粒子が荒れないどころか
背後でキラキラ輝く舞台装置や、衣装のディテールがクローズアップされて
非常に良く見えることに驚かされる。


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アンサネッリの金平糖はかわいらしくて、踊りも美しい。
特にアダージョで王子にホールドされて素早くフェッテした後
ピタリと止まるのではなく、フワリとアラベスクに体を拡げるところなど
なんとも優雅で、スピードとエレガンスを巧みに配分した
バランシン・バレリーナとしての訓練が見えるよう。

金平糖のヴァリエーションでも、フワっとあげる手足の動きが可憐で
正確な動きで、音楽にピタリとつけているのに、
素早いムーブメントをパが自然につないでいて優美。

グラン・フェッテは手で勢いをつけることをせずに
舞台を斜め直線状に進むが、これも正確で、余裕があって美しい。

対する王子ヴァレリー・ヒリストフはブルガリア生まれのファースト・ソリスト。
若々しさが良く、マジメにサポートしているのもほほえましい。
ハイビジョン録画だとひげそりあとまで見えるのもおかしいが
いずれ舞台経験を積めば立派なダンサーになることだろう。

ライト版は、登場人物の腕や肩を覆った古典的な衣装、
細かなマイム、説明的な装置、重厚なエンジェルなど、
さまざまな点で保守的、伝統的で、演劇の国イギリスらしいが
雪のワルツやグラン・パ・ド・ドゥになると舞台が華やぐのも面白い。

ちなみに1985年映像と、今回の上演では細かい部分に違いがあり
幕切れもずっと味わい深いものに変更されている。


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アンサネッリはワシントンポストのインタビューで
「今後は大学に進んで、新たな人生を歩みたい」と話していたが
英国ロイヤルバレエとニューヨークシティバレエという誰もがうらやむ
世界的バレエ団のプリンシパルの座を捨てる道を選んだアンサネッリの舞台が
こうして映像化されたことは、バレリーナとして最高位を極めたひとつの証しとして、
次の人生へと進む彼女への素晴らしい贈り物となったことだろう。

今後、ロイヤルバレエ「オンディーヌ」(吉田都主演)などの上映が予定されているが
メット・ライブビューイングなどの最先端の舞台映像とは異なり、
オーパスアルテ映像はインタビューや説明を含まず、カメラワークもオーソドックスで
舞台中継そのままという感じで、初心者向けとはいいがたい。

だが、SONYの高度な映像技術を用いて、
エンターテイメント性を盛り込んだ構成になるよう日本が意見して
SONY自体が収録にかかわっていくようなことがあれば
そのときは素晴らしい映像ができあがることだろう。
今後に期待したい。



torublo at 10:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0) バレエ 

2009年12月23日

マリインスキーバレエ「オールスターガラ」


マリインスキーバレエ オールスター・ガラを鑑賞 (12月10日・11日)

2006年のマリインスキー来日時には(BLOGには記していないが)
「ロパートキナのすべて」「ヴィシニョーワのすべて」の2つのガラが上演され
ロパートキナは、ジュエルズから「ダイヤモンド」、パキータ、ライモンダ3幕
ヴィシニョーワは、ジュエルズから「ルビー」、シンデレラ2幕、バヤデール2幕
と贅沢この上ないプログラムが組まれた。

特に「ダイヤモンド」は超名演の呼び声が高く、
NYCB以外によるバランシン作品上演になかなか満足しない俺も
優雅で華やかなロパートキナに圧倒されたことを思い出す。

今回は「シェエラザード」「瀕死の白鳥」というフォーキンの名作を
ロパートキナとヴィシニョーワが日替わりで演じるというもの。

以下、印象に残った演目について記す。


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「シェエラザード」 フォーキン振付
ゾベイダ : ロパートキナ(10日)、ヴィシニョーワ(11日)
黄金の奴隷 : コルスンツェフ(10日)コールプ(11日)



シェエラザードは1910年初演だから来年で100年目。
極彩色でエキゾチックな舞台は古さを感じさせない。

オリエンタルな舞台は前半はスローだが
狂乱の宴、全員が殺されるクライマックスに向けて
次第に熱を増していく。


今回はロパートキナとコルスンツェフ、ヴィシニョーワとコールプと
どちらもの組み合わせも甲乙つけがたい。

この演目に関しては、
妖艶なヴィシニョーワとコールプに明らかに適正がありそうだが
意外にもロパートキナのほうが好みだった。

スラリと美しく、官能的なポーズをくり返すロパートキナには
白鳥を踊る清楚な彼女から想像できないような色気が漂うが
くねくねせず伸びやかなポージングと、過剰でない演技にひかれた。

コルスンツェフの奴隷も、野生的で、男らしく、ダイナミックで、
すっきりとしたパートナーシップも予想以上。


対するヴィシニョーワは、
女優のように華やかな顔立ちと、濃い目のメイク、
凛とした強い意志表現が、想像していた通りの濃厚さを漂わす。

ヴィシニョーワは以前に比べると驚くほど痩せ、
筋肉の目立つ肢体がバレリーナにしてはきつい印象だが、
体をしならせてのなまめかしい演技は彼女ならでは。

コールプからもムンムンするようなエキゾチシズムと官能が感じられて
2人で踊ると空気が濃い。

幕切れ、ゾベイダが自殺し、サルタンの足元で息絶える場面では
ヴィシニョーワ演じるゾベイダは、ハーレムに身を置く愛妾とはいえ、
現代女性のような強い意思があって、サルタンの思い通りにはならない
そんな迫力と説得力がある。

コールプは彼自体があまりに個性的なため、
普通のクラッシック演目では違和感を感じてしまうが
こうした作品のほうがむしろ自然に見える。

さわやかなロパートキナ組と、濃厚なヴィシニョーワ組。
当然のことだろうがキーロフも適正なパートナーリングするものである。

原色溢れる華やかな装置、
エキゾチックな舞台設定、
金粉を全身に纏った黄金の奴隷、
宝石で美しい肢体を強調したゾベイダの衣装、
そしてリムスキー=コルサコフによる極彩色の管弦楽・・・・

東方趣味に彩られた舞台全てが素晴らしい。

どうせならシェエラザードこそ、
ゲルギエフ指揮とマリインスキー歌劇場管弦楽団で見たかった。

二組とも素晴らしかったが、
2002年シャトレ座収録されたKirov Celebrates Nijinskyをみると
ルジマトフの奴隷役がいかに優れていたか思い知らされる。
豹のようにしなやかな体、高いジャンプ、どこまでも伸びる手足、
彼こそ奴隷役のために生まれてきたかのよう。


タランテラ(10日) ジョージ・バランシン振付
ヴィクトリア・テリョーシキナ レオニード・サラファーノフ

10月NYCB公演ではマルコヴィッチの怪我により
アフター・ザ・レインが変更になり、
おかげで3回見ることになったバランシン名作「タランテラ」。

超絶技巧が絶妙な掛け合いで繰り出されるが楽しく
ノリノリな2人に会場は盛り上がっていたけれど、
テリョーシキナと超絶技巧のサラファーノフをもってしても
この演目はシティバレエにかなわない。

美貌のタイラー・ペックとダニエル・ウルブリクトが披露した
元気で高速な踊りと、バランシン独特の決めに比べて
エレガントな踊りを身上とするマリインスキー・ダンサーは何か足りない。

テンポにあわせてパッパッと決めていくはずのポーズが
どうしても遅れ気味に見える。
ダンサーとしての資質はテリョーシキナとサラファーノフのほうが
間違いなく上なのに。


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瀕死の白鳥 ミハイル・フォーキン振付
ロパートキナ(10日)、ヴィシニョーワ(11日)

プリセツカヤ引退後、目にする機会が少なくなった「瀕死の白鳥」。

マリンスキーの2人はふんだんに羽を使った冠と衣装で
胸には、パブロワがつけたといわれるように赤い石が光る。

ロパートキナの白鳥はさざめくようなパド・ブーレと
祈るようにはためかせる手の動きに息をのむ。

プリセツカヤが最後に大きく羽ばたき、やや違和感があったのと異なり
ロパートキナは息絶える瞬間まで穏やかで、自然な流れ。

対するヴィシニョーワも、意外なほどに静かな世界。
白鳥役はあわないとされていたのにもかかわらず、
自分の世界を作り上げているところはさすが超一流のバレリーナだと思う。

こうしてみると、「瀕死の白鳥」「シェエラザード」と
フォーキンは素晴らしい作品を作っていたことを改めて思う。

「瀕死の白鳥」を見ると、ナタリア・マカロワが
ベスト・オブ・ナタリア・マカロワで語っていたことを思い出す。

『今までさまざまなバレリーナが、瀕死の白鳥を、
独自の解釈と、独自の思いをこめて踊ってきました。
これは単なる「美しい白鳥の最後」の描写にとどまりません。
いうなれば白鳥は象徴。
衰えゆく力を振り絞って、なお生に執着する、
そんな我々の姿を表しているのです。』


ザ・グラン・パ・ド・ドゥ クリスティアン・シュブック振付
(11日)
ウリアナ・ロパートキナ イーゴリ・コールプ


マラーホフとケントが以前何度か披露した演目だが、
ハンドバックと黒メガネのロパートキナの意外なノリに笑った。

バッグを手放さないロパートキナにコールプが切れそうになったり
互いに目立とうとして足の引っ張りあいをしたり、やはり面白い。

カーテンコールが終わって、カーテンの切れ目がわからずに
メガネ姿にハンドバックを手にカーテンを手探りするロパートキナが
お茶目でおかしかった。


そうそう。
今回の来日ではテリョーシキナやコンダウーロワを教えているという
往年の名バレリーナ、リュボフ・クナコワや、
タチアナ・テレホワが客席にいたのも懐かしい。



torublo at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) バレエ 

2009年12月22日

マリインスキーバレエ「白鳥の湖」「せむしの仔馬」



今さらだがマリインスキーバレエ来日公演について記す。

3年ぶりに見るマリインスキーは若手の台頭が著しい。
だがロパートキナ、ヴィシニョーワに続く
テリョーシキナ、ソーモワらとの中間の世代には
優秀なダンサーがいなかったのかちょっと不思議。

今回一番目を見張ったのはテリョーシキナの成長ぶり。
前回の来日時よりも素晴らしさを増して、堂々たるオーラを身に付けていた。

ソーモワも美しいバレリーナで、
長い手足、完璧な容姿、優美なアラベスク、強靭なテクニックと
ロシアのバレエ団でプリマになる条件を全て備えているが
どこか情感に不足していてひかれない。なぜだろう。
最近のダンサーは美しいながら豊かな表現力や情感が足りない。

テリョーシキナはややきつい感じのする顔をしていて
ソーモワのほうがバレリーナに向いた愛らしい容姿なのに
それでもテリョーシキナのほうが生き生きして魅力的に見える。
テリョーシキナはマカロワに似ている気もする。


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「白鳥の湖」 11月27日

オデット/オディール : ウリアーナ・ロパートキナ
ジークフリート王子  : ダニーラ・コルスンツェフ
ロートバルト : コンスタンチン・ズヴェレフ
道化 : グレゴリー・ポポフ
指揮 : ボリス・グルージン

現代では白鳥を踊らせたらザハロワとロパートキナが2強だと思うが、
ロパートキナのオデットを見て、
優雅な踊りと、無理なく流れるポージングに見入った。

ザハロワがくっきりとしたムーブメントで、
人造美といってもいいほどの隙のないポーズであるのに対して
ロパートキナは足をあげ過ぎず、力みない自然な動き。

長い手足も優雅で美しいし、
優しそうなキャラクターにあった大げさでない役作りも彼女らしい。
さらにロパートキナに沿った役作りのコルスンツェフも
彼女と一体化して穏やかな世界を作り出している。

だが温かみのあるロパートキナよりも、
個人的にはザハロワによる完璧なオデットのほうがやはり好きだ。
なぜならバレエはおとぎ話であり、様式美の世界なのだから。


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「せむしの仔馬」 12月9日

姫君 : ヴィクトリア・テリョーシキナ
イワン: ミハイル・ロブーヒン
仔馬 : イリヤ・ペトロフ
雌馬/海の女王 : エカテリーナ・コンダウーロワ
大きな馬たち : アンドレイ・エルマコフ/ カミーリ・ヤングラゾフ

音楽 : ロジオン・シチェドリン
振付 : アレクセイ・ラトマンスキー

素晴らしい。
新作バレエを見てこんなに楽しんだ経験はめったにない。
ラトマンスキーのバランスの取れたセンスに感じ入った。

「せむしの仔馬」はシチェドリンが夫人であるプリセツカヤのために
1955年に書いた曲だが、これがまず楽しい。

シチェドリンといえば「カルメン組曲」「アンナ・カレーニナ」
があるが、どちらもあまり惹かれる曲ではない。
プリセツカヤとワシリエフによる1969年「せむしの仔馬」映像は
ビデオで持っていたものの、ほとんど見ていなかったので、
プロコフィエフを思わせるメロディーや、軽妙な響きが盛りだくさんで
こんなに優れたバレエ曲があることに驚かされた。

この舞台は今年2009年に創作されたばかりのバレエだが
ポップでしゃれた美術、衣装と、軽妙な振付で、
クラシカルでありながらも、現代的センスが冴えている。

NYCBのために「コンチェルトDSCH」を創作したラトマンスキーは
どんな肉体的な要求にも答えるNYCBダンサーに振付けて
さらに新しい舞踊の可能性を見出したのではないだろうか。

この作品も、群舞とソロがちりばめられて、
スピーディな展開と華やかな群舞であきさせない。

「せむしの仔馬」はロシアでは知らぬ人のない話だそうだが
ラトマンスキーの振付は、明確な人物設定が優れている。

ロブーヒンは頭が弱そうだが、心優しいイワン。
未見だが11日サラファーノフは恐らく、機転のきく、賢いイワン。
ロシアの物語では、イワンは賢くも、あるいは頭が足りない青年の
どちらのキャラクターに描かれることもあるというから面白い。


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また決して物まねをするわけではなく、
いなないて立ち上がるかのように表される馬たちがいい。

洒落た水玉の衣装を着てダンティーな2頭の雄馬と、
コンダウーロワによる美しい雌馬、
仕草と表情がかわいいペトロフのせむしの仔馬、
そして美しくてお茶目な姫君とイワン。
どの役柄も身近に感じられて、いとおしい。

特にせむしの仔馬が、イワンと姫君を捕まえたとき
「やったね!」とじゃれて見せる仕草のかわいいこと!

この役はペトロフをイメージして振付けたとしか思えないほど
キュートなルックスと、せむしの仔馬の役柄とが一体化している。
1日目を踊ったポポフはどうだったのだろう。

ゲルギエフ指揮サラファーノフ・ソーモワの1日目と
ロブーヒン・テリョーシキナの2日目の両方を見た友人によると
1日目はゲルギエフの指揮による演奏が素晴らしかったが、
厳しいゲルギエフにあわせるためにダンサーが緊張しており
2日目のほうがのびのびしていて素晴らしかったとのこと。

サラファーノフとソーモアは
この作品で名高いゴールデンマスク賞にノミネートされたが
技巧的な2人によって踊られたら、どんな風になるのか気になるところ。
どちらのキャストにせよ、映像化が待たれる。

「せむしの仔馬」だけはマリインスキー歌劇場管弦楽団の演奏だが
マリインスキー以外で演奏する機会がないこの曲を
日本のオケに覚えさせるわけにはいかなかったのだろう。
マリインスキーの演奏が素晴らしかったので得した感じである。

この数年「ファラオの娘」「明るい小川」とロシアバレエの蘇演が続いたが
「せむしの仔馬」が一番素晴らしい。
チャイコフスキー以外に限られたレパートリーしかない全幕物に
こんなに素敵な新作が出来たことは喜ばしい。

「ボルト」、「明るい小川」「せむしの仔馬」と埋もれていたバレエ曲を掘り出して
精力的に舞台化するラトマンスキーに感謝である。



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2009年12月08日

紅葉−瑠璃光院・蓮華寺・高桐院・地蔵院


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八瀬 瑠璃光院

春と秋のみ公開される瑠璃の庭。


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他では見たことのないほど瑞々しく手入れされた苔と
曲水と、水が流れ落ちる石の取り合わせの華麗なこと。


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書院二階より庭園を眺める


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三宅八幡 蓮華寺


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毎年訪れる蓮華寺だが、
日差しが紅葉に透けて例年よりもさらに鮮やか。


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蓮華寺本堂


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書院の畳に庭の紅が映る。


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清水寺のライトアップ。
奥の院より舞台を望む。(ISO3200で撮影)

毎年訪れているが今年ほど暖かかったのは初めて。
成就院(月の庭)が撮影禁止なのが残念。
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2009年12月06日

京の町家


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京町家を一棟借りして宿泊した。

京都というと思い浮かべる
格子窓や虫籠窓、通り庭や坪庭。


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時間をかけて次第に様式が整えられていった京町家だが
宿泊してみると現代人からは想像の及ばない長い歴史と、
用の美が凝縮されていて興味深い。


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古くは平安時代からその呼び名が既に存在していたとされるが
現在の町家が確立されたのは江戸中期という。


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1864年「禁門の変」の際に発生した
「どんどん焼け」と呼ばれる京都を襲った大火で
2万7千もの世帯が失われたため、
現存する町家のほとんどは明治以降の再建によるもの。


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宿泊したのは築130年の京町家である。

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2009年12月04日

紅葉の大原


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両親と京都を旅する。

3日間で20近い寺社仏閣を巡ったが、
久しぶりに大原を訪れた。


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平清盛の娘として高倉天皇に嫁ぎ、
安徳天皇を生んで国母として栄誉を極めたものの
壇ノ浦で源氏に敗れて平家一族は滅亡、
入水ならずにひとり生き残った建礼門院が
都を離れて平家の菩提を弔ったことで名高い、大原の地。


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大原といえば、また、
土田麦僊、森田曠平ら日本画家が描いた
手拭頭に薪をのせた大原女を思い出させる。


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今では、たくさんの観光客が訪れ、
土産物店が立ち並び、週末ともなると静けさとは無縁。

建礼門院が住んだ侘びた寂光院も
2000年に放火で焼けてしまった。


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そんなことから最近は避けていたが、
この日は平日、しかも予期せぬ小雨で、
あるいは人も少なく、紅葉も濡れて美しいかもしれないと思い
久しぶりに立ち寄ってみた。
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