土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

高知の生き物もどっさり!

生物観察を通じて、海洋環境や里山管理のありかたを素人目線で分析します。

伝統工芸のかたち
先日、野鳥ブログを書いた時、チョウゲンボウが良く止まっている屋根の、お決まりの場所が最も見晴らしの良い
鬼瓦の上
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鬼瓦の上で鳴き真似に余念のないチョウゲンボウ

チョウゲンボウは毎年、この家屋のこの鬼瓦の上に止まり、辺りの田畑を見守っているのです。魔除けの鯱みたいに。
ピコ太郎ダンス












鬼瓦の上でピコ太郎ダンスを習得中の芸達者なチョウゲンボウ

鬼瓦といえば・・・
二人目の子供、長女が生まれた時、妻をねぎらいに病室へ入ると彼女が青ざめた顔で、開口一番「あんたと同じような顔の鬼瓦みたいな女の子が生まれた」と落胆していました。つまり、生まれた子は父親似だったという事なんですが、それが嫌なら私と夫婦になどならなければよかったのですネ。

人に関わらず生き物は世代交代において、自らの生きた証の痕跡として特長を伝承し、特に人は個としての強い意志をもって、できればそれを子孫がアドバンテージとして活用できるよう、なお一層自身の生き方を極めようと努力します。ま、時には自身が持てなかったものまで過剰に子供に期待する親もいるようですが。それも見方を替えれば可愛い我が子の為にと思っているのでしょう。

我が家の場合、ここで判明した私の妻の意思というか、個人的・一方的思いは
私の顔立ち=鬼瓦で、鬼瓦は好みではないとうことでしょうか 生物は優性遺伝と突然変異によって進化し続けるといっても、それは劇的変化ではなく、永遠の時を経て数多の生物、移り行く環境との兼ね合いによって淘汰を繰り返しながら、優れたものが繁栄するのです。

そして、その優劣を決めるのが妻の独断でない事は確か、妻がその判断を下し方向性を示せるのは、ちっぽけな我が家の中だけしかないのです。ここだけの話、妻の基準は理不尽でメチャクチャなのですから。

あれから24年、日々の経験と個としての努力によって人は心身とも成長し、娘も生まれた時は鬼瓦に似ていた⁉からといって今まで特に嫌な思いをしたことは皆無で、自らを鬼瓦と思ったことも一切無い様です。更にここで特筆すべきは、鬼瓦みたいなタイプでない男性と、価値観のまったく違う女性が三十年近く夫婦として暮らし続ける真実。

相手が自身のタイプでなくても、夫婦の価値観が全く異なっていても、結婚する理由は成り立ち、離婚する理由とならない場合はあるんですね。互いにそれ以上の長所を相手に見い出せ、あとは互いに一寸の我慢なのです。

妻にそんな話をすると「近頃の若い人は鬼瓦を知らんきねえ」の一言。ま、それには私も納得です。娘が生まれた時、鬼瓦のような私に似ていたかどうかは別にして。

近年、洋風化してきたのは食生活だけではなく、衣類や住居も広く外国の優れた部分を取り入れ変化してきました。ですから最近の家には鬼瓦が無い場合もあれば、存在していても小型化し形も画一化しているのです。旧日本建築にあったような多種多様な個性を持った鬼瓦は近年非常に少なくなりました。

鬼瓦は主に粘土瓦を屋根に敷き詰める場合に用いられる特殊な瓦、他の瓦と違い立板状の特殊な形をして、他の瓦ではできない棟の端で風雨に対する防御の役目を果たしてきました。同時に魔除けとして家屋の端々を守る象徴でもあり、威圧感を持たせるために大型で、鬼の面を施したことから鬼瓦といわれるのですが、鬼面が無くても棟の隅に配せられる一連の機能を持つ瓦は鬼瓦なのです。
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粘土瓦の歴史は非常に古く、初めて登場するのはおよそ2800年前
中国とされ、日本には仏教伝来とともに朝鮮半島を経由して入って来たとされます。当時の建築付属物としては格段に耐久力に優れ、飛鳥時代に瓦葺の屋根を配することを許されたのは寺院だけだったとか。まさに瓦屋根は東洋の建築様式のひとつなのです。
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重量があり、基礎がしっかりしていないと総瓦葺の屋根は配せないのはいうまでもありません。そんな鬼瓦も近年は、和風形状の屋根を配しても、別の方法で雨仕舞いや屋根を守る方法が選択され、更に屋根は太陽光発電などに活用される場所として見いだされ、屋根瓦は軽量化の傾向にあるのです。

それに我が家の場合、外から目立たなくても妻が家の中で魔除けの役目も果たしてくれているのです。数多の生物が形成する生態系の節理において、すでに強い力を持った鬼(嫁)が入り込んで家族の生態系が保たれている以上、新たな魔物が入り込む隙間はないのですから。

尺度を越えた期待
私の家族は五人、子供たち2人が就職して母以外の4人が別々の職場で仕事をしだすと、家族全員で揃って食事をする事が非常に難しくなりました。その困難の中、1月のある日にいつ以来かの家族全員で予定を合わせ外食をしたんですね。

もともとは家族の特別な日でなくても、家族全員が行動を共に出来るという、今の我が家にとって特別な日、次世代を担うべき長男が選んだ食事場所が高知市高須新町にある『
寿し一貫』さん。こちらの企業さんは高知県内に6店の他、四国各県にもそれぞれ1店ずつ店舗展開する回転寿司店です。

海鮮食材が好みの方々の場合、人それぞれの尺度で計って回転寿司店へ行く理由と、行かない理由があるんでしょうが、私たちが家族で行く寿司屋さんはいつも寿し一貫さんなのです。私たち家族が寿し一貫さんを利用する理由は、先ず男性2人が魚介類が大好き、女性3人は魚介類苦手が1人、魚介類の生ものを好まないのは2人。でも全員が妥協してここを選んだのではない魅力を、皆が寿し一貫さんには感じているんです。

魚介類全般を好まない、どちらかというと苦手なのが娘なんですが、それでも家族内で漏れ聞こえる話では、月一回くらい回転寿司店には行っているとのこと。でもそれは殆どが一皿100円のお店へ、学生時代の友達同士で行っているとか。同じ家族でも、娘には娘なりの利用動機がしっかりあるのです。

魚介よりも肉、それも牛肉が大好きなのが母と妻。母は黒毛霜降り派で、妻は赤毛赤身をガッツリといただく派なんですが何れも回転寿司屋さんへ行くならここしか来ません。しかも互いに味に満足しています。

私は、高知の食に携わり妻と一緒に子供たちを世に出した高知の民として、食材や器まで地物を上手く使っている寿し一貫さんの地域に対する考え方、組織の方向性でここを選びます。そして長男にはここを愛する、私が語るべきではない特別な理由があります。

というふうに、皆が満足して今日ここへ集ったのです。
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そこで私が先ず選んだ逸品がコレ‼

このちらし丼的寿司の商品名は、『はみだし海鮮丼』税込1,980円。この器の中というか・・・かなりはみ出していますが、全部で15品のお店厳選寿司食材が、味のバランスよくしかも豪勢に盛り込まれていました、赤だし付きで。さらにご飯は適度な温かさと量、このあと他の料理も美味しく食べられるように上手く調整してあります。

この厚さで切った生食具材、器をはみ出した時点で重力によって垂れてしまいますから、見栄えよくこの形状を保っていることは素材の鮮度にこだわっていることを証明できるのです。

さて、器とはそれぞれの目的を持った入れ物。通常、蓋と対になってその役目を果たすのです。ですから器は道具でもあり、人においては個の才能、組織の存在価値に喩えられることもあるものです。それからはみ出しているからには、器の意味は失われているかのように見えても、実際には食べ物を運ぶ道具としてその使命を全うしています。つまり、この丼ぶりからこぼれ落ちなければ、料理を豪華に見せるこの器を選んだ店舗側の目的まで加味されてくるんですが、この丼ぶりの蓋の存在。我が家においては、ご飯と具材が子供たちで、椀が妻、一見不要な蓋が私。

1人忘れていました。母が赤だしなのです。

さて皆さま、私と同じような蓋の存在をどのようにお感じになられますか。間違いなく言えるのは、一見視界を遮り間切るような蓋であっても、器の重要なパーツなのです。このはみだし丼をよりゴージャスに見せるための。ですから、この蓋を付けないとダメな意味を分かっている人がこの丼ぶりを盛り付ける資格のある人、つまり職人さんなんでしょうね。寿し一貫さんの料理の提供手法にはその志が脈打って、寿司を握り定型のお皿に盛り付けているのです。単に置いているのではなく。


器の中に、作法にのっとって美しくきっちりと収めるのも技術、時に豪快にはみ出して刺激や感動を加味させる演出も、器の意味と作法を知っていればセンスとして輝くべきなのです。長男が寿し一貫さんを愛しているのはそう言うところだと私は想像しています。

この日、家族全員が美味しくいただいた寿司を中心としたお料理の金額は一人平均2,500円ちょっと。品質と品揃えと価格のバランスには私たちの家族全員、よせていただく度に大満足です。

珍種・珍個体
家内が職場で掘り出し物を見つけてきました。見たことも無い模様をした大型のカメムシなんです。先ずはその容姿をご覧ください。
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体長20mmほど、中胸から腹部までの背面がすっぽりと一枚の大きな背盾板に覆われているのは、キンカメムシの特徴。さらに前胸には明らかな棘があります。
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勿論、私もこの様なキンカメムシは見たことなかったんで、少なからず興奮してしまいました。

そこでキンカメムシの種類を色々探してみたんですが、なかなか見つからないんです。苦労して見つけ出すと、
カメムシ目キンカメムシ科の熱帯域から亜熱帯域に分布する『アカギカメムシ Cantao ocellatus』であろうと私一人で結論付けました。
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琉球列島では一般種の様ですが、日本本土では発見記録が少ないことを発見者たる妻に告げると、今回は私の報告に珍しく異論もなく、頗るご満悦でした。妻は栄えある珍事例の発見者なのですから。
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その後、更に追跡調査してみると、近年は温暖化の影響か北上分布が緩やかに認められる様で、四国では1967年に幡多郡大月町で初めて発見されたとか。今日では高知県西南部を中心に発見事例が相次ぎ、南西諸島もしくは九州南部経由で飛来した個体が足摺近辺を中心に世代交代し定着しているという説までありました。
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そうなると、最大27mmに達する本種は本土分布のキンカメムシ科最大種になるのです。そしてこのアカギカメムシは地域変異が顕著な種として知られ、体色においては鮮やかな赤から、くすんだ白までの地域的変異が現れるとともに、同一成虫個体でも体色の経時的変化が見られるようで、飼育観察例からは羽化直後には鮮やかな赤であった個体が、次第にオレンジ色から黄色に変化していったとか。

そうすると、妻の発見した当該個体は天寿を全うしたようですね。

アカギカメムシの鮮やかな赤色は、この昆虫を象徴するイメージカラー。全国区ではあまり知られていない、どちらかといえば本土ではマイナーな昆虫でありながら、その余りにも美しすぎる赤色故に、昨年大活躍した広島のプロ野球チーム『
広島東洋カープ』を応援する世界120種の昆虫のひとつとして広島市東区福田町の市森林公園こんちゅう館に展示されていたという逸話がありました。
アカギカメムシの赤色個体は、それほどまでに印象的な赤なんですね。一度、実物を見て見たくなりました。

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アカギカメムシの地域変異報告例からすると、非常に興味深い事に前胸の棘については、明らかな地方変異であって、日本や台湾のものでは棘はなく、インド、マレー半島などでは明確な棘が見られるとか。

確かに高知県西南地域で発見されるアカギカメムシには前胸の棘が見られないのです。となるとこのアカギカメムシは高知産ではないことになるんですが、真相は如何に⁉

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