土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

高知の生き物もどっさり!

生物観察を通じて、海洋環境や里山管理のありかたを素人目線で分析します。

伝統的行事に思う
近年、月を愛でる機会は増えました。月が一年で最も大きき見える日とか、月が苺色に見える日など。今日、2021年9月21は満月と重なる8年ぶりの中秋節だと、朝からTVの気象コーナーでは各局の話題になっています。

香南市では朝から心地よい秋空が広がりました。花色よりも濃い青空です‼
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田園では、これからここで春までを過ごす、越冬飛来の猛禽類のひとつチョウゲンボウが青空の下で心地よい秋風に吹かれています。
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今秋は例年より早い9月17日にその初飛来を確認していたのですが、この日の朝に見たチョウゲンボウは明らかにオスと分かる個体でした。
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物部川では秋空の下で狩りをするミサゴの姿。
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大きな魚を狩っていきました。
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獲物は40cmは超えそうなボラ。大型猛禽類のミサゴにとっても十分な重量感。上昇するのも大変そうです。
水田の月














この様に、一点の曇りもない宇宙の果てまで透き通る秋空も、予報に寄れは朝の内だけの事。午後からは雲が増え、香南市の夕方は雨と曇りの境界線なんだとか。
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そういえば今年、月が話題の日にその姿を見れた事が一度もなかったような・・・

6月10日の皆既日食も雨でした。
中秋の名月











日本で最も伝統ある観月催事が中秋。私の様に長年、外食産業に携わってきた者にとって、この一日は思い出深い特別な夜でもあります。

職を離れても、母が存命の時は近隣の親戚一同が母を囲んで毎年、一席設けてくれました。

そんな母も故人となり今はコロナ禍。月を愛でる事も家族だけの行事となり、しかも月も見えなのです。

そういえば今までは何故、天候に災いされず月見が楽しめたのでしょう。それはひとえに高知の県民性にあるのです、土佐のお客行事が大好きな‼ 中秋に雲が出て月が見えない時には、自分たちの都合でお客を前後ろに倒して是が非でも行ってきた宴会。曇天雨天ではなく、前後ろ倒しだったんですね。今はそれを行えない、更には闘病中の親族とも対面できない理由が越年で継続中なのです。

我が家のイトヨリ丼
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今日は旬のはしりイトヨリ鯛を仕入れてきました。

今年は質素な中にも華やかな家庭の料理で中秋の名月を送ります。母が大好きだったイトヨリ鯛を主食材にして。
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ご飯は寿司飯。寿司酢ではなく高知のゆずぽん酢でささっと合わせます。寿司飯の上にまぶすのは、朝どれのちりめんじゃこ(釜揚げちりめん)。

その上に乗せるのは・・・
たたき












イトヨリは皮を引かず、湯引きかさっとタタキにします。
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それを熱いうちに盛り付け食べるイトヨリ丼。皮目の美しいイトヨリの焼き切り丼
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家族の食事会のあと、トリはもちろん月見団子です。

さて、夕方の雲行きを見てすっかり諦めていた中秋の名月。
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この日の為に段取りしたイトヨリ鯛丼を食し、月見団子を楽しんだあと、床に就く前に夜空を見上げると・・・
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香南市では、ほんの一瞬だけの事でした。

ブログネタ
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潮騒のゆりかご
初夏、香南市の地磯からの夜釣りとして記事にしたフエダイ釣り。

ここ四国南部や南九州等の海岸線沿いでは地方名『シブダイ』と呼ばれる事も多いフエダイは、食通も認める高級白身魚です。
フエダイにぎり











フエダイの食材価値は、美味しい魚種揃いで知られるフエダイ属の最高峰。
フエダイとクロメジナ












夜釣りで地磯から仕留めたフエダイとクロメジナ
そんなフエダイの豊潤な味わいを多くの人が知らないのは、まとまって水揚げされる魚種ではなく、一般流通し難い魚種だから。しかも香南市では晩春から初秋までの季節限定の浅海を陸地の海岸線伝いに移動し、それ以外の季節にはいない魚種なのです。

それは海水魚の回遊と言うには明らかに狭い海域の移動なのですが、その季節移動は多くの白身魚とは異なる、浅場と深場を移動する垂直的移動ではなく、適水温を求め海域を水平的に移動するのです。

その季節移動の目的、フエダイは産卵のために温帯水域に移動してくる、温帯水域を産卵域とする白身の季節回遊魚なのです。そして冬が来る前には深場に落ちるのではなく、亜熱帯近くの水域まで南下して、いなくなるのです。

ですから私達、黒潮流れる温帯暖海の民にとってフエダイは夏魚。

一度その味を知ってしまった後、夏になれば・・・いいえ毎年、あのうだるような暑い夏が待ち遠しくなるほどに、それを求めずにはいられない特別な存在になってしまうのです。
フエダイの身










産卵前のフエダイ身質
フエダイは産卵のために暖海温帯の沿岸域の極浅い水域に接岸し産卵を行うのですが、産卵後でも脂が落ちにくい極めて稀な魚なのです。
フエダイ 内臓












産卵後のフエダイの内臓部
初めてフエダイを捌いた時には万人が驚くのですが、フエダイは腹腔内に橙色の脂肪塊を蓄え、それを真っ先にエネルギー源として活用する能力に長けているようです。
フエダイ腹腔内脂












その橙色の脂肪塊がこちら。そして産卵直後に、肝にこれほど豊かな脂を蓄えている魚種を私は他に見たことがありません。
クロホシフエダイ












下処理を終えた産卵前のクロホシフエダイ
それは同じフエダイ属の上等魚として知られるクロホシフエダイにも見られない特徴なのです。フエダイの特別な美味しさの秘密はここに潜んでいるのです。
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このフエダイ属、フエダイやクロホシフエダイの原点、つまり故郷がこの海岸にあります。

夏孵化した仔魚たちが通泳力を高め、初秋最初に定着する場所かこの様な浅海岩礁地帯。その水道筋を小まめに探していくとフエダイ属の稚魚たちの姿を数多く見る事ができます。
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フエダイの稚魚
先ず、これがフエダイの稚魚。左右体側一対の白紋が未成魚時には明瞭に現れています。
イッテンフエダイ












イッテンフエダイの稚魚
と言う事になれば黒紋が特徴的なこのフエダイ属はクロホシフエダイ・・・ではなく、未成魚時には塩分濃度の低い水域に好んで侵入することの多いイッテンフエダイ。本種は亜熱帯海域のみならず本州でもシガテラ食中毒が懸念される魚種として厚生労働省が注意喚起しています。
クロホシフエダイ稚魚












クロホシフエダイの稚魚
クロホシフエダイの稚魚はこちらです。
フエダイ











フエダイ属はフィッシュイーター。ブリ属とは異なる狩りを可能にするのがこの歯骨形状でも見て取れます。
捕食












隠れた小エビや小魚を探し出し、捕らえた獲物を咥え込むイッテンフエダイ。稚仔魚期から浅海のハンターなのです。

これらの稚魚たちはやがてこの水域から出て、20cmほどに成長したあと、生まれ故郷を一時的に離れ、成長して毎夏この海域に戻って来て産卵するのです。

私たちが生態系豊かな海を保全していれば。

毎年と違った夏が過ぎて
天然鮎の自然循環が、ひと昔前よりも改善されだした今日、物部川では活動するミサゴ)の姿が周年見られる様になりました。
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勿論それは鶚だけに限ったものでなく
といった魚食鳥の姿も同じ。
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河川の鮎の存在は、地域の生態系の中で多くの生物に影響を及ぼしているのです。
ウミアイサ











物部川下流域で鮎を狙う
海秋沙ウミアイサの群れ
カイツブリ











カイツブリ)】

魚食猛禽類 鶚が教えてくれるもの
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ですからそれら野鳥の行動を見ていると、見えない水面下の今どこに鮎が潜んでいるのかが、遠くからでも分かります。勿論、河川で活動する魚種は鮎に限ったものではありません。
ミサゴ ボラ












鯔を狩った鶚
物部川の河口域には、汽水域を好む鯔(ボラ)も生息しています。
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しかし春から秋までの間、私の暮らす地域の複数の河川では、全体に占める鮎の資源量が圧倒的に多いのです。

そんな中、水面にダイブした鶚が、魚を掴んだまま飛び上がりました。これが鮎なら、ミサゴが捕らえたのは紛れもない尺鮎です。

釣り人にとっては、近年幻となりつつある物部川の尺鮎。でも鶚がそれを狩る姿は毎年何度も目撃します。
ミサゴとアユ











自然界の動物たちは、私たちが見る事の出来なくなった大自然の潜在を示してくれるのです。
ミサゴ アユ












今月末には物部川のこの水域は鮎が禁漁となります。10月に入ると河川の鮎は産卵に向かって体調を整え、人は毎年その季節になると鮎が産卵する河口部の適所の低床を整備し、鮎の産卵を促します。香南市で鮎の産卵が盛期を迎えるのは晩秋から初冬。まだ二ヶ月も先のこと。

釣り人はあと2週間ほど鮎漁を楽しみます。もっとも、それも天候次第なんですが・・・

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