土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

高知の生き物もどっさり!

生物観察を通じて、海洋環境や里山管理のありかたを素人目線で分析します。

肖り物が出てこその本物の価値
よく言われるのが、偽物が出てこそのブランド価値なんて例え。勿論、本物と偽物が見分けられないようでは、真のブランド信者とはなれないのかも。因みにブランド品には端なら興味のない私は、もちろんそれをつかまされることもないのです。

ところが自然界の生き物にも、そんな既に確立されているブランド力に肖る生物がいるんですね。偽者となって相手の見る目をまんまと誤魔化すのです。自身がその意図を持って天敵に対し誤魔化すのが擬態(
ベイツ型擬態)。そこには人間界の偽物同様にMimicmodelが存在するのです。

でも人間界のそれには、複数の強い防衛力を持つ生物が互いに似た体型や色合いを呈することにより、天敵に対してより強い警戒心を植え付けることができる事例(
ミューラー型擬態)は余りありません。真似をされない権利が取得でき、多くはそれを行使して自身のブランドを守るのです。

ところが、人間界にも生物を用いてそのブランド力に肖り商品力を高める伝統があるみたい、その生物の意思はお構いなしに。

例えば海産資源、昔は最も身近な高級魚とされ併せて食材用途の豊かさを兼ね備えた色彩も形も美しいマダイ。タイ科以外でも多くの魚が〇〇ダイと呼ばれ、食材価値を高めようとした話は今までもご紹介しましたね。
イサキ











6月の抱卵したイサキ
現在では、そのマダイよりも美味しいと評価する人も多い、身近な海産資源のイサキ
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産卵前の脂がのり切ったイサキの身
このイサキにも、〇〇イサキという魚が複数いるんですね。
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勿論、それらの中でもっとも身近(漁獲資源量の安定)で美味しい魚はイサキなんですが・・・
シマイサキ














シマイサキ
例えばこれは、今まであまり紹介したことのない同目でシマイサキ科の
シマイサキ。このシマイサキがイサキのように美味しいかというと・・・
シマイサキは、どちらかというとふつ~の汽水域の雑魚。刺身で食べる事より塩焼きか煮付けみたいな、私的には釣れれば食べても買ってまで食べない魚。
コトヒキ










コトヒキ
同じ水域に生息する、シマイサキ科コトヒキ属の
コトヒキのほうが旨いと感じるのです。

次に、以前ご紹介したことのある魚種では、
アカイサキ














アカイサキ ♂
こちらのハタ科アカイサキ属の
アカイサキ。アカイサキは美味しい魚種そろいのハタ科の中では、体色の美しさは目立っていても加熱すると厄介なくらい身が締まる魚種。特に美味しい魚ではなく、雌雄で全く商品価値の異なる数少ない類の魚種なのです。

アカイサキの色で引き寄せる魅力はイサキとは異質で、食味・食感も似ていません。

今日の最後は、
アカイセギ





アカイセギヨコスジフエダイ)】
イサキは高知ではイセギと呼ぶことも多く、同じようにフエダイ科フエダイ属の
ヨコスジフエダイアカイセギと呼ぶのが普通なんです。またこれには、前述の標準和名アカイサキとの混同を防ぐ意味合いもあり、故意にそう呼ぶのです。

このヨコスジフエダイは正真正銘、非常に美味しい魚、。フエダイ属は概して美味しいのです。ヨコスジフエダイは、イサキと比較する必要のない甘くうま味の豊かな魚種。でも、イサキと比べ流通量は多くないので、高知ではそう呼ばれているのでしょうね。
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イサキもこの魚ならともに本来のブランド力を保てると言える〇〇イサキなのです。

梅雨時期はイサキと双璧、鉄板のイチオシ鮮魚
高知ではそろそろイサキも産卵を終える季節。次は何が美味しいかといわれると、それまでの梅雨イサキの美味しさが強烈だっただけに、悩んでしまう
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梅雨イサキの身 西海産活締め

確かに、そうではあるんですが私の場合迷わず上げたいのがこの魚‼
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チダイの身 香南市吉川産 活神経締め

脂の乗り切った初夏のチダイもイサキに負けない美味しさなのです。勿論、刺身も素晴らしい美味しさなのですが、
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イサキのタタキ

イサキは強火であぶってタタキにすると、更に強烈に凝縮された旨みが味わえるのに対し、
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初夏のチダイは湯引きに

チダイはグラグラの熱湯にさっとくぐらせて盛り付けすると、この季節ならではの風味が堪能できるのです。

何れも加熱直後に急速に冷やし、ギュッっと旨みを閉じ込め身を締めるんですよ。昔はそれを冷水に浸し行っていましたが、わが家では短時間冷凍庫へ入れます。
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45cm 1kgを軽く超える立派なチダイのオス

いずれも美味しい理由は一年で最も脂ののりがよいから。しかも近海の資源量の安定した魚ですから、鮮度も抜群。この品質で価格もリーズナブル、季節毎に美味しい魚は数多くあれど、価格に対する美味しさ指数は最高値といっても過言ではありません。(私の独断ですが。)
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湯引きチダイ

さて、私が絶対美味しいと思う今が旬二大鮮魚ですが、これを敢えて月並みな三大鮮魚とした場合、梅雨入り前ならアオアジ、梅雨煎り後ならウルメイワシといった青物を一種上げたいところでしょうか。

もちろん、梅雨が明ければアユです。

近海鮮魚も四季折々のタレント揃い、機会を逸することなく地域の季節を楽しんでくださいネ。

赤と黒の弁慶蟹
私が子供の時代、海から潮が遡ってくる平野部の川にはたくさんカニが棲んでいたんですが、川の堤がコンクリートで覆われると、その蟹も段々見られなくなりました。その蟹の名は弁慶蟹ベンケイガニ)。

十脚目ベンケイガニ科のカニなんですが、複数種います。
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ベンケイガニは今でも海の近くのこんな川には、目を覆い、耳を塞ぎたくなる程たくさんいます。
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よく見ていただくと、このスペースで十匹以上はいるんですね。基本的には夜活動する蟹なんですが、特に産卵期(夏)が近づいてくると昼間も活発に行動しています。

今の季節こんな小川に沿った道を歩くと、ザワザワ・ザワザワ・・・

勿論、川に見られるカニたちは『サワガニ』を除き全て産卵を海で行い、幼生期を海でプランクトン生活して海流によって適度に放散していく生態を持つ回遊性のカニばかり。
ですから梅雨時は、海の近くに集結して高い密度で見られるのです。
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水辺から溢れ出す様に車道に出て来たベンケイガニ。移動の時期は、よく車に轢かれるというよりは敷かれて、蟹せんべいの様になり志中半で息絶えています。
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このベンケイガニ、よく見ると黒弁慶と赤弁慶がいるんですね。そしてこの色の違いは種の違い。赤弁慶が単に『ベンケイガニ』という和名で、黒弁慶は『クロベンケイガニ』と呼ぶんです。
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ベンケイガニにはよく似た色合いの別種『アカテガニ』がいるんですが、上から見ると甲外縁の鋸歯有無で区別でき、それが無く全体的に丸っこいのがアカテガニ。捕まえてじっくり見ないとなかなか判りません。
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ベンケイガニたちは生息場所の水辺土壌に大きな穴を掘り、稲作地帯では畔に穴に掘った穴で水田の水が抜けることもあるどか。農業にとっては害蟹扱いなのです。

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