土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2013年11月

雨に烟る紅葉
11月下旬、日本海で急速に発達した低気圧によって、日本列島は初冬の嵐。高知でも未明より激しい風雨、室戸岬では最大瞬間風速33mを記録、近畿地方では突風により人的被害も発生しました。
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台風32号なんでしょうか・・・でもいくら強烈な風(最大風速が約17 m/s)が吹いて甚
大な被害を引き起こしても、その実態は発達した低気圧、今風にいうと『爆弾低気圧』なんですって。
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なぜでしょう?つまりいくら強力に発達しても低気圧の発生由来が、赤道以北、東経180度以西100度以東に存在する熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が約17 m/s以上という台風の定義に当てはまらないのです。
DSC05825ですから、今年2013年の台風発生件数は31号のまま。この数字は1994年以来の多発件数。ちなみに同年は36号まで発生し12月にも2件発生しています。

冬の雨、雨が降ると昨日までよりも暖かく感じますね。なぜでしょう?
それは冬型の気圧配置が一時的に崩れる為で、冬になると日本列島の西に高気圧、東に低気圧が存在している気圧配置の日が多くなるんです。すると極地側、寒冷地帯からの冷え切った風が日本列島に吹き込みやすくなり、外に出ると強い北西風に曝され体感温度は更に冷たく感じるんですね。逆の気圧配置になると、今度は南から暖かい空気が吹き込んで、太陽熱が充分に届かなくても冬場は暖かく感じるんです。
つまり、度重なる台風によって局地的な熱の蓄積が撹拌された後、太陽熱と北風が鬩ぎ合いながら、やがて季節は秋から冬へと移っていくのです。
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晩秋から初冬への移ろい、気候の変化は関東地方では
木枯らし)、西日本では雨が暖かく感じる季節になれば、そろそろ冬なんですね。

紅葉と雨、それぞれに季節の移ろいを感じる一日でした。

選ばれし者たち
高知では晩秋から初冬にかけ、清らかな河川の下流部には無数の落ち鮎が下ってきます。
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それを心待ちをにしている野鳥。初冬の河川は魚を捕食しない野鳥まで、その賑わいに誘因されるように集まってきます。

河口部から見ていきましょう。
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河口域にも殆ど止水域はなく、汽水域が殆ど無い赤野川。海岸砂浜にそって100m程で北に曲がった鉄道高架付近までの非常に狭い部分が汽水域です。こういった河川で昨日ご紹介したほどの天然鮎資源を保有しているのは非常に特殊なんです。
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この一部の汽水域に限り、冬季は時々カモが飛来しています。マガモのようですね。
赤野川は中規模河川でありながら、これより先の下流域から上流に至るまで浅い早瀬の連続で、広域にわたる止水域を有しません。水質は透明度が高く近代的富栄養化の促進もなく、底泥の蓄積もありません。よって沈性植物が繁茂せず、河口部以外で滞留するカモ科鳥類は先ず見られません。
ムクドリムクドリ (2)






県東部の二級河川、赤野川に架かる国道55号線の橋脚。電線に止まる野鳥の群れはムクドリ。ムクドリは魚を狩ることはありませんが、水を求め河原に降りてきます。
DSC05720アオサギ






下流部で多く見られるのがサギ科のアオサギコサギダイサギ。好物の落ち鮎を盛んに捕食しています。
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小魚が大好物なサギなのに、一年で最も豊かな季節を迎える頃には、夏鳥のチュウサギアマサギの姿は既に見られないのです。
トビトビ (2)







トビカラスも虎視眈々と落ち鮎を狙っています。
カワガラスカワガラス (2)







堰堤のブロックや浅瀬の巨岩に隠れているのは河烏カワガラス)。と言ってもスズメ目カワガラス科の野鳥でカラスよりはずっと小さいんです。全身が濃い茶色の羽毛に被われ全長は20cm強、ムクドリと同じくらいの野鳥です。水に潜って川底を這うように水生昆虫や小魚を捕食するんです。留鳥と言われていますが、初冬の赤野川では特にたくさん見られます。通常はヨシノボリ等の小型魚類を捕まえていますが、今の時期は産卵後の鮎を啄んでいるんでしょうか?
DSC05737オオジュリン






対岸で群れを成すのはオオジュリンのようです。

突然青い閃光が走ったかと思うと、川面に水柱が立ちました、カワセミが狩りを始めたんです。
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フォバリングしたり、急降下して水面に突っ込んだり。見ていて飽きることがありません。
タシギ












河川敷の草むらから顔を出したのはタシギ。こちらは脅かさなければずっとそのまま、剥製みたいな野鳥ですから面白くありません。
DSC05681キセキレイ







堤防上の電線にも数多くの野鳥たち。モズキセキレイですね。
ハクセキレイ











河原にはセグロセキレイもいます。
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落ち鮎のたくさん溜まっている堰堤には、日本のチドリ類では最小種の小千鳥コチドリ)とイソシギ
コチドリ (2)コチドリ







日本で見られるコチドリ、正確には亜種で夏鳥なんですが西日本以南の温暖地では少数が越冬し留鳥化するんですって。つまりそれだけ豊かな生態系が保全されているんです。
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その中心となるのが、初冬の今は落ち鮎なんですね。

最後の大仕事
四国山地西部に位置し高知県との県境にも近い、西日本最高峰石鎚山(標高1,982m)山系一帯が冠雪した11月下旬。
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県東部の安芸市赤野川では、4月以来ずっと居付いていた淵から鮎の姿が見えなくなっていました。
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鮎に替わって淵に集まってくる魚影は、ウグイカワムツ
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ウグイカワムツ
縄張りを捨てた鮎を探してみましょう。
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淵からすぐの堰堤下、魚道口の溜まりに群れる多数の魚影、落ち鮎の大群です。
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河口から1キロ足らずの場所にあるこの堰堤。これより上流では、もう鮎の姿は見られません。
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上流から下ってくる鮎は一度この堰堤で大群を形成、その後順番に100尾前後の小群に分かれ、ゆっくりと川を下り低床が礫となる部分で繁殖行動に入るのです。
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つまり、この小さな群れは落ち鮎産卵群なんですね。
アユの生活史
思えば・・・
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春の稚鮎夏の若鮎
3月下旬には河川の河口部分に集結した無数の稚鮎が、4月なると一斉に遡上を始め5月には清流の香高い灰緑色の若鮎となって縄張りを形成。大きく成長してゆくのです。
サビアユ













秋のさびあゆ婚姻色
そして日が短くなり、水温が低下してくる秋になると、アユの体表には橙と黒の婚姻色が現れだし、今度は順番に春来た道を戻り出すんですね、来た時と同じ群れになって。このころのアユは『さびあゆ』と呼ばれ、摂餌量が低下、もう成長することはありません。そういった一連の刺激全てが、アユの身体メカニズムに変化を与え、今まで身体に蓄えたエネルギーを消費しながら雌雄ともに生殖巣を発達させて性成熟を果たすんです。
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産卵を始めたアユ 11月27日
11月下旬になると、下流部のいたるところで産卵鮎の波紋が川面に映し出されます。その水面直下ではアユの産卵が始まっているんですよ。このように勾配が緩やかになった礫河床が産卵適水域。

複数の雄アユが雌アユを囲んで、体側を圧迫しながら排卵を誘発、1個体2万~7万粒と言われる排卵と同時に放精するんです。その勢いは川面に波紋というより、時に水柱となって現れるんですね。
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産卵を終えた鮎は群れを解き、流れに身を委ね流されてゆきます。もう再び流れに逆らう力は無く、苔を食むこともありません。
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短時間で体幹麻痺に陥り、徐々に泳ぐこともできなくなり、最後の時を穏やかに迎えるのです。

緩やかな流れの河床に着底したアユの卵は、産卵後二週間程で孵化し、孵化後すぐに河口部の汽水域や海に下ります。卵嚢を消費する頃には口から摂餌が可能となり、アユ稚魚は海水域や汽水域で動物プランクトンを初期餌料としながら緩やかに成長し春を待ちます。

厳寒期のシラスウナギ漁、暗闇の灯光器にはシラスウナギばかりではなく、メラニン色素の沈着していない幼アユ(シラスアユ)も集まってくるんですよ。
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小春日和の初冬、最後の大仕事を終えた鮎たち、誇らしげでしたね。

(明日は、落ち鮎の恵みが育む豊かな生態系を記事にします。)

「高知家」自慢のの交流展
今年が第2回目となるものづくり総合技術展へ行ってきました。
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2013年の開催日は11月21(木)・22(金)・23(土、祭日)10:00~16:00。
会場となった高知ぢばさんセンターでは平日の午前中から結構な人出です。港を通じた国際ネットワーク組織、略称INAP2013アジアフェアも同時開催されているんです。
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地場食材にこだわった、フードコートも充実。
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見どころ満載のものづくり総合技術展なんです。
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大きなイベントを同時開催する高知県のねらいは、豊富な話題を設け広く全国の方々に高知の魅力を知っていただくこと。つまり来場者やメディア露出の機会を増やし話題性を高める訳ですから、各出店者としては本来の目的となるターゲットとの商談への導線を、いつもの商談会より綿密にシミュレーション しておく事が重要なのです。
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魅力多い高知県の地場産品。地産地消から地産外商への、商流を確立し拡大していくことが急務であると同時に、鮮度や品質に非常に優れた産品産出が可能な土地柄故に高知県が後進であるといわれる食品加工を、先ず「ものづくり地産地消」によって拡充していくことが、第2回目のメインテーマとなっています。

画像は、高知の食材加工を可能とする調理機材の提案やレシピ開発にも助力してくださる、食の専門商社(株)丸三さんのブース。
高知の特徴ある食材を使ったオリジナルソフトクリームの提案を行っていました。

交流というキーワード。会場には第一次産業(生産者)の皆様が、さらなる付加価値を創出するのためのヒントもたくさんあります。ご自身の夢を叶えるビジネスパートナーに巡り合える可能性もあるんですね。
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柑橘果実の洗果や搾汁。生産者さん自身のイメージを反映させる調整機能が充実。

最近注目を浴びるのが防災用提案商品
DSC05576防災ゾーンでは、多種多様な提案商品があります。

近い将来、必要な時が来るといわれている非常用備蓄食料
プレート型巨大地震「南海大地震対策」が急務となっている高知県の地方公共団体をはじめ、企業や病院、大型マンションの管理組合と多くの組織から、注文や問い合わせが殺到しているようですよ。

このように時代のニーズに応じた、商品開発や提案を迅速かつ小ロットで行える魅力的な企業が高知にはたくさんあるのです。

伝統の技
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明治中期から培ってきた匠の技を生かし、世界のブランド「トヨタ自動車」の高級クレード車種に、質感の高い部品提供をし続ける企業もあります。

伝統技術を生かし、芸術的ともいえる付加価値を創出する商品づくり。高級商品に不可欠な心の温もりを大切にした、土佐人気質の商品提案です。

高知県では産学官連携の仕組みづくりも盛んなんですよ。

さて、私たち高知県食品工業団地事業協同組合の取組は
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理事長、専務理事、さらに老舗菓子店の(株)青柳の部長さんが組合員の商品提案をしています。だるま味噌(株)さんは独立小間で積極アピール。
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展示会には参加しなくても、自前の情報発信チャンネルを持ち、実に効果的な情報発信ができている企業も多数あります、わが食品団地においても。でもこういった機会を積極活用し、商品開発、販路拡大、情報発信ができている企業もまた、活性化し続ける企業であることは、紛れもない事実なんです。
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㈲野村煎豆加工店さん、今流行のゆるキャラ作っちゃったんですね。やなせたかし先生のプロデュース、2013年11月生まれ「ミレーちゃん」だそうです。

地産外商にさきがけ地域の人々に自らをアピールするのが地産地消。更にそれが上手くできなければ、高知の官の担当者さんに自らの本気をアピールすることもまた、明るい将来に向けた企業戦略なんです。全てはこの展示会のキャッチフレーズでもある交流が原点なんですから。

謎の節足動物
梶ヶ森の管理林で見つけた生物。
ザトウムシ














判りますか?
日本近海の深海に生息する蟹、タカアシガニよりもずっと華奢で細く長い髪の毛のような脚の陸棲節足動物ザトウムシです。

タカアシガニ










タカアシガニ

まるでSF映画の地球外生物のようなザトウムシ座頭虫)は、節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目に属する動物の総称。画像のごとく足長グモと呼ばれるように、非常に足の長い種もあり、世界で約4000種ほどが知られるほど分化が進んでいます。


クモでもなければダニでもない。
多くは頭胴長が1~2cm程度と小型。頭胸部と腹部は密着して楕円形、くびれはなくクモ類のような腹柄はありません。外皮はクモの腹部のように柔らかくなくキチン質で固いんです。 本種体色は青い金属光沢を放っています。座頭虫と言われても通常頭胸部の真中に左右1対の目があり、歩き方が座頭を連想させるんですね。


ザトウムシ類は脚の長さで短足(ダニ型)・中足(クモ型)・長足と3型に分類。足の長いものは、前述のごとく非常に細脚で、10cmを越え18cm(オオナミザトウムシ)に達するものまであります。
通常昆虫などの節足動物やミミズなどの小動物を捕食するも、実は雑食性で死虫や菌類を食べる種もあるそうですね。ザトウムシ類はクモと異なり、雄が独立した交接器(性器)を有します。
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クモの場合は、雄は触肢( 口のまわりにある一対の髭様肢)が生殖器官を代用、1回の生殖行為で触肢1本が破損するため、最大2回しか生殖行動ができません。

造網性などによって行動範囲が狭いクモの生殖行動は雌の巣で行われ、研究によると血縁関係のない雌との交接には、近親間の交配と比べ長い時間を要するようです。そして雄は精子により遺伝情報を渡した後、カマキリのように雌に捕食されます。血縁関係のある雌と交接した場合だけ雄は生き延び、新たな機会を得るのです。これは近親交配率を抑える、クモたちの進化メカニズムなんですよ。

ザトウムシ












さて、民宿の壁にいたザトウムシを見つけた子供たちは可愛い?と言って大騒ぎ。家内を呼んで捕まえて観察を始めました。自分たちで捕まえる勇気はないようですね。ザトウムシには天敵に対する防御として、クモやサソリのような強毒の存在は報告されていません。 交接中の雄クモが雌から逃げる時と同じように、臭腺から忌避物質を分泌したり、足を自切し逃げようとします。 また接触されると身体を大きく揺すったり、地面で硬直して擬死する種もあります。
ザトウムシ (2)













家内と違って私はこういった生物には一切触りません。これらは私にとって不快害虫。神経が繊細ですから気持ち悪いんですね、家内は変わり者です。それを家内に追及すると・・・だからあなたと一緒になったんだそうです。トホホ
ザトウムシ (2) - コピー
付属肢は頭胸部に六対あり、1対の鋏角と触肢、4対の歩脚をもつザトウムシ。クモ等と違い専門に研究する人が少なく、謎多き生物なんですって。

第一人者になれるチャンスかも‼
でも、なんかの役に立つんでしょうか。

この日まで名前はおろか存在すら知らなかったザトウムシ。後日知たんですが、これには複数種が暗躍⁈しているんだとか。
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このずっと後の事、平成も終わった令和元年の5月2日のことです。

低山のスギ林の下でオサムシを探していて、スギ落ち葉の下に潜んでいたザトウムシ類と再会しました。
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コレって脚が短ければ見た感じは完全にマダニですよね。いつ見ても実に奇妙な生物です。

 

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