土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2014年01月

早春の鮮魚
早春といっても寒さが最も厳しい季節。黒潮流れる外洋でありながら常時潮の流れが速い室戸といえど、海水温が上昇しだすのはまだ先の事です。でも太陽が蘇りだした瞬間から、魚たちは春の準備を始めるんですよ。
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今さっき室戸道の駅のレストランでいただいた鮮魚、特に大敷もののブリが素晴らしかったんで、魚屋さんを覗くのも楽しみです。
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室戸市室津漁港近くの浦戸屋さん
これが大敷もののブリ
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紛れもない室戸の旬鮮魚
。今さっき食べたばかりですから間違いありません。8~10kg位の魚体で4000~5000円くらい。500円/kgといったところですね。3月頃まで大敷に入る回遊性ブリですが、実は2月に入ると寄生虫(ブリ糸状虫)が目立って来ます。天然ブリの証明でもあり、人には寄生しないんですが他の寄生虫と比べ大型(切れたワゴムみたい)ですから、できれば見たくないですね。体腔から筋肉にも寄生し筋肉組織に穴を空けていきますから、状態の進んだ疾患魚は痩せて原魚識別できますが、初期は全くわかりません。

実は私、この手の話が得意で魚食材の講演に呼ばれても殆ど寄生虫の話。その生活史に至るまで延々と楽しそうに話するんで、食材価値を高める目的で呼んだのに「何しに来たんだ」っていつも不評なんです。
ということで、天然魚を料理する時はびっくりしないでくださいね。魚に限ったことではなく、動物に限ったことでもなく肝要なのは何が危険かを把握することで、本来いるものがいないと危険という場合だって考えられるんですよ。それがその地域の健全な生態系なんですから。今は販売者じゃない、一消費者だから言える事なんですけど

ですから美味しい天然ブリを、ご自身で楽しく調理する場合できれば1月中に食べるんですよ。それ以降は魚屋さんで切り身を買ってください。理由は分かりますよね。ブリ糸状虫がいれば魚屋さんが除去してくれています。でもブリ糸状虫がいたかどうか・・・どうしても知りたければ、細目に身をチェックすれば分かります。牛肉の血管のような穴があいていますから。って何時もの調子になってきました
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1月にはクエ鍋が・・・
ブリの上に珍しい魚がいますね。地方名アオナ、スズキ目スズキ亜目ハタ科マハタ属標準和名ホウキハタ。成長は10kgまでの中型ハタでクエの仲間。この個体は5kgくらいでした。結構希少種なんですよ。
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ホウキハタEpinephelus morrhua の味
身のしまりが抜群の白身魚。鮮魚の身はクエよりも透明感があり、クエよりもあっさりしていますが確かな甘味がある高級魚なんです。お造りと鍋に最適の魚。今日は3500円/kgでした。実は鍋にして食べたかったんですが、17500円だったんで泣く泣く断念。でも1月にはいると高級魚のハタは、12月の半値くらいで入手できる場合もあるんで狙いなんです。5kgくらいの魚体は、使い勝手がよい分若干高めなんですよ。でもこの種は鍋食材にする場合、加熱とともに身がギュっと締り脂ののりも更に良く、大きいものほど美味です。
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良く取り上げるサバ。地物(大敷もの)でゴマサママサバが両方入荷していますね。ブログのお友達に聞いていたんで情報はあったんですけど。確かに地物ならではのお買い得価格ですね。
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2月に入ると入荷があれば、少々割高でもマサバがオススメですね。素材が良いんで料理のレバートリーも自由自在。3月になるとどちらを食材にするかで、料理の出来栄えが大きく違ってきます。マサバはゴマサバより季節差異が少ない食材。両種の見分け方、必ず覚えておいてくださいね。
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マサバを食材にした寿司

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こちらはオアカムロ。高知ではオアカムロをアカムロ、ムロアジをセイメイと呼びます。いずれもアジ科ムロアジ属の両種ですが、サバ様の体型で血合いが多く『あしがはやい』んです。
オアカムロ












オアカムロの刺身
でもこのように鮮度が良い肥えた冬場の大型ムロは脂がのってお買い得、刺身もいけます。漁師町地産地消の旬鮮魚なんですね。

他にも、ウッカリカサゴアヤメカサゴユメカサゴといった旬の底もの魚種がいました。
魚屋さんへ行くといつも時間を忘れてしまいます。

1月に咲いた桜
昨日より急に暖かくなった高知県。部屋の中にいると日中は暑いくらい。
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今日も冬型の気圧配置がくずれ、小雨模様で最低気温が8℃最高気温は16℃ありました。
そこで今日のタイトルなんですが、親族が受験に合格した話ではありません。本当の花の話なんです。
舟入川の土手で。
梅












でもこれは桜ではなく紅梅、 八重咲です。
梅は2月になると咲き出すんで、ちょっと早いくらいですね。
桜はこちらです。
河津 桜












国分川の土手に咲く河津桜です。
大島桜と寒緋桜の自然交雑種といわれています。
一般に桜とよばれる染井吉野より桃色が濃い早咲き桜。1月下旬から2月にかけて開花する種ですから普通なんです。
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高知、現在の寒緋桜

この前TVニュースで沖縄の寒緋桜が開花って報道されていましたが、高知で寒緋桜が咲き出すのは2月から3月。ですから河津桜のほうが速いんです。でもまだほんの少し咲いているだけですからね、ちらほら程度です。

花期が1ヶ月と長い河津桜ですから、あわてて見に行かなくても大丈夫なんですね。

群れを成す理由
国道55号線、室戸岬を通過して徳島方面へ針路をとると・・・
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いつも同じ場所で立ち止まってしまいます、特別用もないのに。
その場所は『野根』、高知県安芸郡東洋町で室戸とは20kmほど離れていますが、渋滞も信号も殆どない快適なマリンラインですから20分くらいで行けます。

何故『野根』で何時も立ち止まるかといえば、海も川も砂浜も港も空も埋め尽くす海鳥(かなり大袈裟デス)がいます。只事でない雰囲気、海鳥たちの為にイベントを開催しているんでしょうか?
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何時もは只々吃驚するだけで通り過ぎるんですが、今日はその理由に迫ってみましょう。一帯を散策するとどうやら海鳥たちの目当てはコレ。
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海鳥たちは、定置網に偶発的にはいる雑魚をいただいているんですね。
海鳥たち、今日の献立はオキヒイラギ。高知ではオキニロギの名称で親しまれている干物食材。各棘条(きょくじょう)が発達しており少し食べ難いんですが味は絶品。このように小さい物が食べ易く食材価値が高いんですが、何故か海鳥たちの餌になっています。
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多分毎日こういった状態で、索餌や狩りをしなくても好きな時に好きなだけ摂餌できるんですね、ですから想像もつかない数の海鳥が棲み付いている状態なんですね。カモメウミネコは繁殖期以外、特別な塒を持たず夜は海面でも岸壁でも砂浜ででも休みます。トビは港裏に迫る山樹で休み、は塒へ帰るんですね。

そんな団体さんをしり目に一羽寂しく低空を旋回している鷹がいますね。どうやらノスリのよう。ノスリが低空を飛ぶ時は、どっかへ留まりたいんでしょうね。
DSC09509ノスリ








追跡するとすぐ留まりました。
ノスリ (3)












ところで今日は、室戸へ海鳥を見に来たんでは無いんですね。
室戸の鮮魚を見に来たんです。
ですから私の昼御飯は、室戸朝獲れ鮮魚を日替わりで料理してくれる室戸市室戸岬漁港に隣接する海の駅「とろむ」のレストラン。
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今日のいちおし鮮魚はビンナガマグロブリなんですね。
古式捕鯨の町、室戸ならではのクジラ料理『くじらの竜田揚げ』もいただきました。
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年が改まると室戸近隣の大敷網には、毎年沢山のブリが回遊してくるんです。
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でも、高知の回遊ブリの品質はそんなに高くは無い…と思っていたんですが今年はちょっと違うみたい、素晴らしい状態です。
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キレの良い上質な脂は天然物ならでは。ブリは死後硬直が激しい魚ですが適度に食感もよく、薄く調理している所に素材毎の工夫を感じます。献立は少なくても、漁師町のこだわりを持って絞り込んだ提供料理。
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高知県食材にこだわり地物にこだわる『ぢばうま八』さんなんですね。流通が発達した今日、ここでしか食べれない食材ではなくても、ここでしか食べられない味があります。看板の心意気が伝わってくる、伝統ある漁師町の素朴で新鮮な味覚に満足しました。

この後は魚屋さんを覗いてみます。続きはまた明日

季節限定
冬の鳥を最もイメージさせる一般的野鳥といえば、容姿の優雅なツルや色彩の美しいカモ‼
でもどちらかひとつを選択するとなると、高知の場合はカモ種でしょうか。
ヨシガモ













何故カモかというと・・・
古くより狩猟鳥として食材利用された貴重なタンパク源、近代になるまで人との関わりが非常に強かった鳥類。
片やツルは現代のように環境破壊が進み、個体数が急速に減少するまではその食性より害鳥のみなされる場合もあったのです。一方カルガモも同様でありながら、アイガモは『合鴨農法』といって農業利用されています。

さらに種固有の目を奪われるような美しい発色と、種を越えた混群を形成し変化に富んだ色彩構成と個体群の多さでも非常に存在感のある野鳥。
高知のナベヅル










【南国市かいだ屋さんの前へ飛来した冬鳥、ナベヅルの群れ】
ツル同様一年中見られる鳥類では無いのが、里帰りを連想させ返って親しみを覚える。人の生活圏と同じ環境を好む身近さ。比較的個体数が安定しており、観察に気を使わない。

そういった理由で認知度も人気も他の野鳥より高いんでしょうね。
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さて一昨日記事にしたヨシガモの棲息する水路。
水門の向こうは海なんです。
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この水域(汽水域)には、どんなカモ種が混群しているんでしょうか。探ってみましょう。
ヒドリガモ群











最も多い種は『ヒドリガモ』。淡水ガモですがこのあたりの汽水域に多いカモ種です。
食性は雑食ながら、汽水域の藻類を特に好む植物食傾向が強く、時に水生昆虫や干潟の軟体動物を食べています。
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ヒドリガモはカルガモ同様、河川脇の岸に上がって陸上の植物を食べる姿がよく見られます。


この水域において、その他のカモ種は全て少数しかいません。
コガモ












体長40㎝に満たない『コガモ』はヒドリガモより淡水性の強い小型カモ種。食性は植物食で、潜水性は無く、水面から届く範囲の藻や水草などを食べています。小型ですから、天敵から逃れるために夜間も活動するカモなんですよ。
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内陸の淡水池では冬季普通に見られ、ヒドリガモ同様に個体数の多いカモ種です。この水域は汽水域ですから少ないんですね。
コガモ オスコガモ








コガモのオス
コガモ メスコガモ (2)








コガモのメス
今はオス同士で行動していますが、
コガモ 番











昨年内陸の淡水池で撮影したコガモの番
コガモ















2月に入ると、このように番での行動が見られるようになるんですよ。

そして一昨日ご紹介した、
ヨシガモヨシガモ (3)








ヨシガモ
オカヨシガモ












オカヨシガモ』(今日はいませんでしたが) ヨシガモ、オカヨシガモの食性はヒドリガモ同様ですが、陸上で植物を捕食する姿は見たことがありません。

その他、水鳥は
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留鳥『カイツブリ』がいます。食性は動物食の強い雑食。これまたコガモ同様に全長約26cmと、日本生息のカイツブリ科最少種です。でも潜水という特技を持っており、水面下での速度と継続性は天敵に対する、優れた防衛機能でもあります。
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他の地域で確認できるマガモカルガモ(カルガモは留鳥)ここでは確認していません。この水域は海水が流入する塩分濃度の比較的高い汽水域。100m先は開いていることの多い水門を隔て外洋なのです。
ヨシガモ (5)









私的には、またお気に入りのフィールドが追加になりました。家からも近いですし。

夕焼けの魚群
突然海面が波立ち雨のような音が発せられる現象。魚の群れが引き起こすこういった現象のうち、小魚がそれを餌とする肉食魚に追われ、海面で蠢く様を『なぶら』といいます。香南市の塩谷海岸では日没の前後、この『なぶら』が良く見られるんですね。
香南市塩谷海岸の夕暮れ












香南市塩谷海岸の夕暮れ
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なぶら』を形成する要因には、遠洋・沿岸に関わらず漁業として重要な魚種が一枚噛んでいる為、漁師は『なぶら』の出現には如何なる漁をしていても、四六時中細心の注意を払っています。
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小さな魚が海面に追われる状態を、何故か漁師は非常に遠くからでも識別できるのです。それは概して、『なぶら』には『鳥山が立つ』からなんですね。ちなみに『なぶら』も『鳥山』も立つと表現されます。
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早春の風物詩 塩谷海岸沖のサワラ漁
沖合の鰹漁くらい壮大な、『なぶら』や『鳥山』でなければ、海岸近くでも条件次第で『なぶら』は見られるんですよ。
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海岸付近でも見られる小規模な鳥山

今日の夕暮れ時にも、こういった海岸の岩礁地帯で魚が海面に群れています。でもそれが必ず『なぶら』であるとは限らないんですね。
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生物学的なぶらの分配法則
潮通しが良い岩礁地帯では時に潮流が激しく湧き上がり、そういった環境を好む多くの魚が一日のうちほんの短時間、海面近くに浮いてくる現象、例えばメジナ(グレ)の場合『湧きグレ』といった現象もみられます。グレの冬場の餌となるちぎれた海草が磯際の湧昇流によって浮上し、それを追って活性の高いグレが群れを成し浮上してくる現象ですが、厳密にはこのグレの群れは、『なぶらの法則にはあてはまらないのです。つまり『なぶらの公式とは魚同士の食物連鎖によって発生する動物間の営みを指すもので、その対象は原則追われる魚の群れなんです。
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何れにせよ魚類が通常遊泳層よりも浮上してくる場合、追われるという現象でなければ非常に活性が高くなっている証。目の前に餌を投入すれば高い確率で喰らい付いてくるのです。でも逆に、人から見えている魚は当然むこうも人の存在を意識していますから、警戒心を煽っては元も子もないんですよ

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