土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2014年03月

珊瑚礁の鷺
夕方の香南市塩谷海岸。引き潮の岩場に飛来した黒彩の中型鷺(サギ)。
黒鷺













黒鷺クロサギ)学名:Egretta sacra です。クロサギは、コウノトリ目サギ科に分類される中型のサギ。
実はこのクロサギ、とっても紛らわしい生き物なんですよ。

まず第一に、高知でクロサギと言ったら
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普通はこの魚を指します。しかも漢字で書いても黒鷺と全く一緒。クロサギは、スズキ目クロサギ科に分類される食用沿岸性海水魚。ときに河口の
汽水域にまで侵入します。小骨が多く、調理方法は酢の物「きゅうりもみ」にしますね。

でも今日の主役は海水魚じゃないんです。
クロサギ












改めてご紹介します。こちらが今日の主役で本家本元の元祖『黒鷺』、高知では繁殖もする
留鳥、ですから周年観察できるんですね。でも滅多に見ません。

黒鷺クロサギ生態
その大きな理由が他のサギの様に、コロニーは形成せず、単独もしくはペアで生活するんで目立たないんです。
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鵜の飛翔姿
紛らわしい理由、第二は
クロサギは、昼行性で海上を低空飛行し獲物を探すんですが、その飛翔姿は鵜とも識別が難しいんです。勿論、至近距離で注意して見ると識別できるんですが、クロサギの分布は、やや局地的。数は多くないんで、高知の海岸で黒鳥を見ると、最初から鵜だと思い込んでいるんです。
クロサギ












紛らわしい理由、第三がすごいんですよ
クロサギは黒鷺でありながら、色彩変異個体が顕著に出現するんです。黒色型が通常出現する訳ではなく、黒い羽と白い羽が両方羽毛に現われる中間色型、さらには真っ白い白色型の3型出現するんです。

この色彩変異、性別などは関係なく、黒色型は北日本に多く黒い岩場に適応し、南西諸島等に多い白色型は白い砂浜・珊瑚礁に適応したものと考えられているんですよ。
コサギ (6)
コサギ
クロサギは全長60cm強ですから、同じ留鳥の小鷺コサギ)学名:
Egretta garzettaとほぼ同型に見えるんです。実はコサギも南半球には局地的に色彩変異があり、暗灰色をした暗色型がいるんですよ。

クロサギの食性は肉食性、この岩場で魚類、甲殻類、貝類等を食べているんです。
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ほら、早速イソハゼをつかまえました。

春になれば
春になれば味噌汁の具材が変わるのを、子供心に覚えているのです。
それがこちらの二枚貝。子供も大好きな食材、食感よく美味しく色彩豊かな『アサリ』。
アサリ味噌汁












冬の間は、黒っぽかった貝が春の訪れとともに、急に色彩豊かになるのには驚きました。
でもそれは、ただ単に冬食材が春食材に換っただけ、『シジミ』が『アサリ』になったのです。

アサリの旬
 周年的に漁獲できるアサリですがは一般的に春とされています。アサリの産卵期は、海水温が20度前後となる春と秋の2回あり、 春の産卵を控えた時期は身が肥えてきて、貝類に含まれるうま味物質コハク酸が増加。広島大学の研究では、コハク酸はその濃度が一定以上になると、人体の消化器系の癌リスク(がん細胞の増殖抑制効果)が軽減されることが確認されています。

シジミ』と『アサリ』、どちらも古い歴史を持つ日本料理の伝統的食材。両種とも底質が砂や砂泥地の浅瀬を好むも、シジミは淡水性、アサリは海水性から各々、弱冠の汽水域では生息可能でも、すみかを共有することはありません。
浦ノ内湾










同じ湾内に生息していてもシジミは河口部まで、アサリは湾口部に集中しています。アサリはシジミ同様、干満による緩やかな流水には対処できても、激しい波浪を嫌い、激しい塩分濃度変化には対処できないのです。さらにアサリは干潟に棲む濾過摂食生物の一種で、湾内の水質浄化にも貢献しています。

アサリは人の傍らで、多くの環境と関わり合いながら生きているため勿論、稚貝放流など保護を受ける反面、急激な環境変化によって日本各地の産地から姿を消し、個体数を減らし続けています。

原因は、異常気象による閉鎖水域の激しい塩分濃度変化、地球温暖化による水温上昇や天敵種の増加。沿岸域の富栄養化による藻類の繁茂など複合的要因により、北海道など限られた水域を除く多くの産地で、自然個体群の再生産が急速に悪化、前述のとおり漁獲量が激減。、北朝鮮や韓国並びに中国などからの輸入品が食材代用されているのです。

アサリは複合的要因により個体数を減らし続けているわけで、再びアサリの生息できる環境を
取り戻すことは容易ではなく、日本人は今また貴重な資源、重要な環境指標を自然な流れではなく、失おうとしているようです。

心地よい風
昨日は春海の営みを取材しましたが、本日は陸上の生き物の様子を画像に収めてきました。
今年初めて、午前中から吹く風が心地よく感じる里山は、初夏の陽気。
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今週始め、南国市の平野部では田植えが始まりましたが、低山里山の棚田でも準備万端の様です。
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気が付かないあいだに野苺の花散り始め
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コバノランタナ
には、雌雄のツマキチョウが盛んに訪れています。
ツマキチョウ












3月中旬には飛翔を始めたナミアゲハ
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今年初めて、吸蜜する姿を画像に収めました。前翅長は4cmほど、春に発生する春型個体らしいナミアゲハです。
これら新成虫に混ざって
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越冬種の姿もたくさん見られるのが、今の季節の特徴なんです。

海の黒旗
春本番の香南市塩谷海岸には、
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季節を象徴する海の生き物と、海に生る人の営みが数多く見られます。
春になって活気づくのがアオリイカ漁。周年、少量漁獲される漁獲のアオリイカが、毎年この季節になると纏まって水揚げされるんです。
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アオリイカは海水温が温む春になると、産卵のため海岸近くの浅場にやってくるんです。
産卵










そして海水温が17度以上になると、岩の隙間や海藻やに豆鞘状寒天質の卵鞘を一ヶ所に固めて産卵し始めます。
塩谷の海をすっと見守ってきた漁師さんたちは勿論、その時期もアオリイカが集う場所も熟知しています。
それがここ。
アオリイカ籠漁












波消しブロック の内側先端。波静かで適度な潮通しがある浅瀬、優れた産卵環境を兼ね備えた場所には、多くの目印(黒旗)が立っています。
海面に浮かぶ黒旗の下にあるのは大きなカゴ。カゴの中にはアオリイカの産卵床に見立た木の小枝を配置し、産卵を控えた大型のアオリイカを籠中へと誘引するんです。
アオリイカ籠漁












さて、このアオリイカ籠漁 。産卵期のアオリイカを狙う漁なんですが、完全受け身の漁業法ですから、環境問題はないようですよ。

大黄花片喰
春の道ばたに咲く爽やかな黄色の花。オオキバナカタバミの花を見つけました。明治時代観賞用に南アフリカより観賞用に移入され、温暖な高知ではこのように自生、帰化植物となったカタバミの仲間です。
オオキバナカタバミ













大黄花片喰オオキバナカタバミ)はカタバミ科 学名:Oxalls pes-caprae

カタバミ科カタバミ属の多年草在来種がこちら。
カタバミ 花












ヤマトシジミの幼虫食草でもある片喰カタバミ) 学名: Oxalis corniculata  です。
チョウチョウ (2)







ヤマトシジミ
そのカタバミよりもずっと大型(花径3~4センチくらい)なのは字の如くなんですが、
大黄花酢漿草










色彩は淡い黄色の花びらなんです。

ところで春咲く花は黄色が多いと思いませんか。
花の色彩には、種としての大きな戦略があるんですって。
シロチョウ










オオアラセイトウ

温帯に多い昆虫は、紫系統の色を好み、熱帯に多い昆虫や花蜜を求める鳥は、赤系統の花色が大好きだそうです。
椿寒桜(ツバキカンザクラ)










ツバキカンザクラ

早春には活動している昆虫が少ないので、紫や赤い色彩にこだわらない黄色のような色彩の花が、花粉媒介者の誘引に有利になり、
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早春の日本には黄色い花が多く見られるとのことです。

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