土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2014年10月

三千年の時を越えて
印度を発祥起源とする歴史と伝統、そして神秘に満ちた密教の修法に参加させていただきました。史節によると古代インドの民族宗教バラモン教から取り入れられた、、大乗仏教の限られた派による秘密の教え(密教)にのみ存在する修法だそうです。
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護摩供とは釜で火を焚いて火の神などさまざまな神仏の降臨を念じ、願いをささげる祈りの儀礼です。多くの不安要素が増大しているといわれる現代社会において、護摩供への参加は近年増加の傾向にあると聞きます。
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火の神への願い
人々が護摩木に書いた願い事は「心の迷い」「煩悩」。護摩供とは勢いよく護摩木(ごまぎ)を燃やし、仏さまの悟りの智慧の炎で、無用な欲望や怒り、執着などを焼き滅ぼすことを目的とする儀式なのです。そして、その炎と煙が天界に到達することで、願いが世の多くの人々に良いかたちとなって届くと言われています。
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この護摩行によって行者もまた、自身と宇宙の本性の中心である不動明王との完全なる一体化を果たし、自他の罪障(ざいしょう)や煩悩を焼き尽くすと言われています。

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密教が基調とするのは、大自然との共生。行者は自然への畏敬の念を抱きながら日夜修行を重ね、護摩行もこれらの修行の一環として重要な要素。
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伝統という意味では、護摩供の後、「散餅銭の儀」が執り行われました。
分かり易く言えば餅投げ餅まき)で、高知ではこれに参加することを『餅をばう』といいます。
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主に“餅をばう”のは、建物の新築の際に行われる祭祀で上棟式終えた後、建設中の家の屋根などから行われていました。ところが近年では、建て売住宅の増加や、地域付き合いの希薄化が原因となって餅をばうのがめっきり減少、ばうどころか見る機会も無くなったんです。
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散餅銭の儀」は、災いを払い、感謝の意を表し、分かち合う気持ちを表す儀式。平安時代から鎌倉時代にかけて広まり、庶民行事として定着したのは江戸時代といわれています。

変わりゆく庶民の暮らしと、古よりの人々の長く変わらぬ自然への思いを、密教の修法に垣間見た一日でした。

ありふれた花への思い
9月の三宝山を飾る花として選んだのがアサガオ。高知で遅咲きのアサガオが結実する季節を迎えると、変わって毎年当たり前のように山野を彩る花々があります。
10月を代表する、三宝山の山野草たち、
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先ずは野の菊です。道端に紫色はまとまって咲き、黄色は所々に分散して咲いています。
紫色の花はこちら。
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野紺菊ノコンギクAster microcephalus var. ovatus シオン属の野菊です。色彩や形状など、かなり見かけの異なるものがあります。
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原産地は日本で、花期は8月から11月。耐寒性の強い多年草。舌状花は白、紫、黄色と色彩ゆたか、筒状花は黄色と名実ともに和の香り漂う花。本種から選抜された園芸種が紺菊(コンギク)です。可食草ですが葉茎の食感は良くなく、花は季節料理の盛り付けの飾りになります。

黄色い花は、
ツワブキ












艶蕗ツワブキFarfugium japonicum キク科ツワブキ属の多年草、日陰を好みます。

このように花期は10~11月なんですが、キク科フキ属の多年草フキは寒くなると地上部は枯れ朽ちるも、ツワブキは冬でも濃緑の葉が枯れずに茂っているので、我が家の庭にも植えています。でもフキとツワブキの最も大きな相違点は、ツワブキの健康を害する肝毒性有毒物質ピロリジジンアルカロイド)。以前フキにも肝毒性が強いフキノトキシンという物質が含まれると紹介しましたが、フキは少々の摂取では問題ないと言われています。
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ツワブキに誘引されるアサギマダラ
ですから、フキは春山菜として人間に食材利用されるんですが、ツワブキを好む昆虫もいるんですね。幼虫期からピロリジジンアルカロイドを積極摂取することで、天敵からの防衛能力を備えるアサギマダラです。

これらユリ科の花々の隣にたくさん咲く花があるんですよ。
ホトトギス












以前ご紹介した
ユリ科ホトトギス属の多年草ヤマジノホトトギスと同属の杜鵑草Tricyrtis hirta です。
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ホトトギスも山野の林縁部、日当たりの弱いところに自生しツワブキと共に見られる場合が多いのです。
ホトトギスにはホシホウジャクがしきりに吸密していました。
ジョウビタキ












これらの秋花が三宝山に咲き揃う頃には、冬鳥のジョウビタキも高知へ戻ってきています。
渡り鳥たちも、そろそろ冬備えの季節なんですね。

悪食魚三種
秋になると水鳥観察で賑わう石土池。土日には、さらに多くの人々がボート持参でこの池を訪れます。
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ボート持参の人々の主目的はルアーでの釣り。ターゲットとするのは、特定外来生物でブラックバスの名で総称(8種11亜種)される魚類。そのうちの一種で高知では最も環境破壊が懸念されている種がこちら。
オオクチバス
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種名は『オオクチバスMicropterussalmoides
原産地は北アメリカで通称フロリダバス。全長50cmを越え大きく成長します。世界規模で猛威をふるっている侵略種で、一部の国では生体移入が禁止されています。日本でも各地で意図的な放流が行なわれてきた可能性が指摘されている人気の釣り対象魚で、業界ではこの魚を対象とする、タックルの開発・販売が一大産業となっているほどです。

ブルーギル
オオグチバスと同じサンフィッシュ科Centrarchidae の『ブルーギルLepomis macrochirus がこちら。
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原産地は北アメリカ東部。全長25cmほどに留まる分だけオオグチバスよりは環境破壊は軽減されるも、侵入・定着水域においては、既存小型魚類は激減又は撲滅に至ります。

現在、特定外来生物に指定される魚類は14種で、日本においてこの2種を見ない水域は非常に少なくなっています。また特定外来生物でなくても外来生物法によって要注意外来生物に指定されている魚類がこちら。

カムルチー

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カムルチーChanna argus は、タイワンドジョウ科に分類される魚の一種。これらの科の総称である雷魚ライギョ)の名で知られる魚種です。日本のカムルチーは1920年代前半、中国亜種を移入したものが各地に定着しています。

当該魚種は最大90cmに及び、ヘビの様な体表紋様。今日紹介の3魚種は昆虫類、甲殻類、小魚を大量に捕食、大型魚はカエルなど水生動物ほか、時には水鳥の雛やネズミなどの小動物まで幅広く捕食します。その中でもカムルチーは凄い特技を持っていて、空気呼吸ができるため、溶存酸素量が少ない劣悪な水環境でも生存できるんです

カムルチーは前述2魚種とは移入目的が異なり、食用淡水魚として養殖目的で移入された魚種なんですよ。でも見かけがヘビみたいで、更に生食に限っては顎口虫症の危険もあるため、まず食用となる事は無く、結局は淡水の巨大魚釣りとして高い人気を博しているのです。

黄金の蛹
里山の紫陽花の葉で、金色に輝く蝶のサナギ(垂蛹)を見つけました。
まるで光の加減によってイスラム陶器のラスター彩が醸し出す、神秘的な色彩変化ラスター現象を見ているようです。
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以前沖縄の蝶園で見たオオゴマダラの蛹も明るい黄色だったんですが、今回見つけた蛹は光の角度によっては、まさに黄金色に変化。対してオオゴマダラの蛹は古代エジプトの至宝、ツタンカーメン像を思わせる黄金色です。
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オオゴマダラとサナギ
タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類されるオオゴマダラ。秋になると毎年ご紹介するアサギマダラも同亜科に属し似た形の蛹です。
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アサギマダラとサナギ
蝶のサナギは大別して帯蛹垂蛹に別れ、他にもセセリチョウシジミチョウなどは、例外的にそれに属さない種もあります。蝶は完全変態昆虫、蛹というステージを経て、貯蓄形から移動力の優れた運動消費型へと変貌するんです。外見的には休止状態にあるサナギ、実は外殻の中では生態的に、最も目まぐるしく変化をする時期で、一部の器官を除き殆どの組織は溶けるように分解され、全く異なる形態に再編成されるのです。
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クワガタムシ蛹の蛹室
ですから、多くの種においては蛹化に際しては繭や蛹室を形成し自らを保護、外部からの震動など刺激を受けると蛹は死に至る場合も多いのです。

さて、このように完全変態をする昆虫は、幼虫から蛹、成虫へと劇的に体型変化するわけですが、チョウの場合、慣れれば幼虫や蛹のステージで種名を識別することは可能です。多くの場合は体色や体型で識別できる他、幼虫の場合は食草でも推測できます。
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ところが蛹になると、一概に食草上で蛹化するケースは少なく、食草から10m以上移動して蛹になる場合もあります。食草の葉上で蛹化すると後の幼虫に葉を食べられ落下する危険性もあるのです。
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ヒメアカタテハ
そこで今日冒頭でご紹介の蝶の蛹。私はタテハチョウ科タテハチョウ亜科アカタテハ属のチョウ、もっと絞れば種名はヒメアカタテハVanessa cardui だと推測しています。
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ヒメアカタテハの幼虫食草のひとつがヨモギ。このあたりには、どっさりあります。高知でのヒメアカタテハ越冬態は不定。つまりあらゆるステージで高知の冬が越せるのです。冬を控え蛹がどう変化していくのか、楽しみです。

ところが・・・
2日後の日が昇ったら、早くも羽化していました。はや
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正体は『アカタテハ』、前翅の翅頂部が突出しています。これに対してヒメアカタテハのそれは丸みを帯び滑らかなんです。いずれにしても、成虫で越冬するタイプだったんですね。
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アカタテハ
アカタテハ幼虫の主食草はイラクサ科のイラクサ、カラムシ、ヤブマオなど。これまた、このあたりには、どっさりあります。ということで、今回のタテハ蛹当てクイズは失敗に終わりました。

漁魚を愛でる
限りある海産資源を有効利用するのは、海の男たちの使命。毎回釣行した後には、私達は個々最良の方法で、漁した魚に敬意を払い自らの生きる糧にするのです。その点、私たち『中村水産』の面々は会長を始め、皆が食のスペシャリストですから、漁魚の処理には長けているのですが、今回はいつも以上に卓越したレベルなんです。
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ということで、高知県食品工業団地の新規組合員『 株式会社坂田信夫商店』さんの主催で、先日の釣果披露と食材利用を兼ねた、昼食会が催されたんですよ。会場は地物食材に精通した、サニーグループ回転寿司舗『寿し一貫』さんです。
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この料理のどこかに私達が水揚げした魚類が食材利用されているんですね。釣った魚が、これだけ食材活用されれば、私達も紛れもない漁師軍団『中村水産』漁労部門なんです。
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来賓の皆様も、個の鮮度と寿司ネタには大満足。心のこもった漁師のこだわり満載の昼食会になったんです。ただ、目的に賛同し時間を共有するだけではない、深い深い絆が育ち広がる会合。一気通貫末広がりなのです。
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更に、釣った魚を干物に仕上げたお土産付き。いかがですか、『中村水産』のおもてなし。こんな心温まるイベント昼食会は、あんまり無いと思いますよ。
これが昨日ご紹介、サニーグループの『一気通貫』のおもてなし 企画から生産・流通・販売まで、つまり最初から最後まで一貫したサービスを、私生活でも実践可能としているんですね。

皆さんに喜んでいただけると又行きたくなちゃいますね。とびっきりの旬鮮魚を釣りにこれも、顧客満足の追求

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