土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2015年04月

春の追伸
記憶にないくらいの春の長雨が明け一転、好天続きの香南市山北、いつもの様にヒトツバタゴの花が咲きました。
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今日は、今春当ブログで記事にした、香南市の人の傍らで息づく動植物のその後を追ってきました。
先ずは、3月25日の記事『』から。花が終われば結実なんですが、
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果実はこんな状態。この種の特徴なんでしょうか、頗る結実率が悪いです。
ちなみに我が家のキイチゴ4月10日記事の『 』の果実は、
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勿論、同じような未熟果実なんですが、どっさりと結実していますから、食べる日を楽しみにしています。
ところでナガバモミジイチゴの木の周りに、たくさんさいていた草苺(クサイチゴ花は、
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このように、ほぼ熟成していますから、果実成長速度は木苺より早いんですね。

次は4月19日の記事『』のその後です。
雨が降らなくなって以降、連日トンボ池ではギンヤンマたちの羽化が凄いようで、
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羽化殻が葡萄の実のようになって来ました。でもこれは異常発生ではなく、毎春見る通常の光景なのです。
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そして4月26日には、既に次世代への交代が始まっていました。
クロスジギンヤンマのメス単独での静止接水産卵です。

最後に、4月17日の記事『 』ですが越冬ガモのコガモは繁殖へと北へ旅立ってしまいました。その替わりに新しい家族が増えていたんですよ。
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新生、バンの雛で大きさは女性のぐらい。黒い毛虫の様です。2羽いました。
次にはどんな追伸がお届けできるんでしょうか

益虫害虫
越冬していた幼虫が蛹化・羽化を経て地上で活動する甲虫の中で、春早くから活動する種が『コアオハナムグリ』。幼虫は分解の進んだ朽木や堆肥中でそれを食べながら成長する、カブトムシ幼虫と同じような食性です。ところが、成虫の食性は花蜜や花粉ですから、春の花々が咲くころには成虫が活動を始めます。一方カブトムシは、広葉樹の樹液が十分に分泌される季節までは成虫活動しません。
コアオハナムグリ












このように里山を中心に多くの甲虫が活動し出す季節を前に、今日はそれらの活動や自然界での働きを少し整理してみましょう。さて冒頭のコアオハナムグリは、甲虫目カブトムシ亜目コガネムシ科。ここでカブトムシ亜目は別称多食亜目 、甲虫の9割がこれに該当する甲虫類4亜目最大のグループ。コガネムシ科の他140科以上に分けられ、多様な特殊化により分化を遂げ様々な自然環境に適応しているんです。

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マメコガネ
さ~てここで、ゴガネムシ科についてなんですが、コガネムシハナムグリ、更には雑木林で良く見るカナブンの見分け方ってどこなんでしょうね。害虫がコガネムシって分類する方もおられるそうですが、それはご自身の生活の中で、それを実感する経験をされた方で、ご職業や趣味で自然と接する機会の多い方だと思います。ですから、正解なんですね。コガネムシ幼虫は土中で植物の根に危害を与え、成虫後も草食で時に作物の葉っぱを食害します。まあ後のカナブンやハナムグリが人にとって益虫かというと疑問なんですが、コガネムシよりはマシなんですね。
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カナブン
害虫か益虫の判断は、人にとっての有益性と有害性を総合的に判断するもので、近年非常に微妙な場合もありますね。例えば、人に害を与える虫に対し天敵となって捕食しても極端な話、堪えることが出来ないほど見た感じが悪ければ不快害虫という範疇に入り駆除対象になるんです。虫の世界に限っては結構、見た感じも大切なんですね。
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見た目でいえば、食性の違いは長い進化の中で体型にも反映される筈で、コガネムシに比べカナブンやハナムグリは樹皮の間に潜り込みやすい様に、前胸背板後端から上翅背が平面となり平たく見え、コガネムシは丸く見えますね。でもその違いは、どちらが素敵というものではありません。カブトムシは樹液に群がる反面、体型は丸いのですが他の甲虫と比較して概して大型であることで、樹液の出る場所では好位置を維持できるメリットを優先し、身を隠す手間を省いたんでしょうね。そういう意味で話を進めると、大型のコガネムシ科には、カナブンやハナムグリの名を持つ甲虫でも、オスは角を持つ種が珍しくないんですよ。
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樹液にきたハナムグリ
それでは、昔からの伝統的な害虫の範疇を追求すると害虫とは概ね、農業害虫とか衛生害虫とかいうものが特にピックアップされるんでしょうか。コガネムシの場合は、その食性において、種によっては重大な農業害虫なんです。ハナムグリに関しては、一般的に花蜜に誘引され自然下ではそれらの結実に有用な昆虫ではあるのです。でも、ハナムグリの場合多食亜目を地で行く甲虫で、羽化後の成虫後食は多岐にわたり、花蜜や樹液の他、果液などと強い生命力を持つ要因ともなっているんです。

ですから、特定外来生物法や、希少種の中にはワシントン条約で輸入の他、飼育・販売が規制されている甲虫は複数あり、その他植物防疫法によって原則的に輸入が禁止されている種もあるんですって。

それらには、害虫というだけでなく、既存種との交雑が懸念される種も含まれているんですよ。

河原藤
ご存じですかカワラフジ。花が美しい黄色であることを除けば確かに容姿はフジのようです。日当たりのよい比較的内陸部の河原などに自生する日本原産種で、藤に似ているのでそんな名前が付いたんでしょうか。

さらに、たくさんのクマバチが吸蜜する姿まで藤の花と同様。
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マメ科ジャケツイバラ亜科ジャケツイバラ属のつる性落葉低木で、他の木本に絡み付いて立ち上がり時にそれら木本を枯らして、陽光を確保する様はまるで複数の蛇が結び合っている様。
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さらに、若い内から茎と葉軸の裏面に鋭く丈夫な逆刺を隠し持っているんで、ついた名前が『蛇結茨ジャケツイバラ)』Caesalpinia decapetala var. japonica。これが本来の和名であり日本原産のこれらは、中国原産のシナジャケツイバラを母種とする変種として現在のように学名も訂正されたんですが、それまでの学名はシーボルトが付けたものだったそうですよ。
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雌しべをエスコートするかの如く包囲している10本の雄しべは蝶の腹部を連想させ、大きく開く5枚の花弁は僅かに左右不対象で、羽ばたく蝶の翅に見え、咲きそろった
花序は黄色い蝶の群れにみえるのです。
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結実した豆は有毒なんですが、古は生薬利用された植物でもあるんですね。
このジャケツイバラの撮影場所は、香南市三宝山の西斜面中腹。高知県道385号線脇の岩石状の土壌に咲いています。

生き物たちとの間合い
黄菖蒲の花が開花する頃になると
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香南市香我美町の蓮池に暮らすヒクイナたちも、段々と心を開いてくれるようになりました。
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最初は私も身を隠し、密かに撮影していたんですが、徐々に相手にも私を意識させ、今は思い通りのアングルで撮影させてくれるようになったのです。

つまり、ヒクイナとの間合いを随分詰められる様になったという事なんですね。でもそれは、決して自然動物との接触法を逸脱するものではないんですよ。
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最初は警戒して、姿すら見せてくれなかったヒクイナですが、今では連れ合いも紹介してくれますし、大きな水音を立てて水浴びをした後、羽づくろいの姿を見せてもくれるのです
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同じ自然環境を分かち合って暮らす動物同士、普通のお付き合いをさせていただいているのです。
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ですから近々、新しい家族も紹介していただけそうなんですね。

コガタノゲンゴロウでしょうか
4月23日のブログ記事(取材日22日)の中、昔の思い出を辿って何気なく書き綴ったゲンゴロウ記事だったんですが、たくさんのコメントを頂戴して驚きました。なかでも、高知のゲンゴロウ分布にお詳しい、ご自身もゲンゴロウのサンプリング経験を持っておられる方から、専門的で興味深いメールをいただき、ド素人魂に火がついたというか・・・もっとゲンゴロウのことが知りたくなって、3日前に伺ったばかりのモネの庭へ朝から行ってきたんですよ。
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そしてこれが、間違いなくゲンゴロウが生息しているモネの庭(水の庭)のスイレン池。たった3日で温帯スイレン『フロエベリ』がどっさり開花しています。
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事務所へ行って営業部長さんに、頂戴した貴重なコメント内容と私のブログ、撮影したゲンゴロウの画像をお渡しして調査をお願いした後、お互い共通の知人を持つ北川村「モネの庭」マルモッタンの庭園管理責任者で、カリスマ庭師としても有名な川上 裕さんにご挨拶して、水の庭の変遷を伺ってきました。

川上さんも勿論なんですが、こちらのスタッフの皆様は来場のお客様に、すごく丁寧で様々な質問にお答えしておられます。私も川上さんにゲンゴロウの隠れ家を教えていただいたんですよ。
それがこのスベース。
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この水生植物の中にいるのを、二・三日前に見たそうです。普段は根元の水苔の下に隠れていて、たま~に出てくるそうで、姿を現す前兆が泡を出したり無風でも水生植物が揺れたりするんですって。
そこでカメラを構えて息を潜めていると・・・
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先ず現れたのはヨツボシトンボ。この草むらで騒々しく打水産卵を始めたんですよ。
でも、トンボは全然大丈夫なんです。肉食性のゲンゴロウは、接水静止産卵するヤンマを襲って食べちゃう位に獰猛なんですから。トンボの侵入はno problemなのです。
そして・・・
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ゲンゴロウが現れました。が、先日見た個体よりは幾分小型なんです。黄色の縁取りが目立ちますから、クロゲンゴロウではありませんよね。
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じっと見ていると複数のゲンゴロウが一瞬だけ息継ぎに水面に浮上してきます。捕まえて見た訳ではないのですが、目測では今日見た個体は3㎝無い様に思います。
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腹節の腹側が黒色なので、コガタノゲンゴロウだと、私は思います。
そして、全てが同一種であるのかも不明。
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こちらなんか、黄色い縁取りすら確認できませんから。

川上さんにお伺いした話では、毎年2月に池の水を抜いて、池底の土壌整備を行い、スイレンに適した土壌づくりを行った後、近隣の奈半利川の水を入れるそうですね。3年前から農薬の使用を止めたそうで、それからゲンゴロウやヒメボタルが見られるようになったそうなんです。
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その後は、池の循環設備によって、取水を紫外線殺菌し藻類の繁殖を防ぎ、濁度を調整しているとの事です。池に複数個所ある放水口の付近では、流水域のような水流を確保。変化に富んだ水辺環境を作り出しています。

水生昆虫の餌料となるメダカは豊富にいて、水生昆虫を捕食する外来魚はいません。人が作り出し、人が維持管理している素敵な水の庭。北川村「モネの庭」マルモッタンは、私のお気に入りの場所、特別な場所なんです。
そして、そして、
モネの庭の睡蓮池にそろそろ秋の気配が漂い出した頃、このゲンゴロウの鮮明な画像撮影に成功しました。
コガタノゲンゴロウ (2)











その画像がこちらです。その様子は9月のモネの庭訪問ブログで詳しくお知らせしますネ。

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