土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2015年07月

ツユムシの幼虫たち
梅雨明けとともに、草地の葉の上に現れたのは多くのツユムシたちの幼虫。
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こちらの幼虫は昨年10月にこの草むらで、命をつないでいた『サトクダマキモドキHolochlora japonica』の幼虫です。高知でも5月末頃から孵化し始めるため、未だ若齢幼虫です。通常6回の脱皮を経て成虫化するツユムシ達の中には、すでに6月には羽化し、成虫化ている種類もいます。

サトクダマキモドキの成虫化は高知でも8月末頃から。ですか今は体長1㎝にも満たないのです。
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でももっと小さいツユムシの幼虫がいるんですよ。こちらは『セスジツユムシDucetia japonica』の幼虫です。

梅雨が明ける頃、自然界ではもう着々と次の季節の準備が進んでいるんですよ。

古都を味わう
先日、少しだけご紹介させていただいた『貴船の川床』。今日はその続編です。
その前に京料理のイメージは、素材の味を活かす洗練された薄味調理を組み合わせ良く順序立て、料理の味だけでなく、器や盛り付けに工夫を凝らし、日々変わりゆく自然美の演出をも巧みに利用し、見た目や雰囲気を含めて五感で愉しむ料理。豪快な土佐料理を嗜む民から見ればそんな感じです。
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古都、京都は隣接する大坂と共に日本の食分化の中心地として長く認識されてきました。

両者は近隣にありながら、特に海産物の食材調達において、大きく異なる立地条件差異かありました。その結果、鮮度保持の難しいかった時代から京料理としての絶対的暖簾が確立するまで、両者にはその方向性に大きな違いが生まれています。大坂は新鮮な海産資源に富み、それに乏しかった京都では、素材を活かすための保存食加工調理技術の発達が見られるのです。そんな京料理においては、時代ごとに様々な和食の手法や特徴を取リ入れ、そこから個性豊かに発展する中で、今度は全国の郷土料理に刺激を与え現代においては京料理こそが日本料理の真髄と認識されることが多いのです。
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新鮮な魚介類の調達が難しいとされた一方で古都・京都には、若狭国嶺南と京都間の海の幸を運ぶ『鯖街道』、京都中北部の河川の鮎を・丹波・園部・八木・亀岡を経て京都へ川の幸を運ぶ『鮎街道』など、京都の中心部へ近隣の水産資源を調達する為の、流通経路が古くから整備され、昭和の中期まで活用されていました。
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川床鱧コースのお品書き
そんな京料理の歩んだ時代背景の中、今回の京都探訪では貴船の川床、夏の京料理を味わいました。体験したのは6月1日から9月30日まで貴船の天山の湯で提供されている川床鱧コース
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ハモ)は京料理に欠かせない夏食材。名前由来は、全ての歯が犬歯状で鋭く、触ると食む(はむ)とか、身には長くて硬い小骨が多く、味わうのには特別な調理法、「骨切り」という下処理が必要。その結果鱧の身質は“はもはも”すると喩えられる事などが主なものです。
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高知でも味わえる鱧料理
日本では福島県以南の比較的浅海に生息しており、高知でも水揚げされます。産地は紀伊水道、瀬戸内海産が上質とされていますが、京都の有名な料亭で最上とされるのは、韓国産であると聞き及んでいます。鱧は活魚で流通させ、大きく成長し体表が黒みを帯び光沢のある魚体を選りすぐれば、食材として品質の高いメスを選別できるのです。
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鱧の旬は、このメスが抱卵し始める入梅から7月いっぱいが最上とされ、その後も季節が秋に変わるまでが旬。
では順番に、京都の川床鱧コースを味わっていきましょう。
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八寸は二段、壱の重)は、主役食材となる鱧料理の前に京らしく海山川の幸と京都ならではの伝統料理が軽く、そしてバランス良く組み込まれています。
川床鱧コースのお品書きを見ながら、一品一品確認していくと・・・
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いさぎ煮」とあるので、イサキの煮付けかと思っていたら、どうやらゴリの煮付けの様。
早速ここで重大なお詫びと訂正ですコメントをいただいてコース献立を見返してみると、いさぎではなくいさざでいた・・・)食材正体を探ってみましたが解明できず仕舞い、でも滋賀県でも“いさぎではなく(いさざ)の飴煮”なるものが流通しています。

つまり、いさざとはスズキ目ハゼ科に属するれっきとした魚種名(学名 Gymnogobius isaza )
琵琶湖固有種のハゼだったんです。寄る年波に、固定観念での思い込みが激しく、さらに
老眼鏡が必需品となっています。残された時間は、ますます貴重に使わないと・・・

琵琶湖はかつて「鳰の海(におのうみ)」と呼ばれ、京の人々には日本海より近い存在であったことが計り知れ、その歴史は今の京料理にも受け継がれているのですね。

これらは何事にも替えがたい地域の誇り、伝統ある料理ですから、正確にお伝えしなければいけません。注意します。
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気を取り直して

滋賀県の琵琶湖といえば弐の重で目についた「琵琶鱒」。ビワマスとは、ヤマメの亜種。陸封型のヤマメに対し、降海型の生態を持つヤマメ亜種がサクラマスであるのに対し、降湖型で琵琶湖のみに見られる種の分化が確立しているヤマメ亜種がビワマスです。琵琶湖固有種でありながら現在、中禅寺湖(栃木県)をはじめ複数の湖に移殖され、種苗生産も可能となっています。
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渓流から餌料豊富な湖で性成熟まで最長5年を要すビワマスは時に体長70cmを越え、美しい朱色を呈する脂分豊かな身質。「琵琶鱒のたたき」とは、私たち高知の民にとって嬉しい京料理への転用です。そこに八寸らしく生湯葉がちょこっと添えられているのが京料理の心髄なのでしょうか。

さて、ここからが主役となる鱧。
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そして、脂ののった産卵を控えた雌鱧の旨味が最も鮮明に感じられるのが吸い物牡丹鱧とは 骨切りした鱧に片栗粉をまぶし湯引きしたもの。皮目を軸にギュっと身がしまり、鱧の切り身が牡丹の花に見えるところから牡丹鱧と言われています。
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冷鉢は素麺。非常に細い麺形が爽やかさを感じさせます。京料理のきめ細やかさが良く表れた一品でした。
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造里は骨切りした鱧を湯に落とし(湯引き)、冷水にとって上げたものを京都で「鱧落し」というんですね。梅肉は高知のものより随分甘目に調合されていました。ちなみにお造りは正式な日本料理では造里と表記します。
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油物には鱧と季節野菜の天婦羅。レモンや天山之湯オリジナルの
八味塩でいただきました。
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食事は、地産の米・香の物・赤だし、京都の米は粘りが全く感じられませんでした。最後に季節のデザート、もちろんこちらも店内調理の一品でした。

今回体験した貴船の川床料理、天山之湯の鱧コース。夏の京料理を代表するもてなしでした。高知の鱧とは確かに違う、伝統によって裏打ちされた日本料理は味わい深く、素材を大切にする職人の誇りを心に刻むことが出来ました。もちろん我が郷土、土佐料理の良さも再認識しましたよ。

平成27年7月18日 有限会社 野村煎豆加工店様研修旅行より

典型的な夏台風
赤道以北、東経180度以西100度以東に存在する熱帯低気圧のうちで、中心付近の最大風速が17.2 m/s以上のものが台風の定義。そのうちで7月から8月に発生し、日本へ接近する台風を「夏台風」と呼ぶのです。
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その夏台風の特徴は、概して進行方向か定まらず、進行速度も遅い。時には停滞とも呼べるほどにのろのろと迷走する事も多いのです。2015年の台風9・10・11号が熱帯域で均等に並んで西に進路を取っていたいたのはつい先日。その連続した3台風も全て別々の進路で北上していきましたよね。それほどまでに台風の進路を決定する2大原動力、偏西風と太平洋高気圧の鬩ぎ合い、両者の力関係は微妙に変化しているのです。
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2014年の夏台風となった12号
その後の12号がやっと通り過ぎる間、高知の海は3週間に及びずっと時化模様。土用波どころの騒ぎではなかったのです。夏台風は、秋台風と同じ脅威の他、台風本体の雲だけでなく時には停滞する前線を刺激し長期にわたり激しい雨への警戒、更には一年で最も潮位の高い季節とも重なり高潮の危険も増すのです。

時化の定義は、波高が4mを超えた状態と言い 時化の状態になると、漁船は海難の恐れがあるために、漁師は漁に出ることができず、漁獲高は激減し魚は値上がりどころか、入荷してこないんです。

ですから香南市から東ではこの三週間、鮮魚の姿が店先から消え活きのいい魚を全く食べていません。

そんな時でも高知市の弘化台の市場へ行けば、それなりの魚は調達できるんですよ。ですから本日、わが家の夕食は弘化台仕入れの海鮮料理なんです。高知に居ながら3週間ぶりなんですから、年に何度も無いパターン。特にわが家は魚食傾向ですから。

結局、選んだ魚は本鰹。これが食に対する高知県民の性なんです。
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それを捌いて、庭の工房でたたきに炙るのがとっても楽しみ。決して食べるだけが至福の喜びではないんです。
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これを繰り返せば鮮魚の目利きは、年度ごと季節ごとの産地情報も含め、やがてしっかりと自身の体に染みついて来ます。
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ですから全てを総合的に判断して・・・今日の鰹たたきは塩タタキではなく柚子ぽん酢で上品にいただきました。
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更に夏らしく、キスは梅肉を青紫蘇と海苔で巻いて挟んで天婦羅に。酸味がとっても夏らしく爽やかなんですよ。
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サービスでいただいた、茹蛸も天婦羅にしてみました。
やっぱりわが家は魚党であることを実感した、台風後の夕餉だったんですよ。

街路灯へ飛来するクワガタムシ
折に触れクワガタムシ観察のブログを書いていると、夏休みに入る前頃から、クワガタムシ関連ブログへのアクセス数が急増するんです。皆さんが調べているのは、クワガタムシやカブトムシのいる場所
クワガタムシのいる場所










雑木林のミヤマクワガタ
その調査目的は、夏休みに子供さんたちを連れクワガタムシやカブトムシを採りに行ったり、自然下のそれらを観察に行く事なんですね。
つまり最大の目的は、家族との思い出づくり

でも多くのお父さんたち、よ~く考えて見ると子供の頃、ご自身もそうやって虫たちと遊んでいる経験を少なからず持っている方々なんでしょうね。ですから生息場所が判れば自然の産物、いわゆる天然物を採集できない事も無いと思うのは当たり前なんです。
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ところが現地へ行ってみるとそこは、ご自身が育ったフィールドではない為、そんなに簡単には思い通りの結果は出ない・・・これが普通なんです。子供の頃、自身で駆けずり回った雑木林と、情報収集した雑木林は全く違う世界。それらの生態系を理解していないと、運よく採取は出来ても採集や観察という結果にはならないんです、大概の場合。
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雑木林のヒラタクワガタ
概ねの棲息場所だけ調査して、初めての場所で採集や観察が出来る方は、間違いなくその生態を熟知されている方なんです。

クワガタムシやカブトムシの生息場所を調査している方は先ず、安全にそして確実に採集できる場所を探しておられる訳で、私は自身のブログで生息環境を画像によって、景色とともに公開していますが、お問い合わせいただいても、地域をお教えすることはあっても、ピンポイントで場所をお教えしたことはありません。
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ですから、私のブログを読んでいただいてもすぐに採集や観察にはつながらないはずなんです。ところが、コメントでブログには載せていない様々な情報を聞いてこられた皆様は翌年の同時期、必ず再コメントを下さるんですね。クワガタムシやカブトムシの採集や観察能力が別人のようにスキルアップしているのがコメントから推測でき、しかも必ず自然に対する配慮を添えていただいています。

ところで、今日はそんなクワガタムシやカブトムシを最も安全で簡単に採集できる場所と方法をお教えします。そしてその場所は、クワガタムシやカブトムシを採集しても、間違いなく生息環境に対し最も影響の少ない場所なんですよ。

それがこちら。
灯火









今日、取材した場所は長岡郡本山町の国道439号線脇、つまり開けた国道の横。ですから、駐車場所には配慮し、往来する車にも細心の注意を払ってくださいね。

クワガタムシやカブトムシ生息地というより、混生林で形成される森林の近くにある常設の白色街灯ならどこでもOK。でもそんなに適合する街路灯はありません。近くに、白壁の建物があればベストです。
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こちらはその街灯の傍の建物に飛来後止まった、ノコギリクワガタのメス。ちなみにセミはヒグラシです。
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同じ壁にはミヤマクワガタのメス、街路灯の直下にはヒラタクワガタのメスもいました。

勿論、魅力的な鱗翅目も多数飛来していますが・・・それをご紹介するとエンドレスになってしまうので、今日は甲虫だけに絞ってみました。
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左画像はウスバカミキリ、右はオオモモブトシデムシのメス。メスは後脚の腿が肥大していないんです。
この辺りには低地とは違ったコガネムシが見られます。
ヒゲコガネ オスヒゲコガネ メス







こちらは体長4㎝近くになるゴージャスなコフキコガネ亜科ヒゲコガネ。ヒゲに例えられる巨大な触覚を持つのがオス、それが目立たないのがメス。この触覚形状の雌雄差はコフキコガネ亜科の特徴でもあるんです。
サクラコガネ








これはサクラコガネ。これらの種は、このあたりにはたくさんいますが、特に高地性のコガネムシではなく、高知の場合、低地の河川敷等では見ない種です。
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羽化直後で、身体が十分安定する前に飛来してきたのか、片方の触角は欠損しもう一方には蛹外皮をつけたままのカミキリムシ。種類は私には分かりません。
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カブトムシは、間違いなくクワガタムシより灯火飛来性が顕著で、たくさんいます。でも圧倒的に灯火飛来採集ではメス比率が高いんです。

ではここで、本日見つけたクワガタムシとカブトムシのおさらいです。
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カブトムシの雌雄。最も多く飛来してきます。でもオスは少ないんですよ。
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画像左がノコギリクワガタ、右はヒラタクワガタです。
ミヤマクワガタ








こちらは、この辺りの雑木林において最も占有率の高いミヤマクワガタ。
な~んだ全部メス、なんて言ってませんか。確かに街灯飛来はメスが圧倒的に多いんですね。でもオスも飛来しますし、灯火下にはミヤマクワガタや、ノコギリクワガタのオス死骸が複数ありました。
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オスが灯火飛来しやすい、特別な気象条件があるのかも。雑木林でミヤマクワガタやノコギリクワガタ、コクワガタなどのオスが飛翔する姿はよく見るのですが、ヒラタクワガタのオス飛翔姿を見た記憶は、私の場合全くありません。反面雑木林の中で、ヒラタクワガタのメスを見つけるケースは非常に少ないんですよ。
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こちらは数年前に撮影した街路灯に飛来しているオスのミヤマクワガタです。
これらの種が常設の街路灯に飛来した際、採取することは自然環境保護の観点においても問題ない行為だと思います。

是非、目的を持って飼育してみてください。私たちが40年以上前、そうしたように。

高知の伝統農法
嘗ては一年に二度米を収穫した土佐の国。今では二期作を行う農家は皆無なんですが、春ではなく7月に入ってから米を植える農家は少数残っています。
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ですから、田植えが済んでしばらくすると隣の田んぼは既に稲穂が色づき垂れているんですね。
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最も春の田植えが早かった香長平野の田んぼでは今年は7月24日には既に稲刈りは終わっていました。これから更に多くの田んぼで早生米の稲刈りの季節を迎えます。
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一方で、田植え間もない田んぼでは、春の田植期と同じように、再び多くの野鳥たちが田んぼへ戻って来て日中を過ごしてゆきます。
これは如何に田んぼの生態系が豊かであるかの証なんですね。
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飛来野鳥も春と同じ、鷺(サギ)や鴫(シギ)たちです。
高知では、8月初旬に新米の出荷が始まり、10月になっても晩生米の稲刈りが行われています。

どっちが美味しいかですって。

一般的な好みの高さは、古米より新米、早生米より晩生米なんです。ですから南国高知では、その気候風土を生かして美味しいお米が長く食べられるんですね。
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野鳥たちも同様に、長く田んぼの生態系を味わえるんですよ。

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