土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2015年12月

毎年いい年
あっというまに終わった2015年。食品団地の各組合員さんも、いつもと変わらぬ歩みを行った一年に見えて、振り返ってみれば新たな挑戦により明日につながる更なる前進を果たせた一年でもありました。
2015食品団地の春
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春早く咲く高知県食品団地組合員の象徴花『河津桜』の開花より早く、県外への販路を求め、食品団地の挑戦は始まっています。
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一般社団法人新日本スーパーマーケット協会によって毎年開催される『スーパーマーケット・トレードショー 2015(会場:東京ビックサイト)』、3月にはアジア最大級の『食』の専門展示会と銘打たれた、日本各地の食品メーカー以外にも国外83カ国が出店する商談会『FOODEX JAPAN2015会場:千葉幕張メッセ』、に参加してきました。高知県食品工業団地事業協同組合として参加する春の主要な商談会、年々参加する組合員さんも増加し、自社商品の地産外商化に大きな成果を上げています。
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そんな高知県食品工業団地協同組合には、県外からも多くの食品専門の小売チェーン店のバイヤーさんが、高知の優れた加工食品を求め団体で商談にお越しくださいます。食品団地の組合員のみならず、県内からも多くの加工食品メーカーさんが自慢の商品も持って参加してくださるんですよ。

今や高知では食品団地自体がひとつの情報発信基地でもあるんですよ。
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充実した毎日のなか、南国高知では初夏の様相を思わせる季節が来ると、阪神甲子園球場に貸切観光バスでタイガースの応援に行くんです。

2015食品団地の夏
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そんな高知県食品工業団地の、情報発信力を象徴するのが毎年8月の第一金曜日に開催される『食品団地大納涼祭』。
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食品工場直売の新鮮な食品がこの日だけはより取り見取り さらに特別価格で購入できるとあって5千人を越えるお客様がお越しくださいます。楽しいアトラクションや芸能大会、実力派ゲストも毎回登場し、絶大な人気の催事なんですよ。
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食品団地大納涼祭』の主目的は食品団地の新商品を含む情報発信と、日々のご愛顧に感謝を込めた特別な催事。そんな組合員とその従業員さんの慰労を兼ねた慰労パーティーが、ご協力くださった方々も招待し8月の末には、食品団地事務局の主催で必ず毎年開催されます。
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そんな8月、高知ではよさこい祭りと多くの花火大会が開催され、組合員さんはご家族同伴で企業の垣根を越え親睦を深める季節なんです。

企業の垣根を越えた家族のお付き合いろいえば、
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高知県食品工業団地事業協同組合の地域への社会貢献として活動している、高知市食品衛生指導員としての活動。毎月一回以上の地域巡回指導の他、組合員さんに衛生指導セミナーを行っているんですが、大津地区指導員が独自に行う年一回の県外研修は希望すれば家族同伴で参加できるんです。
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のなかで勤めることは、その意義多い企業や組織活動が、家族にも深い理解を得られる、そんな組織作りが古くから随所に構築されているんですよ。
2015食品団地の秋
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実りの秋・収穫の秋を迎えると、高知県食品工業団地事業協同組合の組合員各社の取組が、しっかりとしたかたちとなって現れる時を迎えます。
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この一年、各社の取組がしっかりとしたかたちで現れ実を結び、未来への夢が広がって行く季節なのです。様々なお付き合いが広がれば、同じようにビジネスチャンスも広がるのです。
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近江商人の三方よしの伝統は今尚、色褪せることのない商売の鉄則、ビジネスパートナーが共に栄える事こそが商いを盤石にしてゆくのです。周年を通し県外取引企業様との活発な地域交流が行われています。
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多くの食品メーカーにとって特別な需要が発生する年末。
高知県食品団地の組合員さんも、各社それぞれの強みを生かし年末需要に対応しています。
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お歳暮ギフトやクリスマス商品の納品にも目途が立った12月の最終金曜日、毎年開催されるのが、食品団地事務局主体の手作り忘年会。
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食品団地の組合員さんは、横のつながりを強固にすることで、情報の共有を図り、互いの強みを生かした企業間のコラボレーションを事務局主導で積極的に推進。大手企業には無いフットワークと自然の恵み豊かな高知の産品を生かし、連帯意識を持って個性豊かな食品加工品を開発、広く県内外に情報発信してゆくのです。
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この忘年会が終わると直ぐに正月。新たな気持ちで夢多い新年に想いが馳せるのです。
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来年も良い年でありますように。


浦戸湾の主
今まで投稿いただいた数々画像。そのなかには、人にとって身近な環境で暮らす驚くべき高知の巨大魚たちが撮影されていました。奇しくもそのいずれもが肉食魚又は主として肉食の魚、つまりそれぞれの水域のなかで、生態系の上位に立つハンターなのです。

これらを含め、生物は単体では生命を維持し成長しながら世代交代し種を維持することは出来ず、生態系の上位に立つ生物ほど、他の生物に対する依存度が高まるのです。そんな生き物たちの生活ぶりを目の当たりにした時、その地域の生態系の豊かさを自らの肌で感じることができるのです。

今日は、一年の最後を飾るにふさわしい、そして高知らしい巨大魚の迫力ある画像を投稿していただきました。
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アカメLates japonicus
、高知の他、宮崎が主要な生息地として有名な日本固有の汽水魚。海水でも、純淡水に近い塩分濃度でも生息でき、摂餌条件や体表の寄生生物を除去する目的で、幅広い塩分濃度の水域を季節移動しています。

画像は高知でアカメを狙うアングラーなら見覚えある背景なんでしょうが、浦戸湾の弘化台付近。

高知では、こんな街中でアングラーが熱狂する巨大魚が釣れるんです。しかも真昼間から

アカメは生態系の頂点に立つ獰猛な肉食魚ですが、それ故に前述のように近年の資源数は様々な環境破壊に圧迫され、環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類(EN)に指定。宮崎県ではそれより軽度の絶滅危惧II類の指定で、種の保全を目的に漁獲禁止されています。

高知県では、絶滅危惧IA類 (CR)でありながら漁獲は禁止されておらず、個人での飼育も規制はありません。でも、アカメは有用海産資源でありながらそれを食す人はあまりおらず、主要な生息地である高知県でもその食文化はありません。

さらに、飼育するのは個人では大変で結構な資金が必要です、こんなに成長するんですから。私のブログが初めててない方はご存じかもわかりませんが、我が家ではこの高知産アカメを一尾、20年以上飼育しています。小指より小さかったアカメが今では80cm以上です。
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アカメ飼育の魅力は、アルビノ個体のように瞳孔に血液の色が反射して赤く見える眼。この眼で見られる緊張にも似た刺激は、自らをも奮い立たせる勇気をもらえます。この眼に7300日以上勇気をもらってきました。

今ではアカメの仕草や体表の模様で、その日の体調や気分が解ります。体の模様変化で意志の疎通がはかれ、こちらがそれに応えることで信頼関係が構築でき、私の手からは魚の切り身でも冷凍エビでもなんでも食べます、たまに指まで。

そんなアカメなんですが、この日は短時間に3尾を釣り上げ、全て元気なうちにリリースしたそうです。要因はベイトとなる中型のボラを追いボイルするアカメが複数見られたとか。つまり摂餌活性が非常に高く、警戒心が解かれた状態にあったんですね。

そのうち最も大きかったのが画像のアカメ。後ろにある、たも網には体の半分も入らなかった1m越え(実寸111cmあったそうです)のアカメ。摂餌状態も良さそうで、この体型だと重量も多分15kg以上はあるはずで、どだいたも網で掬える代物ではないのです。

さて、高知県では敢てこの希少魚類アカメと接することを禁じず、むしろ積極的に接することを容認しているのです。そこには、このように街中に暮らすアカメならではの生態が繁栄されているのです。

高知市中心部の都市再開発によって、アカメ稚魚やシオマネキなどの生息する水域が蓋をされ、水路の機能だけを残した駐車場開発か近年まで行われてきた高知市。当時は環境団体の強い反対を押し切り計画が進行された苦い思い出が多くの人に残っているのです。

そんな悲劇を再び繰り返さないためには、アカメにより関心を持って、より多くの人がアカメに自らの肌で接し、その真の価値を深く認識するしかないと私は思います。ですから、皆アカメに接する人はその覚悟を持って、アカメから沢山の事を自分たちの将来の選択に役立てるように学ばなければなりません。

高知の人々にとってアカメはそんな魚なんです。

水鳥の暦
高知では、殆どの種が越冬の為に飛来してくる冬鳥となるカモたちのなかで、12月21日今年初めて見たのが
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ヨシガモAnas falcata、学名からも判るようにマガモ属で、大陸北部から渡って来るヨシガモは、他の同属冬鳥よりも毎年一ケ月以上遅れて南国市のこの水域へ飛来してきます。
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そのオスは、光沢の強い緑色の頭部を持ちナポレオンの帽子と喩えられる美しく個性豊かなカモ。ですから、この水域で混群を成すヒドリガモの中にいてもすぐに見つけることが出来ます。このヨシガモの飛来により、このあたりの水域における冬の生態系は例年通りのタレントが揃うことになるんですが、前回の冬に限ってはもう一種ヨシガモの後に飛来してきた大型のカモがいたんですよ。
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それがこのツクシガモTadorna tadorna です。ユーラシア大陸の温帯域に広く分布するツクシガモ属の本種は、名前の如く九州地域を中心に飛来するも、高知県では少数が飛来する程度。

ですから、見ない年も多いんですね。昨年は年が改まってから数羽が飛来してきました。多分九州を経由して高知に来たんでしょうね。

昨年は1ケ月以上留まっていましたから高知の豊かな自然の恵み、印象に残っていれば再びこの地で逢えることでしょう。

物部川河口では
季節の移ろいを感じに行く、住まい近くの一級河川物部川。その河口部には季節折々、この地域の生態系を彩る生物の姿が見え隠れしています。

年の最後に物部川河口を賑わす生き物はこちら。
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ヒラメです。今年は異常なほどの暖冬。といっても、例年通りヒラメは河口の海岸近くに寄ってきているようで、日没前には多くの人が集まってきます。
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ヒラメが狙うベイト、そのヒラメを狙う人。多くの釣り人が手にした、高級食材ヒラメを持って帰るかは別にして、季節独特の食物連鎖のかたちが毎年見られるのです。

このヒラメ、食材価値は素晴らしく
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寒い季節は『しゃぶしゃぶ』。特に脂ののるエンガワの食感は最高。しゃぶしゃぶには大型のヒラメが旨いです。

そして、沈みゆく太陽を見て『だるま太陽』を意識しだすのも、毎年この季節なんです。年が明けると今年もまた『だるま太陽』を見に行く時間を作り出さないと・・・勿論、ヒラメも頂いちゃいます。

蒼き孤高のハンター
今年二度目の本格的な寒波が訪れた高知県。
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北山も雪雲に覆われてきました。つい一週間前までは夏日とかいっていましたが、短期間に季節なりの冬なのです。

この急変に人以上に驚いているのがハラビロカマキリHierodula patellifera。特徴的な前翅に白色の紋がくっきりと見えています。通常11月までが活動期とされるカマキリたちなんですが、12月になっても良く見ることがあります。このハラビロカマキリは、ムラサキツバメ属か活動しているブナ林で見つけました。
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エサとなる昆虫がいれば、少々の寒波に負けない逞しさを持っているカマキリたち。通常飼育下でのメスは温度と餌を管理すれば12月に入っても生きていることが多いのです。
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このカマキリは腹の状態からも交尾を終え抱卵している個体。さすがに鎌首を窄めて、いかにも寒そうな格好でした。

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