土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2016年04月

事件天道虫に噛まれた‼ 
すごい悪質な天道虫(テントウムシ)に手を噛まれました。私的には生まれて初めての体験です。噛んだ天道虫の名前が如何にも極悪そうなヤツ

聞いて驚かないでください  な、なんと・・・ハラグロオオテントウCallicaria superba (Mulsant)って巷では呼ばれているんです。では先ず現場へ臨場してください。
DSC03200ハラグロオオテントウ








手の甲をガッチリ噛まれた巻貝じゃなくマルガイと監視カメラに映っていたホシ(天道虫にはピッタリの隠語)です。どうやら流しの犯行の様。
ちなみにこの虫相、画像鮮明化すると鞘翅★数は1・3・3の対になっており総数14個、前胸に2個の定数型天道虫です。

ウラをとると、巷で呼ばれる通りハラグロです。
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その後、ホシは高飛びしました。現場にゲソ痕はありませんでしたが、歯型が二つ残って出血、イチキュウキュウ(傷害事件)です。

ホシは業界では、見たまんまの腹黒さからハラグロオオテントウと呼ばれる肉食系。シャバでば専らキジラミをエサに手広く動き回っていて、特に桑のキジラミが好物とか。

現場周辺には桑樹は見当たらず、よって流しの犯行と推測。ホシにワッパをはめるには初動捜査の重要性が問われる事案です。
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そして、それが功を奏した様でホシは高飛び先で翅を休めていました。

これが犯人のハラグロオオテントウ。体長は10mmを越え天道虫では、以前紹介したカメノコテントウに匹敵する大型種。
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噛まれたことで、改めてテントウムシの顎を凝視したんですが、立派な顎があるんですね。ハラグロオオテントウが今回使用したヤッパはこれに特定され、地ブログに送検じゃなく送信しました。スピード解決なんです

ちなみに患部は、2日変色していましたが完治しています。

ハバチの幼虫
成虫ばかりを記事にすることが多かったハバチなんですが、今日は幼虫を記事にします。
アケビコンボウハバチ (2)










芋虫系がダメな方にはごめんなさいです。幼虫期は成虫の庇護によって成長し、中には他種のハチに世話をさせる労働寄生といった生態を持つルリモンハナバチもいるほど、他種多様で高度な虫社会とされるハチの世界。
アケビコンボウハバチ (3)









そんな中で、自らの行動力で摂餌をする幼虫期植物食のハチの仲間は原始蜂と言われる分類。それの幼虫がこの画像の虫なんです。

ハバチは幼虫期、特定の植物を食害するため寄生する植物が和名に入ることもあるんですがまさにこのハバチがその例。幼虫がアケビに寄生する『アケビコンボウハバチ』なんです。そして成虫になると、その触覚が棍棒状になるんで、この名前なんでしょうね。
アケビコンボウハバチ









アケビコンボウハバチの幼虫は驚くと、こんな感じで丸まってしまいます。更に驚くと地面に落下してしまうことも。

ハバチ幼虫の特徴は、頭部につぶらな黒い瞳があること。
アケビコンボウハバチ (2)







完全変態昆虫ですからこの後、繭を造って蛹になり羽化するんですが・・・

このアケビコンボウハバチの幼虫は成虫にはなれません。
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なぜならこのアケビコンボウハバチの幼虫は、天敵昆虫に寄生されています。背中の白い卵がそれ。

寄生バチか寄生バエに産卵されているんです。

自然はこんなにも厳しく、それでも生き物たちは自らの力でそれぞれ環境均衡を保ちながら、精一杯の責務を果たしているのです。

早春の沢は蝶の楽園
香南市の沢では蜻蛉でけでなく、多種の蝶が川筋に沿って飛びかっています。夏場になると多くの蝶が沢の周りに吸水に訪れるんですが、春の今は吸水では無く吸蜜。香南市の沢にはたくさんのクレソンの花が咲いているんです。
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今まで沢のクレソンで吸蜜する多くの蝶を見て来ましたが、今日は沢の輝く反射光とは異質の黒い蝶が現れました。
沢のオナガアゲハ









翅の長いシャープな体型。やや内側にカーブを描く長い尾状突起の特徴はクロアゲハではありません。

体型と翅色特徴からいって、この時点でこの蝶の種名はオナガアゲハジャコウアゲハ♂の2種に絞られます。
ジャコウアゲハ








【ジャコウアゲハ】
こちらが春のジャコウアゲハ。蝶の大きさの目安となる前翅長は、どちらもほぼ同じ。ちなみにジャコウアゲハは、幼虫期に毒性のある食草を食べて育ち、毒素を蓄積。その毒は羽化後も成虫体内に留まり自らを捕食する天敵たる野鳥を、死に至らしめることなく苦しめ、自らを捕食させることによって、同種の多くの仲間が毒蝶であることを天敵に学習させるのです。

オナガアゲハとジャコウアゲハ、両種を見分ける最も明確な相違点は、体側の毒々しい赤班色。
オナガアゲハ (2)










オナガアゲハ
これがオナガアゲハには見られず、オナガアゲハの体側は黒一色。ですから沢のクレソンを吸蜜に来たこの黒い揚羽はオナガアゲハなんです。

春、桜の花が散る頃に現れるオナガアゲハの成虫。ですから今日出会ったオナガアゲハは、摩耗の見られない美しい形態でした。

ですから季節的特徴としては、春型らしく小型なんです。
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一年2化のオナガアゲハに対し、ジャコウアゲハは世代交代が活発で、温暖地では4化だと言われています。
オナガアゲハ









オナガアゲハの動きがゆっくりなのは、毒蝶ジャコウアゲハに擬態しているからという説があります。

確かに、全体的な体型や大雑把な色調は似ています。

体型は別として色合いでの擬態力は、オナガアゲハよりもアゲハモドキが上。
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【沖縄のベニモンアゲハ】
本島にはいませんが、沖縄で見たベニモンアゲハもまたジャコウアゲハに類似していると言えます。

特にベニモンアゲハは体側も赤く、その紅色はジャコウアゲハ以上。でもこれはジャコウアゲハに擬態しているのではなく、ベニモンアゲハ自体も毒蝶であり、記事の流れから受け取られるベイツ型擬態にはあたらないと、いつもご指導いただく鱗翅目には特に詳しいEVISさんに教えていただきました。

むしろベニモンアゲハの場合、生息する地域においては擬態するMimicではなく、される側のmodel

ジャコウアゲハとベニモンアゲハの関係は、複数の毒蝶が互いに似た体型や色合いを呈することにより、天敵に対してより強い警戒心を植え付けることができる事例で(ミューラー型擬態)です。ジャコウアゲハとベニモンアゲハ、互いに生息域は重複していなくても、隣接する地域など互いの天敵が移動してくる場合に有効に作用するのです。

毒蝶ベニモンアゲハの分布する地域における主たるMimicシロオビアゲハなんですが・・・
このシロオビアゲハには、上画像の通り複数のタイプがありより巧妙に毒蝶ベニモンアゲハに擬態した「ベニモン型」と、そうでないタイプの天敵に捕食されやすい型があるんですね。

生きるための知恵とはいえ、同じ種より他の種に似せて一部が生き残ろうとする逞しさ。敢えて全ての個体が完璧な擬態をしない事により、ベイツ型擬態の効力を長く維持しようとするシロオビアゲハの戦略はしたたかです。
オナガアゲハ











いずれにしてもMimicの存在は、擬態モデルとされるジャコウアゲハやベニモンアゲハには迷惑な話。天敵に対し毒蝶としての形態効力が薄れていく訳なのですから。

ところで、今日出会ったオナガアゲハ
オナガアゲハ










前後翅の間にくっきりと白紋が見えるオス。勿論、黒々した翅色だけでも性別は判っていましたけどネ。

ところで、

これがオナガアゲハだったら、クロアゲハはどんな黒色揚羽
25a64e12[1]クロアゲハ








こちらがクロアゲハです。

春の野菊
香南市のクレソンが咲く沢の横に広がる薄原の荒れ地。薄(ススキ)の間隙を縫って自らの個性を主張している、外国から来た春の野菊がありました。
ハルジオン








日本の春らしい野原の風景なんですが、この植物は北アメリカ原産の帰化植物

可憐な花に見えて、なかなか根性の座った外来生物なんです、こんな荒れ地で競合多種と凌ぎを削って逞しく生きているんですから。
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細い舌状花を形成し、咲いた花だけ見ると、同じキク科ムカシヨモギ属の植物、以前ご紹介した姫女苑ヒメジョオンと良く似ていますが、この植物よりヒメジョオンの方が背が高い反面、小さくて数多く花を咲かせるのです。

そして、この花はヒメジョオンよりも早く花を咲かせる春紫苑(ハルジオン)。
春紫菀










ヒメジョオンよりも小さな体で、より大きな花を咲かせるからか、ハルジオンは蕾の時に垂れているのが特徴なんです。

他にも、両種の違いは細部に渡り例えば、茎を折るとハルジオンの茎には真ん中が空洞でヒメジョオンは詰まっているんです。

でも、ハルジオンは別名『貧乏草』とも言われ、「折ったり、摘んだりすると貧乏になってしまう」と喩えられる花。辞めた方がいいでしょうネ。

本来、観賞用に移入された観賞用植物でありながら折っても摘んでもダメ。しかも美しく整備された庭園より、荒れ地を好むハルジオンやヒメジョオン。やがて人の手を離れ、新天地で自らの居場所を探しているうちに、在来の植物と競合し駆逐する恐れがある要注意外来生物に指定されてしまいました。

人間の身勝手な変わり身に翻弄されるハルジオンとヒメジョオン。でも、地域の昆虫はこの花が大好きなようですね。身勝手な人間たちに一泡吹かしてやれと皆で言っているような感じです。

高知では、ハルジオンから二か月遅れで花期を迎えるヒメジョオン。逞しい植物たちです。

そうそう、空気の綺麗な場所に咲くハルジオンは花弁が白から薄い紫に変わるとか。ハルジオンは澄んだ心の番人なのです。

藤の花とともに
桜の花が散り始めると同時に、赤野川河口域から一斉に遡上を始めた2016年の稚鮎。一週間ほどで驚く成長を遂げていました。
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既にたくさんの鮎が、堰を越え中流域まで達しています。

高知県でもこの一週間で2度、季節はずれの大雨が降りました。でも赤野川は、雨が上がると一日で水量も濁度も、ほぼ元通りに戻る優れた河川なのです。
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河川流域ではカジカガエルの鳴き声が木霊して、周年カワセミが飛びかっています。

そして春がくると、堰を遡ってゆく若鮎たちの姿。
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コンクリートの急勾配が作り出す早瀬を身体をくねらせて、多くの若鮎が越えてゆきます。

堰のすぐ上流にある橋から川面も見下ろすと、
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立派に成長した若鮎たちの大群。若鮎の帯が10mほども続いています。

赤野川の特徴は、こんなに身近に、しかも上り下るまでのアユの生態が手に取るように観えるんです。

さて、そんな豊かな赤野川は川魚だけでなく、様々な季節の水鳥たちも見られます。
クサシギ








今日、目立っていた水鳥は春と秋に見られる旅鳥『クサシギ』。3月初旬、菜の花が満開の香南市田園の水路で見た渡り鳥です。
4月は、南の海洋に浮かぶ島々から日本列島沿いに大陸まで、思い思いの繁殖地を目指し、他種多様なシギたちが北上してゆく季節でもあるんです。

タカブシギの地表や水面近くを滑るように飛ぶ姿、腹面と同じ純白の尾羽がとても目立つシギです。
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クサシギは若鮎を待っていたのではなく、主たる餌は河川の節足動物。 
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お腹いっぱいになると、漁を終えて水浴びをしたあと、入念に羽繕いします。
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その後、中洲で一休みするんですよ。豊かな生態系、豊かな自然環境が創り出す、野鳥たちの優雅な生活です。

水の上では結構目立つクサシギの体色も、中洲の岸に上がってじっとしていると、周りに上手く同調するんです。自然動物の身体色彩には必ずその生態と深い関わりがあるんですよ。

時に自己主張であり、身を守る保護色でもある。生きるための仕組みが秘められているんです。
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ちなみに、川や水路で見られることの多いタカブシギですが、田植えの終わった水田の中でも見られるんですよ。
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山には山の季節の色彩、川には川の季節感。高知の四月下旬の香り、感じていただけましたか。

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