土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2017年01月

冬の西川花公園
10月の末日、多くの人々が菜花の種蒔きをしていた西川花公園。あれから3ケ月が経過した冬の西川花公園へ行ってみました。
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一週間ぶりに寒気の緩んだこの日、遠くからみても菜花は随分と成長しています。
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園内に入ってみると、そこはもう春の香りで満ちあふれています。
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多くの生命が春の訪れを待ちわび、自らの身体でそれを表現しています。
冬モズ












僅かに活動する冬の昆虫たちを捜すモズ。高木の梢からは、春と勘違いしたのかホオジロの囀りが聞こえてきます。
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秋に種蒔きをした、近所のご婦人が入れ替わり菜花を間引いていきます。地域の方々もちゃんと花公園を生活に活用しているんですね。

地元スパーの北海道フェアー
いつもの先輩から、今日はちょっと違った内容のメールが来ました。1月最後の土日に、地元高知を中心に店舗展開している総合小売店で、北海道フェアーをやっていて、そこの特大ホッケが旨い‼とか。先輩は干物好きなのです。蟹はあまり好きではないと聞いています。
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北海道は国内旅行では、最も人気のある地域のひとつ。大規模小売店の物産フェアーでも、北海道は京都と並び最も人気が高く、高知でも毎年多くの方がその催事を心待ちにしていると聞きます。
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先輩のように現地でそれを食しファンになった人もいれば、私たち家族のように普段と違う海域の魚介をそこに行かずして味わってみたい人もいるのです。
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昨年奥様と北海道へ行かれて、生の北海道を味わい尽くされた先輩。その時もいろんな現地レポートを送ってくださったのですが・・・
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その時食べたホッケの干物が頗る旨かったと仰っていた、いかにも庶民的な先輩なのです。その時を思い出させるホッケが今高知へ来ているという先輩のメールに触手を動かされた私も、妻と一緒に北海道気分を味わいにフェアーへ行ってきました、ホッケを買いに。

といっても、戦後一時期ホッケは貴重なタンパク源として広く流通していた時期があったんですが、脂分が多いホッケは当時の流通で激しく劣化し、本来とは程遠い品質で食された為、長く低品質食材と認識されていたとか。

それが近年では、流通システムの急速な発展と、脂分を好む食品嗜好の変化によって、多くの方々が美味しいと感じる魚へと変わっていったんです。さらに今では北海道から遠く離れた地域でも、ホッケは、様々な調理法で食されるようになったのです。
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そんな時代の流れの中、国産の大型ホッケは今や大衆魚ではなくなりつつあり、高級魚の仲間入り。オホーツク海に資源量の多いホッケは北海道の他、ロシアでも盛んに水揚されており外国産のものが国産より安価に加工流通されているようですね。

私たち人間は、ある物の評価が高まると大多数がそれに習う傾向があるようで、時に限りある資源を枯渇させる傾向を示します。ホッケにも将来そんな時が来ないように、味わい愛でて美味しホッケをいただきました。

60年に及ぶ歴史的行事
といっても、これは日本における歴史で諸外国では複数説があるものの、紀元前から2月14日は記念日だったとか。同じ日を同じ名前で心に刻むにしても、その歩みには大きな時差があるものですね。

さて、来月2月14日は「
St Valentine's Day」。日本に聖バレンタインデーが認識されだしたのが60年ほど前だとされています。そのちょっと後に生まれた私が、バレンタインデーを知ったというか、そんな日が存在することを実感したのは社会人になってから。バレンタインデーは私の中では、昭和後期に急速にひろまっていった感があるのです、トレンドに人の何倍も疎い私ですから。


そんなバレンタインデーの儀式は女性から男性にチョコレートをプレゼントするというもの。私も結婚するまでは妻に毎年もらっていましたが、結婚後は一度ももらっていません。バレンタインデーとはそういうものなんでしょうか⁉ でも職場では妻でないご婦人方が、人間関係を円滑にするご厚意を持って形式的なチョコレートを下さる時もあり、バレンタインデーとはそういう日でもあるんです。


次に、今やプレゼントを止めた妻も2月14日には、私がそういう経緯でチョコレートを持っている可能性があることだけは忘れないようで、この日は私が家へ帰るとチョコレートをっているかを、娘と一緒に確認するのです。持っていたら有無を言わさず没収され、母娘でにこやかに時間をかけて食べています。未だ結婚していない長男の場合は、その使い方が本人に任されているようですが・・・我が家では、バレンタインデーとはそういう日でもあるんです。

更に妻と娘は、それぞれ食べたチョコレートの内容をメモ書きで私に渡してきます。3月14日のホワイトデーには忘れず皆様にお返しをするようにという指示書なのです。
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さて多分世間様とは大きくかけ離れた我が家のバレンタインデー事情はさておき、高知市若松町のモンプレジールでは真心を込めたバレンタインデー仕様の特別商品が店頭に並び始めました。遥か時代を遡り、世界の各地で、バレンタインデーによって数多の物語が綴られて来たことでしょうね。モンプレジールのご準備するバレンタインデー商品もまた、その物語に新しいページを追加できるよう皆様の気持ちに大切に寄り添ってまいります。

𩺊(アラ)料理Ⅱ
弘化台で見つけた幻の高級魚アラ
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今日はアラを加熱調理してみましょう。
アラ塩焼き















アラの塩焼き
先ずは脂ののった腹身を塩焼きにしてみました。加熱すると身は更に締まりますが、脂を身に蓄えた旬のアラ。その中でも最も脂ののった腹身の限られた部位を使い、香ばしく焼き上げるとふり塩で味がしまって実に美味しいのです。
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本来はカマもよいのですが、今日は鍋の具材に使いました。超の付く高級魚、アラをこのボリュームでちり鍋にするのです。
アラ鍋











アラのちり鍋
焼き物とはまた、趣の違う食感が煮ると味わえます。熱いうちには程好い食感、温度が下がると身がしまってくるんですね。冷えても生臭くならず、旨みは濃いのです。また鍋で多くの具材と煮ても身崩れし難いのです。
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出汁の旨みで、野菜もまた旨い。全て良しがアラの食材特徴なのです。
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ちり鍋を楽しんだ後の出汁は濃厚で後味がよく、トロみがありながらさっぱりとした雑炊を、少量の塩で味を整え鍋の〆にしました。

人生初めてのアラは心に沁み、記憶に刻まれる逸品食材でした。

食通をも魅了する真の幻海産魚『𩺊』料理
弘化台で見つけた掘り出し物『𩺊(アラ)Niphon spinosus』。ハタ科アラ属で一属一種の分類上でも特異な魚類です。
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マグロの頬肉と一緒に、大皿へと盛り込んでみました。白身魚でありながら、近海の極上マグロに負けない食材としての特長を持った魚がアラなんです。

それでは先ず、真に幻といわれるアラの姿をご覧ください。
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これがアラ‼
美味しいことでは定評のある魚種アラは、様々な文献に登場してきます。でも実物を見たのは私も初めてなのです。真に幻といわれるアラですから。

決して外観で得する魚ではありません。ところが一旦この魚をおろしてみると、その卓越した食材価値が瞬時に解るといわれる魚がアラなんです。その私自身初見のアラを料理してみるんですが・・・

全く問題ありません。調理方法、食べ方はクエと同じなんです。
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このアラは高知産。室戸岬の徳島よりで漁獲されたと市場関係者の方から聞きました。
この日、たくさん水揚げされていたノドクロアカムツ)と同じ水域で水揚げされたようですね。たぶん網もので野締めでしたが、鮮度に優れていたんで購入しようと思いました。

一度食べてみたいと、ずっと思っていたアラ。でも手に入れるにはそれなりのハードルが待ち構えていたんですよ。購入には魚箱ごとでないとダメというんですね。重量は2匹合計で2.8㎏でも、価格は1,800円/kg(税別)ということで、私の覚悟していた価格を大きく下回っていました。3,000円/kgまでなら購入する覚悟はしていましたから。弘化台のアラは紛れもない掘り出し物、価格、鮮度で判断した品質、更には希少価値の非常に高い甘味の強い白身魚なのです。

そして、そんな特別な魚を我が家で調理できるんです。

始めて出会った幻のアラ。今度いつ出会えるかわからない極上の魚を単に食べて味を知るだけでは勿体ないのです。
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野締めとしては2匹とも最高の鮮度、内臓を見てみると肝には脂がのり、腹部は膨満していても胃袋に食物残渣はなく腹腔周りも気になる臭みは全くありません。アラは肉食魚でありながら肥えていても空胃状態で水揚げされることが多いとか。そんな特徴も高い食材品質を維持できる理由のひとつなんです。

土佐湾沖での産卵期は夏。この個体には精巣、卵巣ともに見られませんでした。

アラはハタ科の魚といっても純然たる磯魚とは違い、水深100~300m位の岩礁他帯近くの砂場を広く索餌徘徊し、広域を回遊していると聞きます。ですから個体数が少ないうえに、いる場所も絞り込み難く漁獲が困難を極めるのです。

そのアラが漁獲される水域を強いてあげるとすれば高知沖から静岡に至る南海トラフから駿河トラフに達するトラフ近くの斜面で水深100~300m位の場所、もう一つは九州西の東シナ海も広域で主な生息域になっているとか。

そして一匹づつ売らない理由は実際に料理してみた後で解りました。
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2匹のうちで大きい方は50cm2㎏程、片方は1㎏弱で40cmくらい。この魚体の差で身質や身色が異なってくるんです。旨いのは大型のやや赤みががっている方、捌いただけでそれは理解できます。
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ですから、小さい方だけ残ると売り手は困るのでしょうね。
2㎏の身質は極めて素晴らしいものですから。
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野締めでも同じ大きさの活き締めクエとそん色なく、プリプリとした食感に優れ、白身魚の上品なうま味を醸し出す食味のなかで特に甘味はクエとはちがった独特のものがあります。

先ずはその食感をいかして、クエのように薄くへぎ切りに揃えてみたんですよ。
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更には皮目を直火で焼き切り、『アラの焼き霜造りにも挑戦してみました。
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まさに幻の魚アラの美味極まり‼ 自分でいうのもなんですが、予想を遥かに上回ったアラの旨みです。
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一方、こちらの身は魚体1kg足らずのアラ。こちらも脂ののりに優れ身質もしっかりしています。でも一方が優れ過ぎているんですね。

身質は大きい方と比較すると劣っているように見えて、実は非常に持ちが良く、翌日このままで食べても、食味・食感ともに維持されている信じられない魚。濃厚な味で臭みなく、身がしっかりしていて後味に優れる素晴らしい食材なのです。
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こんな地魚を今まで食べてなかなったなんて。

でもアラは滅多矢鱈にお目にかかれる魚種ではないのですから仕方ないのです。巡り合いたいと欲し続けていたからこそ、本日の出会いを見逃すことなく思いが達せられたのです。
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私の想いの中ではそんな特別な魚であり続けたアラを、土佐のやっこねぎともみじおろしを薬味にゆずポン酢でいただいてみました。
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明日は、『アラ鍋』やってみましょう。
2匹購入しましたから、食べ方いろいろ楽しめるんですね。

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