土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2017年02月

炭で焼いた
昨日は生でも半焼けになったような魚。今日は生でも炭になったような魚の話です。室戸岬近くの漁港で見つけました。結構な怪魚なんですよ。
クロシビカマス (2)











先ず、歯がスゴイです。紛れもない肉食魚ですね。しかも、この歯の形状は銜えた獲物を離さないというより、噛みちぎってしまうものの様。

この魚の歯、有名な魚の歯に似ていると思いませんか? タチウオの歯に似ているのです。でもこの魚はタチウオ科ではなくクロタチカマス科。容姿は、タチウオとカマスの中間みたいな変な魚。初めて見た‼ と言われる人も多いのでは。
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昔は、見たまんまの印象で「
スミヤキ」と呼ばれる方が一般的でした。でも標準和名は『クロシビカマス』で、この漁港でもクロシビカマスという名前で流通させています。ところが、このクロシビカマスクロビシカマスと思っている人もいるようで、私もそう勘違いしていました。何か漁具の撒き餌によって集魚効果を高めるコマセカゴを勝手にイメージしてそう思っていたんですが、シビは鴟尾
鴟尾













瓦屋根の大棟の端を飾る鴟尾(しび)

鴟はトビやフクロウといった猛禽類のことでその尾かと思えば、鴟尾は奈良時代の社寺の瓦屋根の大棟の両端を飾るもの。むしろ形は当時の沓で、沓形 (くつがた) と
クロシビカマスもいわれる飾りの一種。火除けのまじないともされる鴟尾は、城郭建築においてはより力強い鯱に代わっています。
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でもその鯱のモデルが
クロシビカマスであるという記述は見たことがありません。でも鯱が何故、火除けのまじないかは解ります。大きな建物の大屋根を大海原に見立てているんですね。そこから跳ね上がる魚が鯱で、水面にナブラを形成する魚の尾が鴟尾。そういえば、トビの尾は巨大な魚の尾ににていますね。ですから魚のしたにある建造物は水面下にある訳で、見えない水によって火災から守られていると考えられていたんですね。全然、魚の話ではなくなってきました。
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ところで今日の主役
クロシビカマスは、水深150mから500メートルを時間帯によって移動する魚。しかも最初から炭みたいな魚で、いまさら火がどうのこうのではないような魚。しかも他の多くの魚とは違う、皮から内側に向かう特殊な骨を別に持っているのです。

ですから、お味は旨いと感じる魚なのに調理が大変で食べない地域も多々あり、概ね市場価値が低いのです。での神奈川県の小田原ではこの
クロシビカマスを珍重するんですよ。
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今日見たクロシビカマスは30cm足らずのものばかり。大きな個体は80cmほどには成長する魚種なんですよ。
クロシビカマス










クロシビカマス 成魚

おおやけど
今回の室戸の旅で見つけた海産物。高知の人なら知っていても不思議じゃない、ちょっとマイナーな海産資源で、とっても不思議な魚です。
ハダカイワシ











この魚の別名は『
やけど火傷)』。生食ではなく、普通は干物にして、炙って食べるんで、エグイ言い方をすれば火傷状態で熱々をいただくんですが、火傷とも呼ばれるこの魚は、既に水揚げされた時から火傷している様に見えるんですね。ご覧の様に・・・
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ハダカイワシDiaphus watasei は、ハダカイワシ目ハダカイワシ科に属する魚類。そしてハダカイワシは、初めからこんな姿ではないんですよ。先日はマカジキ科の特殊な鱗をblog記事にしたばかりですが、イワシたちの鱗(円鱗)も特殊な機能を持ちます。
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円鱗は円形で表面が滑らか、刺激により剝がれ易い鱗なのです。高知で沖釣りをしていると、潮にのって剥がれたウルメイワシ(ニシン科ウルメイワシ属)の鱗が大量に海面下で輝いて流れていく様子を何度も見たことがあります。ウルメイワシがブリやカンパチといった大型魚種に捕食される瞬間に、大量の鱗が剥がれ海中に拡散するのです。これはイワシたちの天敵に対する防衛手段と言われています。

本来は、強度によって皮膚を守る鱗なんですが、それでは太刀打ちできない天敵の目を眩ます役目と同時に仲間に警戒を促す役目を果たすといわれているんですね。個の存続より種の繁栄を目的とした生態なのです。

沿岸のウルメ類より深海に棲む(駿河湾以南の深海に生息)ハダカイワシの円鱗も極めて剥がれやすい鱗。主な漁法たる底曳き網で漁獲される際、網繊維との擦れや仲間同士の接触による圧力で、殆ど全ての鱗が剥がれ上がってくるのです。
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食感を損ねる鱗がなく、さらにまったりと脂がのったハダカイワシ、それを干物で食べるのが高知流なんですが、これまた先日blog記事しした『
アブラボウス』同様、筋肉や内臓部に人体では消化できないワックスエステルがあるので、食べ過ぎに注意。火傷(ハダカイワシ)を食べ過ぎると人のお腹も火傷みたいになるんだとか。

気を使って食べる魚、言い換えると個性豊かな美味しさが魅力のハダカイワシなんですね。

旬魚好況
昨日blog記事にした、室戸沖の自衛隊艦船。でも室戸へは艦船を見に来たのではありません。
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新年になると、毎年まとまって大敷網に入り出す天然鰤の活況を漁港で視察して、その興奮の冷めやらぬ間に、産地でそれをいただくのです。香南市以外の漁港を梯子するのは何年ぶりでしょう。

この日は、地域の関係者の方々も、いち早く取引先に情報を発信する位、豊漁だった様です、いいときに来ました。大型のブリが次から次へと水揚げされるのは東陽町の野根漁港。
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どれくらい大型がと言えば・・・
この丸々と肥えた巨大なブリは14,2kgと表示されています。
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今日は室戸岬から東側、徳島よりの漁港をつぶさに見て回ります。
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逆に西側、高知よりは西風に吹かれ、今日は漁がないのです。
マンボウ











ある漁港では、漁師の奧さんが小型のマンボウといっても15kgでしょうか、漁師飯にと捌いておられました。
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マンボウの煮つけ
このマンボウ、産地たる室戸では普通に食材活用されています。
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どこの漁港でも、イシダイが豊漁。足摺と違って室戸は本石ばかりでした。
マサバ (1)











それに、近頃では少なくなったマサバ(平サバ)の大サイズも大敷に入っているようです。
セイメイ (1)












立派な大きさのセイメイも。800gはありそうな個体揃い。魚屋さんではお目にかかれない鮮度です。
ムツ












今までに、ご紹介したことのある魚種も続々。
ムツ (2)











ムツ(本ムツ)は、型は小さめでも数が揃っています。
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マトウダイもどっさり水揚げされていました。これだけ並べばまるでカワハギのようです。
アイブリ













アイブリもいました。旬の鮮魚に出会える活況な漁港巡りは、わくわくします。
クロシビカマス (2)











けっこうな怪魚にも出会えますから。ひょっと、この魚ご存知ですか。明日、正体を明かしましょうね。
ハダカイワシ











こんな魚と同じような調理加工をして食べます。

そしてお昼になったら、地の旬鮮魚をいただくのです。
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頼んだ刺し身定食、今日は一点盛り。でも今日の刺身定食はブリだと明記されていて、それを承知でたのんでいるのですから、全く問題ないのです。
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そして、それを目当てにきているのですから。天然鰤をねかせて提供してくれていますね。先ほど揚がったものより、適度に熟成させたブリのほうが断然旨いのです、食感もうま味も。

家庭でも、この熟成を操ることが出来れば、高知の天然鰤をもっと美味しくいただけるということなんですね。勉強・勉強。
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今日は刺身定食にウツボのから揚げを追加。こちらのウツボから揚げは乾燥ウツボを使っています。酒の肴にはよく合いそうな味と食感。合わせて御代は1,600円、産地の味わいにあふれ満足しました。

いつもと違った室戸の夜明け
久し振りに室戸の夜明けを味わいたくなって早起きして室戸へ向かいました。
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室戸岬で日の出を迎え、辺りが明るくなると、沖にいたのは鯨ではなく、
掃海艇掃海母艦。二隻の海上自衛隊艦艇です。

軍事として行う掃海とは
機械水雷(機雷)の排除です。機雷といえば、日本では日露戦争の時にはすでに実用化されており、日露の両軍艦に大きな実害があったとか。でも、機雷の歴史はそんなものじゃなく、アメリカの南北戦争時にも海戦ではしようされており、それよりも数年前の1854年クリミア戦争で、ロシア帝国海軍バルチック艦隊バルト海を封鎖するのに使用したのが実戦における初使用。

ですから、実は日本が最初に
機雷を使おうとしたのは日本の国としてではなく、薩摩藩。
薩英戦争の際、桜島沖に設置していたんですが、藩軍もそれを知らない人が多く、英国軍艦が機雷原(機雷を設置した海域)に侵入する前に陸上から砲撃し、誘い入れることが出来なかったとか。

そんな古の兵器とばかり思っていた
機雷なんですが、今もいろいろと改良し使っているようなんですね。一度設置したあと戦闘要員でない民間人にも容赦なく危害を与える地雷同様に、機雷にも戦闘目的以外にも大きな問題が残るのです。
掃海艇 くめじま












この日、室戸沖にいた掃海艇は、
海上自衛隊の中型掃海艇のうわじま型掃海艇、計9隻が建造されたなかの第5番艇「くめじま」。満載排水量570t 全長58m。
掃海艇は機雷排除の為に様々な機雷探知機を装備しているほか、船体の主たる材質は、ベイマツ、ケヤキ、タモといった樹木。船が持つ磁気に反応する「磁気機雷」対策のため、掃海艇は磁気を帯びない素材で作られているのです。今はあらゆる分野でFRPに取って代わられる木造船なんですが、船の資材としては優れものの様ですよ。
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もう一隻は大型軍船。海域の安全を図るため、同じ任務を負う航空機や掃海艇の移動基地として、燃料や物資の補給などを行う掃海母艦という軍艦なのです。 その役目は多様で国内外への災害派遣にも活用され、その際は救援物資の輸送や被災者への支援などを担うのです
掃海母艦 ぶんご












本日見たのは、うらが型掃海母艦の2番艦『ぶんご』。満載排水量6.900t 全長141m。
攻撃機能を備え前甲板に
62口径76mm単装速射砲1基の他、通常時は格納している小型船舶対処用12.7mmM2重機関銃数挺を有し、その建造目的も掃海母艦「はやせ」と機雷敷設艦「そうや」両艦の代替として、その双方の機能を兼ねそなえ艦。つまり、必要となれば機雷敷設機能を備えています。

基本的には、新型の掃海ヘリコプターと連携して掃海作業を実施する艦で、後甲板にかなり広い面積が確保されているスペースは、
ヘリコプター甲板とされる機能を有しています。

思いがけなく室戸の海で出会った二隻の自衛艦でした。

里山の青空に舞鷹
里山の梅樹が開花し、蝶が舞う季節が来ました。
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ここは3月末になって桜が咲くと毎年、数多くの旅する鷹❝サシバ❞が渡っていく里山です。
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好天の午後、抜けるような2月の青空を飛ぶ鷹たちを見てみると、
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多くのトビたちに混ざって現れた三羽のノスリ。獲物を狩った先頭のノスリを二羽が追っていきます。
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この里山にはミサゴも飛んできます。溜池でコイを狩る姿がよく見られるんですよ。
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さらに上空には、オオタカかハイタカか?
どの方向にも雲一つない青空に舞う早春の鷹たち。
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多くのサシバたちがこの里山を舞う季節が待ち遠しく思える、心地よい午後のひと時を、お気に入りの里山で楽しんできました。
ノスリ











ノスリ

それでは、桜の咲く季節にこの山の斜面に止まっていたサシバも見てくださいね。
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2016年四月 雨の日のサシバ

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