土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2017年03月

ホウロクシギとダイシャクシギ
田園で小型の猛禽コチョウゲンボウを見た日の午後、同属では大型のハヤブサを見た日のこと。
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翼開長1mはありそうなシギ

その日は、シギ科の中では小さな部類のタカブシギを今年初めて見た日でもあったのですが、これまたその日の午後、鷺の様に大きな褐色の鷸(シギ)が田圃に舞い降りるのを見ました。

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昨年、春の渡りの時期に見た大型シギは、吉川の水田で見た、全長約35cmの
シベリアオオハシシギ
シベリアオオハシシギ












シベリアオオハシシギ

物部川の河口に群れでいた、体長約42cmの
チュウシャクシギ
チュウシャクシギ












チュウシャクシギ

その他、南国市の浜改田で見た
全長約38 cmのオグロシギも印象深い旅鳥たちでした。
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オグロシギ

それらと比べても圧倒的に大型の鷸なのです。
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しかも嘴は大きく下に反った特徴的なもの。ですからダイシャクシギ属Numeniusなんでしょうが・・・
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これがまた、初心者にはややこしいようで、日本に旅鳥として渡来するシギ類では、大きな体と長く下側に曲がった長い嘴で知られる大杓鷸ダイシャクシギ)は全長は約60cmでももう一種、同型のダイシャクシギ属がいるんですね。両種ともが日本最大級のシギだとか。

しかも複数のシギ類がそうであるように両種はよく似通っているんです。

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立派な嘴は20cm

その両種が焙烙鷸(ホウロクシギ)
Numenius madagascariensisとダイシャクシギNumenius arquata、何れもが雌雄同色で、大きく下方に湾曲した長いくちばしを持ち、身体全体において似た紋様です。
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識別は、下腹から尾羽下にかけて褐色味を帯びているのがホウロクシギ。
更に飛翔姿で背中の後部に白い羽毛が確認されなければホウロクシギなのです。
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ということになるとこれはホウロクシギなんでしょうか⁉ 
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ホウロクシギは台湾やフィリピン、中には赤道を越えオーストラリアまで行って越冬し、今の季節はシベリアやカムチャツカ方面を目指し移動中なのです。日本では干潟で見られることが多いとか。
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因みに焙烙ほうろく)とは炒鍋(いりなべ)ともいわれ、上画像の素焼きの土鍋のことです。
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この大型シギは、昔ながらの畦(あぜ)が残る田んぼが好きな様。
餌料が豊富なのか、翌日の夕方もまだ付近の田んぼの畦に長い嘴を突っ込んで忙しく索餌していました。
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高知県でホウロクシギは、近い将来における絶滅の危険性が高い種 絶滅危惧ⅠB類EN)に指定されています。

鷹斑鷸
タカの斑模様のシギ? このシギの特徴は羽の模様なんです。
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その特徴が顕著でなければ、私の場合、似た生態を持つ同科同属のクサシギと識別できません。
因みに、
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【クサシギ】

こちらが高知で同時期、代掻きの終わった田んぼで見られるクサシギ(体長約22cm)。実は私、このクサシギとイソシギも、この前まで混同している場合がありました。冬の終わりに河川で見る旅鳥とされているクサシギを留鳥イソシギだと先入観で判断していましたから。
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【タカブシギ】
クサシギもタカブシギも、西日本の南部では極少数が冬鳥として越冬している様ですが、それら高知で寒い季節に見られるクサシギが越冬個体なのかは判りません。クサシギとイソシギをきちんと識別できるようになった、次回冬季の楽しみに取っておきます。
タカブシギ










首を伸ばした
タカブシギ
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羽を広げるタカブシギ
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さて今日の主役、
チドリ目シギ科クサシギ属の体長は20-22 cm鷹斑鷸タカブシギTringa glareolaんですが、特徴的な体の上面に入る、黒色や白色の横斑や斑点が、日本では鷹斑に見えて、外国では河原の小石に見えるんですね。
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首を縮めたタカブシギ
タカブシギもクサシギ同様に、西日本の温暖地では越冬する個体があるとされていますが、そんな温暖な地域でタカブシギは個体数を減少させている様です。
鷹斑鷸













高知県でのタカブシギの保全状態は準絶滅危惧NT)の指定を受けています。
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クサシギ夏羽

ところで、今は明確に違いがわかるクサシギとタカブシギですが、あと一ケ月もするとクサシギも完全に夏羽に移行していますから、今より識別は難しくなります。
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一羽のタカブシギを田植え前の田圃で見つけたこの日から約一ケ月後の4月20日、これよりずっと海寄りの田植えの終わった水田へ、5羽のタカブシギの小群が渡来しました。
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湿地や干潟、生態系豊かな水田が残っていれば、必ずタカブシギは来るのです。
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更に4月23日の午後には、20羽以上の群れで行動していたムナグロと混群を形成するタカブシギを見ました。
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タカブシギは自らの未来を私たち人間にも託しているのですね。
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明日は、
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この日の午後に田んぼで見た大型のシギの記事です。

取材日3月26日

春白花の競演
青空の下、住宅地の庭で白さを競う花。
利休梅











2本の小高木は別種ながら原産国は中国です。奧は白木蓮、多くの人が日本原産種だと思っているようですが、中国南西部が原産なのです。
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手前の白花は
利休梅リキュウバイ)、中国の北中部の落葉樹で、花と同時に葉も出ています。
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この樹は4m以上、利休梅の花は青い空を向いて咲き、下から見上げる場所にしか咲いていません。
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ですから別の場所に咲いていた若木の利休梅の白花がこちら。利休梅の花は華道ではなく、茶道で茶会の席に用いられ、梅や桜と比べ素朴な花と認識されています。

そんなところから侘茶の創始者、千利休の名を取って日本では利休梅という名。でも利休はこの花を知らないはずです。日本に入ってきたのは、明治の終わり頃だそうですから


通常、ソメイヨシノの後に咲く利休梅ですが、この辺りでは先に開花します。気品高く物静かに。

代掻きに誘われた王者
ということで今日は昨日の続編です。香南市では一部の田んぼで田植えが終わった3月26日、水田に水を引き込み土壌を均す代掻きがピークを迎えています。
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田植えの頃に、南から北へ渡って行く渡鳥、チドリやシギの仲間もそろそろ飛んでくる季節。
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この日も大型のシギが一羽、田植え前の田んぼへ舞い降りてきました。

中にはこんな小型のシギも。でも今日見たシギはこの二種。
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いずれも単体での行動で渡りは未だハシリ、これから田植えの終わった水田へ続々と押し寄せてくるのです。
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そんな雨混じりの日曜日のPM3:00。上空には鷹が飛んでいるんですが、遠くの上に動きが速く種が判りません。
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単独で2羽のカラスと空中戦を繰り広げているように見えます。
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ところが、その猛禽類。暫くするとカラスとのバトルに飽きたのか、田園の中にある3本先の電柱に舞い降りてきました。近寄るまでもなく、ここからでも威風堂々の振舞いと、屈強な体格、白っぽい独特な色合いによりその猛禽類は何であるかは私でも理解できました。
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ハヤブサ
Falco peregrinusは、田園の電柱のてっぺんで、周りに気遣うこともなく毛づくろいを入念に行うと、
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すぐさま狩りのポーズをとり、ビニールハウスの向こうに跳んでいきました。

この辺りの田園で、ハヤブサを確認したのは今日が2度目。2013年12月15日以来の事です。でも、この田園に隣接する三宝山では、2016年08月22日に止まっているところを見ましたから、周辺には周年いるのです。

そして今日見たハヤブサは胸の斑紋を見ると若い個体です。それが成鳥だと、
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この様な胸斑紋に変化するのです。この風格が滲み出だす頃には、カラスの群れもおいそれとはちょっかいを仕掛けられなくなります。
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眼光の鋭さが全く違っていますよね。

住まいの近くで、生態系の頂点に立つ生物を見るのは、住んでいる場所の自然か健全に保たれている証でもあり、どことなくホッとします。

小長元坊Falco columbarius
先日、半魚人さんにいただいたコメントの中で、コチョウゲンボウの♀が2羽いたという事に衝撃を受け、この土日は近場の田園にコチョウゲンボウを捜しに行きました。私に取ってチョウゲンボウとコチョウゲンボウの識別は容易ではありません。ですから今までも、出会っていて気付いていない事はあったのかも。でも意識してコチョウゲンボウを捜したことはなく、まして♀個体となると識別はより難度が上がるわけで、私に見分けられるのかどうか・・・


ということで先ず予習をしました。コチョウゲンボウというだけあって両種の大きさは、チョウゲンボウが全長33cm(オス)、38cm(メス)。それに対してコチョウゲンボウはオス27cm、メス31cm。これを遠くから並んでもないのに、一発で識別できる人はいるのでしょうか⁉

しかも日本へは冬鳥として、北海道から九州まで冬季に渡来するコチョウゲンボウの数はそれほど多くないのです
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ともあれ、数いるチョウゲンボウの中から小さそうな個体を捜しました。一緒にいるのは体長 20~22
cmセグロセキレイ。

しかも予習では、コチョウゲンボウは、電柱よりも電線へ止まる傾向が強いとかいうのもありました。また飛翔中はホバリングしないとか、狩りはチョウゲンボウより俊敏で上手だとか。

専ら餌として狙うは、ハイタカ同様の小鳥のようですよ。

ですからチョウゲンボウと違いコチョウゲンボウは、戦国武将の鷹狩にも用いられたとか。
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ズームしてみました。
コチョウゲンボウは眉斑が明瞭で髭状斑が細い。

確かに眉斑が明瞭!
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褐色縦斑の密度がチョウゲンボウよりも濃いそうですね。
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髭状斑も明らかに細いです。コチョウゲンボウは尾羽が短いのですが、これは微妙。
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尾羽の長さは見る角度によって全く違う印象になりますから。
コチョウゲンボウ













真下に行くと、タイミング良く羽を広げてくれました。
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コチョウゲンボウは尾羽が短い分だけ、その縞模様が少なく太く見えるとか。
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チョウゲンボウ

因みに、いつも見ているチョウゲンボウとは明らかに違うような・・・

冬の間を田園で過ごした猛禽類たち。
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ノスリ

この辺りでチョウゲンボウやノスリたちの姿が見られるのも、今季はあと僅か。桜が満開になる頃にはいなくなってしまいます。

香南市では、あちこちで代掻きか行われた3月26日の日曜日、この辺りの田園では滅多に見たことのない生態系の頂点に立つ猛禽中の猛禽類が飛来していました。
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その猛禽類は、コチョウゲンボウよりずっと大型のカラス大。頬の髭状斑紋もより太く黒い、接待的ハンターは大型の野鳥を狙っているようですね。

その記事はまた明日。

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