土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2018年03月

魚河岸の食堂
幼い頃、小学校が休みになると魚屋さんをしていた叔父と魚河岸の競りに行っていました。朝4時前に行くんですが、前の日は遠足の様に楽しくて寝付けなかったものです。
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そんな叔父も今は亡く、たまの休みが息子と合えば当時の思い出も込めて一緒に弘化台の市場へ行きます。一般の利用者が入れる時間帯を見計らって。
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ですから、月に1・2回は市場や産地の漁港回りを息子として、旬魚を見て回り、気に行った魚を一匹買いして、家で捌いて共に学ぶのですが、弘化台の市場では亡き叔父を偲び、叔父が必ず帰りしなに連れて行ってくれたラーメン屋さんに寄ります。
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半世紀近く前の叔父との思い出の場所は今でも弘化台にあるのです。

そこで、息子と食べる朝ラーメンの味は何物にも代えがたいものであり、いつかは息子の心に残り息子と誰かの心に刻まれる・・・今は息子と私の貴重な時間。
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そして、叔父が私に注いでくれた愛、息子もその想いを受け取りつなぐことができるはずなのです。

魚河岸の食堂は魚料理も絶品。
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新鮮で安いのです。この高級魚とされるハタの煮つけも600円。おかずの種類はほかにもどっさりあるんですよ。

さて、このハタ科の魚。和名は多分当ブログでは初登場となるマハタ属のコモンハタです。珍種ですが味は頗る美味しいハタ種なんですよ。
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あまりにも旨いんで、年を忘れ息子と奪い合いになってしまいました。

魚河岸は私たち親子にとってのテーマパークなのです。そして休日の楽しみは、夜の食事まで続くのです。

春の里山散策
妻の山でリハビリをしていて、自生キノコを見つけました。シイタケに似るも毒キノコなんでしょう。
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でも、私的に興味がったって写真を撮っているのは、むしろ野生キノコよりも、その傍にいる赤い甲虫。
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一見して、コウチュウ目ホタル上科ベニボタル科の光らないホタルともいわれるベニボタルの仲間だとは思うんですが、実に鮮やかな色合いです。

森林性の昆虫ベニボタル

ベニボタルの仲間は以前、クリの花に集まっているところを記事にしたことがあるのですが、それは成虫の話。そして一般的にベニボタル類は、このような湿潤性の森林を好むとされていますが、生態の多様性を始め謎多い昆虫でもあります。

目立つ色彩が示すように有毒なんだとか。でも、人間に害を及ぼす様な影響もなければ関市において活用されたこともない様です。
自然界における役割が明らかでない分、今までは研究が進んでいたかった昆虫というのが、表面上の人とベニボタルとの関係なんですね。

でも、毒を持つ小昆虫だけにベニボタルに擬態する昆虫もいるんですね。そんなところが、生態系における生物多様性に貢献しているとも言えるのかと。

そんなベニボタルたち、幼虫の食性には謎が多いのだとか。でも菌類が生える朽木に見られることが多い様ですね。ということになると、羽化間もないこたいなのでしょうか。
ムネアカテングベニボタル










1cmに満たないほどの小さなコウチュウなんですが、よく見ると頭部や触覚の基部3節くらいまでも紅色に染まっています。ムネアカテングベニボタルでしょうか⁉

近くを探してみると、横たわった松の朽木の上に同じコウチュウが。
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しかも沢山確認できます。

上翅に見える4隆条、全身広くに赤い体毛を密生させた特徴は、まさにムネアカテングベニボタルの様です。
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個体数が多いので交尾も見られます。
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横から見ると、胸部や脚も深紅ではありますが、名にテングと付く身体の特徴が何を指しているのかが分かりません。
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ベニボタルの仲間は発光しないのですが、この雄は頭部と胸部の間や後胸の一部が、まるで発光しているかの如くに黄緑がかっています。
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個体数の多さには驚きです。

春・南海の時知らず
今日も高知の魚河岸、弘化台の話です。
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旬魚が並ぶ棚で唯一1柵というか、何で1柵だけあるのかと疑う、柵取りされたクロマグロ

といっても本鮪というには、少し小型で、たぶん原魚で10~15㎏の個体なんでしょうか。柵取りされたもので、大型でないこと、極近海で漁獲された個体のもっとも脂ののった部位であることが分かります。

関東では本シビ、関西では本ヨコといわれる大きさのクロマグロでしょうか。

今、高知では旬真っ只中の天然ブリ、さらにはこれから季節を迎える旬のはしりの本ガツオに混じって、旬の終わるマグロが並んでいるんです。

本まぐろ1,950円と表示されて。

さて魚屋さんや魚河岸では、伝統的に赤身の魚がより鮮やかな色に映える電飾を使用っているのは有名な話。ですから、これと思う柵を見つけたら、そんな光を遮って色を確かめることを忘れてはいけませんね。

そうやって衝動的に買ってしまった、いわゆる旬を過ぎたともいえるクロマグロがこれ。
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未だ上質な紛れもない大トロといえる身質なのです。

一応、鮪の専門店を見て回りましたが、近海ものの生のクロマグロやメバチ、キハダもありましたが、脂ののり切ったものは他にはありませんでした。

この時期ですから、お店のお姉さんに念のため天然ものか確認したんですよ。そしたらもちろん近海天然本鮪だと笑われてしまいました。

ですから私ではなく、私以上にマグロ類が大好きな息子が買ってしまったんですね。持ち帰って家で皮目の方を向けると・・・

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皮下脂肪はこんな状態。今年はとても寒い冬だった分だけ、マグロ類は当たり年でした。
私のブログでも紹介回数は多かったですよね。

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ですから春が来ても、もう一回ぐらいは上質な高知の近海マグロ類をご紹介できる様に思えてなりません。
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今夜は、息子と高知の刺身三昧です。


いつでも上質という特別
今日はこの魚の話です。
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資源量安定した沿岸魚でありながら、高い食材価値が万人に高く評価される『イサキ』。
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私も大好きですから、状態に優れるイサキを見つけると季節を問わず購入して、捌いてみたくなるんです。

この日も弘化台の魚河岸でそんなイサキをみつけてしまったんですね。私が小さいころ、イサキの旬は夏とされていました。確かに『夏イサキ』は季節感にあふれ、産卵後のさっぱりとした味わいの中にも、イサキ本来のしっかりとしたうま味が上質。

ですから、紛れもなく夏にとても美味しい魚種のひとつ。夏にこれは旨い‼と思える白身魚がそんなに多くない中で、イサキは夏にも高値を付ける優れものの魚種、沿岸の水産漁業者にとっての優等生なのです。

ところが、高知では梅雨の最中に主たる産卵期を迎えるイサキなんですが『梅雨前のイサキ』、これはまさに『とろイサキ』ともいうべきもので、現在ではこの季節のコク深さと深いうま味を兼ね備えた濃厚な美味しさのイサキの方を旬とする人が多いのです。
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では、春早い季節の『春イサキ』はどうなんでしょう。堂々たる逸品、春イサキを早速捌いてみましょう。
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先日ご紹介したキダイと比較してイサキは春も高価。文句の付けようの無い個体を一尾2,000円/㎏で購入しました。

腹腔壁にはこの魚らしく脂肪塊が見られます。
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皮をひいてみるとカミには背腹を問わず皮下にうっすらと脂がのっています。

でもやや赤みのある身は、餌の豊かな漁礁を求め移動していた証。産卵直前の瀬付きではなく、沿岸の限られた近距離を回遊したいた、適度に運動の行渡った個体のようです。

釣りあげたばかりは皮目の色彩で、捌いた後でも食材とする魚の履歴は、そこそこ推察できるものです。

そしてこの『春イサキ』‼ このように盛り合わせてみました。
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上段は『春イサキ』、中段が『キダイの皮霜造り』、下段の魚種についてはまた明日にさせてください。こちらは旬の終了する魚種なんですが、あまりにも上質だったんで購入してしまいました。安くはなかったのですが・・・
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そしてこの日も、最後はアラ炊きで楽しみました。

ファイト!冷たい水の中をふるえながら遡ってゆけ
水面に広がる、春の陽光の反射に負けない輝き、
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でも今日は、この美しい渓流鳥の応援詩ではありません。
川蝉が待ちに待った春がやってきたのです。

春3月から夏の間に繁殖期に入るカワセミの生活環に合わせたように、里山の清流に遡上してくる魚が主役なんです。
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勿論、その魚の名前はアユ)!
里山の清流に鮎が遡上してくる季節が来たのです。
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ここは私の大好きな場所。安芸市の西端に位置する赤野川の下流部です。

緩やかな春の清流の流れが、やがて早瀬にかわると・・・
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そこには未だ生育途上の鮎達にとって、群れを成し川へ遡ってからの第一の関門が待ち受けているのです。
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幼くひ弱な鮎たちは、必ずこの堰堤を越えていかねばなりません。
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もし、これを突破できなければ来年の春、自分の子孫が同じようにこの障害への挑戦権を得られない事を知っている様です。
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そして、そんな鮎の試練を厳しい自然環境に生きる数多の動物たちもまた、見逃すはずはないのです。
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でも、実際にそんな鮎たちを見て笑う人は一人もいません。

鮎は里山の人々に愛され育まれている地域の自慢でもあるのです。
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この日も田植えの準備をするここに暮らす方が他所者の私に声をかけてくれました。

誇らしげに「今年の鮎は元気だろう」って。

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