土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2018年09月

台風24号も室戸に向かう
今年に入って台風20号・21号があいついで共に接近直前まで室戸に狙いを定め北上し、岬の東をかすめる様にして徳島南部に相次いで上陸したのは記憶に新しいところ。
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そして今回の大型で非常に強い台風24号TRAMI(チャーミー)も進入角度は異なるにせよ、直前予報円の中心に室戸があるのです。季節が変って、気圧配置が変更になっても台風の進路は室戸方面なのです。
大型で非常に強い台風24号TRAMI

















しかも、その勢力は猛烈な暴風と高潮による浸水が都市部の機能を麻痺させた台風21号と同規模なのです。更に24号の後ろには25号が既に発生し24号を追随してきています。

夜が明け、不気味な朝を迎えました。
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安芸市赤野海岸

現在の波浪は4m程度、午後からは13mになると予報が出ています。
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9月最後の日の午後からは、台風に厳重な警戒をしてじっと屋内に潜む日曜日になります。

落ち鷹の飛翔
サシバ室戸 (1)









羽根岬
室戸市の西端、奈半利町との境界に位置する海岸線、羽根岬で南下していく秋差羽を見ました。
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室戸の往復、羽根岬の駐車場には良く立ち寄ります。国道沿いで海に面した美しい駐車場で、休憩には絶好の場所が羽根岬なんです。
秋の室戸 羽根岬









この日は、秋空が広がり見事なロケーション。掃除の行き届いたトイレも完備され、園芸品種の美しい季節の花が植えられた花壇もあります。もう少し先には『だるま夕日』が美しく見えるんですよ。
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9月30日には大型で非常に強い台風24号が、勢力を維持して接近・上陸する予報がでている28日の羽根岬。午前中から海はこの通り時化模様。海岸線付近の上空は東寄りの風が相当強く吹いているはずです。
サシバ室戸 (2)










サシバは広域を季節移動する猛禽類のひとつ。主に熱帯域で冬を過ごし北上してくる、春の上り鷹は香南市で桜の季節に見られます
でもそこは海岸線ではなく、もっと内陸の香美市との境付近の、緩やかな棚田の広がる谷間。
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そこでサシバは春、狩りをしながら二週間ほど過ごし、長旅の疲れを癒した後、北上を再開し夏、中部以北から東北地方で繁殖するようですね。
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春の北上ルと秋の南下ルートは一致せず、この様に海岸線を中心に移動していくんですね。

愛知県の伊良湖岬、鹿児島県の佐多岬では、秋に南下するサシバが集結。大群は風を読み壮大な鷹柱を形成すると聞きます。秋の四国通過は太平洋沿岸より瀬戸内側が主流だとも。

この日、この駐車場で休憩した半時間で3羽のサシバが、旋回しながらゆっくりと渡っていく飛翔姿を見て、それを実感しました。

でも南下ルートは今、台風がまっすぐに向かってきているんですね。サシバたちもそれを知っていて秋はずっと瀬戸内ルートを選んでいるのかも。

翌日(9月29日)、そんなサシバの秋の渡りの特徴をイメージして、自身の暮らす香南市でサシバ探しをしてみました。
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ここは香南市の三宝山、その尾根伝いに香美市に通じる県道385号線です。

香南市の東方面、南は香我美町岸本から太平洋、北は蜜柑の産地で香我美町西川までが一望できる場所です。近年、この県道沿いの雑木林が数か所伐採され視界が開けました。ここでも、道より下の斜面の樹木が広く伐採され只今萌芽更新中、一方背後の高所に茂る樹木は枝ぶりの良い大木や実を成す樹木も多く、森林形態にメリハリがあって野鳥の好みそうな場所なんですよ。
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実際にここで景色を眺めていると、多くの小野鳥が山筋を移動していくのが見える場所なのです。この日も、そんな小野鳥を見ていると、背後の大樹の枝がバサッと揺れる音。振り向いてみると、わずか20m足らずの距離に猛禽類が止まっていました。間違いなくサシバです。
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ところが私が身構えたので、サシバも驚きひとつ隣の峰まで飛んで行ってしまいました。

海側を飛んでいると思っていたのが、山側から接近してきたので私も身構えてしまったのが実に残念。
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でも、イメージしていた場所で秋サシバに会えたのは事実。こうはこれでよしとしておきます。

水族館のお魚紹介白にこだわってみました
明後日には大型で非常に強い台風24号TRAMI(チャーミー)が直撃横断する予報の高知県。
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白波が砕け散る室戸岬

9月28日日は、夜明け前に自宅を出発し室戸へ行ってきました。
陸上の天候は秋空が広がる好天でも、室戸へ行くと風は強く海は大荒れ。
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香南市から直線距離だと5・60kmしか離れていない室戸ですが、ここはいつ来ても別世界なのです、いろんな意味で。
この時化ですから、しばらく漁はなく、
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椎名の漁港でも、この通り既に全ての漁船を厳重に係留し終わっています。
先の台風21号では、香南市はあまり暴風を感じなかったのに、室戸では瞬間55m/s超える猛烈な暴風が吹き荒れたのです。
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室戸の家屋を守る屈強な防風壁

室戸は昔から猛烈な風が吹く地域。市街地を外れた地域の昔ながらの住宅は、ここまでして風に備えているのです。

今秋は、天候不順で室戸の美味しい魚に全く行き当たっていません。時々、漁の様子や漁獲される魚種はWEBサイトで確認しているんですが、あまり漁が芳しくないようなので、足が遠のいています。そして今日もこんな具合。
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そこで、今室戸で水揚げされている魚の様子が推測できる『むろと廃校水族館』へ行ってみました。
ここは、学校の25mプールでサメが泳ぐ水族館として全国に有名な水族館。
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ご覧の様に、大きなサメが背鰭を水面から出して悠然と泳いでいるのです。この角度から見ると迫力満点ですよね。
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高台から上から目線で見降ろしても、やはり不気味。この環形動物コウガイビルみたいなサメは、特に白くもないのに名前はシロシュモクザメ。野生では人を襲う報告例もありますが、このプールでは餌付けされていて、飼育員さんがプールへ入っても襲われることはないのです。

それをここへ来て全国ニュースで紹介して来ださったキャスターのお姉さん、このお顔は間違いなく美白というべき透明感にあふれる白さです。鮫と比べるべきでもないのですが・・・
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全国ニュースでも度々登場するむろと廃校水族館

しかも小さな魚がサメに身を寄せ泳ぐ姿も観察できます。回遊性の魚は魚付きといって大型魚類に身を寄せて泳ぐんですね。マグロやカツオ等、自身を捕食する回遊性肉食魚からの保身のために。
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メイチダイ
室内の円形水槽で今日ご紹介したい魚種がこちら。ゼブラ模様のこの魚、以前食材としては紹介したことのあるフエフキダイ科の中でも非常に美味しいメイチダイ属のメイチダイ。
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活きていればこその模様が鮮明に現れています。
最もこの模様は興奮することによって現れるほか、幼魚期にも現れやすいもの。

メイチダイは最大でも1㎏弱、40cm程度の魚です。
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水揚げ後は不鮮明になる体表紋様なのです。春産卵するタイ科マダイ属マダイは夏、高水温による摂餌活性低下と、産卵疲労により脂が落ちるのに対し、メイチダイは、高水温期に脂がのって旨いいわば旬魚。頻繁に台風が発生している時期に美味しい魚なんですね。
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前記のように中型魚種で水揚げ量もそんなに多い訳でもなく、夏に美味しいことから季節がくると食通にはマダイ以上に人気が高いメイチダイ。でも室戸では850円/㎏程度の手ごろな価格で販売されています。
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これがメイチダイの身色、透明感があるのは鮮度の良い証。脂もよくのっていますよね。でも、メイチダイは白濁しやすい魚。しかもアラ炊きにすると眼球の周りは独特の臭みも生まれ、鮮度が非常に大事な白身魚なんですよ。

料理画像は初夏のものを使用しました。

サメビタキ属の秋姿
しとしとと降る秋雨に煙る低山に聳える、ひと際高い大樹。
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エノキの大樹です。ですから秋になると小粒の実を多数成しており、その実が様々に色付き始める季節が、しとしとと秋雨に煙る今なのです。
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そしてお誂え向きに、その小粒の実の様々な色合いを身体に集約したような小鳥がこの実を啄みに来るんです、入れ替わり立ち代わり。
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その小野鳥の名はヤマガラ。人にもよく慣れ昔、飼育が許されていた時代には芸達者な鳥として有名でした。
ヤマガラは留鳥ですから、繁殖期には専ら動物食。
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ヤマガラの夏姿

里山近くの田舎暮らしだと、一年の暮らしぶりが手に取るようにわかるのがヤマガラなのです。
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そういった意味ではこのメジロも同じで、周年里山の周りで暮らし、秋になると、人の栽培する果実に悪戯する、厄介な鳥でもあります。
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そんな留鳥たちに混じって姿を現したこの小野鳥は、スズメ目ヒタキ科サメビタキ属の小鮫鶲コサメビタキMuscicapa dauurica、季節的分類では、日本においては九州以北で繁殖する夏鳥ではあります。冬季にはフィリピン辺りへ移動して越冬するんですね。
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しかし、私の暮らす周辺の香南・香美の里山においては、ほとんどが渡りの途中に見られる様で、秋にはたくさん見られても、夏この野鳥を見たことは一度もありません。

漢字表記の通り小雨が似合うのでコサメビタキではないのです。名前由来は一度サメビタキに移行して、後ろ姿の羽毛色が鮫肌色を思わせる鮫鶲と同属でそれより小型なのでコサメビタキなんだとか。

でも、両種の平均的大きさの相違は5mm程度、体長に対して5%以下の違いを正確に見分けられるはずはないのです。実際、両種の見分け方はいくつもあるんですがこの距離と角度では識別不明となるはずです
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エゾビタキ?】

一般にサメビタキ3属といわれる、紛らわしい種の一種がエゾビタキ。こちらはこの距離でも容易に識別可能です。エゾビタキは、更に北まで上って繁殖するため季節的分類では旅鳥。今の季節、コサメビタキ同様に、数多く見られる渡り鳥です。
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これもエゾビタキだと思っていたのですがこれもコサメビタキだった様。
エゾビタキ










熱帯地域との渡りを行うサメビタキ属ですから、当然春も見られる筈

でも、圧倒的に出会う確率は秋の方が高いのです。

ということで、春に赤野川で見た野鳥。
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これはサメビタキ属ではなく、ツグミ科ノビタキ属の旅鳥(本州中部以北では夏鳥)のノビタキだった様です。














香南・香美市 秋里山の山椒
サンショウ属の樹といえば、低山で多くのアゲハ幼虫を育み、花期には送粉昆虫の中で特に目立った多種多様なハチをご紹介した、烏山椒カラスザンショウを8月にはblog記事にしてきました。
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カラスザンショウの実
この夏、折に触れblog記事にしたカラスザンショウの大樹は雄株ですから実を成しません。そこで雌株を探して実を撮影してきました。
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こちらは、同じ山の尾根を走る県道脇にあったサンショウ属。花期はカラスザンショウと同じ頃ですが、9月中旬には未だ名残花が見られました。種は犬山椒イヌザンショウです。
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山椒は長く料理に活用されてきた伝統的香辛料。ですから品種も多いのですが、同属異種も多いのです。
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イヌザンショウの実
しかしこれらは、本山椒と比べ利用価値が低く、ミカン科の特徴たる鋭い棘があって、山での作業の邪魔になることも多い事から、伐採されることが多く、人の管理する森林では珍しい樹でもあります。
山椒 雌花








サンショウ 雌花
そこで、本山椒を探してみると、9月下旬に名残花が見つかりました。
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山椒の実
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人にとっては一族本家ともいえる山椒サンショウ)はこちら。実を成している以上、こちらも雌株です。

さて、里山の自然の中で山椒類の自生姿を知っておられる方々は、この画像を見ただけで個性豊かな山椒の芳香が画像からあふれ出て来そうな気がしていませんか。種によってその香りや味には大きな差があるといっても、手で葉を磨り潰すとそれぞれに、えもいわれぬ香りが漂います。

そこで、山椒を使った料理を少々。

実山椒
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山椒といえば・・・

鰻料理の定番薬味は山椒(実山椒)ですね。
高知にもブランド化された山椒があるんですよ。

実山椒を使ったちりめん山椒は、意外と新しく半世紀ほど前に京土産として販売され出し名物となったものです
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マグロのはらんぼ実山椒煮
それを応用して今では魚料理を中心に実山椒を酒・醤油・味醂などで味付けした煮魚は、広く家庭で作られています。

葉山椒
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それでもサンショウの木は雄株であっても、葉山椒や花山椒として料理に活用されるんですね。刺激的なのはテイスト(風味)であって、味だけではなく香りも人を虜にしてしまうのが山椒なのです。
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わが家の葉山椒
わが家の裏庭でも山椒の雄株を植え、家庭料理に葉山椒として活用しています。

山椒を育む秋里山の自然

この辺りのプチ奥山で日本人に愛される季節の蜻蛉『赤とんぼ』が仄かに秋色へと色づき始めるころにはみ、雌株は緑色の実を成しています。一ヶ月先には赤とんぼに負けないくらい実は赤く色づき、黒い種が露出してきます。
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山椒の実より早く色付く深山茜
これらサンショウ属は雌雄異株です。私が折に触れ記事にしたイヌザンショウは雄株、雌株は今の季節、ご覧の様な実を成しています。

山椒とは直接的に関係ないのに、鳴き方の特徴でその名前の付く夏鳥がこの辺りで活動するのをご紹介しましたね。山椒食(サンショウクイ)です。もっとも、私が今季この辺りで見たサンショウクイは、その亜種(一説では独立種)とされるリュウキュウサンショウクイばかりでした。

秋のリュウキュウサンショウクイ










秋のリュウキュウサンショウクイ
そのリュウキュウサンショウクイをこの日も、この山で見ました。この夏野鳥も、そろそろ南へ渡り始める季節が香南・香美の山々に訪れつつあるのです。

余談ですが・・・
そういえば、先日この山系で見た夏鳥三光鳥サンコウチョウ)も、鳴き方が月・日・星「ツキヒーホシ」と鳴くことからその名になったとか。
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冬空のイカル (芸西村にて)】
最も、同じ様な鳴き声に聞こえる留鳥(漂鳥)イカルもまた、サンコウチョウと呼ばれる場合がありややこしいです。野鳥の場合は、姿より鳴き声で存在を認識する場合も多いのです。勿論、その鳴き声の有無が大きな季節の指標となるのです。季節の移ろいは、目で見て匂いで感じ、味わって覚え、耳でも感じる。勿論それと深く関われば触れてみることもあるのでしょうね。

そしてそれらを重ねる事で、季節の移ろい季節感は五感に連動し合い深く深く味わえるようになるのです。そして自身にとって秋とは何なのか・・・その内、語り尽くせない秋感が芽生え、自身の個性となって広がってくるのです。

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