土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2018年10月

見えない世界の意味
小学校高学年の頃、近くを流れる河川で毛鉤を使った鮎釣りを始めました。鮎を釣るためには様々なルールが存在し、決められた期間に定められた漁法で一定の料金を支払い、それ以外にも人としてのマナーに従って鮎を釣るのです。
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その時、まだ小学生だった私は大人の仲間入りができた錯覚に陥りました。同時に年齢割引があっても決して小学生には安価と思わなかった鑑札券を購入提示して釣りを始める訳で、投資額に見合う結果を求め、物の本を読み漁りました。遊漁とはいえ実際の漁をする前に専門書を広く貪欲に読み自身の知識を養うことを、読み漁ると表わす事に何故か感激を覚え、漁に人の本質を感じました。

以来初めて漁をする魚に対しては、広く文献を読み季節ごとの秘策があることを自身の自信の礎として、様々な状況の下で迷うことなく実践し、結果として一定の期間の中では共に釣りに行った仲間より数多くの釣果を得ました。

勿論、お世話になる船頭さんの指示をそここに取り入れ、道具にも凝りましたが、どの世界にも私の立ち入れない領域があり、私が足元にも及ばない数多くの人々がいることも実感しています。私は所詮、基礎を忠実に学んだだけなのです。

水面上に現れる顕在
アユ










そんな鮎釣りの本の中に、解禁直後の鮎は1跳ね100匹と書かれていました。
遡上途上の群れ鮎の習性を分析し、釣果を上げるためには、漁の成立する場所を正確に判断せねばならず、
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群れの数と各々の摂餌活性の高さが釣果に直結するのです。

そこで、岸辺から見ていて鮎が一匹跳ねると、その周辺の水面下には百匹の鮎が潜在しているという故事の信憑性なんですが・・・
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群れ鮎は跳ねる
人は良くも悪くも1対100という比率に魅力や脅威を感じるようで、逆にいうとこれだけの差がないと心が揺れ動かないようです。その証拠に、この比率は鮎(市場規模)とは全く生態行動も生息環境も異なる昆虫のコキブリ(リスクマネジメント)にも当てはまる様で、1匹ゴキブリを見たら(顕在)100匹がその辺りに潜んでいる(潜在)とか。ゴキブリ潜在数の信憑性については、殺虫剤メーカーが広くデーターを集め分析しています。

水面下の潜在
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私は、鮎が跳ねている水域を橋の上から凝視したんですが、解禁直後は確かにその状態でした。自身の目で確かめた上で納得したわけですね。つまり鮎の遡上群は100匹単位で行動しているということなんです。
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さて、人は見たものを自身の世界観で判断し魅力の有無を感じます。私が鮎の群れの中で偶々1匹、私の目の前で飛んだ事で先ず考えたのは、川魚は何故跳ね上がるのかでした。この行動の真意と、実際には同じ意思を持った私には見えていない仲間の多い事に驚いたものです。
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そして、この跳ね上がった鮎1匹の価値と、姿を現したゴキブリ1匹の意味が自身が従事したサービス業において、如何に重要であるのかを再認識し活用しだしたのは20年も後のことでした。全ては、鮎釣りから始まっていたんですね、私の場合。

そんな鮎も河川の水温が一桁台に下がると再び群を成し川を下るのです。今度は落ち鮎産卵群として、一年の軌跡を次世代に託すために群れ跳ねます。鮎には残された時間で、自身が同じように先代から託されてきたものを伝える使命があるのです。
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ところが落ち鮎産卵群の一跳、その潜在数は100匹どころではないのですよ。
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隠れている世界もまた、紛れもない真実。ものの本質はむしろそこにあります。
見えているもの、相手が見せてくれているものは、自身が求めようとしている世界を表わす一つのヒントでしかないのです。
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そして当然のことながら、その世界に身を委ね生きていこうとするならば、向こう側の立ち位置から自分たちの在り様を分析してみなければなりません。
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潜み在るその世界を見極めてみたいと思いませんか。

永瀬ダムの秋
今年の夏は流域の防災で大きな役目を果たした一級河川物部川の主力ダム『永瀬ダム』。
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奥物部湖

その永瀬ダムによって形成される奥物部湖の湖畔が秋の色に染まりつつあります。
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香美市一帯は、全国有数の森林率を誇る高知県の中でも優れた収益性を誇る、林業に明るい希望を灯すモデル地域。
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里山斜面の柚子玉も黄色く染まる季節

自然バランスの取れた豊かな森林と、それを切り出す林道が整備された里山環境が今もなんとか存続している場所なのです。そんな豊かな山林もまた、今夏の猛烈な降雨を大きな災害に至らしめなかった要因です。

混交林の部分的な紅葉、あるべき自然循環と資源活用のと混成が粒さに見て取れる季節がまさに今この時でもあるのです。
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湖面の流木溜まりに、これから深まる秋の色彩にも見劣りしない美しい鴨を見つけました。主に本州中部以北で繁殖し、西日本で越冬する日本国内を季節移動する漂鳥、鴛鴦オシドリ)です。
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カルガモ・マガモとの混群の中で、渡り鳥鴨のマガモと比べると体長50cm弱のオシドリは随分小さく見えるのですが、存在感は圧倒的です。
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成鳥と幼鳥

奥山の渓流や湖面で見る事の多いオシドリ。木の枝に止まるのが得意でもあり、他のカモ種が上がらないこんな場所でもくつろいでいました。
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オシドリ♀】
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オシドリ♂成鳥と幼鳥、カルガモ

ハロウィンの場合
日曜日、日頃自動車のことでお世話になっているディーラーさんへ立ち寄りました。自動車保険の更新提案が本社保険部から届いていたので、地元営業所わが家の担当者さんと詳細を詰めに、空いた時間を見て伺ったのです。

アポイントメントは取っていませんでした。日曜でも日の傾く時間帯なので空いていると勝手に思い込んで行ってみたのです。ところがショールームはご家族連れで一杯。私の担当者さんも社外でのイベント手伝いということで不在でした。私の場合、アポを取ってないのでよくあることなのです。

そこで、代わりの保険に詳しいスタッフさんが提案書類を見ての私の質問に明確に答えてくれたんですが・・・

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その時、別のスタッフさんがこれを持ってきてくれたんです。

高知のアイスクリンをメインに手作りした氷菓子

これをいただいて、ハロウィンが近いことを思い出しました。
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その意識を持ってルームを見渡すと、ディスプレイもハロウィン、心和む装いなのです。

日本ではあまり浸透していないと思っている外国の祭り、銃社会ともいわれるアメリカでは、この時期このイベントに纏わる痛ましい事故もあり、わが家ではこのイベントに対し特別な事はしません。

でも、この氷菓子は実に美味しく頂きましたし、この日訪れていた人々も満面の笑み。ここでのイベントは訪問者の心をしっかり捉えた様です。

ところが日曜日からハロウィンに関するニュースは、事件めいた事ばかり。ダークイメージの先行する日本の現状を打開すべくワイドショーもあの手この手の切り口でハロウィンの現状に迫ろうとしています。

背景には無視の出来ない経済効果の現状と、これからも大きな可能性を秘めた高いイベント性があるのです。更に仮装パティー=ハロウィン的な風潮を顧み、ハロウィン本来の意味合いを鑑みるべきなど、どれも正しい意見ではあるのですが、事件の背景にも現代の人々の風潮が根深くあるのです。

人は自分自身が愉快に過ごせる場所を求め自由な時間を使って漂います。それは決して悪い事ではありません。でもそれが他の人に迷惑をかける行為であってはならず、もし間違ってそういう結果に陥った場合、それに対しての責任を全うしなければなりません。先ず、意識をもっての取り返しのつかない間違いは絶対しないことで、それに事件性があれば個の意識や意図の奥底まで推測の域で叱責されるのです。それ以外の間違いは、全身全霊を尽くし取り返すしかないのです。取り返そうとしなければ、取り返しのつかない事態により深く足を踏み入れる行為をしていると同じ事なのです。

ネット社会の充実も側面で同じ事が論じられています。氏素性が追究されにくいことを前提に自由な意見や行動を拡散できることの責任を深く考えず、他を傷つけてしまう場合があるのです。中には良かれと思ってした事が、同じ結果を招き驚いてしまうことも。

でも、そこにきちんとフィルターをかけて正確な情報を間違いなくリリースできる組織が存在するはずなのに、それが浸透せず認識されていないのは何故でしょう。その組織の情報拡散にもまた、原資が必要で背後のスポンサーの意向を無視することもできず、その構図を変える情報拡散の有料化においては、記事の論じるべき本質よりも、不特定多数の人が見たり読みたくなる内容が優先される傾向に流れているのです。


その部分が、自組織の大きな差別化であったのに今はバラエティー情報番組、今まで以上に過激に迫れば過激性で匿名の不確かな情報拡散に勝てる訳がないのです。問題は情報は受け取った側の判断にあるとしても、情報の清浄性より視聴・購読率を重視する組織にあるのです。

素顔の本質、仮装の隠蔽その世界の生き方は多々あり、それを受け取る側の責任としていたなら、歴史と伝統を持つ既存の情報組織は縮小の一途なのです。守るべき本質は何で、改革すべきはどこかを明確に打ち出し、スポンサー、読者とともに生長できる情報組織であってもらいたいものです。

文化の異なる他国でひとり歩きする豊穣祭ハロウィンが涙を流しています。

狩りの常套手段 待ち伏せ
今日は花の上を舞台に綴られる、生命がすれ違う一瞬の物語。
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よ~く見てください。これがその花舞台です。これから何が起こるか・・・最初に物語のタイトルを掲げていないと、ほぼ全員が見逃してしまうであろう光景です。
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時は北海道から九州まで広く日本に自生する唯一のブドウ科ツタ属の蔓性植物ツタParthenocissus tricuspidata。別名、夏蔦(ナツヅタ)と言われる事の多いこの植物の葉が紅葉に転じる季節。

所は、その季節に開花が始まるキク科ツワブキ属の艶蕗(ツワブキFarfugium japonicum (L.) Kitamの花の上です。
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そのツワブキの花、冒頭画像と同一の一輪に♂のアサギマダラが誘われました。毒蝶とはいえ最初は周りに気を配りながら吸蜜を始めるのですが、段々にその魅力に夢中になってより深く花に被さった瞬間、
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アサギマダラは翅を内角に閉じ硬直してしまいました。
毒蝶がある生物の毒を注入され、ショック状態に陥った瞬間です。

アサギマダラを麻痺させた主、もう一度時間を逆戻りさせツワブキの花を凝視してみましょう。
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この花には、その環境に擬態して待ち伏せして狩りを行うカニグモ科としてはこれでも大きい部類に入るアヅチグモ属の安土蜘蛛(アヅチグモ)Thomisus labefactusが花に溶け込み気配を消していたのです。
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アズチグモには自分より随分と大きな蝶を抑え込む体力も、一瞬で麻痺させるに十分な強毒もなく、それでも授かった能力の全てを駆使し総合力でこのように狩りを成立させるのです。蜘蛛界の舞の海さんみたいなアズチグモの生きる術、実に見事です。

ところが・・・

これは結末ではないのです。前記の様にアサギマダラは毒蝶。蜘蛛はアサギマダラを上手く捕獲できたとしても食べないのです。この後、アズチグモはアサギマダラを放ちアサギマダラは飛んで行きました。アズチグモの毒はアサギマダラに完全には効いていなかった様です。

秋咲きの茱萸花
初夏や秋に食べた素朴な味わいの庭木の実『グイミ』、高知では茱萸の実をグイミといいます。その茱萸の花期は春なのに・・・
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この通り、香南市の低山で10月に咲いているのです。

といっても、これはそれら夏茱萸ナツグミElaeagnus multiflora秋茱萸アキグミElaeagnus umbellataとは異なる、ナワシログミElaeagnus pungensなのです。

この他にもツルグミElaeagnus glabraの様にグミ科グミ属には晩秋に花を咲かせる種類があるのです。この秋咲きのグミの実が熟すのは翌年、ツルグミが春でナワシログミが初夏。

結実を媒介するのは昆虫ですから花は虫媒花。この日、秋咲きのグミの花に誘われていたのは、秋に活動している蝶でした。
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このアカタテハの吸蜜姿を観察していると奥の方にもう一種、意外な蝶の姿が。
ナワシログミ アサギマダラ









アサギマダラが吸蜜に訪れているのです。

アサギマダラは毒蝶で、食草や吸蜜花の植物から経口的にPyrrolizidine alkaloid(PA)毒素を体内蓄積し、天敵たる野鳥に備えるのです。

ですから自身が口にする植物には、個として強く生き延びて種として繁栄するために結構煩く選好みするのです。そんなアサギマダラも、時には季節が導いた御縁に我が身を委ねようとする時があるのかと・・・
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色不異空 空不異色 色即是空 空即是色

旅する蝶、秋のアサギマダラは気候の良い秋に札所へ行くとたくさん飛んで来ます。本当ですよ‼
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境内にはアサギマダラの吸蜜花ヒヨドリバナや、幼虫食草となるキジョランが少なからず自生しているのです。
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