土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2019年03月

夏羽キセキレイ
TVニュースでは東京都心は桜が満開。この日の日中は、それより4℃以上高かった高知県香美市の清水桜公園のソメイヨシノは開花しているといっても、未だお寒い状態。
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この好天なのに、誰一人花を見ている人はいません。
海から離れた観光拠点『龍河洞』近くのこの場所は、遠くから見ると、ソメイヨシノはこんな状態なのです。
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あの低山の向こうが龍河洞。そこから車で10分ほどの距離にあるのが私の暮らす香南市。ここでは数日前から田植えが始まって春本番を迎えているのです。

話を香美市の清水公園に戻すと、
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人のいない桜公園は、つかの間の野鳥の競演上となっていました。最も多く聞こえるのは、ウスイスの囀り。

保護色で背景に溶け込んでいるウグイスの姿、画像のどこにいるのか分かりますか。

声が聞こえても、どこにいるのか分かり難いのが小野鳥。しかも春先のウグイスは警戒心が強く、藪に潜み見晴らしの良い場所にはなかなか出てこないのです。
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それと比較すると、常に目立つ場所で囀り続けているのがホオジロ♂。ソメイヨシノの蕾に囲まれつつも夏羽の様相を呈しています。
ホウジロ成鳥は夏羽になると雌雄差が明確に現れます。
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一方で、囀る舞台として同じように目立つ場所が大好きなこの小野鳥。といってもこちらは、わざわざ人の造った見晴らしの良い場所を選び、いそしく場所を変えながら囀ります。
この小野鳥、今までの季節装う冬羽根と、繁殖羽たる夏羽では全く感じが替わるんですよ。
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羽毛がふさふさしている冬と比較すると、色付きだけでなく、身体形状も鋭くなるのです。

この野鳥名はキセキレイ
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繁殖羽の色合いだけで雌雄を決定することは出来ない野鳥とされています。夏羽では喉の部分が真っ黒く色付きます。
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複数の蜘蛛をくわえたキセキレイ
こちらは♀に求愛しようと、複数のクモを嘴に加えたままで連れ合いを探す♂キセキレイ。
やはり喉の部分は見事に黒く色付いています。

色付いていない成長は♀ですが、喉が黒い♀もいるんだとか。
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でも、今日ご紹介したこれらの個体は個体差はあっても、その仕草から判断しても♂です。高知ではそろそろ暑苦しくなる季節に敢えて蝶ネクタイでドレスアップするキセキレイ。

でももっとネクタイが好きな野鳥がいるんです。
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このシジュウカラの場合、ワイシャツの色は変わっても一年中ネクタイを外さないのです。

初夏になったらキセキレイの子養いの様子をお届けします。
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いかにも恨めしい雨
予報の上では曇りのち晴れなのに、朝から激しい雨に見舞われた月末の土曜日。
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ソメイヨシノの咲いた香美市の花公園も、この雨で霞んでしまいました。多くの名所で予定されていたイベントも、残念ながらこの雨ではお流れになったはずです。

ところが、この雨をものともしない花公園があったのです。それが香南市の『西川花公園』。近年、大人気の自然豊かな里山の花公園で、3月月末の土・日が樹花のピークであることを多くの人が知っていて、春を満喫できる最高の一瞬を見逃したくない多くの人々の気持ちが雨に勝ったのです。
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そしてこの雨を一番恨めしく思っているのは、間違いなくこの花公園を創ってきた人々。素晴らしい状態に仕上がった花々を、素晴らしい天気で楽しんでもらいたい気持ちは痛いほどわかります。

この後、天気は回復してくる模様。明日は雨に洗われ一段と輝きを増した花々が楽しめるはずです。明日は大混雑必至の西川花公園。それを覚悟で見る価値は充分あると思います。

2019清流にも春がきた
昨年の春は高知の各河川ともに記録的なアユの遡上量でした。
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ここ赤野川でも久しく見る事のなかった若鮎が無数とも思えるくらい堰堤を遡っていく姿が何日も見られました。各河川の水産資源を管理する漁協や地域の方々との連携が、年々かたちに現れてきていると安堵したものです。

今年も冬には香南市の漁港でアユの幼魚『氷魚ヒウオ』が群れる姿を見ていたので密かに期待はしていたのですが・・・

ところが昨年は今頃には、この堰堤を多くの小鮎が飛び跳ね、一段ずつ魚道として造られた水流段を遡っていったのですが、今年は全くその姿を見ません。今年は少雨の影響で赤野川の水量も少ないことが影響していると私は思います。
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近年、赤野川の河口は、まとまった雨が降らない限りこの様にずっと閉塞しているのです。河口域も非常に小規模で、河口内部の水域で、孵化したアユの幼体が越冬できる条件は整っていません。
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先週雨の降った後に、この河口を見に行くと川と海がやっと通じ合っていました。でも数日雨が降らないとまた閉塞。ですから一度降海した幼体が稚アユや若アユとなって赤野川に戻って来るには、まとまった雨が降った後の限られた時間だけ開く、その一瞬をおいてないのです。

今春はこの河口が遡上するアユにとっての第一関門として立ちはだかっているのです。
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この川と海の扉が一瞬開いて2・3日、いつもの堰堤で小アユを待っていたのですが現れず、3日目には河口まで川沿いに下ってみましたがその姿はどこにも確認できませんでした。
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そして週が替わった3月28日、堰堤直下の急流に見え隠れする小魚の中に、オイカワの幼魚に混ざって小アユの姿が。でもまだ数が少ないため、上流への第二関門となるこの堰堤には挑んでいません。

アユは群れることで互いに刺激し合い、闘争心が高まっていく魚なのです。

小規模な赤野川の場合、河川の生態系は少しの外的要因の変動で大きく変わってしまう危険を孕んでいます。一昨年は厳しい寒冬で、降海し沿岸部で暮らすアユには非常に天敵が少なかった恵まれた季節だったと予想できます。ですから非常に大量のアユが再び遡河できたと考えられるのですが、それでも夏にはいつもの年と変わらない資源量におちついていたんだとか。

これが自然界の調整力なのです。そして赤野川、今春のアユ遡上の本番はまだこれからなのかも。今後に期待しています。
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堰堤にはいつもの春と同じチドリやシギが活動する姿が見られ始めました。

さて、春になってアユが川に戻ってくると、河川の生態系は俄然賑やかになります。赤野の様な小規模河川では、突然川の魚が何倍にもなるのです。
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それを他の動物が見逃す訳はないのです。赤野川の場合はカワセミでしょうか。早速、この日も小アユを高台から狙っていました。
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この日は、もう少し上流でちょっと変わったセキレイをみつけたんですよ。どこが変か分かりますか⁈ 早春に出現してくるガガンボを捕食していました。
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更にもう少し遡ると、この辺りは民家や田園とも離れ、深い谷の底を川は流れます。谷筋沿いを渡る風に乗って、春限定の清らかな蝶がたくさん渡ってきます。
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その蝶の名はツマキチョウ。春里山を代表する蝶のひとつです。ちなみに上画像は♂。
♀のツマキチョウはこちら。
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♀の褄(端)部分は鮮やかな黄色ではなく淡く消え入りそうな黄色なのです。褄黄蝶とは♂の特徴を表したものなのですね。

川筋からはカジカガエルの美しい鳴き声も聞こえてきます。
春は、特に見どころ満載の赤野川です。

妻の里山で春の食材探し
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田舎暮らしを満喫している妻。幼稚園の教諭を辞め、突然始めたのは自身の雑木林を活用した里山創りです。
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そんな妻の里山では今、春の木本や草本が花を咲かせています。でも妻は果樹には肥料を与えません。そして剪定は誰よりも大胆に行います
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オウトウとスモモの花
果樹の花の受粉も虫まかせ。つい先日までは、どこかで養蜂家さんが管理しているセイヨウミツバチがその役目を果たしてくれていましたが、
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キイチゴ(リュウキュウバライチゴ)の花
今週からはコアオハナムグリトラフシジミも参加。
妻の里山は俄然、多種多様な送粉虫たちの溜まり場と化してしまいました。

里山の春果実
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早世花のキイチゴ類には、早くも果実が熟したものも。今日はそんなキイチゴの果実を収穫に来たんですよ。
妻の里山には二種類のキイチゴがあります。
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キイチゴ(クサイチゴ)の完熟果実
先ずこれはクサイチゴ。けっこうどこにでも自生しているキイチゴ類。味も美味しいのですが、これを収穫して食べている人は案外少数であるように思います。
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リュウキュウバライチゴの未熟な実
もう一種はリュウキュウバライチゴです。これは今まで食べたことのないキイチゴ類。その場で双方を食べ比べてみました。

見た目でお判りの様にリュウキュウバライチゴの方が粒々が大きく荒いので、味以外に食感も違います。といっても、この黒っぽいのは未熟な実。ところがリュウキュウバライチゴの場合、この時点で十分な甘さがあり、酸味もないのです。
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リュウキュウバライチゴの完熟果実
熟してくるとこんな色に変わります。その熟した果実の味は・・・

クサイチゴは甘味と酸味のバランスが良く爽やかなキイチゴ。リュウキュウバライチゴは甘味が強く、酸味はないに等しい極上の糖度を感じます。それだけではなく、清々しい森林の薫りが感じられる不思議なキイチゴです。
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果実比較 左:リュウキュウバライチゴ 右:クサイチゴ

自宅にある淡い色合いのカジイチゴ、収穫は5月で高知では汗ばむ季節。そんな頃合いにマッチして、カジイチゴはとってもジューシーですが糖度はこの両種ほど高くはありません。それぞれに特徴豊かで一度食べだすと、どれもがクセになり翌年の旬が待ち遠しくなるキイチゴ類なのです。

ちなみにバライチゴはこちらです。
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バライチゴ
バライチゴはリュウキュウバライチゴより随分遅い6月に果実が見られます。

野趣あふれる季節各々のキイチゴ類。複数の春キイチゴたちが奏でる味は、とっても優しく、それを食した者をどことなくホッとする柔らかな甘みで包み込んでくれます。高知では晩秋が旬の変わり種クサイチゴ類、フユイチゴとはまた趣の違う味わいに感じるのです。
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秋はこれから厳しい自然に立ち向かう路地の植物の覚悟を。一方で早春に花を咲かせ、その後に時を置かずして速やかに稔る極限られた植物の果実は、蘇る陽光を得て輝きを増し、解き放たれようとする生命の喜びが凝縮されている様な。

同時に春という季節感が、それを食する私たちの心持ちも変えてしまっているのでしょうが。
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それと、同じ地域に自生する同種同士のキイチゴでも、僅かな熟度の違いや生えている場所の違い、粒の大きさの差で一粒づつ味が微妙に違っているのが実に興味深く面白いです。

里山に芽吹く春山菜

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奥の方の谷あい近くには、季節の山菜がたくさん芽生えてきました。
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田舎暮らしが長い人なら誰もがしっているワラビ。最初2・3本出てきら、後はどんどん出てきます。
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ワラビはシダ目の新芽山菜。採れたて捥ぎたての旬里山の恵みをお裾分けしてもらい日々の食卓が賑わいます。
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早春の2月に紹介した淡竹の地下茎から芽吹いたばかりのベビー筍も、まだ収穫中なんですよ。
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葉が開いてしまうとシダそのものです。

ワラビを収穫しているとこんな昆虫が飛び回っていました。

気温が上がり、いち早く活動を始めたトンボ
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成虫活動期が長いオツネントンボ♀です。本種は成虫で越冬するイトトンボ。冬の内は枯れ草色なんですが、春になると水色に色付くんですよ。

春の大空を渡る鷹
風に吹かれ花弁が飛んでくる山桜の樹を見上げると、
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青空高く鷹が旋回しています。季節的にサシバを予感したんですが、カメラのレンズで見るとハイタカでした。

田舎暮らしのサプライズ
里山の収穫物を手に帰宅すると、
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近所の知人がご自身で栽培収穫した無農薬野菜を差し入れてくれていました。

しばらく、野菜と山菜と天然のスイーツ三昧です。

山の食堂Hanaさんの里山に桜咲く
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私が暮らす香南市の隣、香美市の龍河洞を北にいった場所、香北町岩改の山の中。ここに私たち家族が大好きな山のイタリアンレストラン『』さんがあります。
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その周り、山の斜面には季節の花々が植えられているんですが、あと数日でソメイヨシノが満開を迎えます。3月初旬に岩改の里山へ来たときから、すでに満開だったアセビの花は三週間たった今でも盛りのまま。一時的に寒の戻りがあったとは言え、実に花期の長い花です。
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その時と違うのは、日本在来種の大型マルハナバチ属『クロマルハナバチ』たちが大きな羽音を轟かせ、沢山活動を始めているのです。ここのところ、この岩改の里山も日中は20℃前後にはなっているのです。
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でも、今日活動していたクロマルハナバチは全て♀。♂が姿を見せるのは、南国高知が汗ばむ季節、沢がクレソンの花で白く染まる季節なのです。
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そういえば、3月初旬に少し離れた同じ県道脇で満開を迎えていたサクラ種。今は殆ど葉ばかりになっています。葉の柄にある蜜腺の位置がこれ。何という種類なんでしょう。
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同じ様にその時、越冬明けで活動を始めたアサギマダラの幼虫がまもなく蛹になります。
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道脇にはウグイス、森林の奥からはコジュケイカゴシマアオゲラの声が聞こえてきます。岩改の里山も、生き物で賑やかになってきました。
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来週の週末にはさんに予約を入れ、美味しい料理と岩改の春を家族で満喫しにきます。

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