土佐料理 旬の鰹がゆく!

自然豊かな高知の気候が育む産物を食材とした伝統郷土料理のご紹介です。 自然に触れ、それらを見守りながら地方の環境問題を考え、豊かな自然環境の中で収穫される食材を自身の主観でレポートしながら、旬とは何かを考えます。

2019年08月

漁港ならではの時合
久々にぶらっと立ち寄った手結の漁港。目的はいつもの様に、地元漁港に水揚げされる季節の魚を見に来た訳ですが・・・
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大きく竿を曲げ強烈な引きをいなす釣り人の姿
漁港敷地内の駐車場に降り立った途端、この日目に入って来たのは、あちこちで竿を大きく曲げる釣り人の姿。
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当然この引きだと、取り込みにはタモ(掬い網)が必要。それを皆が用意しているという事は、それなりの魚が相当数、港内に入ってきているという訳なのです。
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さっそく、釣った方に見せていただくと獲物はクロダイチヌ)、魚体からして3歳物というところでしょうか。食べごろの秋黒鯛アキチヌ)です。
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雑食性のクロダイですから、釣り餌は季節や場所によって様々な使い分けをするのですが・・・
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港の出口に近い潮通しにも優れるこの場所ではこの季節、餌取も多いらしく、刺し餌にはサナギを使い撒き餌に工夫を凝らして、クロダイ集魚を上手に行って釣果に結び付けていました。

それにしても、明るい内からこんな近場で手軽に強烈な引きが複数回にわたり味わえる暮らし。釣り好きにはたまらないsituationが整備された、まさに田舎暮らしの醍醐味なのです。

その後、競りを見ようと港奥に場所を移すと・・・
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漁師さんが忙しなく水揚げ作業を行う傍らに複数の釣り人がいるのですが、ここでは撒き餌もせずに、まるで釣り堀の様に結構な魚体の魚が釣れているのです。
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それはいわゆる爆釣モードと言うに相応しい状態。なぜ、自然の魚たちが一時的にせよこのような状態になるかというと・・・
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沖で漁を終えた漁船が、港内で甲板の洗浄作業をしている時に、シイラ等大型魚が水揚げ時に吐き出した食物残渣が海面に流し出され漂う状態に、多くの魚が集まってきているのです。
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大型魚の消化器内で程よく発酵した食物残渣の集魚効果にはただ驚くばかり。しかも、ここの釣り人たちは皆、刺し餌に魚(メジカ)の切り身を短冊にして使っているのです。
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海面近くで捕食するのはメッキを主とする回遊性小魚なんですが、この群れの下に大きな魚が相当潜んでいるのです。
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その魚はキチヌキビレ)。面白いくらいに、なんぼでも釣れてきます。まるで活イワシを撒いて、錯乱状態になった鰹の一本釣りを見ている様。

釣り人はその釣り人生において一生の間に何度、この極上な瞬間を経験できるのでしょうか。
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と、思っていたら・・・
それは時間限定や、曜日限定の特別セールなのでは無かったのです。

翌日は競りが休み(日曜日)だったので翌々日の月曜日に来てみると、やはる複数の釣り人がいて、漁船が接岸して漁獲魚の水揚げを始め出すと、また凄まじい爆釣モードに突入するのです。
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釣法は、コマセを使わないフカセ釣りですが、棒ウキを大きめのカミツブシで、タナに素早く馴染ませ、小魚をかわすのです。

それが、漁師さんが忙しなく作業している漁船のヘリ近くへ来ると、お約束の様に棒ウキが海中へ消し込まれるのです。
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後は小気味よい魚の引きを竿でため、スリルを味わいながら足元まで魚を寄せ、
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上手くタモ入れに導くのです。
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スカリに入ったこの日のキビレは2日前より一回り大きく、最も多きい個体は40cmを越えています。
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更にこの日は別の魚種も港内に入って来ていました。クロダイ類同様に、夜間活性が上がるコショウダイです。

こんな良型魚が真昼間の喧噪の中、人の騒ぎに誘われる様に群れ爆釣するのです、毎日毎日泳げ鯛焼き君なのです。

そして遂にその時が・・・
とくると、釣り番組ではとてつもない巨大魚がヒットするのですが、
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まさにそんな大物中の大物が食いついたんです。

ちなみにハリスは1、7号だそうで、ためたりいなして寄せられる魚ではないのは、このやり取りを見ていると釣り経験者なら容易に判断できるのです。一進一退と言えるものではなく、なされるがままなのです。
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こうなると、家庭での私の様にじっと耐え忍んで、ひたすら相手が諦めてくれるのを待つしかありません。
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それにしても凄い引き‼ 竿のしなりとリールのドラグ機能により、魚には相当な負荷が掛け続けられているのに、右から左へと50m以上走り、5分経っても全く弱りません。釣り人を嘲笑っているかのような魚です。

この手応えを身体で受け止めた釣り人は皆、咄嗟に同じ願いを口にするのです。「せめて一瞬でも姿を拝ませてせてくれ」と。
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更に数分が過ぎ、魚は今まで耐えた釣り人の願いを聞き入れたのか、一瞬だけ海面近くまで浮上し、釣り人の姿を確かめました。まるで魚の方も釣り人を見たかったかのように。

次の瞬間、この巨大な魚は頭を一振りしただけで、いとも簡単にハリスを切って消えていきました。もはや釣り人には、その行動を予期しそれを回避させる術を講じる集中力は残っていなかったのです。

強者は、掬い網の径よりもはるかに大きな体長70cm4kgは超えているであろうコロダイでした。腕前だけではどうにもならない装備の差が勝敗を分けたのです。その後タックルを点検すると、リールのドラグ機能が破壊されていたんですよ。
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その後も2回、同様の引きをする巨大魚が針に掛かったんですが、ドラグ機能が正常に作動しない以上、勝負は瞬殺で終わります。
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ちなみにコロダイとは白丸の魚です。沖釣りなら、最初の重く強い引きをかわせば、十中八九は釣り人の勝ち。

このコロダイも70cmはありましたが、当時中学生の長男が釣り上げたものです。

でもこのサイズを陸からフカセ釣りであげるのは至難の業です。もし確率高く釣り上げようとするなら、その魚のみを目標としてそれより小さい魚のイメージを完全に消し去り、タックルバランスを重視して釣りに臨むことです。
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この1m近いオスのマダイ、実際に香南市岸本の浜で釣り上げられたものです。

単純に、食すことを重視するなら巨大な老成魚よりも同種類の中型魚の方が美味しい種類は多いんですよ。

黒鯛を味わい尽くす
さて、近似種どうしのクロダイキチヌ。淡白な味わいが特徴の白身魚が多い中、この二種には味に独特な個性があります。
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クロダイ
クロダイの身には、白身魚としては濃厚な旨みを感じます。しかしそれには嫌悪感を抱く人も少なくないほどの強い個性があるのです。

勿論それは、クロダイの食性に少なからず由来しているものですから、この魚を美味しく食べるためには十分すぎる下処理を施すことが肝要なのです。
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キチヌ
一方キチヌには、クロダイと比べると夏らしいさっぱり感があります。
キチヌは夏の魚なのです。
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コロダイ
参考までにコロダイの刺身はこちら。コロダイは身質がしっかりとしていて、脂が乗っていると美味しい魚ではありますが、うま味は淡白で、身に鮮度とは関係ない生臭みを感じる事が少なくありません。鮮度を楽しむよりも2日は熟成させた方が旨いです。

捌いて脂の乗りが薄ければ調理法は和食よりも洋食向きな白身魚です。

さて、話をもとに戻して・・・この条件下でこの釣り座に入れる人は多分、少なからず市場の漁況の関係者さんです。ここは今、漁師さんたちが懸命に水揚げ作業と後片づけを忙しなく行っている戦いの場なのですから。

つまりその時間こそが、この港内の釣り座での時合いなのです。本来、警戒心の強いクロダイやキチヌが錯乱状態になって口を使う条件が、漁港が戦場と化すほんの一時の時間帯だったのです。

そんな特別な時間帯ですから、ここには気心や意思の疎通なくしては入れない結界が存在しているのです。
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そしてその結界の中に、この日は素晴らしい漁獲物を見ました。でもその報告は次の機会にさせてください。

種に特有の越冬態
幼い頃、クワガタムシの成虫は夏が終わると全て死んでしまうものと思っていました。ところが、温かい冬の日中に庭を歩くクワガタムシを見たり、庭の大きな朽ち木を片付けていると、中からどっさりの幼虫とともに成虫が出てきたり・・・

その時、四季が明確に現れる温帯に暮らす一部のクワガタムシは夏成虫で活動後、餌が無くなった時点で休眠し翌年暖かくなると再び覚醒し活動に入ることを知りました。ですからそのような環境を整えた飼育箱でクワガタムシを飼い、冬も極度な乾燥を防ぐと、確かに翌年早くから去年捕まえたクワガタムシが活動しているのです。当時は世代交代させる知識も技術もありませんでしたが、その事実にはとても驚きました。

でも、冬に成虫で越冬可能なクワガタムシ類はオオクワガタ属に限ると思っていたので、妻が2月初旬に山仕事をしていてノコギリクワガタの成虫を見つけた時にはまた驚きました。その後もやはり2月上旬に成虫活動するチビクワガタ(チビクワガタ属)を発見したりと、冬眠という行動生態の定義にすら疑問を持つ様になりました。

実際に、チビクワガタは冬の里山で成虫活動していたので、オオクワガタ属同様に成虫で越冬するのですが、ノコギリクワガタは成虫では越冬できないというか、夏に一度活動した成虫が冬に休眠して再び覚醒することは皆無とされています。
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そこで登場するのがこのクワガタムシ。これを見て種を特定できる人はそう多くはないと思います。


クワガタムシは幼虫時に環境条件によって成長に多きな差が生まれ、特徴的な大顎にも同種とは思えない差異が現れます。
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原歯型ノコギリクワガタ
このクワガタムシはその個体特徴が顕著に現れるノコギリクワガタです。オスでありながらたぶん成虫化後の体長は3cmないのかも。ですので原歯型ノコギリクワガタです。羽化後は上画像の様になります。
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同じ原歯型ノコギリクワガタでももう少し成長が進むと鋸歯が鮮明に現れます。

といっても、多くの人がノコギリクワガタに感じる魅力は大顎の湾曲。
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両歯型ノコギリクワガタ
妻が里山2月初旬に見つけた個体は両歯型と言われる型式なのです。

それが更に幼虫期の生育条件に恵まれると、
先歯型ノコギリクワガタ











先歯型ノコギリクワガタ
体長6cm手前あたりから、子供の頃憧れた見事な先歯型ノコギリクワガタ成虫となって出現するのです。

今回の蛹、飼育個体なのになぜこんな小型で蛹化したかというと、暫く成長するまで発見できませんでした。つまり成虫飼育マットである程度育った幼虫を、ヒラタクワガタ幼虫が羽化した後のある程度、土壌発酵が進行した菌床ボトルで蛹化させたものです。それをある目的で蛹室から取り出し、人工蛹室で羽化させるのですが、正確な羽化日と成虫化後の行動を追跡調査したくて取り出したのです。

実は妻のみつけた両歯型の成虫、多分晩夏から秋に蛹化してその後に羽化。そのまま活動せず蛹室で越冬していた個体を妻が山作業で蛹室を破壊してしまったのでしょう。体表の色合いから見てフレッシュな個体ながら、片顎の欠損は人為的なものだと判断しました。勿論、妻を責めてはいません。


でもこの個体、2月初旬に発見して夏まで家で暮らし、発見者たる妻の意向で7月に放虫したのです。

今回のテーマは、夏以降に羽化した個体の動向を探ってみようと思っています。予測ではあと10日もあれば羽化しそうですから。判っていることはノコギリクワガタの越冬態は幼虫か成虫の不定態だということです。

田圃で湧く田金魚
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稲刈り後の田圃に台風の大雨が降り一週間、春田圃に水が張られた時の様に再び田金魚が出現していました。

ご存知ですか田金魚
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土佐金
ちなみにこれは土佐金。錦鯉産地のように高知では田圃で金魚を飼っている⁉・・・訳ではありません、あしからず。

田金魚は多金魚であって他金魚でもあるのです。
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これがその正体なんですが、これを田圃で初めて見る人は甲殻類には見えず魚と思うのです。それはこの生物の身体が半透明で輪郭がつかみ難く、水中をフワフワと時に早く遊泳しているからなのです。
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この日これを見た私は田金魚の事を知っているにも関わらず、水田でカワムツの幼魚が泳いでいると思ったくらい。田金魚の季節的出現イメージは春だと思っているからなのです。でも田金魚のいる田圃なら、田金魚は水が無く乾燥していようが、水たまりが凍っていようが高水温で沸いた状態であろうが一年中、田金魚は田圃に居るのです。
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活性が低下して活動出来なくなると卵でその時期をやり過ごすのです。そして水が溜まり水温が適度になると一斉に孵化し成長を始めるので、春田圃には田金魚が湧いたように現れるのです。その印象が強く田金魚は春のものと思ってしまうのです。
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田金魚の正式和名は豊年蝦ホウネンエビ)、ホウネンエビ目ホウネンエビ科ホウネンエビ属の水田を生活域にする甲殻類なのです。古は水が豊かで水田環境の整う地域自体が豊かな国力の象徴でしたから、そこに湧く蝦が豊年蝦と名付けられたのは極めて自然な流れだったのです。

そんなホウネンエビは成長しても2cm程度、一般のエビの様に歩行脚を持たず代わりに鰓脚と呼ばれるガス交換を果たす呼吸器を備えた10対ほどの遊泳脚で通常はそれを動かしながら金魚のようにフワフワと泳ぐばかりか、胸部はその遊泳脚と一体化しているように誤視され膨よかに見え、細い腹節と最後部の薄朱色の尾叉、更には突出したように見える目立つ複眼によってその形状は丸で金魚なのです。
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複数の個体は胸部最後部の抱卵嚢に既に卵粒を有しています。サワガニやザリガニといった見慣れた純耐水性の甲殻類の卵粒は、比較的大粒でそれらは親の腹節にくっついて変態えを終了。親の腹節から離脱するときには親と全く同じ容姿になっているのに、このホウネンエビの場合は、微小なプランクトン類と呼ばれる甲殻類同様の生活環で、水田という環境に特化適合しているのです。
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昆虫類が翅を使って、急速な環境悪化に対して飛翔移動するのに対し、違う生き方を選択したホウネンエビ。ホウネンエビは自らの将来を人間に託した生物なのです。

季節が代わっています
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香南市では今、残り少なくなった夏の変化に気付き、様々な生き物が活発に活動しています。そして人も敏感にその変化を察知し、その好機を逃すまいと活動しているのです。
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今日は、そんな好機を察知し上手く季節を楽しんだり、自らの生業に反映させている香南市の人々を見つけました。でも今日のところはその予告編、取材中の記事なのです。
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8月25日の朝、香南市の最低気温は19℃、猛暑はひとまず収束しました。今年は秋が早かったのです。

その原因は、季節外れとも思える程に早く秋雨前線が出現したため。一日中雨でもなければ晴れている日もなく、高湿度ながら涼しくなっているのです。

この日8月27日も五島列島では物凄い雨が降った様で、香南市でも一時、辺りが真っ白になるほどの豪雨となりました。
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ここは香南市夜須町の手結漁港、何重もの防波堤に守られた港湾内部の漁港です。

この水揚げ場の前が、ここのところ連日、時間限定で凄いことになっています。
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海浜公園の人工釣り堀よりはるかに凄い状態で紛れもない正真正銘の天然魚が爆釣しているのです。
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中には70cm4kgを超える巨大魚も針掛かりするんですが、そこは自然の釣り場でありながら、特別な時合いが存在し、この限られた場所に、中々釣り座を構えることは一元の釣り人にはできない様です。周りでは多くの漁師さんが目の色を変えて忙しなく仕事をしている修羅場の横ですから。
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ですから、ここで釣りをしている人は多分、非番の関係者か漁師さんの知人なのです。この釣り場自体が漁師さんの生業の副産物として形成され、漁師さんの意思に関係なく維持されているのです。ですからここは、漁師さんの仕事に細心の気配りを行わずして、入れる場所は決してないのです。

しかも針掛かりした巨大魚は、右へ左へと縦横無尽に泳ぎ回りフカセ竿で釣り人が制御できる代物じゃないレベル。多くの人が竿を出せる状態でもない・・・特別なフィールドと化しているのです。
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でも、運が良ければこんな巨大魚も釣れるかも・・・

いくら生態系豊かな高知でも、容易くそこまでの幸運はありません。
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でも今、手結の沖合で巨大なマグロ(キハダマグロ)が釣れているのは事実なんです。

ところが、そこは紛れもなく漁師さんの漁場。遊漁人がそれを妨げたり、破壊するような行為はあってはなりません。

海は皆の海、自由な場所なんですが漁場の形成は一朝一夕には成り立たないもの。それを育み維持する人があってのもの、消費者もまたその恩恵に預かっているのです。

私もまた、この人達と仲良くなって取材を進め、改めて詳細をご報告します。

正体がわかりません
8月後半の午後、今年は早い秋雨前線の影響で夕立が来そうな香美市岩改の山で、メジロの群れの中に一羽、顔が広範囲に黄色く染まった小野鳥がいました。
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林道から離れた斜面、50mは離れた上段に位置し、見上げる態勢になって全体像が分かりませんが、明らかに顔の羽毛は広範囲に黄色なのです。
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メジロよりはやや大型に見えました。この日、メジロの群れは暫くこの辺りを飛び回っていたので、更なる好条件で撮影したかったんですが・・・
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この後は凄い夕立となってThe End、続きは夢で見ます。

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