高知の旬魚
高知の逸品鮮魚。本日もまた今、最も美味しい旬の鮮魚をご紹介します。
前回紹介のホシガツオ(モンズマ)と違って、一般的鮮魚です。この前の様に身質を画像判断して正解が導き出せるでしょうか
旬といっても、これほどまで脂の乗り切っている個体はめったにお目にかかれません。すごいです
だから取り上げたんですけど
鮭児みたいです。
腹部は言うに及ばず、全体にまんべんなく脂がのっています。ですからこの種を普段調理している人でも一瞬
でもおろした身質と形状で調理師さんは判りますね。
タタキにすると、こんな感じです。答えは・・・
ゴマサバです。高知では土佐清水の立縄漁で漁獲したゴマサバがブランド魚の『清水さば』。
でもこれは、室戸の大敷ものです。
清水さば 関サバ
日本近海のサバは主にマサバとゴマサバの二種類。
ブランドサバとして有名な関サバ(大分県、豊予海峡)、松輪サバ(神奈川県三浦市松輪漁港)、金華さば (宮城県金華山沖、石巻港)、これらは全てマサバです。
マサバ
清水さばだけはゴマサバです。ゴマサバは、マサバより若干高水温系で両者は同じ海域にも生息します。概してマサバと比べ身質が弱く身割れを起こしやすいゴマサバ。特に産卵後と梅雨期は脂ののりが極端に落ちる、季節差異が顕著に現れるサバです。しかしながら晩秋を迎えると魚の状態は一変、マルサバと呼ばれるほど丸々肥え素晴らしい身質となる、今まさに旬の鮮魚(大衆魚)なのです。
高知名物:清水サバたたき
不漁続きの清水さば漁
土佐清水は、近年の宝石珊瑚漁で漁場が荒廃しているのか近年は不漁続き。室戸はブリやサバは比較的豊漁ですが、深海のブランド魚『キンメダイ』が不漁。高知県もそろそろ、珊瑚漁との因果関係を調査してきちんとした指導をしないと、沿岸漁場が荒廃して漁業が衰退してしまいます。
清水さば縦縄漁
珊瑚漁も高知伝統の漁業資源であり、漁師さんの貴重な生活源ですが今の採取方法ではサンゴはあっという間に取れなくなり、残った物は漁場の興廃になりかねません。そして次、珊瑚漁ができるのが2百年後
宝石珊瑚漁
大きな沈子をつけた網を深海に沈め、漁船に動力をかけ高範囲の宝石珊瑚を絡め捕ります。
この問題、非常に根深いものがあります。沿岸の漁師さんは今や、庶民の魚離れで昔のような価格で魚が売れないんです。そして漁獲量が少ないから特別な扱いをされるのではなく、近年は無理に食べなくても良い食材として評価されています。現代はタンパク源食材が豊富にある時代ですから。一方、宝石珊瑚には中国という巨大市場が存在します。
そして、こんなに美味しい旬の鮮魚も家庭で料理できる人がいないといった具合にますます、魚離れが進行しています。私たち昭和中期の人間は学校の家庭科で魚のさばき方学習したんですけどね。
どうすれば、海に面した国の資源が有効活用でき、日本の伝統食文化が守れ、健康な長寿社会が築けるのか。
政治家や行政以上に、責任は私たちにあるのかも分かりませんね。
家族で楽しく過ごす時間、見知らぬ土地へ行って知らない土地の歴史や文化を学ぶことと同じように、衰退してゆく地元の身近な文化の検証をしてその重要性を見つけ出すことも又、家族との楽しい思い出づくりになると思い、いままで家族と一緒に長い時間を共有できなかった私が、今心がけている、ささやかな家族との絆づくりです。
皆さんも日々地元の食材を応援し、家庭の伝統土佐料理を伝承してくださいね。
コメント
コメント一覧 (2)
いろいろブランドがあるのですね。
金華さばってのは「三代目魚河岸」って漫画で知りました。
素晴らしい目利きができるので、さぞかし頻繁に通われているのかと思いました。鯖本来の旨みは、釣り師になるか産地へ赴いて食べるしかありません。いくら鮮度保持を試みても、経時劣化は如何ともしがたい魚。産地ならではの食感は、決して輸送が入れば味わえません。
又、魚は生きていれば良いものでは決してありません。四角く狭い水槽で回遊性の魚を高密度で生かしておくのは絶対ダメ、生きながらにして大きなストレスが身に蓄積しています。消費者に対しての意味のないパフォーマンスでしかありません。(一部の割烹にはゴメンナサイですが)
鯖は、熟成により鮮度に勝る旨みは出ませんよね。
釣り師だけの特権、また余裕ができたら是非再開してくださいね。