劇的変化
アサギマダラ終齢幼虫、前蛹(ぜんよう)となって、キジョラン葉裏の主脈に糸座を形成し3日が経過。
今日は、そろそろ蛹化します。

終齢幼虫から蛹化までのおさらいをすると
アサギマダラ幼虫【アサギマダラ幼虫】
終齢幼虫は、蛹化の前に今までにはない長い距離を移動しながら、糸座を貼る場所を探し廻ります。
この頃になると、極端に摂餌量が落ちます。たぶんもう餌は食べていません。
アサギマダラ幼虫4齢・5齢アサギマダラ終齢幼虫
糸座を貼ると完全絶食に入り、これを機に幼虫皮下では、激しい組織変化が起こっていつのです。
アサギマダラ前蛹
【アサギマダラ前蛹】
アサギマダラ前蛹 (2)
こんなにも美しい前蛹、見たことがありません。

このメカニズム、簡単に言うと、
蛹化の制御には複数のホルモンが関係していることが知られており前胸腺から分泌される脱皮ホルモン(エクジソン、エクダイソン)は脱皮を促進、このときアラタ体から分泌される幼若ホルモンが働かないと蛹化が起こります。小学生の頃、学校で蚕の幼虫を糸で縛って実験しましたね。

私の私論では、この幼若ホルモン分泌は摂餌、つまり幼虫時代の餌量環境とも密接に関係しているように思います。クワガタやカブトムシの場合は3齢が終齢、蝶の場合は5齢が通常です。でも飼育下のクワガタムシ幼虫は2齢で蛹化したであろう個体を何度も見ました。

実際、蝶の終齢幼虫に幼若ホルモンを注入すると脱皮しても蛹化しませんし、逆に弱齢幼虫からアラタ体を取り去ると、まだ終齢でないにもかかわらず次の脱皮で蛹化することはよく知られています。

静から動
全く動かなかった前蛹が、本日は激しく体をくねらせていました。すると・・・
アサギマダラ蛹化 (2)アサギマダラ蛹化
アサギマダラ蛹化 (3)
あっと言う間の劇的変化静から激動です。幼虫が行う5回目の脱皮、つまり蛹化は一枚の外皮を破ると全く違う形に変化する(変態)生命のメカニズム。神秘的ですね。そして輝く生命は只々美しく、いつも感動を与えてくれます。
アサギマダラ蛹化と脱皮
【アサギマダラ垂蛹】
蛹化したばかりのアサギマダラ、寄り添うように4齢幼虫が脱皮準備を始めました。
アサギマダラ蛹
アサギマダラの蛹、神秘的な美しさです。

アサギマダラ蛹 (3)