黄金の蛹
里山の紫陽花の葉で、金色に輝く蝶のサナギ(垂蛹)を見つけました。
まるで光の加減によってイスラム陶器のラスター彩が醸し出す、神秘的な色彩変化ラスター現象を見ているようです。
以前沖縄の蝶園で見たオオゴマダラの蛹も明るい黄色だったんですが、今回見つけた蛹は光の角度によっては、まさに黄金色に変化。対してオオゴマダラの蛹は古代エジプトの至宝、ツタンカーメン像を思わせる黄金色です。
【オオゴマダラとサナギ】
タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類されるオオゴマダラ。秋になると毎年ご紹介するアサギマダラも同亜科に属し似た形の蛹です。
【アサギマダラとサナギ】
蝶のサナギは大別して帯蛹と垂蛹に別れ、他にもセセリチョウやシジミチョウなどは、例外的にそれに属さない種もあります。蝶は完全変態昆虫、蛹というステージを経て、貯蓄形から移動力の優れた運動消費型へと変貌するんです。外見的には休止状態にあるサナギ、実は外殻の中では生態的に、最も目まぐるしく変化をする時期で、一部の器官を除き殆どの組織は溶けるように分解され、全く異なる形態に再編成されるのです。
【クワガタムシ蛹の蛹室】
ですから、多くの種においては蛹化に際しては繭や蛹室を形成し自らを保護、外部からの震動など刺激を受けると蛹は死に至る場合も多いのです。
さて、このように完全変態をする昆虫は、幼虫から蛹、成虫へと劇的に体型変化するわけですが、チョウの場合、慣れれば幼虫や蛹のステージで種名を識別することは可能です。多くの場合は体色や体型で識別できる他、幼虫の場合は食草でも推測できます。
ところが蛹になると、一概に食草上で蛹化するケースは少なく、食草から10m以上移動して蛹になる場合もあります。食草の葉上で蛹化すると後の幼虫に葉を食べられ落下する危険性もあるのです。
【ヒメアカタテハ】
そこで今日冒頭でご紹介の蝶の蛹。私はタテハチョウ科タテハチョウ亜科アカタテハ属のチョウ、もっと絞れば種名はヒメアカタテハVanessa cardui だと推測しています。
ヒメアカタテハの幼虫食草のひとつがヨモギ。このあたりには、どっさりあります。高知でのヒメアカタテハ越冬態は不定。つまりあらゆるステージで高知の冬が越せるのです。冬を控え蛹がどう変化していくのか、楽しみです。
ところが・・・
2日後の日が昇ったら、早くも羽化していました。はや
正体は『アカタテハ』、前翅の翅頂部が突出しています。これに対してヒメアカタテハのそれは丸みを帯び滑らかなんです。いずれにしても、成虫で越冬するタイプだったんですね。
【アカタテハ】
アカタテハ幼虫の主食草はイラクサ科のイラクサ、カラムシ、ヤブマオなど。これまた、このあたりには、どっさりあります。ということで、今回のタテハ蛹当てクイズは失敗に終わりました。
里山の紫陽花の葉で、金色に輝く蝶のサナギ(垂蛹)を見つけました。
まるで光の加減によってイスラム陶器のラスター彩が醸し出す、神秘的な色彩変化ラスター現象を見ているようです。
以前沖縄の蝶園で見たオオゴマダラの蛹も明るい黄色だったんですが、今回見つけた蛹は光の角度によっては、まさに黄金色に変化。対してオオゴマダラの蛹は古代エジプトの至宝、ツタンカーメン像を思わせる黄金色です。
【オオゴマダラとサナギ】
タテハチョウ科マダラチョウ亜科に分類されるオオゴマダラ。秋になると毎年ご紹介するアサギマダラも同亜科に属し似た形の蛹です。
【アサギマダラとサナギ】
蝶のサナギは大別して帯蛹と垂蛹に別れ、他にもセセリチョウやシジミチョウなどは、例外的にそれに属さない種もあります。蝶は完全変態昆虫、蛹というステージを経て、貯蓄形から移動力の優れた運動消費型へと変貌するんです。外見的には休止状態にあるサナギ、実は外殻の中では生態的に、最も目まぐるしく変化をする時期で、一部の器官を除き殆どの組織は溶けるように分解され、全く異なる形態に再編成されるのです。
【クワガタムシ蛹の蛹室】
ですから、多くの種においては蛹化に際しては繭や蛹室を形成し自らを保護、外部からの震動など刺激を受けると蛹は死に至る場合も多いのです。
さて、このように完全変態をする昆虫は、幼虫から蛹、成虫へと劇的に体型変化するわけですが、チョウの場合、慣れれば幼虫や蛹のステージで種名を識別することは可能です。多くの場合は体色や体型で識別できる他、幼虫の場合は食草でも推測できます。
ところが蛹になると、一概に食草上で蛹化するケースは少なく、食草から10m以上移動して蛹になる場合もあります。食草の葉上で蛹化すると後の幼虫に葉を食べられ落下する危険性もあるのです。
【ヒメアカタテハ】
そこで今日冒頭でご紹介の蝶の蛹。私はタテハチョウ科タテハチョウ亜科アカタテハ属のチョウ、もっと絞れば種名はヒメアカタテハVanessa cardui だと推測しています。
ヒメアカタテハの幼虫食草のひとつがヨモギ。このあたりには、どっさりあります。高知でのヒメアカタテハ越冬態は不定。つまりあらゆるステージで高知の冬が越せるのです。冬を控え蛹がどう変化していくのか、楽しみです。
ところが・・・
2日後の日が昇ったら、早くも羽化していました。はや
正体は『アカタテハ』、前翅の翅頂部が突出しています。これに対してヒメアカタテハのそれは丸みを帯び滑らかなんです。いずれにしても、成虫で越冬するタイプだったんですね。
【アカタテハ】
アカタテハ幼虫の主食草はイラクサ科のイラクサ、カラムシ、ヤブマオなど。これまた、このあたりには、どっさりあります。ということで、今回のタテハ蛹当てクイズは失敗に終わりました。
コメント
コメント一覧 (2)
それでは、完全変態昆虫において雌雄の識別はどのステージで判るかなんですが、成虫の雌雄形態が明らかに違う属種は蛹の形でわかります。一部の甲虫では生殖巣を透かし見ることで、終齢幼虫期に殆ど識別可能といわれています。
模様はシグナルで、天敵対応や同種の繁殖認識等目的を持っていますから、大雑把には統一性があり、地域変異、個体変異があります。