水の庭の飛び蜘蛛
モネの庭マルモッタンの水の庭で、睡蓮池の周りに生える木本を飛び猿の様に飛び移って行く蜘蛛を見つけました。
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1cm弱と小さい上に、20cmほどの距離を高速で飛びながら移動する蜘蛛。動きが速く写りません。

その飛び蜘蛛が止まった画像がこちら。
ヤハズハエトリ (2)












行動形態とこの角度から見た感じもハエ取りグモなのですが、別の角度で見ると、ずいぶんスマートなんですよ。
ヤハズハエトリ













日本では北海道から南西諸島の一部にまで広く分布するハエトリグモ科の矢筈蠅捕蜘蛛ヤハズハエトリMendoza elongata なのです。
ヤハズハエトリ (3)












この個体はオスで、黒地で腹部に青み掛かった灰色の横帯があります。メスはオスよりやや大きくずんぐりとして、茶色っぽい灰色で腹部に褐色の縦条が2本ある地味な色合いです。
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水田や河川に多いハエトリグモなのは、イネ科植物の葉上がお気に入りだから。そこで、飛んでくる昆虫を捕食するのです。

ちなみにヤハズ(矢筈)の語源は、矢の元端の弓弦を掛けるV字型の切れ込み部。でも実際はもっと広い部分を機能的にとらえた言葉で、その型はY字として捉えられているのです。それは筈とも言い、例えばお相撲の型でも親指と人差指を大きく開き腕の力を利用してY字形に相手の脇や胸に押し当て攻めることを『筈押し』というのもヤハズからきているのです。

相撲ファンならご存知のように、この筈押しは強力な攻めてのひとつで、相手を後退させるだけでなく組手では不利となる重心を高くさせ、しかもハマったハズは守る側が外し難い。これをハズに掛かるというんですね。

今場所、高知(安芸市)出身の栃煌山は調子よかったんで、ついつい相撲の話になってしまいました。
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細身のヤハズハエトリが身がまえた姿が、人にそれを印象させるのでしょうね。それに、この蜘蛛の場合は射った
矢のように、俊敏に飛ぶ特技もあるのです。