アマダイ属の最高峰を、家庭で如何に料理するか
大変格調高いでだしですが、単に家庭料理の話です。でも、ひと昔前までは家庭では絶対に手に入らなかった料亭食材『白甘鯛シロアマダイ)』が、再び入手出来たのです。しかも、自らが漁したのではなく、高知市内の河岸『弘化台の魚市場』で購入しました。
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シラカワといわれるシロアマダイ
国民総グルメ時代といわれた一時期は幻の中の幻と言われた高級魚たちが、近頃は稀にではあっても手に入るようになったのです。でもそれは強ち好ましい結果とも言えないのです。それらの資源量が豊かになった訳では無く、それらの高級店での需要が少なくなったとも言える訳ですから。
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8月のシラカワ
しかも、今回入手できた『しらかわ』ことシロアマダイは、数多の食通が認める日本料理の高級食材でありながら見事に旬は外しているのです。今回、購入価格は1,600円/一尾(570g)でした。

前回よりもリーズナブル価格で入手出来た訳は、旬を外していることと魚体が小さい事によるもの。前回のシラカワは、それは立派な一尾でしたから。
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さて、このシラカワをどう料理するかなんですが、前回は高知らしく姿寿司でしたから、今回は甘鯛ならではの伝統調理法に挑んでみたいと思います。

片身を若狭焼き、もう一方を昆布締めにしてみます、見様見真似の家庭料理で。
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初めての挑戦であり、しかも家庭料理レベルで語るのも憚られる事ですが、若狭焼き昆布締め、何れもがアマダイ属の食材特徴を調理法で余すところなく表現できる、日本料理を代表する理に適って優れた伝統調理法だと、文献を読んで驚きました。

食通の皆さまの中には、上品な甘味には優れていても水っぽくやや淡泊にも感じるアマダイ属、価格との兼ね合いも含めて考えた時、このアマダイ属の各魚種を食材としての最高ランクに評価する人ばかりでないのも事実であろうと思います。

でも、今回家庭で実際に食材に触れ、調理に挑戦することで気付いたことは数多くあったのですよ。

シラカワの若狭焼きに初挑戦
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若狭焼き』は鱗を挽かずに身をおろし、軽く塩を振って冷蔵庫へこのまま入れて丸一日、風干しにします。薄く柔らかい鱗を逆立てず、美しく焼き上げるためには身の水分を適度に抜くことが必要なのです。

次に『昆布締め』はウロコを挽いて、シラカワの柔らかく甘味のある皮目を残したまま、
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削ぐ様に切り揃えて昆布の上に並べ
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軽く塩を振って
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お好みの時間、圧をかけて冷蔵庫で寝かせます。
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昆布締めはシラカワでは初めてでも、他魚で何度も料理した経験はあります。

一日目の下拵えはここで終了です。

そして翌日。
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冷蔵庫で一日、風干しにした皮付き鱗付きのシラカワです。これを、日本酒・薄口醤油・味醂を調合した若狭地(わかさじ)を塗りながら焼き上げます。
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すると身はこんな焼き色に、鱗のついた皮目は香ばしい焼き目に変化していきます。

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シラカワの若狭焼き
盛り付けて、シラカワの若狭焼が完成です。

若狭焼は元来、若狭を代表する魚『グジ』と呼ばれる甘鯛(アマダイ)を使った、甘鯛の為の酒焼き料理。多くの魚で不要と考えられている鱗を残し、それがある事でより美味しく食べられるように幾つもの工夫を施した、味も見た目も更に香りにも優れた伝統の日本料理なのです。

グジの鱗、地域の民でなくても一度は食べてみるべき食材部位です。それを料理として完成させた若狭焼きもまた、実に優れた地域の産物を愛する地域発祥の伝統料理です。

シラカワの昆布締め
二品目はシラカワの昆布締め。実は私、アマダイ属を生で食べるのも初めてなのです。
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シラカワは十分に漬け込んでみました。
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こちらも盛り込んでいきます。
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シラカワの昆布締め
シラカワの昆布締め完成です。

実は、伝統の日本料理ではアマダイ属は鱗ごと焼くと聞いてはいましたが、今回それに従い調理したのも食べてみたのも初めてでした。

シラカワの鱗も薄さより生まれる柔らかさと、焼くことによって加味される香ばしさは、身の甘みと相まって、伝統料理でありながら私には新感覚で、圧倒的な個性を感じました。
初挑戦した若狭焼きは、実に奥深く味わい深い料理でした。