文化の日に現れた入内雀
11月3日の文化の日の日暮れ前、香南市岸本に広がる田園の電線。
ニュウナイスズメ











小野鳥の群れが止まっています。止まっているのは、スズメかカワラヒワだと思いカメラを向けて見ました。
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すると、その小野鳥はスズメ科スズメ属ではあるんですが、周年見られるスズメとは別種のニュウナイスズメ。夏には西日本では見られないスズメなのです。
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以前記事にしたニュウナイスズメ、スズメと違い雌雄の模様が明らかに違う、体表色彩表現で性的ニ型を現すスズメ種。スズメに似るのはオスの方で、メスはスズメを基準にしていうと雀らしくないのです。

入内雀(ニュウナイスズメ)が季節移動するようになった文化的な経緯
つまり、オスは雀らしい模様のニュウナイスズメなんですが、スズメに見られる頬の黒斑が無いことから、黒子の古名たるい雀、という意味でで斑無雀(ニュウナイスズメ
と漢字で書くのが一般的かと思えば、通常は入内雀と書くんですね。
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こちらの由来は、平安時代中期の歌人に発端を成す話になってしまいます。フムフム、文化の日らしく、一寸は文化的になって来たような・・・
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平安時代中期の貴族で歌人でもあった藤原実方(さねかた)は、宮中で他の歌人といざこざになって、相手に失礼な振舞いにおよび、今日の煌びやかな生活を奪われ陸奥守として東北に左遷、都に帰ることなく失意のまま亡くなったのです。

その後まもなく都の清涼殿たる内裏に1羽の雀が入り込み、食卓の飯を啄み全て平らげたとか。京に帰りたかった藤原実方の怨念が雀へと乗り移って内裏へ帰ってきたのだと噂になったのです。

これが入内雀の名前由来なのですが良くその生態を現しているのは事実。ニュウナイスズメは暖かくなると北日本へ行って繁殖し、稲穂が垂れる頃に西日本に移動してくるのです。繁殖地が東日本北部で、越冬地が西日本なんですね。

さらにニュウナイスズメの食性は雑食。しかしその摂食には季節的に偏りが見られ繁殖地では樹上で昆虫を盛んに捕食する農業益鳥的存在が、夏の終わりから秋にかけてはイネ科の未熟な種子などを啄む農業害鳥の要素が増すのです。
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野生動物の生態と人との関わりが、あんまり良く出来ているんで、これには後付け伝説とする意見もあるようですが、これに纏わる続きはまだあるそうで、興味があれば是非、左京区市原にある「雀寺」たる藤原氏所縁の勸學院へ行ってみてください。

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ところで、今日のニュウナイスズメの群れの中に、仲良く少数のスズメが混群していましたから、今では藤原実方の蟠りも解けているようですね。